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続・冷たい雨

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匿名ユーザー

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私は、何か違う話題に変えないと…
と、焦りながら重なっていた手をさっと、髪を拭いていたタオルに戻し、

「どうしてタオル、入ってたんですか?」と聞いた。

「これから、ジムに行くところだったから」と浩市。

確かに、ボタンが2つ外された白いシャツから少し見える胸元が、
鍛えられてる身体の様な…
って私は何を考えているんだろう。

「遅い時間でも空き時間があれば行かれるんですね?すごいなぁ」と言うと

「でも、そのおかげで今夜会えたよね?(ニヤリ」

その顔でそのセリフやめてほしい…
違う男が言ったらすごく安っぽいのに…
話を変えようとしても、気持を切り替えようとしても

もう無理だよ…助けて…

「今夜はここで一緒に過ごそうか?」

浩市が、どこまで本気なのかわからない…

私は冗談めかして、
「いいんですか?そんなこと~?」と言うと、
まもなく、車は止まって浩市は車から降り、助手席のドアが開いた。

「どうぞ、奥様(ニヤリ」

奥様?!指輪してるの、いつ見たんだろう…

私はうながされるまま、車を降りて浩市の後につづき、
ホテルのフロントの前で止まった。
そこは、特別飾られてるわけでもなく、ごく普通のホテル。
こんな遅い時間じゃ、宿泊者も誰もフロントにはいない。
チェックインすら映画のワンシーンを見ているようだった。

部屋の前に着き、また浩市がドアを開ける。

目で、中にどうぞ。と合図される。
中は薄暗く、ベッドとテーブルだけがあるようなシンプルな部屋だった。

「まずは、シャワーでも浴びて着替えたら?」

浩市はベッドに座わった。
そうだ、私は雨に濡れていたんだ。
そんな事より今の状況が凄すぎて忘れていた・・・

「はい…」と言ってホテルにあった浴衣を持ち、シャワールームに向かった。
浩市の前で入るのも気恥ずかしいけど、このままでもいられない。
なるべく早く出ようと思いながら、熱めのシャワーを一気に浴びた。

私がシャワールームから出ると浩市はふいに腕時計を外した。
何かが始まりそうな予感がした…

「俺もシャワー、浴びてくるわ」

私は急に怖くなった。わかってなかった状況ではないのに…
私は、急いで浩市の前に立ち、

「こうゆうことって、良くあるんですか?」と唐突に聞いた。

「こうゆうことって?」

「だから、こうして知らない人とこうゆうふうに…」

「さぁ、どうかな(ニヤリ」と、浩市は更に私に近付いた。

思わず私は後退り、

「そうですよね、きっとおモテになるでしょうし…
でも、いいんですか?バレたら大変じゃないですか?」

「さぁ、どうかな(ニヤリ」と言ってまた一歩、私に近づく。

浩市の目力にどんどん押されて、私は一歩一歩後ろに下がるしかできない。

「やっぱり私、家に…」と言った時、

『ドン!』と私の背中にドアが当たった。
もう、後ろには下がれない。

「帰りたいのか…?」

そんな顔でそんなこと言われたら…

私の目の前に立ち止まった浩市は、私の左手を持ち上げドアに押しあてた。

「こいつが邪魔だな…」

そういって私の薬指から指輪と抜き取り、自分の左手の小指にはめた。

「預かっておくよ(ニヤリ」

そう言って、私の首筋から胸の間を浩市の長い指先が通りぬけた。
もう、指輪が人質になってこのまま帰れないし、
どうにかなりそうだったし、どうにでもなっていいと思った。
私は全身の力が抜け、その場に座りこんだ。

この男の色気と迫力に押されたら美咲も棒になるな…と
余計な事が、ふと頭をよぎった…

立ちあがれない私を、優しくお姫様抱っこでベッドに連れていってくれる浩市。
ベッドに横になった私に優しいキスをしてくれた。
さっきの怖い気持ちが溶けていくようだった。

すべてを包み込むような優しさと私を求めている激しいキス。
絡み合う舌先でそれがよくわかる。

「待って…シャワーは…?」と私が焦ると、

「俺…もう待てねぇんだよな~。最初に入らせてくれなかったのは誰だ?」

はい、私です…心のなかで思いながら、浩市を受けとめた。

ホテルに備えつけられてるような浴衣の帯じゃ、
簡単に胸元も足元もはだけてしまう。

男らしい、けど長くて繊細な指先が私の敏感なところを
全て愛してくれている。
耳元に熱い吐息を感じて、首筋から胸元へ…
それから腰を滑らかに通り過ぎ、内側の太股に足の指先まで…
しつこいほど愛撫が繰り返えされている。
私は、抑えているものすべてが溢れだしてしまう。

「がまんできない…」

「するなよ(ニヤリ」

「でも…恥ずかしいし…」

「俺も一緒だから(ニヤリ」

時折、合う目が異常にやさしくて吸い込まれた。
何度、雲の上にイッタだろうか…
その度に優しく頭を撫でキスをしてくれる…

浩市は私を抱き寄せ、そのまま後ろへ倒れた。
小市をより深く感じる。

「好きにしろよ」

「でも、私…あまりうまくないから…」

浩市はそっと私の腰に手をあてて動きを促す。
浩市が激しく揺れるたびに、どんどん淫らになっていく。
私はたまらず、浩市の胸に倒れこんだ。

「もうダメ?(ニヤリ」

「壊れそうです…」

「そんな顔してた(ニヤリ」

顔か火が出そうなくらい恥ずかしくなった。

「顔なんて見ないでください!」と思わず浩市の肩を叩く。

「綺麗だよ…」

ズルい、もうズルすぎる…

「さあ、もっと綺麗になれるよ(ニヤリ」

そう言って、さっと浩市は上になりまた強く愛し始めた…

イキついた私達は、深くベッドに体を預けた。
抑えることのできない荒い息と、止めることのできない身体の痙攣に、
浩市は優しく抱きしめてくれた。
やっとの思いで浩市の顔を見ると、
薄暗い中で彼の唇がキラキラと光っていた。

「グロス…」と言って思わず唇をなぞった。

「可愛いか(ニヤリ」

その顔が本当に可愛い過ぎて、幸せ過ぎて・・・
私は、そのまま深い眠りについてしまった。

私が目覚めたのは、翌日のAM11:00頃だった。
昼近くになれば、閉めきったカーテンからも眩しい光が差し込む。

「はっ!」と思いベッドから体を起こすと、

隣にいたはずの浩市の姿はなく、
代わりに私の指輪が枕の上に置いてあった。
急に胸が締め付けられる刹那が襲ってきたが、
昨夜の情事は事実だという証でもある。

ベッドから出て鏡の前に立った。
ふいに下を見ると、見慣れないショップの紙袋が置いてあった。
「何、これ?」と思わず口に出し、中を見ると
黒いワンピースと靴。下着まで入っていた。

「あっ!」と思い、シャワールームに行くと、
まだ乾ききらない私の服があった。
これを見て浩市は私に用意してくれたのだろうか…
しかも下着のサイズまで見られて…

一人恥ずかしくなった。

私は、乾ききっていない自分の服を着て、その部屋を後にした。
フロントに行き、部屋番号を告げると、
「お代は頂いております」と言われた。

ホテルから出ると、昨日の雨が嘘のように綺麗な青空が広がっている。
ふいにバックの中に入っている携帯を見ると、
主人からの着信履歴でいっぱいになっていた。
なんて主人に話そうか…そう思いながらふと発信履歴をみると、
見慣れない携帯番号が一件入っていた。

発信時間は今朝の8時38分。
私がかけれるはずがない。

誰が?

もしかして浩市?

でも自分の携帯を持っているはずだし、
わざわざ私のを使う意味がわからない…
良くはわからないが、とにかく私は家に帰る為の
言い訳を考えなければならない。

タクシーを止めて、車中で言い訳を考ながら家路に向かった…

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