お題
超斧伝説AX-Men

れびゅう
斧を使う超戦士たちの正義と笑いの物語。

登場きゃら
  • 主にFE

ストーリー
  • 長所
行き当たりばったりに見えるが、台詞を良く吟味してあり読みやすくて楽しめる。
また、キャラの心の声が正に原作プレイヤーの心を代弁してくれている。
キャラが壊れている傾向にあるが、原作からプレイヤーが想像する範疇を逸脱していない為、すんなり会話にのめり込める。
  • 短所
長い台詞の表示を2回以上に分けているのは良いが、ウインドウ一杯まで表示されると流石に読みにくい。
長文は次のウインドウに分けて表示した方が見栄えが良かったと思う。
また、殆ど一画面上で長い会話が行われることも多く、人によっては少しだれる。
俺的にはそれでも十分熱かったが。

戦闘
  • 長所
戦闘も笑える。
ザコも全員違うキャラの顔があるのは新鮮。
吹属性を戦闘の中心に置いたことで、敵を吹き飛ばしまくる爽快感と斧の豪快さを感じさせてくれる。
戦闘バランス自体は難しくないが油断すると落ちるという、バランスの良い難易度。
また、インターミッションでのシステム売買と装備交換で特殊な技が使えるようになるのは、味方があまり変わらない戦闘の単調さを抑えている。
  • 短所
アイテム売買の画面が慣れないと使い難い。
普通に対話式の方がプレイヤーには優しかったかもしれない。

最後までクリアーしてないのは時間が取れないから。
面白さで言ったら、即日全面クリアーしたいのに…・゜・(ノД`)・゜・




半月かけてついにクリア。
このセンスを受け継ぎたいとか真剣に考えさせられました。

※断言するぐらいネタバレがあります。ご注意ください

「超斧伝説AX-MEN」
過去のシナリオグランプリで、コメディ部門一位を勝ち取った作品。
もはやタイトルからしてトンだセンスを感じさせるが中身の方も…
ごめんなさい、俺自身の予想をいい意味で裏切りまくってました。

  • グラフィック、演出
独自の描き下ろしは存在しないが、やたら色あせぬ斬新さを感じさせて
くれた、というのが第一印象。その主な要因は、
ギャグに片足突っ込んでいるという立場を活かして、派手な振動とかの
演出とか、文字を自在に操る演出とか、というか文字についてもタグや
フォントの変化によって、ただの文字演出に終わらず、見てて彩りや
インパクトを生み出している、と思う。文字演出以外でも、AX-MEN達の
名乗りシーンにおける戦隊ばりの爆発演出とか、第三話の32アイコンを
活用した(と思われる)ギャグシーン演出なども、多分見所。

  • 独自システム
クリアレベル90ぐらいでも通用してしまった独自基準に加え、
システムも独自。味方の絶対数の少なさを、ユニットの差別化でなく、
カスタマイズの自由度の高さで補っている模様だ。
しかしこの独自システムですら、作品で表現したいコトの踏み台にして
しまっていると思った。なにせ、いろいろな種類の武器に対して…
斧が「世界最強の武器」と言われるほどに優位性を保っているのだ。
その斧を扱うためには「斧戦士」技能のレベルが高くなって、使い手の
命中が上がらなければ扱いこなせない。そんな恐るべき「斧」を
どんどん使い慣れていくのを、マチス・カシム・ジュリアンの成長と
共に、プレイヤーに実感させていく設計…これは作者の狙いか?

アイテム売買は、最終的に金は余る仕様なので後半はアクセサリ装備で
人によっては悩めるかもしれない。迷ったら魔導書を買えば、間違い
はないようだが。売買の画面は確かに慣れが必要で、重く、見落とし
等もありうるかもしれない。性能解説・個数確認は有難いのだが…

  • キャラクター
そもそもギャグシナリオと明言されているので、それにあわせる形で
キャラもいろいろと壊れているのだが、大体は予想できる壊れ方で、
一部は自分の予想を上回る壊れっぷりを見せつけられた。もうね、
思い出しただけで突っ込んだり笑いがこみ上げたりします。

劇中負けはあれど、原作範囲からすればオーバーな超人バーツ様。
こっちの心情にシンクロし、時に爽快感を生み出すサジ様・マジ様。
慣れると、この非道っぷりがクセになる聖女?、レナ様とニーナ様。
そして気がついたら独自領域を展開してるエリス様…ここまでは、
なんか予想の範囲内(AX-MENは怪しい)の壊れ方を感じさせたものの、
それ以外はもう俺のカオスセンサーとか常識カウンターを越えた。

マチス・カシム・ジュリアンは言動やポジションこそ見てて同情と
笑いを提供するヘタれた雰囲気だったが、14話あたりのイベントで
とんでもないことになったのは予想外! さらに、FC版からは、
ダロスが参戦するのだが、彼が斧は斧でもどう見ても別世界な代物、
「アクスカリバー」を振るいだしたあたりは、もう俺の想像できない
世界に突撃してしまったような気がした。いや、Fateネタは解るが、
まさか二種類の素材をこう取り扱うとかには至らなかったので…w

脇役も脇役で、ところによりぶっ飛んでいる。敵の多くについては
後述するが、劇中でネームドな活躍を見せたキャラの大半は第一に…
ウケを狙ってて、それがほぼ全部自分に直撃したのだから印象的。
世界観はFEなのに、死鬼隊とか、ゴルド=バゴルドとかゼゼーナンとか
どう見てもガンパレなキャラとかマクトミンとかが出てくる度に、
「あんた一体ナニやってんですか!?」と笑いつつ突っ込みを入れたり
時にはPC前から派手に仰け反ったりさせてもらったものである。
しかも出るだけでなく想像できるキャラを演じたりしてくれる、いわば
「主に立場が激しく壊れている」タイプのため、いわばギャップ萌えの
人や、このキャラを放り込んでありのままが慌てたり壊れたりする様を
傍から楽しみたい、という方にはかなりお奨めできるのではないかと…

敢えて言おう、カオスであると。

  • シナリオ
ここにおいても、只のギャグシナリオでは収まらず自分の予想を遥かに
上回っていた、と最初に記しておく。全体の流れはノリ中心なのだが、
不思議と、プレイヤー視点を大事にしている感じが漂っており、
表示限界とかの関係で非常に長い台詞がウィンドウ全体に詰まってて
読みにくいということはあれど、それ以外はかなり良質。
キャラの心情はプレイヤーの精神を代弁したりシンクロしたりしやすい
ように展開されるし、台詞も吟味されてて、無駄さや鼻についた感じや
もうちょいハッキリしろやみたいな雰囲気をほぼ感じさせない出来だ。
中身に関しても、原作からの逸脱さを第一に感じさせず、どこかそのまま
出演してきたような感じで…何て言うんだろう、フレンドリー的崩壊?
崩壊していて「何か違う」を感じさせないのは、評価に値するというか
弟子入り・模倣・後継とかを考えたくなる路線である。

そんな中で行われる話の展開ぶりは、衝撃と笑いと燃えを3つ一辺に
プレイヤーにプレゼントしてくれるものだった、言い切ってみる。
立場おかしいのにキャラがキャラたる根本がまともなのが生み出す、
カオスな空気とか、ところどころで不意打ちのように襲い掛かる、
超斧戦士たちのダイナミックすぎる行動とか(演出も楽しめるよ!!)、
アチャーな事態に、シナリオ中で歴史改変のノリで挑めるという、
なんか予想も何もできなかった展開とか、主筋だけでもぶっ飛んでる。
横ではマチス・カシム・ジュリアンの三馬鹿ぶりや親密さが第一に
浮かんでしまうヘタレさや、結構いろいろなところから引用されてる
パロディネタなどが待機しており、見てて飽きるとかそんな気、せず。
(少年漫画系で著名なネタを大まかに調べて知っておくと尚良い筈)

むちゃくちゃだが、それに伴う爽快感もかなりのものという構成。
なんだろう、良質の版権カオスゲーならではの味わいを満喫できます。
酔った感じも、プレイヤーを置いてけぼりにした感じもないせいか。
予想の範囲外だけど、範囲外すぎて受け付けないとか思わなかったし。
あと、笑いだけでなく、爽快感の要素として燃えの要素も垣間見れる。
萌えに関しては、斧萌えかつ斧不遇時代を知ってるなら、このシナリオに
おける大半の要素が、そのまま萌え要素となって精神を襲うことかと。

ツボ要素満載で、気持ちよくエンディングを堪能できました。ナイス!

  • 戦闘バランス
漢らしく、全面勝利条件は「敵の全滅」、敗北は逆のみという統一を
見せている。はいはい変化無し変化無し、と思ったら、毎回ほぼ大混戦に
なるという設計と、爽快感をたたき出すK属性の旨味と、全ステージで
「あんたナニやってんの!?」を味わうという設計により、気にならない。
というかヘタに勝利条件に色をつけないでも面白いものにできるという、
可能性を示したものかもしれないと思ったほどだ。

一番最初に唖然と笑いに襲われたのは、敵キャラが全て名前ありで顔も
全て違うということ。これだけだと普通に聞こえるが、問題はその…
出展ラインナップが混ぜすぎ危険なことになっているのである。FE系に
加えて、オウガ系、SRW系、ガンパレ、エルガイム、オーフェン、その他
いろいろ、というかロボットアニメやゲームのキャラが平然と加わっては、
ちゃんとほぼ一人一人違う戦闘メッセージでこちらと戦いを繰り広げる。
ぶっちゃけコレはSRCでなきゃできないカオスな光景だ…そんな
第一印象だった。違和感? なにそれおいしいの? マジでそんな勢い。

戦闘バランスに関してはマップこそ狭いが、味方数に対して、敵の数が
多いのと、敵も味方も超射程武器や長射程P武器が使えたり、援護技能や、
合体技がさかんに導入され、活用を奨励されているため、ほぼ全ステージが
1ターン目からいろいろな攻撃が飛び交う混戦模様になっていく。
だが、それだけではなく、K・吹属性という相手を動かす属性を、味方は
主体にして戦えるのだがこれが面白い! 相手を吹き飛ばしてやったぜ
イエーな気分にさせてくれるだけでなく、飛ばして攻撃から逃れたり、
他のユニットや地形にぶつけて、普段では倒せないはずの敵を倒したり
するという要素を、混戦の状況下や援護による攻撃回数の多さを利用して
最大限に堪能できるようになっているのだ。
そんな属性を生み出すのは、盾や一部の魔導書にもあるけれど、やはり斧が
主な源となっている。ある意味、斧に対する愛を感じなくもない。

ちなみに、全体のバランスはところどころキツい場面もあるが、全体的には
何手先をも読むような綿密な戦略を求められるということはなく、ゆるめ。
爽快感を期待して遊んだ方には優しい設計だろう。流石に油断したり、
あまりに無謀なことやらかしたら犠牲者が出たりするが。
敵はいろいろいるが、竜・斧戦士系列は大抵強敵で、前半部における
モーゼス、ゴルド、エキドナの強さはガチかと。後半になって再戦する時は、
独自SPの壮絶な強さによってこっちの強化を実感させたりもするが。

ステータス画面は独自の特殊能力が多数顔を覗かせる形になっており、
見てるだけで独自の世界を思い知らせる。解説を見ると、尚笑えた。
あと聖女?達のユニット設計に関しては完敗を喫した気分になれた。
異作品キャラを乗りこなすとか…作者は鬼才で間違いないのか!?

  • BGM選曲
書き下ろし…というか専属midiは流石にないものの、選曲に関しては
ほぼ全てパーフェクトじゃないかと。熱い曲、しんみりくる曲、やばいと
思わせる雰囲気の曲などが揃い、盛り上がる曲はよく盛り上がるから
戦闘における雰囲気をバッチリ演出してのけている。また、ギャグシナリオ
だからって、ギャグな場面におちゃらけた曲を一切採用していない姿勢が、
むしろ自分の中では高い評価を出していることに終わってみて気がついた。

edge.midは、余程のことがない限りAX-MENのメインテーマで脳内確定。
なにせこれと共に名乗りあげるシーンは、思い出すだけで元気になるんで。
つーか曲自体もKeepmidに耐えうる格好いい曲調だったし、燃える。

  • トータルバランス
強引に、良いトータルバランスというかまとまりっプリを産み出した感じ。
流石にアイコンクオリティとかは、版権系の宿命?か、バラけてたりも
するのだが、逆にそれ以外でなんか上すぎたり下すぎたりして気になる、
そんな要素はほとんど思い浮かばなかった。
なんというか、作品全体が壮絶な勢いと愛を込めて、プレイヤーの笑いの
ツボを刺激しようとしている、そんな感じが今でも思い起こさせられるのだ。
第一にプレイヤーありきという姿勢が、いい纏まり具合を認識させたと思う。
もしかしたらこちらの誇大解釈かもしれないが。

  • 総評
とにかくカオスな中笑いと燃えを提供してくれるシナリオ。
萌えやシリアスを求めるのだったら、当然別のシナリオを遊ぼう。
あと斧が凄いので斧アレルギーの方もいたら避けた方がいいか。

だが、もしカオス成分やコメディ成分に餓えてたり、すごいキャラが
すごい活躍を見せるような作品に餓えているのなら、是非遊ぶべき。
これ単体でもコメディ要素に関してはトップクラスなのだが、遊んだ後
「SRCでコメディも捨てたものではない!」という感情を抱かせる、
そんな恐ろしい出来映えだと思う。今でもマイナーなだけで広がりつつ
あるのかもしれないが、この作品に込められていると思う、不本意な
「突っ込みどころ満載」ではなく、やる気全開の「突っ込みどころ全開」
な路線を突き進み、しかも明るい感情や爽快感をボチボチと提供してゆく
このテのシナリオ文化は、是非大事にされていってほしいと思う。

なんにせよ無条件でオススメしたくなる作品です。ついでに確実に、
斧文化に洗脳されたっぽい。でも、傑作を遊べたので後悔はしない。
作者さん、生存してたらこの場を借りて、感謝します!!

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最終更新:2008年03月01日 19:14