桃色闘姫

まず最初に言っておく、これは面白い。
普通に作れば三十話以上は軽くあるであろう物語をダイジェスト形式にして、僅か三話に圧縮している。

最初に始めると、普通のファンタジーオリシナっぽい導入が始まり、そのまま謎の敵の襲撃。
はいはい初起動戦闘ね、みたいな気分でいると、戦闘シーンスキップ。
あれ?と思ってるうちに進むストーリー、増える敵味方のキャラ、そして戦闘シーンスキップ連発。
気がついた時には敵の本拠への突入戦でした。ここで初めて戦闘。
ヌルい戦闘を軽くクリアすると、敵ボス登場、敗北、そして降伏と裏切り。
第一部、完。そして第一話終了。
主観ではここまであっと言う間で進んで、しかも内容が濃い。
その後二話三話と同じスピード感で進む。そして三話で完結・大団円。

一歩間違うと単なる手抜き、あるいはプレイヤー置いてけぼりになるが、それがまったくない。
まずシナリオの設定とストーリーが王道ながら作りこまれているおかげで、超駆け足でも流れを見失わない。
ダイジェストなのでキャラのセリフ以外の演出がほぼないおかげで、キャラの個性も見失わない。
用語も、魔女、ホウキ、ソウジキ、みたいなわかりやすいものなのでなんだっけこれ?みたいなこともない。
二度目のプレイをすると、かなりとんでもない構成力でこのダイジェストシナリオが出来てるのがわかると思う。

まあ、ここまでベタ褒めできたが、世界観の国籍不明さはいかんともしがたい。
中華風の帝国を舞台に、レジスタンス、魔女、ロックンロールなど、ちょこちょこバテレン言葉がある。
長編ならこういう違和感も説明できたんだろうが…。
あと流石にダイジェストではロボの固有名詞の方はほとんど覚えられなかった。
しかも名前が漢字のカタカナ変換なので覚え難い。
でも、基本的にやって損はないシナリオ。時間もかからずサクサク出来るので気軽に出来る。

最後に、女王騎士物語の最終話(2007年11月のガンガン)を読んだ人は、読み返すか思い出してから始めるといい。
シナリオとは別に、物凄い切なさも同時に味わえること請け合い。
いや、書き込んだときはこんなシンクロするとは想像だにしてなかったが。
ともかくオススメ。シナリオ作者の人は色々参考にもなるんじゃないだろうか。

でもまさか、ダイジェスト中での死亡シーンに心動かされるとは。ミツキ…

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最終更新:2007年11月21日 22:45