シク・カサル共和国

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シク・カサル共和国


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国旗
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標語 祖国か死か
国歌 ハマセフの麓
公用語 トルム語、タラン語
元首 オブラン・シリオ大統領
本星 シク・カサル
首都 スルムリ
面積  
総人口  
略称  
英名  
通貨 テパタ



国名


公式名称はシク・カサル共和国、略称シク・カサル。シク・カサルはトルム語で「新天地」を意味する。



国歌





歴史


人類の到達

ディルタニア星系第四惑星に人類として初めて到達し、その惑星を短期間のうちに征服したトルム人たちは、もともと他の惑星への平和的な移住を目的としていたが、船団の食糧生産に異常が生じたためにやむを得ず手近な惑星を選んだとされる。惑星ヴァレフォールから旅立った他の移住船団に比べれば規模が小さく軽武装なトルム人による征服が成功したことについては、たまたまたどり着いた第四惑星が原始的な状態にあったことが幸いしたといえる。もしもこの惑星の原住種族がもう少し強大な文明を築いていたら、トルム人たちは飢餓に耐えつつ他の惑星を探すか、原住種族に低姿勢で移住の許可を懇願しなければならなかっただろう。

トルム人の船団が到達する以前、原住種族はどのような生活を送っていたのだろうか。ここで言う原住種族とは、今日タラン人と総称される多くの脚を持つ人々を指す。タラン人は多くの手脚を持ち、トルム人からは蛸足などと侮辱されるが、思考能力に関して言えば決して人類に劣らず、原始的ながらも母系社会を構成し、人類の歴史で言う石器時代のような状態にあったようだ。タラン人の先史時代の遺跡は長らく放置されていたが、最近になって保存や研究が開始されている。

征服の時代

トルム人は自らが降り立った惑星をシク・カサルと名付け、やがてその惑星の原住種族との不用意な接触を図った。この最初の接触は結果として凄惨な戦闘となり、トルム人たちは多くの犠牲を出して退却しなければならなかった。一方で、原住種族のタラン人たちはトルム人の数十倍から数百倍にも及ぶとされる損害を受け、彼らのこれまでの常識からすると有り得ない力を持った来訪者を神の御遣いとさえ考えた。船団の着陸地点に退却したトルム人は、タラン人の襲撃を避けるために要塞を築いた。これが、シク・カサル最初の都市にして後の首都となるスルムリである。

トルム人の若者たちは、多くの犠牲にもかかわらずこの惑星の征服を諦めなかった。向こう見ずな野心や物欲に突き動かされた征服者たちはスルムリを出撃基地として奥地の開拓を進め、その開拓地は徐々に惑星全体に広がっていった。征服者たちは大体の場合スルムリの中央集権に反対し、自らの拓いた農場や鉱山からの利益をスルムリの政治家たちに奪われるのを恐れた。そして、自分達の生活の中心となる新たな地方都市を盛んに建設したのだった。トルム人による征服の時代は同時に建設の時代でもあり、スルムリを始めとした都市の建設には多くのタラン人が労働力として動員された。スルムリの旧市街のタラン人居住区はこの頃に形成され、その周辺では今でも死んだタラン人労働者の骸が出土する。

シク・カサルの征服から数十年が過ぎた頃には、惑星の表面はほとんどトルム人によって征服し尽くされ、スルムリを中心としていくつかの都市が繁栄していた。それらの都市に居住するトルム人有力者たちは、惑星の外の世界にも目を向けるようになり、星団会議設立を知って刺激され、次第に惑星の統一政府を欲するようになっていた。それに対し、地方の半封建的な領主や地主たちはこの動きに抵抗した。都市の企業によって土地を買い占められることを嫌ったのだ。ともあれ、スルムリでは惑星統一政府の設立に向けた全国会議が開催され、賛成派と反対派との間で喧々囂々の論争が行われた。

大反乱とサジタ政権

この頃、植民以来圧迫されてきた先住民族タラン人の不満は頂点に達しようとしていた。農村地帯では伝統的な共同体の破壊が進み、海辺に住むタラン人は環境の汚染によって苦しめられた。生まれ育った土地を追われたタラン人は都市に流入して労働者層に加わったものの、そこからも脱落した者たちが多く、この頃には各都市のタラン人居住区はほとんどがスラム化していたという。農村のタラン人はたびたび反乱を起こしていたが、都市に住むタラン人たちは強力な人類の軍に押さえ込まれてただ不満を蓄積していくだけで、いつか爆発することは政府にとっても予想できる事態だった。しかし、その爆発の規模は想定の範囲外だったろう。

スルムリにおける全国会議が結局何も決められずに閉会しようとした頃、同市で一人のタラン人少年が警官によって殺され、これが都市のタラン人の不満に火をつけたのだった。暴動はたちまち各都市に広がり、農村でも呼応する動きが出始める。全国会議は、お膝元のスルムリで起きた反乱によって中止を余儀なくされ、議員たちは慌ててスルムリを脱出しなければならなかった。これが後に「会議の年の反乱」と呼ばれることになる、タラン人の最後の大反乱だった。

当初、反乱軍は各所で人類軍を撃退し、スルムリ市も完全に手中に収めて大反乱は成功を収めるかのように思われた。しかし、次第に反乱軍内部での内輪争いが激化し、貴重な時間が浪費された。この間に人類側は体勢を立て直し、ジェラン市の支配者だったカーロ・サジタを統領に担ぎ上げた。サジタは反乱軍の隙をついて奇襲的にスルムリを奪回し、タラン人の指導者達を捕え、その後に烏合の衆と化した反乱軍と対決した。スルムリ郊外で行われたこの戦いは人類側の完勝に終わり、タラン人側は装備において決して劣っていなかったにもかかわらず、数万の死者を出して壊滅した(ただし少数の学者は、ほとんどの死者は戦いで死んだのではなく、捕虜となった後に殺された、と主張する)。

反乱軍が撃破された後、カーロ・サジタはスルムリに凱旋し、再開された全国会議によって執政に推戴された。サジタは初代執政として表面上は民主的な憲法を定めたが、一方でこの憲法の規定執政の下に強い権限を集中し、これまでのような地方ごとの強い独立性が弱められ、工業や大規模な農業が発展して経済的な成長が続いた。しかし、相変わらずタラン人に対する収奪と血の弾圧は続き、貧しいトルム人の農民や大規模農業に押しやられた小地主も不満を高め、都市では労働者が過酷な労働条件の中で喘いだ。征服時代、建設のために斃れたタラン人の眠る土に、今度は貧しいトルム人の死骸が埋葬された。

MLNの登場


サジタ政権は瓦解したものの、進駐してきたリルバーン帝国軍によって民衆蜂起自体は粉砕され、シク・カサルはスペルビアと改名されて帝国の一属領なった。MLN指導者たちは、急進的な蜂起路線が結果としてリルバーン軍を呼び込むことになってしまったことに驚愕し、サジタ政権時代よりもむしろ事態が悪化(半植民地から植民地へ)したことに気付いてしばし呆然とした。しかし彼らはそれで抵抗を諦めたわけではなく、リルバーン軍の重武装に立ち向かえるような新しい組織を形成しはじめた。

MLNは、これまで都市労働者の運動と農民や先住種族の運動が分離しがちだった点を改め、リルバーン資本の進出に危機感を抱いた民族資本家層や都市の既成政党とも連帯を進め、やがて一種の統一戦線的な組織へと変貌を遂げていった。この頃からMLN指導部に参加し、その存在感を見せ始めたのが実業家のオブラン・シリオや詩人のシアカ・カルドナで、MLNの活動資金の捻出や広報で活躍した。一方で、この頃からMLN内部の意見の相違が激しくなり、重要な路線をなかなか打ち出せなくなったといわれる。

シク・カサル革命



  • 関連する歴史項目


政治


政治体制

  • 共和国政府
    • 大統領 オブラン・シリオ

政治状況


  • 与党
    • 民族解放運動(MLN)

  • 野党
    • 国民党
    • 真正民族解放運動(MLN-A)
    • 共産党


軍政・リルバーン占領の下での反体制派の連合組織として出発したMLNだが、軍政時代に反共を条件として存続してきた人民進歩党や労働運動同盟などの既成の左派勢力が合流し、急進的な最左派が離脱してMLN-Aを結成したことで、相対的に中道色が強まっている。

国民党は、都市の資本やクレスタ教会の支持を受ける。軍政時代の与党の流れをくむが、最近はリルバーンとの関係修復などの面でMLNとの協力を強めている。

MLN-Aは、ゲリラ組織の武装解除やリルバーン帝国との協定締結などに反対し、共産党の影響も受ける。最大のゲリラ組織シク・カサル人民軍(EP)及び労働運動同盟から分裂した労働組合総連盟などが支持母体である。原住種族タラン人の過激派と同盟関係にある。

共産党は、軍政時代以来一貫して弾圧された歴史を持ち、現在でも警察などの監視下にある。一部の幹部はルメリアに滞在して事実上亡命状態におかれている。


外交



  • 所属組織・締結条約


地理


シク・カサルの陸地は、一つの大陸ナエメリカとその周りの群小諸島によって構成されている。シク・カサルの主な地名等は以下の通り。

スルムリ
シク・カサルの首都であり、かつ最大の人口と経済規模を誇る。スルムリには政府の主要な官庁が集中。大都市としての歴史は比較的新しいが、旧市街にはかつてのタラン人街などがある。
バラパラサ
スルムリの近くにある港湾都市。ナエメリカ大陸は地形的な制約により陸上交通が制限されるので、結構繁栄している。海軍本部等がおかれる。
バリヤス島
ナエメリカに付属する島で、人類の征服以来流刑地として知られ、幾多の政治囚を収監した監獄が悪名高い。小惑星の一つが宇宙流刑地となってからは、この監獄は流刑用小惑星への移送を待つ囚人を隔離するために利用されていた。その流刑用小惑星に配流された最初の囚人は「会議の年の反乱」の首謀者とされたタラン人たちである(移送途中に殺害されたとの噂もあるが)。


経済


食糧生産は惑星上・惑星外の様々な農業プラントで行われているが、それらの中にはタラン人などの労働者を酷使することによって利益を上げているものも多い。特に大規模な農業プラントのトルム人経営者たちは、有力者として国政に影響力を持っている。彼らは、サジタ時代に外資が導入されたことによって損害を受け、革命勢力を支援した。

プラフタ社
シク・カサルの翻訳機メーカー。プラフタの携帯翻訳機は軽量・安価で、公的な語学教育があまり充実していないこともあり全国的に普及している。プラフタ社は翻訳機の収録言語を積極的に増やしていく姿勢と、不名誉ながら翻訳精度があまり良くないことでも知られている。もともと、タラン人の多種多様な言語を収録するにあたってあまり翻訳の質は気にせずどんどん取り入れたことからきたもので、最新機種では星団会議参加諸国の言語も徐々に収録されつつある。


住民


シク・カサルの支配者であるトルム人は、故郷を去った人類の末裔であることは確かのだが、シク・カサルにたどり着いた移民船団の初期の歴史は何回か発生した事故によってほとんど散逸し、具体的にどのような系譜を辿ってきた種族なのかははっきりとはわからない。広く支持を得ている説によれば、かつて母星で強盛を誇った大帝国トルムの国民が宇宙に脱出し、その末裔が今日のトルム人なのだという。一方で、複数の移民船団が合流するなどして誕生した雑多な集団がトルム人の起源である、という説もある。公用語としてはトルム語を話す。

シク・カサルの原住種族であるタラン人は、トルム人やほかの人類とはかなり異なる姿形をしており、トルム人からは蛸足人などとも呼ばれる(完全な蛸型ではなく、ある人の弁によれば軟体動物のケンタウロス)。いくつかのグループにわかれそれぞれに長老を戴いていたが、トルム人によって圧迫されて伝統的なグループの数は減少し、若者は低賃金の労働者として生きていくしかなくなっているのが現状。グループによって多様な言語を話すが、かなりトルム語が通用するようになっている(簡易な翻訳機を使用する)。


文化


シク・カサルの宗教問題について、世論調査によればトルム人はほとんどが「クレスタ」という宗教を信仰する。この宗教は宇宙放浪中に移民船団内部ではじまったとされる。ただし、その信仰心については濃淡がある。ごく少数アシュテリア統一教との回答もあったが、同教団による布教等の宗教活動は確認されておらず、実際にシク・カサル国内にその信仰が存在するのかは不明である。タラン人の信仰についての最近の調査は存在しないが、半数ほどがクレスタの信徒、残りは民族グループごとの伝統的な信仰を守っているとされる。


軍事




シク・カサルの人物


ドラーク・ペガゾ
シク・カサルへ到達した人類移民船団の司令で、シク・カサルへの植民を指揮しいくつかの小規模な都市を建設したが、彼の時代は依然タラン人の非服従勢力が強力で、現スルムリの建設中にタラン人の刺客によって暗殺された。シク・カサル植民を開始したということで立場によって非常に賛否が分かれる人物であり、トルム人からは賞賛され暗殺現場には彼の名を冠した通りや広場があるが、タラン人からは憎悪の対象として象徴的な男である。もっとも、このような重要人物でありながら彼個人に関する史料は乏しく、その人となりもあまり伝わっていない。
サビル・デルネス
植民が一段落し、タラン人との戦いも少なくなってきた頃のスルムリの指導者。スルムリの繁栄の時代を築き上げ、同市を数多い植民都市の中でも筆頭の位置にまで押し上げた。また、柔軟な思考の持ち主であり、最初に惑星統一政府の樹立を構想しタラン人勢力とも積極的に交渉を行った。その功績もさることながら個人としての逸話にも非常に富み、冗談好きで親しみやすいという印象がもたれ、現在、国内で最も人気の高い歴史上の人物である。もっとも、守旧的な立場からは批判があり、歴代の有力者たちの共通の秘めたる野望であるシク・カサルの君主への即位を明確に否定した唯一の人物でもある。
カーロ・サジタ
初代シク・カサル執政。もとは植民都市ジェランの支配者だったが、タラン人の反乱軍がスルムリ市を占拠するとスルムリの有力者たちの要請を受けて討伐軍を組織、三日間の市街戦の末に反乱軍を撃破して、スルムリに居たタラン人を反乱への関与の有無に関係なくことごとく追放した。このスルムリ奪回以降反乱軍の勢いは衰え、「会議の年の反乱」は終息に向かった。


外部リンク

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最終更新:2009年03月14日 19:53
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