【戒音旋律セネバネ】
オリジナル等身大。現在7話まで。
暗いレトロフューチャーなSF、というところ。
1984とか時計仕掛けのオレンジとか太陽の都とかパラノイアとか。
そこまでのエグみは無いか。

ストーリーは重くて暗くて欝な、どん詰まりの明日なき逃亡劇。
ボーイミーツガールがディストピアを破壊するんだぜブラザー。
そういう展開に萌えない場合は……がんばれ。

戦闘難易度は低い。
せいぜい、六話(七戦目)から登場の『アイスパイ』が鬱陶しい程度。
ヒヤッとする局面もなく蹴散らせる。


※このレビュ内に登場する会話文は全て意訳です。
 変にゆがんだ解釈をしている部分もありますのでご注意を。


タイトルは『かいねせんりつせねばね』と読みます。
重箱読みをするとは思わなかった。予想外。
この先、どんな裏切られ方をするか予断を許さないなコレは。


○00
うーむ。いい具合にレトロな管理社会。一周して既知の域か。
中途半端にハイテクな辺りが、非常に駄目すぎる管理社会で、凄く美味しい。
これをボーイミーツガールが破壊してくれるんだろ? 最高じゃないか朝比奈(誰)。

戦闘開始。
物資輸送中の飛行機を襲撃したテロリストを操作するのだが……そりゃともかく。
目的の『物資』が入った箱。『移動力1』。こ、こいつ動くぞ!!

とか言ってる内に余裕で勝利。
テロリスト側は等身大としては破格の硬さ(装甲の平均1116)の上M全回復アビリティあり。
対する体制側はボスたる甲冑を着込んだ騎士が「ふつうの等身大ユニット」だからもう。
初戦で躓かせる方がマズいから別に良いんだけどね。

テロリストは勝利するも、腹の据わった騎士様に一瞬の隙を衝かれて積荷奪取に失敗。
高空から投げ捨てられた荷物は民家に大穴を開けていたのでした。
中身が無事だったのは幸か不幸か。多分不幸だ。


○01
中身:美少女ロボットが珍品とあって、知り合いの商店に売り飛ばそうとする少年。
下層階級の済む領域で扱う商品としては危険と拒否され、スラムで売り抜けんとするのだが。
人工意識を持つロボットとの対話で鏡をつきつけられる。
「売られるしかないにせよ、やる事がないよりはマシ」などと。

スラム入り口で物取りに襲われ戦闘に。
……コンバットドラッグって偉大だなぁ。正規兵よりスラムの強盗の方が強いんだもの。

正規参戦のユニットはMajor/Minor二つの形態を使い分けられるらしい。
主人公の貧乏少年『樫山誠一』はMinorの悪燃費に苦しむか敵の変態ぶりに苦しむかの二択。

一人目、ショートソードを持った切り払いLv6の暴漢をMinorの接属性で撃破。
二人目、運動性120のコルレルみたいな奴を同じく連属性で撃破。
マトモな能力の三人目にMajorで当たる。気力115に達すると忍耐自動発動という素敵さが目的。

しかし樫山くん。君ってば妙にプロレスライクな武装してるね。と思っている内に勝利。

お店にたどり着いたところで自らの行いを思い直す樫山くん。
「ロボ売ってあぶく銭掴む俺って上層階級の連中と変わんねー」
売却をあきらめてロボ娘と逃げることにしました。うんうん。

逃げるんじゃなくて「見積もりが気に食わん」という言い訳で良かった気もするが。
そこが若さである。などと。


○02
少女の姿をしたものに寝起きの姿を見られて傷つく樫山くん。そんなお約束はさておき。
事故の衝撃でメモリが飛んだのかロボ娘は右も左も判らないため、世界の説明をする事に。
背景説明とはかくありたいものである、とか思ってたら教科書置いて行っちゃった。

『総統』が長なのに『王国』か。翻訳機が壊れてるのか?
実は彼らが日本語で会話している訳ではない、という類推もできるなコレ。

# 上層部には上層部なりの苦労があるんだぜボーイ。
# TVが監視装置兼ねてたりするんだぜHAHAHA(違)

屋根の穴を塞ぐ資材を購入するついでにロボ娘の身体に探りを入れるため、最初のお店へ。
そこで『セネバネ』と読める単語が登場。出てきただけで詳細一切不明。
中枢を構成するシステムであるらしいので、彼女の名として使われる事になった。
とりあえず、樫山くんの妹「セネバネ」として暮らす事にあいなった訳である。

そんな二人に声を掛ける樫山くんの友人・『佐藤俊夫』くん。
プロモーターとも自称する彼は、樫山くんに『バトル』へのお誘いをするのであった。

# 「さとうとしお」とは酷い名付けですね。
# 滅多にないネーミングだが普通という(フィクションにおける)絶妙さ。

バトル:庶民の娯楽たるストリートファイト。
樫山くんの武装は伏線だったのか……これは完璧にやられた。白旗挙げ。


○Exit
茶ァ噴いた。Exitでメタな会話をするのはありがちだが、これはなかなかの傑作かと。


○03
バトリング会場。対戦相手との挑発合戦の後に戦闘開始。
『赤崖白兎』氏を、誰か(というか佐藤くん)紹介してくれ……読み方わかんないよ。

# どーでもいいが赤崖くんより佐藤くんのほうが可愛いと思うよハァハァ

ここに来て1対1の戦闘(そりゃそうだ)。
仕方ないのでMinorモードで気力を稼ぐ。根性とラリアットに頼れば何とかなるだろう。

負けて逆切れした赤崖くん、セネバネを人質に取ろうとして逆襲されさらに負け。
やりすぎなくらい見事な逆襲っぷりを見せるセネバネの正体は一体……?


○04
上層からの招待状が届いたことはさておき、屋根の修理に勤しむ樫山くん。
招待状の送り主の話題から明かされる、樫山くんの身の上。

# はじける裏切られフラグの香り!

父君の元部下である上層の人との会話に、落差を痛感する樫山くん。
こういう積み重ねが感情移入を生むのだな。
王国を打倒すべし、とプレイヤーに思わせれば作者氏の勝ち。みたいな。

#「歯車になるのが国のためなんよ、幸福でなくとも」に違和感。
#「歯車になれれば幸福なんよ、国のためなんだから」にする方が
# ディストピアっぽいエグみが増して良いと思われます。個人的には。

帰りしな、なんと赤崖くんの襲撃を受ける。階層間の警備は万全じゃないらしい。
……というか、そんな乱闘騒ぎを高治安区域でやらかして命はあるのか……?

ここでセネバネが戦闘に参加。正規参戦ではないので変形不可。
そのままでもザコをものともしない程度の能力はあるので問題なし。
問題はザコのみなさんに二種類の武装がありユニットアイコンで見分けが付かない事だ。

穴だらけの射程を衝きまくってザコを蹴散らし、さらにラリアットで赤崖くんも撃沈。
喧嘩の傷よりも、思い出との溝の方が深く辛いのでありました。


○05
セネバネに追っ手が掛かっている事から怖い想像に至り、樫山くんを心配した、
《樫山くんの父君の元部下の娘》=梨乃ちゃん。思い切って下層へ来てしまいました。
間の悪い事に、追っ手と同じタイミングで。

しかもセネバネ、うっかり固有名詞を口にしたことで梨乃ちゃんの怖い想像を実現。
回収されまいと思う内に、セネバネは能力を開放するのであった。
そりゃ、人体を『削り取る』ような武装持ってるよーなロボ娘を匿ってりゃ逮捕もしたくなるわ。

限定解除されたセネバネの能力はMajorが近接型、MinorがMAP兵器つき固定砲台。
その場で待って集中かけてMAP兵器2発でほぼ終了。

梨乃ちゃんの説得によりセネバネは警察に出頭。
合理的に判断したつもりなんだろうけど、そんなに甘くないわなー。
画面に向かって「逃げてー」などと言いたくなる展開。

# 梨乃ちゃんから漂う死亡フラグの香り。"見ちゃった"しなぁ……


○06
あっさり逮捕される樫山くん。国家機密に触れりゃそんなもんだ。
下手な尋問のついでに、あっさり「死刑っしょ」と抜かす尋問役の騎士様。
し・か・も。『冥土の土産の真相大暴露』なんてお約束まで賜りました。
ジャンキー以下なのも判るような気がする……

# 00話の彼が王国最強の騎士だ。間違いない。

……で。セネバネは樫山くんがすぐ釈放されると聞いていたのだが、
直後に「死にたくない」と叫びながら袋叩きにされている樫山くんを発見。
騎士様がたは、ホウレンソウがなってないツケを命で払う羽目になりましたとさ。

そして始まる明日なき逃亡劇。
二人を匿ってくれた乾さんも、たいがい良い人だ。
またも画面に向かって「逃げてー」などと。焼き討ちくらいやりかねん……


○07
結局、樫山くんとセネバネはスラム街に身を隠す事に。
これから力をあわせて生き抜こう、って所で、えー? 何、このタイトル。

一般の警官や騎士ではお話にならんという事で、セネバネの"姉"が追っ手として登場。
完全同型ではなく、火炎投射能力である辺りがまだマシか。

"姉"ことドルカスは戦闘ロボットを繰り出して二人に対抗。
手が長い分騎士よりはマシかな? というロボどもを蹴散らし直接対決へ。
火力はあるがこちらも熱血を使い先制。自動発動する忍耐もあって余裕の勝利。

だがそこへ、こっそり付いて来ていた二人の同系機「レレィ」と「ミッゾ」が乱入。
連戦になる。ドレミの歌を唄いながら、とは行かない相手がようやく登場か?
長射程縛り武装がメインのHP5桁ユニットが二体。

勝利条件が一方のHPを八割削る事であるため、まだまだ余裕だった。
先に援護防御用の壁を割る→セネバネの最強武装でレレィを直接攻撃。
これを三回繰り返してレレィ撃破。ミッゾ到着のはるか以前に終了。

……したんだけど。エネルギー切れでセネバネがダウン。戦闘どころか行動不能。
彼女は回収されてしまい、スラムに取り残された樫山くんの明日はどっちだ。

今後の展開は読める、読めるけど気になる。


マップが雑に見えるのが最大の難点。
主人公の家は割と凝った作りになっているのだが、街路がどうにも雑。

割とどうでもいい部類だが、戦闘メッセが何というかエリア88。
ポエムを朗読しながらバトルと表現すると湾岸ミッドナイト?
「女呼ばわりすんなー!」
「大人になったらセミは飛ぶ……」
こんなギャップが生まれて妙な気分に。

権力側が無能なのはこれでいいのです。いいですとも。
これをボーイミーツガールが破壊してくれるんだろ?
本当に最高じゃないか朝比奈(だから誰)。

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最終更新:2008年05月05日 20:40