怒れドモン! 恐怖のバトルロワイアル ◆/eRp96XsK.



ここは【B-4】のほぼ中央に位置する巨大な図書館。
どこぞの蔵書狂ならば思わずふらふらと入って行ってしまいそうな、そんな建物の中にその男はいた。
しかし彼はわざわざ本を読む為に図書館へ通うような勤勉な人間ではない。
仮に本人がそうだと言っても、赤いハチマキを頭に巻きつけ、同じ色のボロボロのマントを纏ったその姿では信用されないだろう。
彼は、かつて数多の強豪を打ち倒し第十三回ガンダムファイトで優勝したガンダムファイターにして、
人類の歴史を裏から支え続けた武道家集団シャッフル同盟の長、『キング・オブ・ハート』ドモン・カッシュその人である。


「……信じられん」
薄明るい非常灯のみが光源となっている図書館の中でドモンはそう呟いた。
確かにまともな精神状態では自分の置かれている状況が事実である等とは思えないだろう。
しかし、ドモンはそのような意図からその呟きを放ったのではない。
「あの男の変身、この場へのワープ……どれも現在の技術では実現不可能なものばかりの筈だ」
そう、ドモンが信じられぬと呟いた対象はあの部屋で見せ付けられた数々の超現象だ。
何の変哲もない男がクリスタルを掲げ、光に包まれたと思えば全身に鎧を纏ったかのような異形と化し、
圧倒的な破壊力を持つのであろう破壊光線を撃ち放った。それだけでも十分に驚愕に値する事だが、
あの螺旋王と名乗った初老の男はそれを防ぎ、更にドモンを初めとする複数の人間をこの殺し合いの会場までワープさせてみせた。
最早魔法と言っても差し支えの無いほどに高い技術レベルを誇る未来世紀の世ですら、そのような技術は開発されていない。
(……だが)
そう、だがひょっとすれば世界の誰も知らない闇の中で、そのような技術を開発した者が居るのかもしれない。
事実、ネオジャパンで彼の父が開発していたアルティメットガンダムもまた、とても信じられぬ超技術の塊だったのだ。
では、もしあの男や螺旋王が秘密裏にそのような技術の開発に成功した人間、或いは組織のメンバーだと考えるなら……。
「……だとするなら、捨て置けん。あのような超技術を操り、
 そしてそれを殺し合いのゲームなどという下らんものに使う悪党を野放しにする事は出来ん」
例えそうでなくとも、複数の人間を拉致監禁し、挙句殺し合え等と言う悪党を見逃すつもりは無い。
となれば一刻も早くこの地を抜け出し、螺旋王を打ち倒さなければならない。
そう結論を出し、ひとまずこの図書館から出て行こうとドモンが足を動かした、正にその時。
ドモンの後方の本棚が――正確にはその中の本が――崩れてきた。



「……ッ!」
咄嗟にドモンはそちらを振り返り、身構える。
……が、次の瞬間ドモンが見たものは本の山の上で寝転がり、「うにゃ~?」等と声を上げる子供の姿であった。


 「……?? ここは何処でしょ~?」
その子供がキョロキョロと周囲を見渡しながらそう言い放つ。
しかし、視線の定まらないこの子供の様子を見る限りそれはどうやら目の前のドモンに問いかけているのではなく、
独り言のようなものらしい。その様子に多少呆れながら、ドモンは子供の質問に答えてやる。
「……ここは見ての通り図書館だ。それよりもお前、名は何というんだ?」
「んにゃ? エドはエドだよー」


 エドと名乗ったこの子供、ボサボサの髪は赤茶色で、肌は浅黒い。歳は精精十代の前半だろう。
着ている服はよれよれの白いTシャツ一枚と、黒いスパッツのみ。何とも貧相な格好である。
「ふむ、エド……か。しかしお前、何故またこんな所から出てきたんだ?」
御尤もな疑問である。状況から考えるに、エドはあの本棚の中から本を押し分けて飛び出てきたことになる。
仮にそうだとするなら、一体どうやって本棚の中の本を片付けることなく本棚の中に入り込んだのか。
「えぇー…………エドはビバップ号でアインと一緒に寝てたんだけど、起きたらこんなトコに居ましたー」
上に伸ばした右手をぷらぷらさせながら答えるエド。うん、元気でよろしい。
アインやビバップ号というのが何なのかは分からないが、おそらくエドは今の今まで眠り続けていた、という事なのだろう。
つまりあの空間から居眠りしたままの状態でワープさせられ、いきなり本棚の中にすっ飛ばされたというワケだ。
それだけ聞くと、何とも間抜けな話である。しかし、その話を聞いてドモンは沸々と怒りをたぎらせていた。
「エド、ひとつ聞きたい……お前は自分が今、どのような状況に陥ってるか分かっているか?」
「ん? ん~~~~」
首を捻り唸るエドだが、やがて返ってくる答えは「分かんにゃ~い」というもの。
そのエドの答えによって、ドモンの怒りは密かに沸点を超えた。無論、怒りの矛先は眼前の子供へ向いてはいない。
その矛先が向かうのはこのゲームを仕組み、このような何も分からぬ子供までもを巻き込んだ螺旋王、そして……自分自身だ。


 (螺旋王とやらがこの世のものとは思えない超技術を持っている……? だからどうしたというんだ!
 そんな事はどうでもいい! 今確かにある現実は、目の前のエドのように多くの人々がこのゲームに巻き込まれているという事!
 だというのに俺は奴らの技術に驚き呑まれ、このような場所で時間を空費していた!
 今、この時にも無残に殺される罪無き者や、恐怖のあまり外道に堕ちてしまう者が居るかもしれないというのに!!)
だとするならば、今自分が成すべき事は何か? ……考えるまでも無い。
(この殺し合いのゲームの中、自衛の為に武器を取る者はいても、望んで殺し合いをするような者はそう居ない筈だ……。
 ならば、そのような者達が道を踏み外させないためにも、弱者を保護し、守り抜かねばならん……!
 シャッフル同盟のキング・オブ・ハートとして!!)


 ちなみにドモンが一人黙考していた際、エドは「ところでお名前なーんでーすか~」と聞いてみても返事が無かったので、
周囲を見渡したり、本を摘み上げたり、上半身をぐにゃぐにゃさせる妙な踊りを踊ったりして暇をつぶしていた。
……が、突然ドモンに首根っこを引っ掴まれ、そのまま担ぎ上げられた事により、その踊りは中断させられる。
「にゃ?」
「兎も角、善は急げだ……エド! 俺の名はドモン・カッシュ! ネオジャパンのガンダムファイターだ!!
 今、お前が……いや、俺たちがどのような状況に巻き込まれているかはこれからの道中で説明する!
 少々揺れるかもしれんが我慢しろよっ!」
そう叫ぶや否や、ドモンはエドを担いだまま、疾風の如き速さで走り出す。
ほんの数秒で図書館の外へと飛び出し、そのまま道沿いに走り続ける。


「うひゃおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉ~~っ!」
「待っていろ螺旋王……! 俺は必ずやこの殺し合いを阻止し、貴様を倒す! キング・オブ・ハートの名にかけてぇっ!!」












『さて皆さん、皆さんはバトルロワイアルというものをご存知でしょうか。
 バトルロワイアル。それは即ち、殺し合い、殺し合い、最後の一人となるまで殺し合い抜く、恐怖のゲームです。
 そしてそんな殺し合いの場へと我々もよく知る一人の青年が召還されます――そう、「キング・オブ・ハート」ドモン・カッシュ!
 果たしてドモンは、この恐怖のゲームの中、どのような人々と出会い、心を通わせ、拳を重ね合わせるのでしょうか!?
 そして…………自らのよく知る二人の漢、
 今は亡き人となった筈の二人の漢の存在を知った時、ドモンは一体どうするというのでしょうか!?
 さぁ、それではいよいよ始まります!!
 ガンダムファイト特別編! アニメキャラ・バトルロワイアル2nd!! レディィィーッ! ゴォーーッ!!』


【C-4/図書館付近/1日目/深夜】
【ドモン・カッシュ@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:健康。疾走中。
[装備]:支給品一式(ランダム支給品は後続の書き手さんにお任せ)
[道具]:なし
[思考]
基本:他の参加者と共にバトルロワイアルを阻止し、螺旋王をヒートエンド
1:他の参加者を探しつつ、エドに現状を説明する。
2:弱者や、望まずゲームに乗っている人間を(場合によっては拳で)説き伏せ、保護する。
3:喜んで自らゲームに乗るような者は容赦なく鉄拳制裁。
 ※本編終了後からの参戦。
 ※参加者名簿に目を通していません。


【エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世@カウボーイビバップ】
[状態]:健康。ドモンに担がれている。
[装備]:支給品一式(ランダム支給品は後続の書き手さんにお任せ)
[道具]:なし
[思考]
1:ドモンの疾走のスピードに大喜び中。
 ※OP中爆睡していたため、自分の置かれた状況を把握していません。


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ドモン・カッシュ 054:転換
エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世 054:転換





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