シミュレーションRPG大戦と題しただけあって登場作品は様々なゲームから構成されている。

プロローグ
凝ったOP。別作品同士のキャラクターが戦いを繰り広げるのが楽しい。(孔明VS信長とか)
各ヒロインとの1シーンも流れ、非常に面白そうな雰囲気を出している。
ストーリーは世界衝突の余波で死亡した主人公デニム(タクティクスオウガ)が、謎の存在に助けられ「英雄」を集め、世界を救う使命を与えられるところからはじまる。
デニムは記憶を失っており、これがストーリーの一つのポイントとなっている。

第一話
ファイアーエムブレム聖戦の系譜が舞台。シグルド騎士団と共に盗賊、ダークストーカーから村を守る。
第一話だけあってさくっとクリア。デニムの役割はオピニオンリーダーというものらしく主人公だからといって特別強いわけではない。

第二話
ストーリーは前回に続き、聖戦の系譜が舞台になっている、荒地部分が強調されており世界衝突の余波が表現されている。
魔装機神のプレシア、セニア、ロザリー。主人公の旧友ヴァイスが孤立しているのを救出。敵援軍はあるが苦労はしなかった。
クリア後に初のインターミッション。全ての仲間キャラクターに会話、戦闘訓練、反応訓練が行える(各キャラどれか一回)
さらにここでは、新規参戦キャラがおり説得すると仲間になる。脇役もきちんとセリフがあり、感心した。
そして特定のキャラとの外伝ステージが用意されておりボリューム一杯である。
ストーリーは枯れていく大地を捨て、希望を求めて別の土地に向かうことに。

第三話
ここから食料システムの登場。出撃ユニットによって毎ターン食料が減り、食料が無くなれば気力が低下する。
よって出撃ユニットをどうするか工夫が必要になってくる。ここで難易度設定ができるが、さくっとイージーを選択。
英雄アーウィンドの待つ北の戦場へ向かうか、盗賊に襲われる東の村に向かうかの選択。難易度的には変化がないので村へいく。
新キャラはアーウィンドの他にさくら、五十六、シーダ、ミネルバなどそうそうたるメンバーである。
しかし周囲のアンデットは雑魚ながらにとどめをさせない(数ターンで復活)ので結果として消耗戦になる。
当初の目的はデニムとアーウィンドの接触。しかし、初期位置からは大きな山があり容易ではない。急に難しくなってきた。
先に東にいる盗賊をケンシロウと共に倒すが、仲間にならず消滅。代わりに聖女ユリアが参戦する。同じ名前ネタ面白い。
敵の顔キャラと同作品キャラをぶつけると会話イベントが起きる。
元ネタを知らないと楽しめないと思うが、一部「死亡フラグ」があったのはびびった。
条件を満たすことにより、アンデット消滅。ネクロマンサーを殺して終了。戦力が整ってきていよいよ戦いが本格化していく。
再びインターミッション。セニア、ヴァイス、五十六、ユリアの4人に外伝シナリオが用意されており、続き物となっている。
3話だけで7つのイベントファイルが使われているには驚く。

文章が冗長でスマン。もう少し簡潔に書く。

第四話
強敵女王旅団との戦い。部隊を2つにわけて闘うことになる。謎の女貂蝉を信用するかしないかの選択には信用するで。
敵の補給隊を倒して食料確保しつつ、敵を撃破。ボスに幸運をつかって攻撃をしかけると特殊会話がおきて笑った。
女王旅団撃破したのもつかの間、英雄の一人「呂布」が攻めてくる。かなり洒落にならない戦闘力を誇るが意地で撃破。
本筋以外にもかなりのイベントが用意されており、かなり面白い。
「狩り」ができるようになり、モンスターを狩って食料にできる。またまたインターミッション。キャラクター数が凄くなってくる。

第伍話
「智」の英雄・純白の賢者ナナス率いるママトトと「力」の英雄・鬼畜王ランス率いるリーザスの2国の戦い。
どちらの陣営につくかを選択することになるが、各陣営の配下を含めて一方しか仲間にすることができない。
当然選ばなかった方は敵として闘うことになる。戦力的にリーザスが充実しているが、あえてママトト側を選ぶ。
元ネタをしっていると凄い楽しい。ナナスはユニットとしては貧弱だが最高ランクの指揮官能力を持っており意外と頼りになった。
激戦のうえ、リーザス軍を破りランスに降伏をせまるが…英雄の存在=各世界の維持という図式が明らかになる。

第六話
日本を舞台にした国取りSLGが始まった。正直SRCでこんなことができるとは思わなかった。かなり驚く。
戦国時代を繰り返す武将の亡霊たち。デニムは自分が彼らと変わらない存在ではないかと葛藤する。
関東制覇した時点で物語は信長サイドへ、信長は自分を魔王と自称する英雄だった。血に狂うデニム達。
明らかになる魔王の正体。呂布の死。敵の手に落ちた英雄と怒涛の展開を見せるストーリー。
更新速度は非常に遅いが、そりゃこのボリュームじゃなぁ…と納得。インターミッションで全ての仲間と話すだけで時間がかかる。
ここまで外伝はユリア一筋。原作を知っていると凄く驚く設定がなされており面白い。

リリースされているのは、ここまでだが正直ここまで凝ったシナリオは他にはないだろう。
外伝の天魔召還も合わせて、凄いとしかいいようがない。
ただし、難易度が高く(イージーでも)。イベントの発生条件もわかりにくいなどの欠点もある。
それでもやるがいのある戦闘に、圧倒的なキャラクター数。
原作を知っているとにやりとするネタ、知らなくても話が理解できる工夫がされており非常に面白い。
続きがこれほどまでに待ち遠しいシナリオは他にはない。
正直おすすめ。



結局終わらなかったので総括分だけ……。
あとファンが書いたものなので、話半分で聞くくらいがちょうど良いかと。
さてあとはおまけだ。

SRPG大戦総括
ストーリー>
舞台設定は王道中の王道「異世界に放り込まれ~」ってやつ。
使い古されている方法だが他に方法があるかといわれれば、
ファミコンジャンプ方式(皆同じ世界方式)しか思い浮かばないんだけどね。

序盤は比較的大人しい印象を受けるが三章から化ける。
仲間が増え、意思決定者の重みが増してからが本番。
ラスボスも最初からきちんと定義され、選択者故の苦悩等きちんと描写されている。
どこら辺りからが後付け設定なのか、膨大なネタに圧されてさっぱり分からない。
デニムは無個性であるが、まあ周りの声を浮き上がらせるための手法でしょう……多分。
意思決定者は基本的にプレイヤーとシンクロする必要があるというのも有るか。


短所は、やはり某鬼畜イベント。
思うに力の無い庶民が大きな力によって翻弄される悲劇を出したかったのだろう。
(作者は自サイトで、同テーマのssを書いている)
死亡ネタは「赤ん坊・老人」と並ぶずるい手ではあるが、ssでは比較的使われる手法。
だがゲームにおいては地雷中の地雷テーマである。
汗水流して育ててきたユニットがあっさりと抹消されるのはちと辛い。
まあそれはいい、鬼畜王を選ぶということはそういう覚悟をしろということでもあるから。
ただノーリターンというのはいただけない。
アイテムと、改造費くらいはリターンしてくれても良いんじゃないか?

FE聖戦の系譜のアレは「次世代への継承」というテーマがあり、
その前のプレイが直接次世代に反映されるから許されている。
デメリットにはきちんとメリットを設けるか、
回避手段を設けておかないとゲームとしては-ポイント。
まあママトトを選んでおけば良い話なんだけど、
リーザスも面白いイベントがあるのでちと勿体無いかな、と。

戦闘>
シナリオグランプリの戦闘部門で連続Vをとっていたのも納得の難易度。
お姉さん、前にも言ったけど
攻略本のない『FEやオウガの通常』ってのは難しめだってば。
自分の腕に自信が無いなら速やかにイージーモードに移行しましょう。
格段に楽になりますし、正直イージーモードでもキツめ。

実は高望みさえしなければそんなに難しくなかったりする。
しかし「熟練度があるならば、難しいと分かっていても挑戦する」のが正しいゲーマーの姿。
そのゲーマーの矜持が自らを縛り、難易度を格段にあげている。
目の前のトレジャーと、自戦力との折り合いのつけ方を学べば比較的楽にこなせるようになります。
事前に鍛えるユニットを決めておかないと後で苦労する。
あとユニットがやられる事に慣れましょう。
精神を使い切って敵陣に特攻という手段は基本ですよ~。

おまけで戦闘イベントや各キャラ解説等もしておくので参考の足しにしてくださいな。
色んなキャラを動かしたが、鍛えれば使えないキャラはいない。


演出
midiの使い方は学ぶところが多かった。
魔装機神やFE音楽はいいなぁ。

これを見ていて思うんだが、GSC版権MIDIを使わないのは本当に勿体無いと思う。
特にFEシリーズは汎用性あると思うんだがあまり利用されていない印象が強い。
まあこれは色々複雑な問題が絡むからあまり深くはつっこまないけど
GSC版権MIDIは無条件で使えるんだから、こういうものは使ってもいいと思うんだが。

このシナリオでは足りない版権MIDIの場所を指定しているので
そんなにMIDI探しに時間はかからないはず。
ただMIDI探しが面倒な人もいるし、強要するのは否定的な意見も根強いんだよね。
まああれだ、何が言いたいのかというと
eveファイルにこっそりと多重指定をしているくらいは許して欲しいなぁということ。
そうでないと私が困る←私事かよ。

古いシナリオなので旧MIDIパック作品も指定されている。
またこんなのもあると鳴る。
無ければ適当に指定しとこう。

Map9.mid(これだけパックに入ってない罠)
YamatoTakeru.mid
Goldran.mid  
Rayblade.mid
Aniki.mid        
Goshogun.mid
MazingerZ.mid
Daitarn3.mid
Wings of Lonely Boy.mid  
FF07_HurryFaster!.mid(FFアナザーと指定が異なるので注意)    
SS_Nakoruru.mid
Cybaster.mid   
SakuraWars.mid       
TakeOffGunBuster.mid    
SaintSeiya.mid                  
Hokutonoken.mid       
C_J-Strauss_RadetzkyMarch.mid

戦国系のMIDIは信長の野望辺りから引っ張れ。


世界崩壊の「これを見れば一目瞭然」的な問答無用さは○。
見た目や音楽といった演出が出来るのがSRCの利点じゃないかな。
OPも良し。(ちゃんと回避出来るのも親切)
途中から「戦闘まで飛びますか」が出るのも良し。


総括
古今東西のゲームネタをよくここまで、というくらい詰め込んでいる。
英雄選択やヒロイン選択による多彩な分岐。
ゲームだからこそ許される強引なクロスオーバー。
細かいところまでつついたネタ。
完結シナリオ「天魔召喚」との絡み。
インターバルによる個々のユニットへの個性づけ等、凄まじい力の入れっぷりである。
相当力を入れないとここまで徹底できない。

SRCシナリオ作りを志す者は一度eveファイルを覗いてみることをお奨めする。
信じられるか?偵察使ったりするだけでもイベントがあるんだぜ。
まあ一番笑ったのはこれだけど。
「『勝利条件』を満たすだけが正しいクリア方法だと、誰が決めた!!」

個人的にお奨めの逸品。
面倒だし、中断も出来ない辛いシナリオだけど時間があればプレイするべし。


おまけ>
個人的にインターバルが憎い。
SF3を題材としたシナリオを作っているんだけど、
本陣システムが思いっきりこれに被るんだよね。
二番煎じ扱いされるのは覚悟しないといけない……。
やっぱ根本から変えるか、とほほ。

書くの忘れてたけど、初期のころの作品なので立ち上げる際に良くエラーが出るのは-ポイント。
6回連続でエラー吐かれたりするとやる気が少し落ちる。
我慢して繋がるまで立ち上げるべし。





789 :780:2005/06/15(水) 12:32:10 ID:qFAf/Fa+
SRPGWレビュー

版権作品の半分くらいしか知らなかったが、それなりに楽しめた。
本編での会話や出番のなさをうまくインターバルで補っている。
その分、一話のボリュームは非常に大きく一時間以上かかることもザラ。
戦闘難易度はやはり高い。普通ゲーマーは素直にイージーモードをお勧めする。

分岐もたくさんあり、道半ばとはいえ等身大版権としては、なかなかの良作と言えるのではないだろうか。

というか、全ルートプレイは一日じゃ無理ぽ。


790 :780:2005/06/15(水) 12:36:36 ID:qFAf/Fa+
追記。

ところどこらネタが入ってて面白かった。
特に第6話ね。
しかし時間がかかりすぎる…。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年09月01日 04:43