【シナリオ名】Fake Need Night
【作者】神無月緑斗
【配布元】http://darkness-smoon.hp.infoseek.co.jp/
【総eve数】6(10/06現在)


【概要】
オリジナル・ファンタジー・等身大モノ。
と書けばだいたい雰囲気はわかっていただけると思う。
タイトルだけ見ればいかにも型で月なアレを想像しそうだが、関係はまったくない。

【シナリオ】
電波系主人公とお騒がせ四人娘を主軸とした珍道中。

現在までのリリース分の概要は、冒険者四人娘が遺跡内部で逃げ回っていた主人公を助けたら懐かれ、
なんとなく同行させることになって、護衛のクエストを受けたところ魔物に追われている妖精に出会い、
はぐれてしまったというそのパートナーの男を探し出した……といったところ。

その構成については、掛け合い漫才メインで話が進んでおり、特に主人公が入ってからは
なかなかギャグが切れているように思う。
一口に電波系と言っても、センスがなければただの意味不明な展開に過ぎないので、
きっちりとオチをつけて笑わせてくれるのは好印象。
その反面、それ以外の部分はあっさりし過ぎで、結果として6話が終了した時点でこれといった話が見えてこない。
ギャグで引っ張るにも限界があるので、そろそろどっしりとしたメインストーリーを持ってきてほしいところだ。
今のところタイトルがどういった意味を持つのかまったく不明だし。

また、各話ごとに、ヘタレキャラかと思いきやどっこい電波キャラだった主人公と、ヒロインズとの会話パートが入る。
内容は、おそらくナインナンバーに影響を受けている……というか、ギャグ部分のノリは極めてRTTさんのそれに近い。
波長が合う人には大受けだが、合わない人にはまったく合わないだろう。
攻略は今のところ非常に簡単。
なんというかラブコメラブコメしているが、ちょっとデレ期に入るのが早くないでしょうかね。
僕はね、もっとツンを! ツンを見たいんですよ!
畜生青春しやがって! 何がプレゼントだ! うらやましいじゃねえか!

ここからはちょっと批判。
冒頭で「だいたいわかっていただける」と書いたが、この物語の世界についての説明がない。
説明と言っても年表書けとかそういうことではなくて、この世界は何という名前で、
これまでに一体どういうことがあったのか、なぜ「冒険者」なる職業があるのか、
「魔物」というのはどのような存在なのか、妖精というのは珍しいらしいがなぜ珍しいのか、
というようなことをセリフの端にでもいいから含ませておくと、よりいっそう深みが広がるものだ。
確かに、剣と魔法と冒険者というのはファンタジー的お約束とも言えるもので、特に説明は要らないかもしれないが、
「今なにが起きていて、こいつらは何がしたいのか?」という点を「お約束」に任せてしまうと、
どうにも話が薄く見えてしまう。
また、ヒロインズについても、なぜ冒険者をしているのか、出自はどのようなものなのか、などといったことの
説明がない(これから触れられるのかもしれないが)。
せっかく個性的な女の子達であるのに、それぞれの背景が見えないため、大きく魅力が損なわれている。
過去語りは長いとウザいが、ないと寂しい。前述の説明とあわせて何かしらフォローが欲しいものだ。

あと「確立」「門等(たぶん問答)」「空き(たぶん隙)がある」といった誤字が散見される。
「門等」とか何を言ってるのか結構悩んだので、できれば直して欲しいものだ。


【戦闘】
オーソドックスなSRCバトル。難易度は低め。自動反撃では落ちるかもしれない、くらい。
そのため消費アイテムを使う機会がなく、雑貨屋がほぼ形骸化している。もう少し難しくてもいい。
また、主人公メイキングのようなものがあり、前衛・後衛タイプや得意武器の選択が可能。
シナリオ中でも伸ばす機会が何度もあり、やり方によっては合成技などもできるようだ。
人によって好みの戦闘スタイルでプレイができるので、このような試みは良いと思う。
余談だが、筆者は前衛・弓を選択したところ、射撃値が低くて吹いた。失敗したかもしれん。

あと、盗賊(ザコ)のヴァリエーションがたくさんあって、ちょっと嬉しくなった。
でも性格普通の盗賊に気力制限110の武装は可哀想じゃね?


【演出】
まず、キャラクターフェイス・ユニットは作者自筆であり、これは素直に賞賛したい。
タイトル時にキャラクターの全身画像が挿入されるのも良い。
しかし、現在位置を表すのに、真っ暗な画面に「森」というのはいかがなものだろうか。
少し時間をかければ人形劇ができるのだし、個人的にはこういうところにも手間がかかっているほうが嬉しいものだ。


【総評】
オーソドックスというのはどのようにも化けられるということでもあり、
幾らでも面白くできるのだが、その分全体的なシナリオの説明不足が痛い。
全体的な印象としては、小粒な佳作といったところ(作風の好み・及び成長への期待補正付き)。
続きがリリースされたら、筆者はプレイするだろう。

派手さはないが、割とさくさく進むので、大作に疲れたときなどにやると楽しめるのではないかと思う。
掛け合い漫才が苦でなく、ギャルゲ的展開が好きで、ナインナンバーのギャグが肌に合った人にお勧めしたい。



153 :名無しさん(ザコ):2006/10/06(金) 09:04:21 ID:XEI7VIuQ0
乙。戦闘が簡単過ぎなのと、世界観の説明不足は同感だな。

しかし、等身大では、やはり、人形劇が無いと不満に思われるのだろうか?
俺もオリ等身大を書いているけど、要所(Talk 文だけでは解りづらいトコ)でしか人形劇やらないんだよなぁ…

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最終更新:2007年09月01日 13:02