MIXしたい人用 応用編

EQの掛け方



順番が前後してしまいましたが、EQのコツについて少し言及しようと思います。

ラップのMIXにおいてボーカルトラックにEQを掛けるメリットは、マイクが拾った余計な帯域の音をカットし、声の主成分の帯域を際立たせることができる点にあります。

EQについて


EQとはイコライザー(Equalizer)のことで、

特定の音域の音声信号を強調したり、逆に減少させたりする事が出来、全体的に音質を平均化させたり、音像を明確にするため使用することができる。

そうです。(Wikipediaより引用)

知ってると便利


帯域を持ち上げたり減少させる際に、掛け方に幾つか種類があります。

大まかに言えばローシェルフ、バンド、ハイシェルフの3種類があります。(ハイパスやローパスは割愛)

ローシェルフはその周波数より下を、バンドはその周波数の周辺を、ハイシェルフはその周波数より上を増減させることができます。

実践


こればかりは経験と耳に頼るしかないので、一概には言えません。

しっかりとしたモニター環境が無いと正確な音を聞き分けることが出来ないので、初心者は極端なイコライジングをしてしまいがちです。

幾つか例を挙げると、70Hz以下をローシェルフでカット、800~1200Hzあたりを声質によって少しだけ持ち上げる、4000Hz以上をハイシェルフでほんの少しだけ持ち上げる。

これだけで大分アカペラがクリアな音質になるかと思います。


画像を見ていただくとわかると思うのですが、300Hzあたりを帯域幅広めで少しだけ下げています。

これをすると少しだけボーカルのヌケが良くなります。

注意点


実践でも書きましたが、ちゃんとしたモニター環境が無かったり、MIX初心者だと極端にハイを持ち上げるMIXをしてしまいがちです。

後で曲を聴く人の環境によっては、高音が耳に刺さって痛く聴こえてしまうので、これはNG。

EQの基本は、必要なところ以外をカットすることだと思ってください。これを心がけていれば耳に痛いようなMIXではなくなるはずです。

もし持ち上げることがあっても、あなたの感覚で持ち上げたモノの半分で十分です。

こんな掛け方じゃクリアな音質にならないじゃん?!と思われる方もいるかもしれませんが、それはあなたの録音環境の限界です。

コンデンサーマイクなどの高音質なマイクを購入するしかないと思って諦めてください。



最後に、一番大事なことを書き忘れました。EQやディエッサー(説明は割愛)で音作りをした後、最後にコンプレッサーを掛けてください。

コンプレッサーは音を良くも悪くもゆがめるエフェクトなので、その後にEQを掛けるとシャリシャリした不快な音になったり音質が悪くなります。気を付けて。


知ってると便利


長時間MIX作業をしていると、音量や音質に対する感覚が狂ってくることがあります。

そんなときは、熱いコーヒーとタバコで一服しながらプロの曲を聴いてみてください。

曲が完成した後、音圧や、ボーカルとトラックのバランスをプロの曲と聞き比べてみるのも手です。

プロの曲から盗めそうなアイディアがあれば盗みましょう。あなただけのオリジナリティのあるMIXを模索してみるのも面白そうですね。



書店でSound&Recordingマガジンを立ち読みするのもオススメです。

おそらく最初は何を言っているのか理解できないでしょうが、後になって「あの記事はこういう意味だったのか」と気づくこともあります。

MIXのみならず、音楽というのはそういう「気づき」の積み重ねそのものこそがスキルアップなのだと私は思います。

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最終更新:2009年07月30日 02:05
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