太陽の神殿

太陽の神殿
1986年発売 (日本ファルコム)

ストーリー

太陽の神殿、そして神々との交流をもたらす不思議な鍵にまつわる一連のいい伝えを、私は、メキシコ高原とユカタン半島にまたがる密林の奥深くで耳にする事が出来た。
彼等は密林の奥深くに隠れ住み、いまだ外部との接触を拒み続けている少数の部族だ。
彼等の遠い祖先達は、密林をきりひらき、現在に到ってもその威厳を失わない数々の神殿都市を築き上げていった古代人達だ。
残念なことに、歴史の例にもれず、彼等もまた外界からの侵略をうけ、次々と都市を放棄し密林の奥深くで衰退し滅んでいってしまった。
マヤ……私を魅了し続ける神秘のベールに包まれた謎の古代文明。
ああ、彼らの都市が活気に満ちていた日々から、すでに幾世紀もの歳月が流れてしまった……彼らの残した遺跡を垣間見るたびに、心がきつく絞めつけられるかのようだ。
密林で出会った彼等は、遠い祖先からのいい伝えを語ってくれた。しかし、残念なことに、それは私の求める全てを充たしてはくれなかった。
彼等の知るいい伝えは、もはや断片的なものにすぎず、断片の間の空白を埋める事の出来る者もいなかった。
私は、彼等の語る失われたいい伝えの断片を、自らの知識と想像で補わなくてはならなかった。
遥か遠い昔、彼等の祖先達は、なぜあれほど数多くの神殿都市を築いていったのだろうか?
神々が身近な存在だったからだと、彼等は語ってくれた。偉大な神殿建築者達であった古代の人々は、自由に神々と会うことが出来たという。
そのためには、いにしえの神官が、神々の国に至る道への扉を開くだけでよかった。
神官は、どうやって扉を開いたのか?
……鍵、そう、特別な鍵でだ。
それは彼等が伝説の遥か東方よりやって来た時に、神々から与えられた世界に一つしかない神聖な鍵だった。
私が聞き間違えをしていなければ、それは太陽の鍵と呼ばれるものだったらしい。
各地にある太陽の神殿は、太陽の鍵を納めていた建物だった。彼等が都市を移ると共に、当然ながら鍵も移した。
その為、各時代で中心的な役割を果たした都市には、太陽の神殿があったのだ。
では、最後に中心的役割を果たした都市は?
歴史上のマヤ最後の都市は、北グアテマラの辺境に築かれたタヤサルだ。
しかし、その都市が築かれるまでの間に、部族間の内乱が起きているし、さらに遡れば、トルテカ族による侵略もなされている。
本当のマヤはタヤサル以前に終わっていた。少なくとも私にはそう思える。
マヤの神官達が果たして、神々より与えられた神聖な鍵を他の民族に渡してしまうだろうか?
馬鹿な、そんなことは神官達にとり、神々を汚す背信行為以外の何ものでもないはずだ。
彼等は、侵略して来たトルテカ族から鍵を守る為に、懸命な努力を強いられなければならなかったと考えるのが、最も妥当ではないだろうか。
トルテカ族が、ユカタン半島を次々と攻略していった事が、マヤの年代記に記されている。
その時代、中心的な役割を果たしていたのは、チチェン・イツァーだった。
もし、ここに鍵が隠されていたとすれば、何百年もの間、ここが聖地として巡礼者が数多く訪れた場所であったことも、納得がいく。
太陽の神殿、そして太陽の鍵は、果たして本当に存在するのだろうか?私には、確信すべきものが何一つなかったが、強い何かを感じたのだった。
古代の人々が交流出来たという神々とは?
そして人間とは?
なぜ文明は滅びゆくのか?
全てが、太陽の神殿と、納められた太陽の鍵を見つける事で、明らかにされるような気がしてならない私だった……

操作方法

コマンド選択式

作品解説

マイコンBASICマガジン 1986年12月号に掲載。

関連項目


外部リンク

配信サイト(有料)

攻略サイト



最終更新:2008年09月19日 22:45
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