放課後、廊下を歩いていると唯先輩が私の元に駆け寄ってきた。
唯「あずにゃーん♪」
梓「あ、唯先輩!こんにちは」
唯「こんにちはー♪今日も部活頑張ろうね!」
梓「お菓子を食べるのは頑張らなくていいんですよ?」
唯「ぎくっ…れ、練習も頑張るよ」
そんなやりとりをしつつ部室にたどり着くと、ドアに貼り紙がしてあるのに気がついた。
梓「なんだろこれ…えっと…」
――緊急連絡――
本日は澪が歯医者に行くそうなので部活は休みです!
私とムギが責任持ってついてくのでお前らは心配しないでいいぞ!
――超絶天才美少女部長 田井中律――
梓「な…なにこれ…」
唯「澪ちゃん虫歯なんだねー。大丈夫かなぁ」
梓「ていうか…律先輩はともかく、なんでムギ先輩まで付き添いに?」
…まぁ、なんとなく察しはつくけど…
梓「…で、なんで私は唯先輩の部屋にいるんでしょう」
唯「へ?」
30分後、私は唯先輩の部屋の座布団にちょこんと座っていた。なんでこうなったのか、自分でもよくわからない…
唯「なんでって、あずにゃんが来たいって言ったんじゃーん♪」
梓「わ、私はそんなこと言ってないもん!唯先輩が遊びに来いって強引に引っ張ってきたんじゃないですか!」
唯「えーそうだっけー?記憶にないなー」
梓「あなたって人は…」
唯「まぁまぁ、二人でのんびりしようよ♪はい、冷蔵庫にあったプリンだよー」
梓「ど、どうも…」
私はこの状況に戸惑うと同時に、嬉しくもあった。こんな風に唯先輩の部屋で二人きりになるなんて、初めてだから。
プリンを食べながら唯先輩を眺めていると、不意に先輩と目が合った。
唯「…あずにゃん」
梓「はい?」
唯「今、ドキドキしたりしてる?」
梓「さぁ、どうでしょう?」
唯「むー、しないの?私はしてるのに」
梓「確かめてみます?」
唯「うん。確かめる!」
唯先輩は私の胸に頭を近づけると、ぴたりと耳を当てた。なんだか、妊娠した奥さんのお腹の中の音を確かめる旦那さんのようだ。
そう考えると、妙に照れくさくなってしまう。
唯「あ、ドキドキいってる!やっぱりしてるんじゃん」
梓「それは唯先輩がくっついてるからですよ」
唯「じゃあ…こうしたら、もっとドキドキするかな?」
唯先輩は顔を上げると、私にキス――せずに、ぺろりと私の頬を舐めた。
思いがけない感触に、私の体はビクッと震える。
梓「うぅっ…な、なにするんですかぁ」
唯「えへへー♪柔らかそうだったからつい」
梓「そんな犬じゃあるまいし…でも唯先輩って犬っぽいところありますよね。居眠りしてる時なんか特に」
唯「あ、あんまりうれしくない…」
梓「私があずにゃんなら…先輩は唯わんですね」
唯「ゆ、唯わん…かわいいかも…」
梓「冗談で言ったつもりなのにまんざらでもなさそうですね…よし唯わん、お手!」
唯「わん!ってやらせないでよ!…えいっ!」
梓「きゃっ…」
唯先輩は私にのし掛かった。お互いの体が密着して、その鼓動や息づかいが手に取るように分かる。
唯「ふふっ…犬は猫より強いんだよ、あずにゃん♪」
梓「…それはどうでしょう?猫だって犬に勝つこともありますよ」
唯「じゃあ…試してみる?」
梓「…やってやるです」
猫と犬、どちらが勝ったかは…ご想像におまかせします。
おわり
- 犬の圧勝 -- (名無しさん) 2010-06-30 23:22:02
- じわじわと猫が追い詰める -- (ぴー) 2010-07-16 09:53:42
- 犬のドSスキル発動 -- (名無しさん) 2010-08-02 11:48:12
- バター犬覚醒 -- (名無しさん) 2010-08-04 23:19:46
- 唯わん、強し♪ -- (名無し) 2011-08-19 08:23:38
- うへっ続き見てぇーうへへ -- (キング) 2012-01-22 21:22:42
- Mにゃん捨てがたいけど、猫のspeedyな勝利。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-21 02:43:57
最終更新:2009年12月19日 12:32