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【Code-Rune】 製作者:K’(カズ・ダッシュ)氏
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白夢氏主宰のSUC世界観を使用した等身大シナリオ。

SADAME、あるけみ等のリレー系シナリオに多く参加し、
そのシナリオ傾向から何かと話題になるK’(カズ・ダッシュ)氏の、初の単独シナリオ。
登場するキャラクターの多くは、氏がそれらのリレーに提供したキャラが元になっている。
自分はSADAME、あるけみリレーどれも未プレイ。

ストーリーは、主人公の少女ルーンが、
傭兵として戦いながら、失った記憶の手がかりを探していくというもの。
戦闘では、達成するとボーナスを得られる要素、シークレット・ファクター(S・F)がある。

○各話感想

旅情編

『Period-01』
記憶の無い少女ルーンは森の中でひっそりと暮らしていたが、ある日盗賊に襲われる。
街道を逃げるルーンを救ったのは、旅の剣士零華と救護兵メディカだった。

無難にスタート話。零華とルーンが出会う部分が普通に描かれる。
戦闘はまあ簡単。S・Fを狙うと、ルーンの動かし方を少し注意しなければならないが何とかなる。
このシナリオ、戦闘中BGMが固定されないのだが、
ユニット側にBGM指定がないので戦闘するたびデフォルト曲が流れてしまう。何か指定してほしいところ。

2時間歩いただけでもう歩けませんと言ってしまうメディカは
少しヤワすぎる気もするが、まだ旅の経験が浅いらしいのでいいのか。

『Period-02』
二人の道連れとなったルーンは、戦いの中、自分の中にある不思議な力を覚醒させていく。

パッと見、可愛らしい少女であるルーンの戦闘スタイルが格闘戦タイプだと判明する。
そりゃあ主人公なのだから戦力にならなくては困るのだが、攻撃方法が『光の拳』『光の弾丸』『光の鉤爪』って。

戦闘はイベント色が強い。敵の数は多いものの、ルーンは意外と強い。
各ユニットの特性を掴むつもりでサクッとクリアできる。

『Period-03』
何者かから逃げながら旅をする二人、グラムとルミアは、命を持つ人形アリエルと出会う。
ルーンたちは三人を助けるのだった。

初期配置のグラム、増援のルーンたちで敵を挟み撃ちにする形になる。
敵は数で押してくるので少し面倒くさい。
S・F達成に拘りすぎると、いつのまにかピンチになっているかも。

初対面なのにヘタレ扱いされるグラム。ネタなのだろうが、無意味に連呼しすぎじゃないか。
彼が登場する他のシナリオでもそんな傾向がある気がする。
それにしても、SUCシナリオでは意外と出番の多いグラムとルミア。
当然のようにセットで登場するこの二人、基本設定では特に接点はない。
二人の製作者シャアペン氏が自分のシナリオで設定した関係が、そのまま浸透しているようだ。

ややクセのあるデータ揃いの味方ユニットの中、地味だが使いやすいグラムの参戦は何か落ち着く。

『Period-04』
ルーンたちは魔族都市ヴェリリアリスを訪れる。些細なことからチンピラと喧嘩になる。

敵は妙に色々な武器を持った物騒なチンピラども。
今回は敵との距離があり、ゲストユニットもいるので余裕を持って対処できる。
それでも敵は多い。これはこのシナリオの傾向らしい。

この回で初めてS・Fに『埋もれた財宝』登場。
場所のヒントは割とそのまま教えてくれるので、素直にそこに向かおう。

『Period-05』
ヴェリリアリス近郊で謎の軍隊に襲われるルーンたち。

ついにネームド敵との戦闘となる。
ジャイロ軍主要メンバーがぞろっと登場。おーおー、見たことある顔ばかり。

S・Fは今までになく多い。ネームド敵、中ボスクラスの敵を倒すという条件がほとんど。
時間制限もあるので、一回目のプレイで自力で全てを達成できる人は少ないと思う。

また、この回ではSSF(スーパーシックレットファクター)が。
通常のS・Fと違ってヒントもなし、いくつ存在するかも不明、条件も厳しく、隠し要素色が強い。
今回の入手アイテムはナツキ(まじかるカナン)とユーノ(りりかるなのは)の魔法動物ぬいぐるみ。
まれにこの手の『リスペクトアイテム』という版権作品絡みのアイテムが入手できる。
能力は高いがこのチョイス……。
ところで、アメリア=ゼファー撃退の入手アイテムが『胸パット』って。

……入れてるんですか。

装備効果は『装甲+150』。

……硬いんですか!?

『Period-Intermission01』
ジャイロに失った記憶の手がかりがあると考えるルーン。その為には実力をつける必要がある。
ルーンはガーディアン・フォースで傭兵として戦うことを決意する。

戦闘なしのイベント回。
この話を境に、自由都市フリーラインを拠点にG・Fの傭兵として活動するストーリーになっていく。
今後の拠点となる自由都市フリーラインは、G・Fの設立を期に発展著しいという設定。
それって最近すぎる気がするんだけど、いいのかなあ。

傭兵編

『Period-06』
ルーンの傭兵としての初仕事は、スライム討伐だった。
そこで魔法剣の少女プリムラと出会う。

G・Fメンバーの加入で一気に仲間が増えた。全員は把握できず。
これからおいおい出番もあるだろうが、それでもちょっと着いていけず。
雷属性攻撃持ちのユニットが頼もしい今回、G・Fの傭兵ルスターとグラムが活躍できる。
グラムさん、戦闘では地味にお世話になってます。……ヘタレてないよなあ。
唐突に現れ、何となくそのまま仲間になるプリムラに伝統的な適当さを感じた。

『Period-07』
古代遺跡の調査依頼を受けたG・F。遺跡の奥で謎のメイド少女ミルラと出会う。
依頼を達成したルーンたちは、アリエルからルミアが攫われたことを知らされる。

今までより固めの敵が、足場は狭いがサイズは大きいマップで待ち受ける。
S・Fは埋もれた財宝が6個と大判振る舞い。自力で全て見つけるのは困難だろう。
懐かしのSP探索が欲しい……ないけど。SSF入手ならず。

長期戦になるので、燃費のいいユニットが活躍する。
この回、ちょっと疲れた。
ストーリーとしては、おいしい感じで次回に続く。

『Period-08』
ルミア誘拐の犯人は、彼女の血を狙う吸血鬼ムグドラフだった。
ムグドラフを追う魔法騎士ルッツと協力し、ルミア救出に急ぐ。

やはり続きものはおいしい。ストーリーも、今までの巻き込まれ型の展開ではなく、
超吸血鬼という明確な敵が登場したことで俄然盛り上がる。
ムグドラフと因縁を持つはずのルッツの扱いが、持ち上げてるんだが適当なんだか微妙な感じだが。

ゲストユニットはどれも強い。NPCのメイドさんも活用して敵を減らせばなお楽。
ムグドラフは強いが、所詮は一人。このシナリオの戦闘の厳しさは数で押してくる敵にこそある。

エピローグ、ついにルミアと結ばれる(?)グラム。ラブシーンにしては何か妙だが、まあいいか。
ルッツがなぜかライトグロムと呼ばれていた。間違いにしては何度も。

『Period-09』
竜の血を持つ少女かれんは、その力を狙う魔族に襲われる。
その頃、ジャイロ軍は戦線に新兵器を投入、ラムダ軍の機甲部隊を圧倒する。

激戦の後は一転、ユルめの話に。流れとしては良好、でもちょっと唐突かも。
新キャラかれんは竜の血を持つ少女。強設定ドンとこいのSUCでもかなりのレア設定なのだが、
大したことないよ、みたいな反応のかれん少女。K’(カズ・ダッシュ)氏のキャラクターはこういう
すごい能力や設定を持ってるんだけど、それが何?と生きてる、みたいなキャラクター描写が多い。

今回はあっちを取るとこっちが取れない、みたいな条件のS・Fが多い。
自分で探したかぎりでは、あんまり達成できなかった。
SSFは自力で見つけるのは難しいが、特定位置に移動するだけで取れるので楽ではある。

エピローグ、ジャイロ軍に動きあり。
これからの伏線として、一段落ついたあとの新展開としてはいい感じだ。ただ長かった。

『Period-10』
自らを修羅と名乗る男、孫雷公の襲撃を受けるG・F。

相変わらずジャイロ軍はルーンと関係ないところで動いている。接点少ないなー。
いつも通りの集団ザコ戦、と思いきや新たなネームド敵の登場。
前哨戦として、賊、傭兵のザコ集団と戦う。ショック攻撃を持つ傭兵は意外とやっかい。
以前、他のシナリオのレビューでも触れられていたが、このザコ、戦ってみると結構ウザい。
S・Fは『猛将たちの宴』というシナリオタイトルの通り、敵撃破関連が多い。

テイルズシリーズの某若本を連想しないでもない敵将、孫雷公の口上は結構なのだが、
身分を隠し、雷公とともにルーンたちを襲撃する仲間二人の台詞が微妙に変。

Talk 孫雷公
俺の名は孫雷公(そん・れいくぉん)! 強き者達よ、我が剣を受けてみるがいい!
Talk ジュリエット
ほーっほっほっほっほっほっほ!!
私もまた、修羅。我が斧を高みへと上らせるための礎となって頂きましょう!
Talk アミィ
私も、強くなる為にあなた達を倒しに来たのよ。恨みは無いけれど……覚悟してね!!

なげやり、やけっぱち加減が素敵である。
そして戦闘後、孫雷公の修羅論を聞いた二人の会話。

Talk ジュリエット
……修羅、ですか
まぁ、いい響き……とはいかなくとも、なかなか心地よい言葉ですわね、アミィ
Talk アミィ
……そだね

そうかあ?

『Period-11』

幽霊屋敷の浄化を依頼されるG・F。
アリエルは戦いの中、自らの誕生の記憶を思い出すことになる。

アンデッド祭り、火葬大会。
敵の数はかなりのもの。うじゃうじゃと邪魔でしょうがなかった。
愛称の悪い連中を出撃させてしまった場合、ゲストユニットの退魔師が頼り。
ボスはアリエルとのイベントが終了するまで撃破できないので、上手くやっても3ターンはかかる。

最後にアリエルの秘密が明かされる。ある意味、彼女の基本設定をひっくり返すものであり、
作者がやってんだからほとんど公式の設定なんだろうけど、
個人的には今までのアリエルの設定のほうがあっさりしてて好きだった。元ネタとの差別化を図ったのだろうか。

また今回、旅の退魔師一行がゲストユニットとして参加するのだが、
この展開、シナリオへの登場を希望するリクエストを受けてのことらしい。
出番は少ないのだが、こういうのをよく取り入れたなあと素直に感心。

思いのほか戦闘に時間がかかってしまって、ちょっと疲れた。

『Period-12』
ジャイロ軍の策略によって、戦争は悪化の一途をたどる。
ルーンたちは傭兵の天城総一とともに小百合の列車爆破作戦を止めるため行動する。

今回は敵の数が少ない。いい加減、敵の多さにはウンザリしていたのでこれは助かる。
ターン制限に余裕はあるが、さっさとザコを倒してボスとの戦いに集中。
イベントは、総一に対する対応の選択、絶対に成功しない説得など、詰められるだけ詰めた印象。
小百合との戦いに決着がつくのだが、……んーなんだこれは。

戦闘終了後、列車爆破は阻止できたものの、色々と悲惨な結果になってしまう。
その原因はお前だと、総一をG・Fが全員でバッシング。
最終的にお前は傭兵失格だ、みたいな説教を受けるんだが、そんなこと言われてもなあ。
今回のこれって、総一が傭兵としてじゃなくて人間としてダメだから招いた結果なんじゃないの。
しかし総一が最低だとしても、なぜそれをさっき会ったばかりの人間に言われるのか。

小百合との決着も、実際は総一ではなく、G・Fのメンバーの一人、トゥールの手によって着けられている。
その時のトゥールの台詞も、「お前は最低だ、死んでしまえ」みたいな感じだし。
いくら列車爆破を阻止するという理由があっても、G・Fがそこまで介入するのには無理があったのでは。

最後に、総一のあまりの態度に怒ったルーンがとどめの一言を放つのだが、
今までルーンは、プレイヤーに一番近い存在として描かれてきただけに、ここで突然突き放されてしまった感じ。
G・Fには(せめてルーンだけは)第三者的立場から、事件を目撃してほしかった。


ところで個人的にヒドいと思ったのは、
戦闘から数日後、事件を記事にした新聞記者シルフィエッテとルーンの会話。

Talk ルーン
あ、シルフィさん。新聞の編集、終わったんですか?
Talk シルフィエッテ
まぁね。『恋に溺れた科学者と軍人と傭兵の悲劇』ってね
End

鬼かお前は。

とりあえず、リリース分はここまで。

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○ストーリーについて

基本は巻き込まれタイプ。何かが起こって、それにルーンが関わって行く、という流れだが、
定期的にジャイロ関連の話、ボスクラスのキャラクターが登場する話が入る。
ジャイロ軍と互角に渡り合えるなど、一部G・Fの描写が強すぎる気もしたが、まあ許容範囲内だろう。
零華やG・Fの幹部メンバーなど、設定上めちゃ強なキャラクターも存在するので、
前途の『凄いことを大したことない風にやってしまう』のが気になる人にはキツいかも知れない。

○戦闘について

良好。敵の配置、増援タイミングも理不尽さはなく。
時々ある大きめのマップや、敵の数が多くて邪魔に感じることがある。
SPの活用や属性も意外と大事。
S・Fを全部達成しようとすると、かなり難しくなる。高難易度が好きなら挑戦しても。
条件???が複数あると、どれを達成したのか分からないことがある。
条件を達成したらオープンにしてくれても……と思ったが、望みすぎか。

○総評
シナリオ自体の出来は何というか、プレイしておいて損はない、というより、プレイしても損はしないといった感じ。
『らいなーのーと』で明かされる作者の考えやコメント開けっぴろげすぎる気はする。
楽屋裏の制作秘話など、受けて側は聞いても気持ちいいとは限らないのだなあと思った。
しばらく更新が滞っているが、SUCシナリオは何故か完結しているものが多いので頑張ってもらいたい。

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最終更新:2007年09月01日 13:51