オリロボ長編「AW戦記」シリーズ作者であるみさき氏が手がける等身大シリーズ第三弾。
「AW戦記」シリーズはシリアス主体、等身大シリーズはギャグメインと
はっきり分かれているのが氏の特徴でもあるのだが、本作は割とシリアス要素も強めである。
システム的には至ってオーソドックス。
短編シナリオなので二段階改造だが、無改造でも九話までクリアは可能。
バランスはしっかりと考えられており戦闘は楽しむことができた。
終盤の数話はボスとの戦闘会話も全員分用意されていたのは個人的に好印象。
氏のギャグで大きく好みが分かれる「野球ネタ」もほとんど出てこなかったのも良かったと思う。

しかし、このシナリオはあくまでも他作品のプレイが前提となる「ファンディスク」である。
そも導入からしてAW戦記シリーズのキャラの一人が主人公として魔法少女になって、
等身大第一作の舞台であるファンタジー世界で暴れる話であり、
序盤から終盤までそれぞれのシナリオがある程度頭に入っていないとわからないような端折られ方をしている部分がいくつか見受けられた。
戦闘に関しても、例えば等身大第一作のアレなキャラが登場する8話ではそのキャラをボコれるように
かなりヌルくなっていたりと、過去作をプレイした人間向けのデザインがされている。
また、7話以降には等身大シリーズの第二作目をプレイしていないとわからないような単語やギャグのネタもある。
これらの点は氏のシナリオをプレイしたことのない人にとっては、あまり楽しめないものだろう。

総じて、ファンディスクとしては手堅い作りをしているがそれ故に敷居がもの凄く高く、
単品で楽しむのは非常に難しいシナリオと言える。特に中盤以降。
その中でも氏のシナリオをプレイしたことがないという人はまず楽しめないと思うので回避するべき。
また「AW戦記」のプレイ経験がある人でも、氏の等身大シリーズは「AW」系とは作風がかなり違うので先に
過去作をプレイして雰囲気を掴んでからの方がいいと思われる。

現在二週間毎にコンスタントに更新があり、また次回で完結予定とのことから恐らく年内には完結すると
予測される。もしもプレイするつもりがあるのなら完結を待ってから、というのも一つの手。

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最終更新:2007年09月01日 13:43