45 :名無しさん(ザコ):2012/10/23(火) 01:04:24 ID:c4FF8kcI0
総評とプレイレポが間に合わなかった。明日にでも上げる。

【水無月安曇の調査】

等身大学園ものをテーマとしたシェアードワールド『SRC学園』を舞台にした1話完結シナリオ。
主人公・安曇の兄の誕生日と、兄・京夜の名前によく似た
学園の休日≪京谷の日≫を巡って起きたひと騒動のお話。

シェアードワールドという特長を活かし、各々が考えたオリジナルキャラクターが登場し、
細かい設定部分は他シナリオやSRC学園公式Wikiに譲る形にして
短編ながらも個性的な登場人物が登場するシナリオとなっている。



1)画像×演出


涌き出た疑問の真相を暴く……ということで、
タイトルの『調査』らしく、会話シーンではいくつもの場面転換が行われる。

会話シーンは≪背景画像+場所表示≫で展開されるので、
『どこに行って何をしてるのか』をきちんとイメージできるようになっている。
  #ちなみに場所表示は、場面転換した直後のシステムTalk文。

戦闘シーンでの画像を使ったイベントは特にないが、
ターン経過イベントの増援登場シーンが見所。



2)ストーリー×脚本


話の主軸となるのは水無月兄妹のエピソードであるものの、
物語はこじんまりとするどころか舞台となるSRC島に存在する
3つの学園(それぞれの頭文字をとってS・R・Cとなる)の各勢力が登場する
豪華なシナリオとなっている。

その分、多くの登場人物と用語が頻出する傾向にあるが
内容自体は小難しくなく、キャラクターの個性も出せていて、
用語に関してもセリフ上で最小限のフォローはされているので
SRC学園シナリオを全くの未経験者でも、ストーリー上の流れから
ある程度の雰囲気は掴めるよう丁寧な配慮が伺える。
むしろ、この枠内でこのキャラ数をよくぞまとめたと思う。



3)ゲーム性×熱中性


1話完結モノで多数の個性あるコマが登場し、いきなりの運用はやや混乱するが、
それぞれに与えられた役割を理解すれば、ゲームを何倍にも面白くしてくれる。
セリフパートでは出番が少なくとも、ゲームパートでその個性を発揮してくれたり、
よく考えられたチーム編成。

短編と言う性質上仕方のないことだが、
このコマ達の運用方法に慣れ、愛着が湧くまでの枠が足りなすぎることが難点か。
むしろそこに至るまでに熱中したのなら、他のSRC学園シナリオをプレイしてみると
本作とはまた違った活躍を目にすることが出来るかもしれない。



4)バランス×難易度


『1人でも撃墜されたらゲームオーバー』という、所見ではやや厳しめの戦闘だが、
援護防御持ちが多く、SPを極度に節約しなければクリアは難しくはない。

しかし、ザコの集中攻撃で味方が撃墜される可能性は決してゼロではないため、
プレイスタイルを誤ると何度もゲームオーバーを強要されるので注意。



5)ボリューム×雰囲気


物語を多少なりともフォローする付録として、
[設定の変更点+wikiに乗っていないキャラについて]という解説テキスト付き。
ただし、あくまでも既存の設定に対する+αのシンプルな説明のため
SRC学園初心者用の解説ではないのであしからず。
  #キャラクターの名前に特殊な読み方が多いので、
  #初回登場時に読み仮名を振ってくれれば混乱がないかなと思った。



6)遊びやすさ×操作性


大本のSRCのシステムをそのまま使ったシンプルなシナリオなので、
純粋にストーリー部分だけを楽しむことが出来る。

ただ、ユニットの特殊能力欄はパッと見で効果を判断し難い物もあるため
ユニットを効果的に運用しようとなると、能力をいちいち確認する時間が必要かも。
慣れるための時間が少ない、慣れた時にはシナリオが終わっているというのは、
短編シナリオの弱点と言ってもいいかもしれない。

46 :45:2012/10/25(木) 00:20:47 ID:lCds0Rpo0
【水無月安曇の調査】

Aパートは各部分の評価とキャラ・用語解説
ttp://www.gsc.ne.jp/cgi-bin/bbs_c-board/data/idobata_upload/file/%90%85%96%B3%8C%8E%88%C0%93%DC%82%CC%92%B2%8D%B8_A.txt

Bパートはプレイレポートと総評・その他
ttp://www.gsc.ne.jp/cgi-bin/bbs_c-board/data/idobata_upload/file/%90%85%96%B3%8C%8E%88%C0%93%DC%82%CC%92%B2%8D%B8_B.txt

作者が短編慣れしているだけあって、やっている内容は非常にシンプルで
登場人物の多さにもかかわらず、きちんと内容が頭に入ってくる。
1話完結という遊びやすさもあり、SRC学園のさわりとして遊ぶのも悪くない出来。
斜に構えたネタ的な読み方でもギャグとして楽しめる部分があるだけでなく、
短編の枠を贅沢に使ってキャラの心境の変化が描かれたりと、
お話としてきちんと真面目に、丁寧に作られている。

シナリオ内に散りばめられた、本編には直接登場しない人物や舞台を示唆するセリフが
SRC学園らしい放射線状の物語の広がり方を見せてくれるが、
短編で完結するシナリオであれば進行を妨げる無用なセリフと不要な要素かもしれないし、
このシナリオ自体に魅力があれば他のシナリオへ繋ぐ橋渡しになるかも知れない。
これをどう受け取るか、最終的な判断は各々のプレイヤーにお任せしたい。

この作者は他にも「~~~(キャラ名)の○○」というタイトルで
いくつかSRC学園シナリオを発表しているので、
今回のシナリオをプレイしてSRC学園に興味が湧いた人はそちらを遊んでみてはいかがだろうか。
本作と登場人物がいくつか重なっているようなので、本作のクリア後であれば
前知識もありスムーズにプレイすることができるはず。
  #筆者は未プレイのため詳細は不明

以下、タイトル一覧
  • 水無月京夜の冒険
  • 朱雀院飛鳥の奮闘記
  • 九重留美の決意
  • 九重霧の恋愛事情

総プレイ時間:1時間
総ターン数、クリアターン数:15ターン

【ここが見所×こんな人にオススメ】
  • SRC学園をプレイしたことがなくて、手軽に短編をプレイしてみたい人
  • 無駄なキャラがいない短編シナリオを勉強したい人
  • ラストのオチが気になる人

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最終更新:2013年09月06日 17:40