アクエリウス海洋連合

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アクエリウス海洋連合



目次



設定

国の標語 結束・友愛
国歌 海洋讃歌「凪」
国花 サクラソウ
公用語 テトラム原語
国家元首 シューベル・マリーネル
首都 デンフェルド
最大都市 デンフェルド
構成種族 海洋種(ジェノア・ラピレス・ハイドル)・少数陸上種(ガイラム等)・機械化人類・人類
公式略称 アクエリウス
通貨 シーム


工業力 ■■■■■■■□□□ 星団有数の工業規模。地理上の弱点を抱えるも重工業が発達
技術力 ■■■■■■□□□□ 連綿と受け継がれてきた伝統技術が強力。機械種・人類の技術の吸収も始まった
陸軍力 ■■■□□□□□□□ 列強内で遅れをとるも質は十分
海軍力 ■■■■■■■■■□ 大気圏内の海洋防衛はトップクラス
空軍力 ■■■■■□□□□□ 可もなく不可もなく
航宙軍力 ■■■■■■□□□□ 優秀な指揮官の下ある程度の勢力を有する

歴史

  • 海洋種の発生
海洋種の起源については謎が多く、人間と海洋生物の混血説などの珍説もあるが、現在最も有力視されているのは海洋哺乳類と魚類の混血と突然変異の複数要因説である。
海洋種は発生間もなくコミュニティーを形成し、それを国家に準ずる物に昇華させていった。
陸上種もこれとほぼ同時期には現在の体系になったといわれる。
  • 陸と海の対立と融和
互いに比較的平和的に勢力を纏め上げた陸上種と海洋種、交流と融和も比較的スムーズに行われた。
初期には互いに相手を「劣等種」とし、幾度かの衝突も起きたが活動域の完全なる相違により大規模な軍事衝突は免れた。
また、陸上種は生息区域の狭さから宇宙進出には海洋種との融和は必須と考え、海洋種もまたこれ以上の発展には陸上種との関係は重要と考えたため、さほど大きな衝突もなく両種は友好関係を築きあげるに至った。
  • 人類との遭遇
海洋種と陸上種の融和が成された直後、突如として現れた人類の大艦隊。(歴史書に「空には流星群のような無数の閃光が・・」という記述がある)
侵略者達は陸地に電撃的な降下作戦を仕掛け、瞬く間に全土を制圧した。
生き残った陸上種は海底都市に匿われ、その後侵攻軍と海洋種の海底都市を巡る泥沼の戦いが始まった。
  • 屍の上に築き上げた勝利
海洋種は優れた技術を持つ人類を相手に地の利を活かし、一歩も退かない戦いを演じる。
業を煮やした侵略者は遂に東海に生物兵器を投入。フライアを生き物の住めない海にするがあまりの消耗にあえなく撤退する。
この戦役での海洋種同盟側の被害は戦死195,000、負傷者3603,000、対する人類側は約350,000の戦死者を出したと言われる。
  • 星団進出
互いに持ちつ持たれつの関係となった両種はついに政治的統合を決断。惑星の大多数を海と海洋種が占める事から海洋連合と名乗る。
その後一定の国力を蓄え、星団社会に名乗りを上げた。


政治・行政

  • 政治
民主的権威主義(合議制)
民主的 ----◆-- 独裁的
政治的左派 --◆---- 政治的右派
開放社会 -◆----- 閉鎖社会
自由経済 ◆------ 中央計画経済
常備軍 ◆------ 徴兵軍
タカ派 ----◆-- ハト派
介入主義 --◆---- 孤立主義

「シャーリア」と呼ばれる代表者にによって政治が行われる。
シャーリアは海洋三種からそれぞれ4名、陸上種から6名選出される。
シャーリアには主に有力部族の族長や社会的長者などが選出され、その18名の中からアクエリウスの統治者である「テニエル・シャーリア」が選出される。
シャーリアと会議への参加権を持つ有識者・技術者・将校などによる合議(思案会)で国家方針が定められる。
  • 行政
アクエリウスの行政区分は陸上と海中で大きく異なる。
地上では種族や文化によって区分された「生活圏」に、海中では海底都市ごとに「管区」として分けられ、それぞれ陸上では「県令」・海中では「首長」という行政責任者の下行政を行う。

外交

サピエンス国家連合加盟国。
アクアリズムの浸透に伴い、穏健派とされる人類・在来種との関係強化に努めている。
サピエンス国家連合の友邦。惑星タイフォンを共同統治する。
サピエンス国家連合の友邦。エネルギー結晶を始めとした特異な技術が光る。
デンフェルド修好安全保障条約を締結。官民問わず積極的な交流が行われている。
シュタットハウゼン修好安全保障条約を締結。高い衛星技術力を誇る。
サピエンス国家連合の友邦。高い成長率を誇る新進気鋭の国家。
シュターリア技術交流条約を締結。農務技術の共同開発等、技術面での交流が進む。


経済・産業

アクエリウスでは、市場取引などの経済活動は海中、工業生産は陸上と役割分担が行われている。
互いが相手に強く関与する為、地上圏と海中圏の格差は皆無。
  • 農業
陸上では共同農場、海底では海洋牧場による食糧生産が行われている。
  • 工業
ICやソフトの製造等の狭小な土地で出来る工業が発達。海中では水絹(海藻の細胞組織を取り出し絹状に紡いだもの)の生産等の軽工業が発達。
軍需産業等の大規模な生産施設を必要とする物は衛星リヴァイアスにて生産される。
  • 主な国内生産・開発組織
ウィンデリア産業工廠 アクエリウス最大の国有工廠。「水絹から航宙母艦まで」を社是とする。
ギャリアン砲廠 アクエリウス地上部隊装備の開発生産を手掛ける国有工廠。
ブラウオウエン機械開発局 アクエリウスにおける宇宙開発部門最有力組織。数多くの衛星打ち上げ実績を誇る。



地理

ネルヴィル星系第三惑星 アクエリウス

約80%以上が海洋である海の惑星。
人口の8割を占める海洋種は海底都市に住み、ガイラムを始めとする陸上種は数少ない陸地に工業都市を作り暮らしている。
2つの衛星を持つ。
  • ローレラン
南海と称される海域。珊瑚礁で覆われた熱帯魚の楽園。
  • メロニア
西海と称される海域。海流の関係で様々な種類の生物が集まる「海の交差点」。
  • シーレネス
北海と称される海域。海水温度の低さから生息する生物の種類は少ないが、厳しい環境に順応した強い種が多い。
  • フライア
東海と称される海域。マイクロハザードによる環境の悪化が顕著に起きた海域。「人魚の墓場」と呼ばれ生き物を寄せ付けない。

衛星 リヴァイアス

アクエリウスの衛星のうちの1つ。
工業用地の少ないアクエリウスでは貴重な工業地帯となりえる地殻が広がる。
軍需企業の大規模工場が建設され、ドロイド兵が製造されている。アクエリウスの軍事最重要拠点。
オートマトンの避難キャンプ群が設営されている。

衛星 ポカリム

アクエリウスの衛星の1つ。
セイルナシア資源小惑星帯とアクエリウスを結ぶ中継地点。
セイルナシアから送られてきた資源は一度この星に集められ、アクエリウスに流通する。

ネルヴィル星系第四惑星 ワタツミ

旧イヅモ皇国。イヅモ崩壊に伴いS.N.F.の信託統治下に置かれる予定であったが、エンジェリック・セラフィナイトの鎖国を受け急遽アクエリウスの管理下に置かれた。
環境上海洋種が活動しやすい事やニーレンベルギアによる治安維持協力もあり、タイフォンに比べ早いスピードで混乱は収束に向かっている。

ネルヴィル星系第二惑星 タイフォン

イズモ皇国との共同統治下に置かれていた惑星。未だに散発的な銃撃戦が起こるなど治安状況は悪い。
イヅモが崩壊した為、管理行政の再編が急がれる。

セイルナシア星系資源小惑星帯-A

アクエリウスの開発事業団が採掘活動を行っている小惑星帯。

主要都市

連合首都 デンフェルド

南海に建設された大規模な海底都市。行政統轄施設の殆どはこの都市に設置されている。

北海海都 ブランドール

北海の行政・文化・流通の中心地。
軍事施設が立ち並び、華やかさには欠けるが北海の民ハイドルの力強さを感じさせる都市。

西海海都 シュターリア

西海の諸海底都市群を繋ぐ基幹都市。
各地から成功を目指す商人が集まる活気溢れる都市。
宇宙港とのアクセス装置のあるアクエリウスの玄関口。

著名な施設・団体

ラグーニャ・レイベン海底遺跡

北海にて発見された大規模な海底遺跡。
史書に記述が無く、また周辺住民も立ち入らない海嶺の中にあったため発見が遅れたとされる。
ハイドルの名も無き少数部族で信仰されていた「シュバンティグラーデの詩」の宗教施設であるとの説があるが、詳細は不明。

シュターリア銃工組合「シュバンティグラーデ」

西海の大都市シュターリアの銃工組合。
ハイドルのガンスミス達がシュターリアに移住して来た際に作られた「シュバンティグラーデ銃工会」が前身。ハイドルに受け継がれる古くからの技術と西海に伝来した人類からもたらされた新理論・新技術を有効利用し優秀な銃器を製造。シュターリアの銃工街を独占するに至り現在の銃工組合としての組織を形成した。
シュバンティグラーデは一貫して火器の販売を個人販売に留めている。「大量生産された銃ほど醜い物は無い」を信条としている等、徹底した手工業主義を採っており、国軍への販売も兵士への直接販売のみをしている。
ラインナップの傾向としては「(不必要なまでに)高性能、浪漫主義」。
拳銃から小口径砲まで幅広く製造しており、精度に重点を置く。
射撃競技の世界ではシュバンティグラーデの銃を持つ事は一種のステータスとされている等良くも悪くも高い性能に定評はあるようだ。


住民

海洋種

現在アクエリウスでのみ生息が確認されている原住種。
「半人半魚」(上半身は人類に、下半身は海洋生物に類似)と呼ばれる体構造を持ち、海中で生活する。
「半人半魚」は種族による違いは無いが、エラで呼吸するもの、高い知能を有するものなど様々である。
共通して言える事は絶対的に雌が優位であること。食事は雄が採ってきたものを先に雌が先に食すなど、雄の社会的地位は低い。(もっとも、雄もそれを自分達の真理として受け入れており、雌雄による摩擦は少ない)
  • ジェノア
西海に住む海洋種。条鰭綱に見られる尾びれを持つ。
アクエリウスに住む海洋種の5割を占め、社会的に最も地位が高い種族。
妖艶な体躯と美しい声が特徴。
ESPを使いを長老にする少数部族が存在するとされる。
  • ラピレス
南海に住む海洋種。ハクジラ亜目(イルカ等)に見られる尾びれを持つ。
高い知能と誰からも好まれる性格を持ち、外交や交渉に適正を持つと言われる。
後述のハイドル程では無いが身体能力が高く、体を動かす事を好む。
大抵が陽気。
  • ハイドル
北海に住む海洋種。軟骨魚綱に見られる尾びれを持つ。
「海の勇者」と呼ばれ、大昔から狩猟や戦争の中で生きてきた。
筋肉質な体躯と高い身体能力が特徴。
総じて寡黙。誇りや義理を重んじる。
  • シューノ(絶滅)
東海に生息していた海洋種。板皮綱に見られる尾びれを持っていた。
非常にデリケートな生物で、人間のヴァレフォール進出とマイクロハザードによる環境変化でたちまち数を減らし、絶滅に追い込まれた。

陸上種

  • ガイラム
アクエリウスに生息する陸上種で最も個体数の多い種族。
キツネのような容姿をしており、手先が器用。
海洋種が機械工業に従事できない事も相まって、国内の工業を司る。
  • ベレニア
熊のような容姿をした陸上種。
肉体労働や軍役に従事する者が多いのが特徴。



文化

国民性

生息域の影響もあるのか、「流れ」を見極め、それに逆らわず進む事を美徳とする。
焦る事や急ぐ事を嫌い、穏やかに暮らす事を至上の悦びと考えている。
「責める文化」では無く自己反省を始めとする「恥じる文化」が発達した為、徳や仁といった古典的倫理観を尊ぶ。
(例)「何故それが出来ないのか?」(責める文化)←→「何故相手が出来るよう力添えが出来なかったのか?」(恥じる文化)

食文化

  • ジェノアの食文化
草食。ノーパルという海藻を主食にする。
華美な会食を好み、食事に時間をかけるのが特徴。
  • ラピレスの食文化
肉食。小魚を主に食する。
食事に時間をかける事を嫌い、味付けも簡素。
  • ハイドルの食文化
雑食。大型魚から海藻までなんでも食べる。
狩猟は雄雌で役割分担がなされており、大型魚の狩猟は雌が担当し、小魚の狩猟や海藻の採集は雄が担当する。
食事の前に「ガルナ」と呼ばれる儀式を執り行う。

宗教

70%以上が無信教。
一応宗教は規制していないが、「宗教の存在意義が見出せない」というのが大方の意見。
イヅモ系帰化人類による宗教建造物が建てられはじめ、そこを中心に「フソウ・シティ」と呼ばれる人類街が発展。

海底都市群

「アクエリウスは海底都市の連合体である」と言う専門家がいるほど海底都市が非常に発達した。
陸上種との会合も主に海中で行われるため、優れた空調技術や建築技術が使用されている。

ウォル・スコーツェ(水絹)

水絹とはシュパールという海藻の一種の細胞組織を絹状に紡いだ物。
すぐれた保水力を持ち、これによって作られた特殊な衣服を使う事で海洋種の陸上活動を補助する。
乾燥した状態では人類の絹と変わらぬ性質を持つが、水に浸すことで透明に近くなり、それを羽織うことでまるで薄い水の膜が体を覆っているように見える。


軍事

惑星の陸海空を守る海洋軍と無重力下での作戦行動を行う航宙軍を保有。
構成種族の半数近くが非力なジェノアである為、電子戦・間接アプローチを重視。
「アクアリウム構想」の下、他国に見られない特殊な装備が多く開発された。

戦闘教義

  • 陸戦ドクトリン
濃密な準備砲撃・空爆の下、機動部隊を先鋒に一点突破を図る。
「濁流突撃」と形容される威風堂々の戦いぶりは士気の維持に効果的だが、戦闘における損害は比較的大きいとされる。
陸上種で構成される陸戦部隊において厳格なドクトリン規定は無く、上述のドクトリンを骨子とした独自の戦術理論の構築を各司令官に推奨している。
  • 航宙戦ドクトリン
航宙母艦の集中運用による敵大艦隊撃滅を主軸とする。

アクエリウスの師団と特徴

アクエリウスの戦略単位である師団は、指令官に師団名の付与・支援小戦隊の編成など多くの自由裁量が与えられている。
  • 機械化戦列師団
他国の歩兵師団に相当。ドロイド兵、陸上種兵8:2の割合で編成される。3個戦列旅団、1個支援小連隊、兵站部隊によって構成される。
敵部隊を前線に拘束し、機動部隊の打撃を支援する。
  • 機械化混成師団
機械化戦列師団のドロイド兵と陸上種兵の割合を5:5とし、更にオートマトン志願兵を編入した部隊。3個戦列旅団、1個半機械化大隊、1個支援小連隊、兵站部隊によって構成される。
通常戦列師団に柔軟性とオートマトン兵士による戦闘力を付与させ、高い作戦遂行能力を持たせた師団。
崩壊した戦列の穴埋めや敗走部隊の追撃など、アクエリウスの軍事戦略上かかせない存在となった。
  • 義勇師団
アクエリウスに帰化した異人種の志願兵によって構成される部隊の総称。現在はタイフォン系2個戦列師団、イヅモ系1個装甲襲撃師団を擁する。
ドロイド兵に適さない土地での任務などに従事。
  • 親衛機械化師団
ドロイド兵・陸上種兵の割合を7:3とし、BD-HA1を中心とした高性能機を中心に編成された師団。「勝利」を義務付けられた部隊。
シャーリアの指示によって編成され、指揮にはテニエル・シャーリアの承認を要する。
ここ一番で投入され、攻勢・防衛問わず戦果を挙げる。
現在4個の師団が存在。シュタックハウゼン軍団に配備されている。
  • 装甲襲撃師団
戦車・装甲車・車載歩兵を擁する機動部隊。2個装甲旅団、1個車載歩兵旅団、2個支援団によって構成される。
敵戦線に穴を穿ち、指揮系統にダメージを与える。
海洋国家であるため車両技術は他国に一歩劣るが充実した支援組織を有する。
  • 降下戦師団
大規模降下作戦において降下第一陣を担当する部隊。2個降下兵旅団、1個支援小連隊、掩護砲隊(降下支援艦からの支援砲撃を行う)、地上攻撃航空隊を擁する。
小規模ながら単体での陸空共同作戦が実施できる数少ない部隊。
強行降着の際の衝撃がドロイド兵に悪影響を及ぼす為、海洋軍の中で唯一ドロイド兵が所属しない。その為最精鋭である事を常に目標としている。
通常、敵勢力下への敵前降着作戦では降下戦師団の他、海兵コマンド部隊も参加する。
  • 親衛師団
シュタックハウゼン軍団所属の戦列師団を指す。
90%以上を陸上種で構成され、装備更新と補給の最優先を約束された部隊。
「一歩でも前へ」をスローガンとし、数多の戦場を戦い抜いて来たアクエリウス最精鋭。

海洋軍

アクエリウスの大気圏内における国土防衛を目的に設立された。
海軍重視。

  • AIR
AIR(Aquarius Infantry Rifle)はギャリアン砲廠がアクエリウス陸軍・海洋コマンド・航宙軍降下軍向けに開発した自動小銃である。
外観上の特徴はブルパップながらも長い銃身。「バトルライフルの高威力・高精度とブルパップ方式の取り回しの容易さの融合」を目指して設計された。
あまりに野心的な目標であった為、互いの長所をマイルドに掛け合わせたような性能となったが、高次元でバランスのとれた優良銃と評され、第一線で運用されている。
エネルギー弾体を使用するタイプαはBB-31荷電粒子バッテリー(約360発連射可能)を、小銃弾を使用するタイプβは9.28mm徹甲小銃弾を1マガジンにつき30発使用する。
最大の特徴は銃全体が8個のパーツに分割されている事。
それぞれのパーツを交換する事で要求される用途に応じた火器となり、練度習得の短縮化・簡略化を実現した。

  • SSR-L6
シュターリア銃工組合「シュバンティグラーデ」の銃工達が設計開発した小銃。
長大な射程距離、高い命中精度、対物用途にも使用可能な程の貫徹力を有する大型銃。
今となっては廃れて久しいボルトアクション方式を採用しており、速射性を犠牲に確実な動作を手に入れた。
シュバンティグラーデの火器は銃工が一つ一つ作り上げる「工芸品」であり、また、軍に納入されず、兵士に直接売買される為、配備されている数はごく少数に留まっている。
12.6mm小銃弾を使用。1マガジンに10発装填される。

  • SMR-X01 レコンスガーリャ
シュターリア銃工組合「シュバンティグラーデ」が自らの技術力を世間に示す為製作した精密射撃用小銃。
小銃には珍しく回転式弾倉を備え、装弾数は6×3発。
構造が単純であり非常に堅牢。腐食性の高いフライアの海水に2日間漬けた後に射撃し、900mで100mm以下の集弾を記録している。
専用に設計された17,4×77mmマグナム弾は同レベルの大きさを持つ銃弾と比較すると貫通力に劣るが、その口径の大きさと火薬量で装甲を突き通さず、無理やり「叩き割る」。
パワードスーツを目標に射撃した場合、被弾した際の衝撃で電子機器を破壊に追い込み無力化させる事が可能。パワードスーツの普及に伴いアクエリウスの軍事理論に「マシンストッピングパワー」の考え方を普及させた銃でもある。
所謂「売名」を目的に製造された為生産性は度外視されており、これを1挺製造するコストで完全装備の機械化中隊を2個編成可能と言われている。
この銃の愛称であるレコンスガーリャはテトラム原語で「不必要な力」を意味するレーコン(lrecon)を語源にしており、この銃の価値を暗に象徴している。
シュバンティグラーデの銃である例に漏れず、軍への納入は無い(あまりにも高価で採用の目途も無いだろうが)。その為海兵コマンドの狙撃手が少数保有しているに過ぎない。

コマンド部隊

海洋軍の傘下に編成された特殊部隊。
海洋種によって編成された「海洋コマンド」と陸上種によって編成された「海兵コマンド」の2種類が存在する。
  • 海洋コマンド
各軍で選抜された海洋種の兵士によって構成される部隊。
アクエリウスの大気圏内に進入した敵勢力の後方撹乱、補給基地破壊、指揮官暗殺を主な任務とする。
陸上行動を可能とする為、「義足」とよばれるギア・プロテクトを使用する等、多数の特殊装備を保有。
海兵大将の下、15個の作戦隊が存在。
  • 海兵コマンド
各軍の優秀な陸上種兵士を集めて編成された部隊。
海洋コマンドの任務が「侵略軍の後方攻撃を通しての迎撃」であるのに対して、海兵コマンドは敵国への降下作戦に於ける先鋒部隊、敵勢力下に於ける襲撃戦等を主任務とする。
海兵大将の下、18個の戦闘団が存在。

航宙軍

航宙母艦の多数同時運用に向けてのドクトリン研究・装備開発が行われている。
  • オクト・デモルガ級戦艦
アクエリウス航宙軍の主力戦艦。機動力・装甲に重点を置いて設計された。
「戦艦は空母の盾である」という戦術理論に基づき、高い生存性とコストパフォーマンスを有する。
他国の戦艦に比べ火力に劣る。
  • レグイル・ディア・ヴィリアカンドル級戦艦
アクエリウスの新型航宙戦艦。オクト・デモルガ級の性能を強化し、更に小規模艦載機集団の収容能力を手に入れた。
オクト・デモルガ級の高いコストパフォーマンスは失われたが汎用性は高まり、艦載機の種類によって多彩な任務に対応できるようになった。
名称の「レグイル・ディア・ヴィリアカンドル」は中世アクエリウスの英雄、ヴィリアカンドル伯より。
  • セイレーン級航宙母艦
アクエリウス航宙軍制式航宙母艦。艦載機の搭載機数と流動的な戦況に対応する為の機動力に特化。
その巨体から「ラガーリャ(要塞)」と呼ばれる。
  • トライデント級砲艦
人類との戦争な最中で海底基地から宇宙艦隊を砲撃する為に開発されたAAF-01対艦レールガンをオクト・デモルガ級戦艦の船体に搭載したもの。
戦列の最後尾に位置し、旗艦等の重要艦艇を「狙撃」する。
重装甲とレールガンの重量で非常に機動性・操作性が悪く、また専用の補助補給艦を要する。
  • シャーリア・デル・グリトニア級航宙巡洋艦
  • デンフェル級航宙駆逐艦
  • ASF-1S宙域戦闘航空機「シェルショック」
かつてのアクエリウス海洋軍航空隊主力航空機であるAF-1を無重力戦闘用装備に換装し、更に航続距離・ペイロード搭載量を増加させた改良型。
大気圏内での運用を前提とした前時代的な設計だが、許容容積の高さから容易に装備の換装ができ、また以前より高い機動性を得る事に成功した。
  • ASSB-4宙域対艦爆撃機「アルフヘイア」
対艦小型光子魚雷の運用を目的に設計された対艦爆撃機。比較的大型な機体だが、機動性は宙域戦闘航空機にも劣らない。
高い機動性で目標艦艇の死角に潜り込み装甲の薄い箇所に精密な攻撃を行う。
高い火器搭載量と機動性を実現する為、自衛火器はブラスターバルカン二門と最低限に抑え、装甲も脆弱だが、対艦光子魚雷はそれを補って余りある高い威力を有する。
多くの対艦攻撃機エース(駆逐艦以上の戦闘艦を5隻以上撃沈した者)に愛され、新型機が導入された現在でも多くが現役である。

ドロイド兵

基本的に戦闘に向かない海洋種と戦闘適正はあるものの絶対数の少ない陸上種という種族構成から、陸上戦闘や航宙艦運用等に「機械の兵隊」が用いられている。
アクエリウスのドロイド兵は生産性・組織戦闘力を重視されており、士官である海洋種・陸上種の指揮の下戦闘を行う。
感情や倫理心等は基本的にオミットされるが、戦功を立てた一部のドロイド兵には中隊指揮ライセンスやそれ以上の指揮ライセンスと共にある程度の自我が導入される。
役割に合わせて様々なタイプが存在する。
ドロイド兵は海洋種や陸上種の司令官を「主公(エスラ)」と呼び、また司令官もこの忠実な兵士達を親しみを込めて「兄弟(ジア)」と呼ぶなど、自我が無いながらも上下関係は良好のようだ。

バトル・ドロイド

集団戦に特化した陸戦用ドロイド。様々なタイプが開発され、中隊レベルでの諸兵科連合に成功した。
  • BD-1C
小部隊指揮用ドロイド。中隊指揮官の司令の下、分隊・小隊の指揮を担当する。通信用ドロイドとのリンクシステムや戦術情報共有システム等を装備。
  • BD-1
戦闘用ドロイド。殆どのバトル・ドロイドの素体となる。小銃を装備し前線を形成する。
  • BD-HA1
BD-1を高性能化させた上級戦闘ドロイド。ごく一部の部隊にのみ配備される。開発当初は光学迷彩の試験搭載を想定されていたが試作機に予想外の性能的余裕が見つけられたため機能の増強が施された。
  • BD-SC
中隊通信用ドロイド。小隊間での情報共有に活用される。
  • BD-LS
長距離通信ドロイド。専用の通信機器を装備し、後方の砲兵陣地や航空部隊への掩護を要請するのが仕事。一個中隊に2機配備される。
  • BD-FS
火力支援ドロイド。部隊支援火器を装備し戦闘ドロイドの火力を増強するのが役目。
  • BD-AT
対甲戦闘用ドロイド。対甲兵器を装備し、敵戦闘車両や防御施設の撃破を担う。
  • BD-AA
対空防護ドロイド。対空戦闘のみならず連装機銃による火力支援も可能。
  • BD-DM
精密射撃用ドロイド。分隊狙撃手として敵指揮官や機関銃手の排除を行う。
  • BD-ME
戦闘支援に特化したタイプ。最前線での活動から野戦陣地設営などの活動を行う。
  • BD-CM
破損機修復ドロイド。戦闘で傷ついた味方機の修復を担当する。

オペレーションサポート・ドロイド

上級指揮官の作戦立案に際し、補給調整・下級部隊への作戦通達等の補助的任務にあたる。
戦闘力の代わりに高い意思疎通能力と通信装備を持つ。
指揮官の下で確かな経験を積んだオペレーションサポート・ドロイドはしばしば指揮の代理を受け持ち成功を収める事もあるようだ。
  • OSD-1
兵站管理や物資補給の調整を受け持つ。
  • OSD-2
偵察・前線から報告等を含む全ての戦線情報を統合し、指揮官に提示する。
  • OSD-3
大尉以上の作戦参加部隊指揮官への作戦通達を担当する。

サポート・ドロイド

前線への軍事物資の輸送や拠点の設置や維持、兵器の整備等を担当するドロイド達。
役目に応じた様々な機能を持つ。

義足

正式名称は「2式陸上活動補助プロテクト」。海洋種の陸上行動を可能にする為開発された。
本体を神経系に直接アクセスさせ、人工筋肉や姿勢制御装置により陸上種と変わらぬ機動を可能とする。
アクセスには激痛を伴い、初めて装着する際あまりの痛みに失神する事が多い。また、初めて装着してまともに歩行するにはかなりの訓練を要する。
装着した際の姿から「長靴」とも呼ばれるなど不恰好である事は否定できないが、それでも海洋種に戦闘の大きな可能性を与えた装備である。

AFS

正式名称は「Aquarius Fighting Solid」。陸戦・航宙艦隊戦における機動戦力として開発され、現在実験部隊による試験運用が行われている。
「旧来の兵器に無い汎用性・機動力・突破力を備えた新型兵器」という軍部の要求にウィンディア・シュバンティグラーデをはじめとする多くの海洋連合系企業が開発に参加し、各分野の最先端技術が導入された。
当初はAFS単独の強襲戦を視野に開発が進められたが、制圧力の低さ、高いコスト、政治的な問題などにより現在は歩兵・機甲との諸兵科連合作戦を主眼においた戦理研究が行われている。
諸兵科連合作戦主眼は功を奏し、空軍・機甲・歩兵・砲兵・AFSによる陸戦理論は試験段階で高い効率を挙げている。
お世辞にも洗練されているとは言えないその姿に現場の将兵からは愛着をこめて「ルーク(城塞)」と呼ばれている。

APBS

制式名称は「Aquarius Planet Buster System」。アクエリウス初の対星攻撃システム。
8門の対星加重砲とそれを統括する射撃管制システム、それらを敵の攻撃から守る防空群で1個の対星砲陣地を構成する。
現在3つの砲陣地が稼働。アクエリウスの安全保障体制の一角を担う。


著名な人物

  • シューベル・マリーネル(ジェノア)
2代目「テニエル・シャーリア」。海洋連合の首長。
かつての有力部族オルニオの族長時代に信愛による統治で見事に再興を果たし、その手腕を買われ首長の座に就いた。
「信義の姫王」の渾名を持つ心優しき人物であったが、最高権力者であるテニエル・シャーリアに就任して以来感情を閉ざしてしまった。
「不屈の改革者」
  • シューセン・ディア・モーレア(ハイドル)
アクエリウス海洋軍統合幕僚長。海軍元帥。
北海の覇者として君臨するモーレア族の族長。
海洋軍の元締めとも言える立場にあるが航宙軍の増強を積極的に提言するなどアクエリウス軍の近代化を推し進めた人物。
「アクアリウム構想」の創始者でもあり、現在のアクエリウスの国防体制の礎を創った人物。
「外洋理論」
  • フェイリア・シグ・ベイル(ジェノア)
アクエリウス航宙軍総司令官。航宙大将。
モーレア提督の推挙により新設された航宙軍の発展を任された。
軍事面で他に劣るジェノアである事にめげず、その努力だけで大将にまでのし上がった。
若い将官の提唱する新しい戦略・戦術にも積極的に耳を傾けるなど、部下からの信頼は厚い。配下の将兵から「ヴェリント(女伯爵)」と呼ばれる大人の女性。
海洋軍航空隊出身である事もあり、機動戦力の重要性を強く認識している。
「多次元調整攻撃理論」
  • バーディア・ティアンム(ハイドル)
アクエリウス航宙軍大将。第2艦隊司令官。
士官学校在学中より「教科書通りの用兵しか出来ない男」と称され、平凡な艦隊幕僚として軍務を過ごすが、航宙軍への転属後に3度の海賊艦隊のリヴァイアス襲撃を堅実な用兵で全て破り、「凡将」という不名誉な呼び名から「不敗の名将」と呼ばれるようになった。
消耗抑制と大規模作戦指揮を得意とする。
「常勝ではなく無敗である事に意味がある」という信念を持つ。
「大規模作戦理論」
  • ランドルフ・R・シュタックハウゼン(ラピレス)
アクエリウス海洋連合シャーリア。シュタックハウゼン管区首長。
かつて西海で覇を唱えたシュタックハウゼン王国の王。ライマーレの父。
西海の小国であったシュタックハウゼン王国をその武勇と内政手腕でアクエリウス有数の列強にのし上げ、「近代アクエリウス史最良の指導者」と称された。
海洋連合結成後は連合政府に旧領を移譲。本拠地であったシュタックハウゼンの行政監督官を任せられる。
娘のライマーレが旧軍の兵士3万を連れマリーネルの下へ馳せ参じた時、「我が娘は良き判断をした」と満足げに笑い飛ばしたというエピソードを持つなど、並はずれた器を持ち、管区民からは「シュタックハウゼン公」、周囲の政府関係者からは「御老公」として信頼を置かれている。
居城であるシュタックハウゼン城にヴェステル・マーガトロイド女史を匿う。
「引退した大元帥」
  • ライマーレ・シュタックハウゼン(ラピレス)
アクエリウス航宙軍親衛中将。シュタックハウゼン親衛軍団指揮官。
かつて西海の大部分を支配し、海洋同盟の一角であったシュタックハウゼン王国の嫡女。
デンフェルド国立高等大学院在学中にシューベル・マリーネルと級友となり、以後彼女に心酔する。
マリーネルがアクエリウスの指導者に就任すると、王国軍最精鋭3万と共に彼女の下に馳せ参じ、そのまま彼女の臣となる。
「シュタックハウゼン親衛軍団」と名付けられた彼女の指揮する部隊は黎明期の対ヴァルダム艦隊戦からタイフォン降下作戦までの主要な軍事作戦の全てに参加し、多大な戦果を挙げてきた。
心を閉ざしてしまったマリーネルがかつての笑顔を見せる数少ない人物。
「集中突撃ドクトリン」
  • エドガー・D・オクセンシェルナ(ハイドル)
アクエリウス海洋軍海兵少将。オクセンシュルナ戦闘団指揮官。
弱小国ながら大国シュタックハウゼン王国としのぎを削ったオクセンシュルナ公国の王。
自らの率いる海兵隊によるゲリラ戦でシュタックハウゼン王国を苦しめ、「海の悪魔」の異名を得た。
海洋連合結成後、オクセンシュルナ管区の統治を任されるも弟に譲り、自分は海洋軍海兵コマンドに任官。
  • ヴィリオニール・グランゼッツ(ハイドル)
アクエリウス航宙軍中将。第12艦隊司令官。
シュタックハウゼンの右腕として彼を軍事面で支え、海洋連合成立後もアクエリウスきっての老将として重用された。
緩急自在の老練な戦いぶりはここぞという場で絶大な安定感を見せ、航宙軍の大黒柱として絶大な存在感を放つ。反転攻勢作戦を指揮できる数少ない将校のひとりでもある。
穏やかな物腰と固定観念に囚われない所を多くの若手将校に好まれ、『オヤジ殿』と呼ばれ親しまれている。
生涯現役を公言し、高齢にもかかわらずヴァルダム艦隊再来の際には派遣軍総指揮官として戦闘指揮をとった。
「反転攻勢ドクトリン」
  • キーラ・イサイアス(ラピレス)
西海出身の政治学者。
アクアリズムを提唱。絶対友好国との技術・情報の共有を説いた。
彼女のアクアリズムと呼ばれる外交思想の普及によりサピエンス国家連合への加盟が決定的となった。
  • サイレントセレナ(ジェノア)
南海出身の歌手。
貧しい家の出身であり、工場等で働きながら独学で発声法を習得した。
日銭を稼ぐ為大通りで歌っていたところをヘッドハンティングされ、メジャーデビュー。
ジェノア特有の憂いを湛えた美しい歌声と端整な顔立ちでたちまち人気を博した。
  • アレン・ヴァイル
アクエリウス海洋軍海兵少佐。内乱の続く母星から脱出し、アクエリウスに流れ着いた犬耳の原住種。自らをベルゼシオンと名乗る。
アクエリウスの市民権を得る為海兵コマンドに入隊。使い捨てと言われた「レギンレイブ戦闘団」に配属される。
戦闘技能と工兵としての特殊技能を買われ、とある座礁戦艦への潜入任務に参加。
作戦は失敗し、バディと片腕を失うもなんとか生還。その後レギンレイブ戦闘団-第13中隊長としてタイフォン降下作戦とその後の鎮圧任務に従事。
ラグーニャ・レイベン海底遺跡の発見に伴い探索隊副隊長として召集される。
海底遺跡最深層で以前作戦で死んだバディと同じ能力が開眼。
皮肉家だが義理堅く同僚・部下からの信頼は厚い。
SSR-L6小銃を使う数少ない上級将校。


外部リンク

  • オーシャン・ニュース・ネットワーク
アクエリウス海洋連合の報道組織。豊富なスポンサー企業に支えられ自由な報道が保障されている。
現在連載されているのはズグ・ライエン著「人魚姫は機械人形の夢を見たか」
http://d.hatena.ne.jp/wirbelwind215/

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最終更新:2009年03月01日 16:21
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