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**とあるラピュタの同性交流 ◆UCRiZtpozI
リュシータ・トエル・ウル・ラピュタは逃げていた。
突然に狂乱したマオから逃げていた。
ただ訳も分からず逃げていた。
エドの左手を右手で握りながら逃げることしかできなかった。
永遠とも思えるような距離を、エドと共に走ることしか出来なかった。
だが、その永遠とも思えるような距離を走り続けるのに限界がきた。
いくら山育ちで同年齢の少女よりも足腰が強いとはいえ、
両足に蓄積された疲労は彼女に限界を訴えかけるのに充分であり、着込んだ鎧は体力を容易に奪った。
疲労により足を止めたシータは手ごろな電柱に左手を付き、腰を僅かに落としながら無意識的に息を整え始める。
いったい何が起こったのか?
ある程度落ち着き、冷静になりつつある彼女の頭はそれを考えた。
まず、図書館の手前まで自分とマオはやってきた。そこで放送が起こり自分とマオは彼らの死を悲しんだ。
そこまでは良かった。その後が問題であった。突然現れた子供を見たとたん、マオの様子がおかしくなったのだ。
そうだ。その子供はいったいどうしたのだろうか?
たしか手を握ったままここまで連れてきたはずだ。
シータはそうぼんやりと考えながら背後に振り向く。そこには赤毛の少年がいるはずであった。
「そんな!?」
目を見開き驚く。辺りには少年どころか誰もいなかった。
途中で逸れてしまったのだろうか? それともマオのいる場所に置いてきてしまったのだろうか?
どちらにしても今すぐ探さなければいけない。
あのような子供が観覧車の側で見た亡骸と同じものになってほしくない。
また悲しい思いをしたくない。後悔の念がシータの心に満たされる。
「バァ~!」
「キャア!?」
が、そんなシータの思いを裏切るかのように、真上から逆さまとなった少年の顔が降ってきた。
予想すらできなかった展開に驚き、シータは思わず尻餅をついてしまう。
見上げると、何時の間にか電柱に片足を引っ掛けながらぶらと振り子のように揺れているエドの姿が見える。
「あ、あぶないから早く降りなさい!」
シータは叫ぶ。片足一本で飛び出ている杭に引っ掛っている体勢は非常に危険に見える。
いや、実際に危険だ。別段高いというわけでもないが、それでも頭を下手にぶつけてしまえば怪我ではすまないかもしれない。
早く降ろさなければ。
「分かった~」
が、自分の心配など他所に簡単に体勢を立て直すと、エドは宙返りで電柱から降り、鮮やかに着地した。
まるで猿のようだ。なんとなくではあるが、ただ立っているだけでも猿のようにどこか安定していない。
「ありがとう」
突然ペコリと頭を下げられた。いったい何のことだろうか?
「おねえさん、よく分からないけどあのお兄さんから助けてくれたでしょう」
こちらが疑問に思う前に、にっこりと笑顔で答えを告げられる。
ああ、そうだった。自分はマオに襲われていたこの少年を連れて逃げ出したのだ。
けれど自分は御礼を言われるべき立場ではないと思う。
なぜなら、この子を襲ったマオは自分の仲間なのだから。
「ううん。御礼を言わなきゃいけないのこっち。ありがとうエド」
それに少年を助けて救われたのは自分だ。
なんとなくではあるが、この少年とのやりとりで心が落ち着いた気がする。
この少年を守れて、自分というものを少しだけ取り戻せたような気もする。
この少年の笑顔を見ていると、自分の中にあった黒いものが少しだけ消えたような気がする。
だから助かったのは自分の方だ。自分のことを心配してくれている少年に助けられたのだ。
「んにゃ? よく分かんないからもう一回ありがとう」
再び無邪気に笑う。本当に助けてよかったと思えるような笑みだ。
「フフ」
こちらもにっこりと微笑み返す。
すると少年は笑いながら横に飛び跳ね、半回転してこちらを向く。
「にひ~」
あいかわらずの無邪気な笑みを浮かべると、後ろへと振り向きそのまま歩みだす。
おそらくは付いて来いということなのだろう。
無論、あの少年と離れるつもりなどない以上は後を追わなければいけない。
だが、ここで一つだけ問題がある。
それはこの鎧を脱ぐべきか着ておくべきかということだ。
着たままであれば襲われても多少の痛みぐらいでなんとかなるかもしれない。
が、それでは足が鈍くなり逃げ切ることは困難だ。
逆に脱げば足は速くなるが、襲われれば自分の体など容易く切り裂かれるだろう。
「おねちゃん、早く早く~!」
シータはエドに催促されると、考えるのを止める。
鎧のことは歩きながら考えればいい、と結論付けるとエドの後を追う。
幸い、エドの向かおうとしている方向は自分たちが逃げてきた道ではない。
ゆっくり考えればいい。鎧のことも、パズー達のことも、マオの事も、これからの事も。
【A-4/一日目/午前】
【エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世@カウボーイビバップ】
[状態]:疲労、強い使命感
[装備]:アンディの帽子とスカーフ
[道具]:
[思考]
1:当てもなくどこかにいく(マオがいた方向ではない)
2:アンチシズマ管を探す。
【シータ@天空の城ラピュタ】
[状態]:疲労、迷い、若干自暴自棄、右肩に痺れる様な痛み(動かす分には問題無し)
[装備]:日出処の戦士の鎧@王ドロボウJING
[道具]:
[思考]
1:エドに付いて行く
2:マオから離れ、エドを守る
3:マオに激しい疑心
4:重い鎧を脱ごうか、着たままか考えたい。
[備考]
マオの指摘によって、パズーやドーラと再会するのを躊躇しています。
ただし、洗脳されてるわけではありません。強い説得があれば考え直すと思われます。
※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。
※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。
※エドのことを男の子だと勘違いしています。
*時系列順で読む
Back:[[金ぴかと本と熱血格闘家とあたし]] Next:[[螺旋博物館Ⅱ]]
*投下順で読む
Back:[[スパイラルメロディーズ]] Next:[[悪魔(デビル)が哭く夜! 復活のデビルマスタング]]
|115:[[ジャミング・ウィズ・エドワード]]|エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世|159:[[そして私のおそれはつのる]]|
|115:[[ジャミング・ウィズ・エドワード]]|シータ|159:[[そして私のおそれはつのる]]|
**とあるラピュタの同性交流 ◆UCRiZtpozI
リュシータ・トエル・ウル・ラピュタは逃げていた。
突然に狂乱したマオから逃げていた。
ただ訳も分からず逃げていた。
エドの左手を右手で握りながら逃げることしかできなかった。
永遠とも思えるような距離を、エドと共に走ることしか出来なかった。
だが、その永遠とも思えるような距離を走り続けるのに限界がきた。
いくら山育ちで同年齢の少女よりも足腰が強いとはいえ、
両足に蓄積された疲労は彼女に限界を訴えかけるのに充分であり、着込んだ鎧は体力を容易に奪った。
疲労により足を止めたシータは手ごろな電柱に左手を付き、腰を僅かに落としながら無意識的に息を整え始める。
いったい何が起こったのか?
ある程度落ち着き、冷静になりつつある彼女の頭はそれを考えた。
まず、図書館の手前まで自分とマオはやってきた。そこで放送が起こり自分とマオは彼らの死を悲しんだ。
そこまでは良かった。その後が問題であった。突然現れた子供を見たとたん、マオの様子がおかしくなったのだ。
そうだ。その子供はいったいどうしたのだろうか?
たしか手を握ったままここまで連れてきたはずだ。
シータはそうぼんやりと考えながら背後に振り向く。そこには赤毛の少年がいるはずであった。
「そんな!?」
目を見開き驚く。辺りには少年どころか誰もいなかった。
途中で逸れてしまったのだろうか? それともマオのいる場所に置いてきてしまったのだろうか?
どちらにしても今すぐ探さなければいけない。
あのような子供が観覧車の側で見た亡骸と同じものになってほしくない。
また悲しい思いをしたくない。後悔の念がシータの心に満たされる。
「バァ~!」
「キャア!?」
が、そんなシータの思いを裏切るかのように、真上から逆さまとなった少年の顔が降ってきた。
予想すらできなかった展開に驚き、シータは思わず尻餅をついてしまう。
見上げると、何時の間にか電柱に片足を引っ掛けながらぶらと振り子のように揺れているエドの姿が見える。
「あ、あぶないから早く降りなさい!」
シータは叫ぶ。片足一本で飛び出ている杭に引っ掛っている体勢は非常に危険に見える。
いや、実際に危険だ。別段高いというわけでもないが、それでも頭を下手にぶつけてしまえば怪我ではすまないかもしれない。
早く降ろさなければ。
「分かった~」
が、自分の心配など他所に簡単に体勢を立て直すと、エドは宙返りで電柱から降り、鮮やかに着地した。
まるで猿のようだ。なんとなくではあるが、ただ立っているだけでも猿のようにどこか安定していない。
「ありがとう」
突然ペコリと頭を下げられた。いったい何のことだろうか?
「おねえさん、よく分からないけどあのお兄さんから助けてくれたでしょう」
こちらが疑問に思う前に、にっこりと笑顔で答えを告げられる。
ああ、そうだった。自分はマオに襲われていたこの少年を連れて逃げ出したのだ。
けれど自分は御礼を言われるべき立場ではないと思う。
なぜなら、この子を襲ったマオは自分の仲間なのだから。
「ううん。御礼を言わなきゃいけないのこっち。ありがとうエド」
それに少年を助けて救われたのは自分だ。
なんとなくではあるが、この少年とのやりとりで心が落ち着いた気がする。
この少年を守れて、自分というものを少しだけ取り戻せたような気もする。
この少年の笑顔を見ていると、自分の中にあった黒いものが少しだけ消えたような気がする。
だから助かったのは自分の方だ。自分のことを心配してくれている少年に助けられたのだ。
「んにゃ? よく分かんないからもう一回ありがとう」
再び無邪気に笑う。本当に助けてよかったと思えるような笑みだ。
「フフ」
こちらもにっこりと微笑み返す。
すると少年は笑いながら横に飛び跳ね、半回転してこちらを向く。
「にひ~」
あいかわらずの無邪気な笑みを浮かべると、後ろへと振り向きそのまま歩みだす。
おそらくは付いて来いということなのだろう。
無論、あの少年と離れるつもりなどない以上は後を追わなければいけない。
だが、ここで一つだけ問題がある。
それはこの鎧を脱ぐべきか着ておくべきかということだ。
着たままであれば襲われても多少の痛みぐらいでなんとかなるかもしれない。
が、それでは足が鈍くなり逃げ切ることは困難だ。
逆に脱げば足は速くなるが、襲われれば自分の体など容易く切り裂かれるだろう。
「おねえさん、早く早く~!」
シータはエドに催促されると、考えるのを止める。
鎧のことは歩きながら考えればいい、と結論付けるとエドの後を追う。
幸い、エドの向かおうとしている方向は自分たちが逃げてきた道ではない。
ゆっくり考えればいい。鎧のことも、パズー達のことも、マオの事も、これからの事も。
【A-4/一日目/午前】
【エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世@カウボーイビバップ】
[状態]:疲労、強い使命感
[装備]:アンディの帽子とスカーフ
[道具]:
[思考]
1:当てもなくどこかにいく(マオがいた方向ではない)
2:アンチシズマ管を探す。
【シータ@天空の城ラピュタ】
[状態]:疲労、迷い、若干自暴自棄、右肩に痺れる様な痛み(動かす分には問題無し)
[装備]:日出処の戦士の鎧@王ドロボウJING
[道具]:
[思考]
1:エドに付いて行く
2:マオから離れ、エドを守る
3:マオに激しい疑心
4:重い鎧を脱ごうか、着たままか考えたい。
[備考]
マオの指摘によって、パズーやドーラと再会するのを躊躇しています。
ただし、洗脳されてるわけではありません。強い説得があれば考え直すと思われます。
※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。
※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。
※エドのことを男の子だと勘違いしています。
*時系列順で読む
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