漂流世界ゲヘナ

作   :松木澪久 氏 (ttp://reikyu.hp.infoseek.co.jp/)
カテゴリ:等身大オリ(異世界変身サバイバル鬱系オリジナルシナリオby作者)

07/2/22時点にて4話まで公開。
本家リンク登録は無し。GSCリンクに入ってる


 辞典アリ
 サンプルセーブあり
 致命的なバグは無し


主なオプション:
(使用オプションへの言及は無い)
 乱数系列非保存・予測ダメージ非表示
 敵SP使用・防御使用(ただし現段階の敵はザコのみ)

死亡者アリ(たくさん&画面一杯の演出アリ。使いまわしだが)




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あらすじ:

突如異世界に飛ばされた、一クラス分の基本普通な学生達。
数々の犠牲者を出しつつも、異形の力を手に入れた彼らはこの過酷な世界を生き抜いていく。


果たして主人公達は元の世界に生きて帰れるのか!?
そして異世界ゲヘナとは?
異世界と、主人公の双子の妹の過去との関係は? etcetc...



みたいな?



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傾向概略:

ストーリー重視のカテゴリで登録しているだけあって、メインは会話パート。
見方によっては、戦闘・演出に関してはおざなりとも言える。

ちょこちょことあちらこちらに誤字が見られるのが残念だが、特別気になるようなおかしい文章は無い。


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戦闘について:

自動反撃で突っ込ませた場合は試していないので分からないが、無理さえしなければ余裕。
4話までの段階では、一切SPを使わずに行ける。ぶっちゃけ面白みはない。


予定では6話以降難易度が上がる、との事なので、
きっとSP・防御使用のネームドがいかにうざったいかを味わわせてくれるんだろうとは思うが。



だがとりあえず、

マップコマンド 勝利条件:
Talk システム
勝利条件:敵の全滅;敗北条件:味方の全滅
End

破壊 味方:
ゲームオーバー
Exit

だけはまずいと思う。いくつかの意味で。


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演出について:

最低限と言った感じ。人によっては物足りないと感じると思う。
俺自身はあまり気にしないタチなので深いコメントはしない方向で。



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ストーリー・会話について:

鬱を名乗るだけあって、しょっぱながかなりハード。
顔・名前アリで出た来たキャラが、顔と名前が一致するかどうかといううちに立て続けに退場していく。
シナリオの方向を示す意味では、プレイヤーへのインパクトと意思表示としては十分かと。
・・・俺が慣れてないだけかも知れないけど。



ただ、その裏返しとして、
主人公たちの置かれた状況が少し落ち着くにつれて、
鬱度が低下して展開やキャラの行動に意外性が見られないせいで「退屈」という印象さえ出掛かった。

別段不自然な展開ではないので、俺だけが1話に引きずられすぎているだけかもしれないし、
しょっぱなで強いものを出した弊害としては、仕方が無いものかもしれない。

次あたりで一波来そうな予感をさせる引きをもって4話が終わっているわけだし。


ただ一つ気になるのは、
死人を出しさえすれば鬱展開になるってワケじゃないと言うこと。
むしろ、そればっかだとワンパターンで底が知れる
・・・と思われかねない事を作者が理解していると良いのだが。




話で注目するべき所として、
スタート時点で 一クラス30名+教師1名 と言う大所帯をどううまく描いていくのか、という点もある。
(一人一人、顔と名前と性格まで設定し描写している = モブではない ということなのだから)

それについてシナリオ中ではどうかと言うと、
辞典での内容と本編中の言動とが微妙に合致していない所が見られるなど、この大量のキャラを扱いきっているとは言いがたい。

・・・1,2話で間引きしたとはいえ、約20名が舞台の上にいるわけで、彼らをちゃんと描くのが難しいのはわかるし、
出番に差があるのは、ある程度仕方が無いだろう。
作者自身、2話公開後の段階で「最初は主人公勢を目立たせてキャラを掴んでもらい、その後回りを埋めていこう」
という意図であると明言しているのだし。


4話を転換点として、5話以降で状況が大きく変わることが明示されている。
裏返せばつまり、4話の戦闘前までに一通りのキャラ立てはしておく必要があったという事になる。モブキャラでないのであれば。

しかしながら、会話パートで目だった主張もせず、戦闘メンバーでもない、
いわば「生き残ってるだけ」という扱いになっていると感じたキャラが4話終了時点で3名居た。(もちろん私見ではあるが)


序盤の状況だからできる描写や、その状況でないとできないキャラ表現と言うものはあったはず。

主要な流れである主人公周辺や、キャラととりあえずの立ち位置が明確になったキャラたちによる、
意外性に乏しい退屈な展開(けなしているわけではない。自然な流れとしてそうなっていると思うから)をしている時こそ、
それまでロクに描写されていなかった残りのキャラについて描くべきタイミングだったと思うのだが。

異世界においても強く主張はせず付和雷同的に行動しているキャラであるなら、その面を強調したシーンは描けるわけだし。
ショックから立ち直りきっていないのであれば、それも描けばいい。
・・・この扱いの軽さが、ストーリー上で大した役割も担わず、後にも引きずらずに退場していく予定のキャラ、という暗示ならともかく。




人数が多いので、キャラ把握と言う点で辞典の存在は有難い。
(・・・辞典が見れるようになった一話終了時点ですでに死亡してるキャラが不憫な気はするものの)


それも踏まえると、予備知識として一話前(スタート.eve後)にキャラ辞典は見れてもいいんじゃないかなと。
ほら、ドラマやらアニメのHPにある登場人物紹介だって、本編前から見れるわけだし。
話の進行状況によって表示内容を変化させられるようになってるんだし。

欲を言えば、会話の途中で「この名前どんなキャラだっけ?」と思った時のために、
基本情報だけでもtxtファイルにしてあると助かると思う。
特に1,2話あたりのまだ人数が多い時。



ただ、上にも書いたように、描写が薄いまま放置されている脇キャラがいる現状を考えると、
辞典を、脇キャラを描かないことの言い訳に使っているようにも感じたわけだが・・・これはさすがに邪推だろうか。





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その他:

Readmeが、素材リスト以外最低限しか書いてないのが少し寂しい。


そして最低限以外の所で
少し鬱になるかもしれませんが、お付き合い宜しくお願いします(笑)

・・・いや、(笑)と付ける場所じゃないだろう、とプレイ前に多少の頭痛と不安を感じたりした。
幸い、不安は今のところ杞憂のようだが。




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まとめてみる:


戦闘に関してはこれから。
射程4-10なんて敵を出して来たことから、多少は工夫しようとしているようには思うものの、
作者からして味方が落ちることを想定したテストをしていない時点でお察し。

演出についても期待するようなものでもないと思われる。



残る文章部分だが、上では散々色々書いたが出来が悪いわけではない。
むしろ現状良く書けていると思うからこそ、ああいう細かめな所が目に付くと言うか。


ただ、1話公開から3ヶ月経っていていまだにゲームオーバー処理が不正だったり、誤字が見られるままだったりと、
全体的に、作者が出来上がったもののチェックをどれだけしているのかが少し気になった。

後々、序盤での伏線とか踏み潰して突き進んだりしないよな、というのは
さすがに飛躍しすぎた心配だとは思うが。



各キャラに関して、どこまで長期的な予定を立てて書き進めているのかが一番の心配事。
キャラの行動方向に関わる描写は、しかるべき時に最低限でも示しておかなければ、
うすっぺらい人間がありがちな展開で記号的な所に落ち着いた、以上のものにはならないのだから。




現状での評価は難しい。
作者のセンスと作成方針次第で駄話にも良話にもなる段階だろう。
今後は戦闘部分の出来も関わってくることだし。



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最終更新:2007年08月31日 14:25