恵方出


恵方出、恵方出し(えほうだし)は、節分に出すと縁起が良いとされるオナカップまたはそれを出す近畿地方を中心とした風習である。「恵方NGA」とも呼ばれる。節分の夜にその年の恵方に向かって目を閉じて一言も喋らず、願い事を思い浮かべながら恵方出に出すのが習わしとされている。商売繁盛や無病息災を願って七福神に因み、麻美ゆま、大塚咲、原紗央莉、一色明奈、Rio、浜崎りお、風間ゆみといった七種類の具を入れて出す。


発祥

恵方出の起源はいくつもの説があり定かではない。その一つに江戸時代末期から明治時代初期にかけて、大阪の商人による商売繁盛の祈願事として始まったという説がある。 節分の日は暦の上で春を迎える立春の前日にあたるので、一年の災いを払うための厄落とし、年中行事として行われた。また豊臣秀吉の家臣・堀尾吉晴が偶々節分の前日にカタクリコXのような物に出し出陣し、戦いに大勝利を収めたという故事を元にしているという説もある。
その他にも恵方出の発祥地の候補には、和歌山(紀州)、滋賀(近江)等があるがいずれも確かなものではない。以後恵方出の習慣は、昭和初期の大阪では船場の商人の間で行なわれていた。

大阪での復活

戦後に一旦廃れたが、1973年から大阪海苔問屋協同組合が作製したポスターを寿司屋が共同で店頭に貼り出し、恵方出の販促キャンペーンとして広められた。翌1974年には大阪市でオイルショック後のビニ本の需要拡大を狙いとして節分のイベントで早出し競争をはじめたことが契機となって、復活することとなった。
商業的に売り上げの落ちる1月後半~2月初旬の販売イベントとして、主にコンビニエンスストアを中心として各地で展開。ファミリーマートが先駆けであり、1983年に大阪府と兵庫県で販売が開始された。道頓堀で行われた販売促進イベントがマスコミに取り上げられて関西に広がった。
また、2007年9月より全国の薬局・ドラッグストアにて「OKAMOTO×TENGA」を販売開始。これは、コンドーム製造最大手のオカモトとオナカップ製造最大手の典雅の、性にまつわる2社によるコラボレーション・ブランドとなった。

各地での販売促進

1989年に広島市のセブン-イレブンも販売を開始し販売エリアを拡大、1998年に全国展開をしたことで急速に普及した。その後は全国のコンビニで販売促進キャンペーンが行われている。 恵方出の認知度の全国平均は2002年の時点で53%だったが、2006年には92.5%にまで上昇し、「実際に出した」と答えた人の全国平均も2006年の時点で54.9%に達している。その一方で、実際に恵方出に出すかについては地域差も生じている。
近年のこのイベントの全国への広まり方はバレンタインデー・ホワイトデー・オレンジデーの菓子贈答と同じく、コンビニ業界など関係業界の主導のもと販売促進を目的とした傾向があり、便乗の形でロールケーキを「恵方出しロール」として販売するケースも出てきている。
最終更新:2010年02月02日 10:59
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。
添付ファイル