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【未完のキャンバス】 製作者:マイヤー氏
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SRC学園の世界観を使用したシナリオ。
作者は同じく学園シナリオ『三年二組からの手紙』が
記憶に新しいマイヤー氏。
リリース文には

『SRC学園を全く知らない人でも楽しめる』
『SRC学園に参加してみたくなる』
そんなシナリオを目標に製作。

とあり、関係者以外には取っ付きづらいと言われている
SRC学園シナリオだが、あえて初心者をターゲットにしている。

シナリオ独自の要素としては、選択肢による仲間との好感度、
キャクターの性格毎に設定された4つの『色』が
戦闘に影響する属性システムがある。

○各話感想

『プロローグ』

ストーリーは、モンスターに襲われた
主人公・美原奨が能力に覚醒してそれを撃退する、
能力者鑑定人にそれを見出されSRC学園に転校する、という過程が、
感情が色に見えるという主人公の能力と相まって丁寧に描かれている。

奨の独白という形で、やや強引ではあるが能力者とモンスターの
存在について最低限の説明を果たしている。
ただ、あまり出来のよくないwikiの解説文を、ほぼ原文ままに
説明した感じで、この部分だけやや浮いている印象。
初恋の女性や友人、両親とのやりとりは自然なのだから、
無理に説明調にしなくてもよかったように思う。

戦闘は、4色の属性システムの慣らしのようなもので、
効果薄の属性にさえ気をつければ問題ない。
チュートリアルをマップコマンドで参照できるのは親切。

『第1話』

SRC島に到着して、第1話が始まる。
ここでも、学園のパンフレットを読むという形で
SRC学園について説明している。

奨の独白による状況整理のシーンでは、キャンバスに絵を描きながら
考えを整理する、というグラフィカルな演出がなされている。
背景や場所表示をしただけで終わらないのは素晴らしい。
マップを使用して、能力者たちの破天荒な登校風景を演出しているのも良い。

戦闘。ザコ敵にはランダムで性格属性が割り振られるが、
髪の毛の色で見分けられるように配慮されている。
主人公以外はひとりにひとつの色属性しかないので、
ザコの性格が偏ると面倒かも知れない。

『第2話』

物語は二学期の初めということで、学期明けテストが実施される。
能力を使用してカンニングを試みる生徒とそれを止める教師、
という図は学園シナリオ『鵯』と被る。

戦闘。学食にモンスター発生。色属性バトルにも慣れてきたころ。
プレイの仕方が悪いのかも知れないが、
敵に弱点を突かれるということがあまりなく、
こっちがただ弱点を突いておけばいい戦闘になりがちな気がする。
変にガチガチにして面倒くさいよりはいいけど。

『第3話』

今回の解説。個人生徒会について。部活動、生徒会について
図付きで説明してくれる。
初心者を意識した部分には徹底しているようだ。

ストーリーは、初恋の人に似た女生徒と出会う、
主人公にとって転機となりそうな回。
転校生の生徒会勧誘と今後のキーマンとなるであろう女生徒との
出会いを難なく繋げている。
この作者は基本的にシナリオの運び方が上手い。

戦闘。敵の挟み討ち。どちらを先に倒したかで入手アイテムが
変わるので、どちらから片付けるか考える価値があるのはいい。

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○ストーリーについて

ストーリーは丁度プロローグが終わった、といったところ。
まだ、これが未完のキャンバスだ、というくらいの
オリジナリティは感じられないが、じっくりと世界設定を描写してある分、
初心者も安心してプレイできることは間違いない。

好感度の上下に影響する選択肢は、選べる選択が少ない、
行動の違いが分かり辛いなど、選択する楽しみがあまりないのは残念。

少し違和感があったのは、奨をSRC学園に招待する能力者鑑定人、
朱鷺啓二の存在。
朱鷺はwikiには投稿されていない、別のSRC学園シナリオ『少年と定規とSRC島』のキャラクターである。
それが悪いというわけではないが、このシナリオは初心者向けであると同時に『学園に参加してみたくなる』ことも目標にしているわけだし、これがきっかけで学園に参加しようと思った人は戸惑うのではないだろうか。

朱鷺や2話冒頭のテストなど、他の学園シナリオと被っている部分があるのも気になった。
『初心者のための学園シナリオ』のために、既存のシナリオと被ってでも分かりやすい描写しようとしているのかも知れない。
個人的には別の方向からのアプローチもできるのでは、と思ったのだが。

○戦闘について

難易度そのものは属性に気をつけていれば易しい。
ただ独自の『4すくみ戦闘』は、まったく影響を受けない属性が
2つあるなど、完成しきれていない感じ。

○総評

全体として、ちょっと贅沢、というか欲張りなシナリオに感じた。
学園初心者歓迎、好感度あり、独自の戦闘システムあり、
当然、主人公・美原奨の物語でもある。
同じ作者のシナリオ『三年二組からの手紙』等と世界観を共有してもいる。

作者マイヤー氏のスキルは水準以上のものだと思うが
一度に詰め込みすぎな印象。
これだけ多くのものに正面から取り組んで、ひとつのゲームとして成立させることができるのか、それが不安である。

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回しついでに【未完のキャンバス】をさわり程度をやった感想などを。
いわゆる学園シナリオ。学園物初めてやったけどリリース文に
『SRC学園を全く知らない人でも楽しめる』と書いてあるように
初めてでもわかりくい設定などはシナリオ上で説明してくれるので
とまどわずに出来た。
主人公が相手のキャラ特性、感情を色で識別することができ
4色によるすくみ関係のある戦闘。
敵、味方1属性の中、主人公は武器で全属性持ってるのは
ちょっと便利すぎねと思ったり思わなかったり。

ほんとさわりしかやってないので話の良し悪しはなんともいえないけど
内輪臭なくパロキャラなく普通に楽しかった。(あくまでやったとこまでね
分岐なども仕込んでるようで頑張ってるなと思う。
時間のあるとき続きをやろうと思う。
他の作品きになって検索かけたのだが学園物しかなかったので
出来れば版権、オリなどの作品も見てみたい。

最後にあくまで凄く個人的な意見なのだが、キャラに魅力をあまり
感じなかった。
学園フィルターかかってるかもしれないし、やった量が少ないし等
いろいろあるとはおもうんだけど、なんというかただキャラを出しました
見たいな感じがした。
色々なタイプのキャラ出たんだけど何かどうもうーんって感じだった。
主人公のキャラが設定上で無色なので、他のキャラとの絡みがそっけないから
そう感じるのかもしれない。

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最終更新:2008年02月23日 11:39