『REVOLUTION AFTER』

  • 最初に

『私的マイナーキャラ等身大バトルロイヤル』と銘打っているだけあって、登場人物
26/参戦作品19とちゃんぽん具合がすごい。半分以上分からない作品であった。

もっとも、メイン骨子が『マリア様がみてる』の山百合会とバトルロイヤルのメンバーで
固まっているため、人物の把握にそう困るわけではない。


いわゆるゼンマイ派に代表された、オリジナルキャラ改変どんと来いタイプなので、
それが嫌なら避けたほうがベターである。受け付けるなら、最後までプレイしても損はない。

  • シナリオ

2話までがひどい。いわゆるオサレ台詞が飛び交い、プレイヤーの理解を許さない。
これは正直、序盤でプレイを投げ出されてはいけない、という視点から見れば致命的である。

翻って、3話以降は話が動き出し、かなり面白い。2話までの自意識過剰さは見られるものの、
それについてはかなり抑えられている(恐らく、この要因が由乃にほぼ依存するからと見る。
2話までは由乃がメイン、3話以降はマイアメインである為、副次効果として平易なセリフが
多くなる)為、セリフが読みやすくなるのもいい。終盤は勢いと演出の影響もあって化ける。
締めも自分的には文句は無い。

本シナリオはバトルロイヤル物であるが、『仮面ライダー龍騎』に見られた、『キャラが死なず、
結果話がグダグダになる』ということもなく、きちんと描かれている。

失礼だが、2話までは最低限の理解だけしておき、3話以降はじっくり楽しむのが良いという
のが私見である。

ただ、2話までにおいても、必要最低限に登場人物を絞っている、という点についてだけは評価する。

  • 戦闘

イベント戦闘、連戦が多く、戦闘自身に工夫が見られないため、正直褒められた物ではない。
あくまでお話上の付随物として捉えるのが妥当である。

ただ、ユニットの持つ武装や、戦闘メッセージにはネタがこだわりが見られ、戦闘アニメまで
丁寧に作りこんである点については評価する。この点は玩具のモラルや世界に捧ぐの系譜と見てよい。

  • 演出

要所を締める最低限の演出がなされており、まずここを評価したい。最近の演出過多・
システム過剰なシナリオが多い中、むしろこういったシナリオこそを、特にストーリー重視の
シナリオを作成するなら参考にするべきと思う。

また会話シーンにおいてはバストアップ画像、特に終盤の重要シーンでは一枚絵が使用される
のも特徴である。なお、全てアイコン・バストアップ画像共に作者氏の描き下ろしであり、
作中の画像の質の差は安定している。

  • 総評

2~3年前に隆盛した等身大シナリオの、その正当後継となれたかもしれないシナリオと見る。

肥大化し、完結が難しかったそれらのシナリオに比べ、必要要素を的確に抜き出し、コンパクトに
短~中編として完結させているという点において、本シナリオをまず評価する。

もう少し書きなれれば、メインストリームに躍り出ることも夢ではないと、そう思う。


余談だが、感想を書き込もうと思ったら、Web拍手しか無かった……。えー。

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最終更新:2007年08月31日 21:32