930 :名無しさん(ザコ):2006/05/28(日) 18:45:21 ID:bLO6zTe+0
【家庭消滅ダンゴイザー】
タイトルからも察する通りギャグ系オリロボシナリオ。まずタイトルロゴで吹いた
キャラ同士の掛け合いに、表情豊かな自作アイコンも相まってほのぼのとした雰囲気が好印象。
ただ、全体的にテンポが速すぎてついて行くのが少し辛い印象があった。
例えるなら、息継ぎ一切なしで喋ってるのを聞いているような感じ。
また、第2話ではシーンの切り替えが突然過ぎるので混乱する。
もう一つ問題として、オリロボシナリオなのにまだロボ戦闘がないが、これはある意味新しくて良いかも。
ただ、オリロボシナリオと名乗るならダンゴイザーが出てくる時点まで作ってもらいたかった所。

雰囲気は好きだが勢いで作ってる感があるので、もう少し丁寧に作ってもらえると良くなると思う。






###########################################################

作品名  家庭消滅ダンゴイザー
主催者  成上権太郎氏
DLページ  http://www.katch.ne.jp/~gontarou/etc.htm

###########################################################

アイコン絵師としても活躍するシナリオライター、成上権太郎氏によるシナリオで、
現時点では十話までリリースされている。
筆者は以前、五話目あたりまでプレイさせていただいた事があるが、
この機会に改めて最初から遊んでみることにした。


○あらすじ

兄嫁に禁断の恋心を抱く中学生、鈴鹿太一。
ある日、兄は海外へ出かけ、兄嫁と二人きりの状況に小躍りする太一。
だが、帰宅した彼を待ち受けていたものは、突如空から落下してきた
巨大ロボットにより、自宅が崩壊させられるという衝撃的な運命だった。
ロボットと共に現れた謎の女性、ローレライによって強引に
パートナーにされてしまった彼は、巨大ロボットを「ダンゴイザー」名付け、
彼女と共に「個人戦争」と呼ばれるバトルロイヤルを戦う事に……。


○ストーリー

世界観は、作品紹介の項にもある通りの現代ファンタジーといったところで、
これに関しては、半世紀前に我々の現実世界と、魔法が存在する異世界が
融合してしまったためと作中で理由付けがなされている。
しかし、ファンタジーの部分における設定は極めて難解な印象を受ける物で、
作品独自の設定や用語が、不十分な説明と共に頻出し、少々混乱させられる
局面も少なくなかった。これらの一部には、物語を読み進めていくとおぼろげに
理解できる物も多いのだが、台詞回しのテンポの独特さも手伝って、
作品世界の背景や登場人物同士の人間関係などに対する理解を、
より一層困難な物にしている感は否めない。

ただし、上記の要素にさえ目を瞑れば、少なくともストーリー面では
並以上の良作のように感じられる。
物語は「家族」を主題として織り成されているもので、特に第五話目以降の
ややシリアスな展開には、胸を打たれる場面も多く、惹き込まれるように
一気にプレイしてしまった。
そんな中で、根無し草の主人公、ヒロインの抱える母親としての苦悩など、
「家庭消滅」という一見ネタのようなサブタイトルも、実は物語の上で
深い意味を持っている点に気付かされるのだ。

しかしながら、主人公の鈴鹿太一に関して、第二話目辺りまでは
物語のキーファクターの一つになると思われていた(少なくとも筆者は思った)、
彼の兄嫁に寄せる想いは、物語が進むにつれ、「一体どこへやら?」
といった様相を呈してきたのは少々残念で、特に彼の意外な正体が
明かされる(詳しい事は記せないので、各自プレイして確かめて欲しい)
第五話目以降はそれが顕著である。
整合性が取れていないということは無いのだが、物語の流れとしては
やや不自然な印象を受ける物で、その辺りは練りこみ不足といえるかもしれない。


○戦闘

戦闘パートに関しては、特筆するような点は無い。
難易度は易しめで、特別な仕掛けが用意されている訳でもなく、
ストレス無くさくさくとクリアー内容であるため、
その分ストーリーを楽しむ方に比重が置かれているといえよう。


○演出、その他

戦闘パート以外は、全てメインウィンドゥが閉じた状態でストーリーが展開する。
その点が物語を読み解く上で特に支障になるようなことは無いが、
「黒背景+場所表示」、あるいは背景画像などが表示されればなお良かった。
主要キャラクターに関しては、戦闘パート用に等身大ユニットアイコンが
用意されているので、個人的にはこれらを用いた人形劇なども見てみたい所ではあるが、
それはさすがに筆者の我侭であろう。


○総評

色々と書いたが、SRC通であれば遊んでおいても損は無いシナリオである。
先述の設定の難解さに関しては、ある程度スルーしても物語の理解にはさして支障が無く、
むしろその分を差し引いても、決して捨てがたい魅力があるからだ。
無論、決して十分な完成度を持つ作品ではない事は上に述べたとおりだが、
個人的にはお勧めしておきたい一本だ。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年11月30日 14:05