星鋼京におきまして、一つの恒例行事となりました、
7月7日の七夕祭りにつきまして、本年も開催させて頂きます事を、ここにお報せ致します。
七夕祭りとは、東国人の伝承として広く語られる、相愛し合う男女の物語をルーツに持つ祭事であり、
彼らの姿を夜空の星になぞらえた物語である事から、
星を国名に冠する我らが星鋼京の祭事としても相応しいものとして執り行われております。
各国におきましても様々な形式でこの日を祝う中、
星鋼京におきましては、藩国の景観を語る上で外す事の出来ない運河にて、
男性が愛する女性を探し出し、その愛を確かめるという、物語に則った催しとなっております。
この催事開催に際しましては、昨年同様、星鋼京ゴンドラ協会より全面的なご協力を頂いております。
ゴンドラの夜間運行は原則禁止とさせて頂いておりますが、星鋼京ゴンドラ協会より、
夜間運行訓練を修了されたプロフェッショナルの方々を派遣して頂いた他、
安全運航に関わる項目のチェック体制にもご協力を頂き、 安全管理を徹底しております。
加えて、催事当日は、日没と共に運河のライトアップを敢行し、
催事の安全を確保して参りますと共に、
普段は見る事の出来ない夜間の運河を幻想的に演出して参ります。
そして、催事中は通常運行に用いられるゴンドラではなく、小型の2人乗りゴンドラを使用する事で、
運行の安全を期すると共に、同乗されるお二人を演出して参ります。
またゴンドラ夜間運行に際しまして、
恒例となりましたランタン装着を、本年も実施致します。
この『ランタン』は、船着き場にて配布させて頂き、
併せて船着き場に用意させて頂きますセロファンによって、
ご自由に彩って頂けるように致しております。
世界に一つだけのランタンを、皆様の手で作られてみてはいかがでしょうか?
二度の本催事を経てお馴染み頂いております短冊の掲揚につきまして、今回も引き続き実施致します。
これは、短冊と呼ばれる紙片に願い事を書き、
それを下げて夜空に掲げる事で祈る、という催しとなります。
この催しは、冒頭で挙げました伝承の男女が、共に技芸に秀でた男女であり、
彼らにあやかって、技芸の上達を祈るという風習があった為とされています。
帝國諸藩との繋がりも一層深まる中、
様々な文化が星鋼京においても知られる所となる事を大変喜ばしく思い始まりましたものであり、
回を重ねます事3回目となり、皆様にお馴染み頂いております事、
誠に喜ばしく存じます。
船着き場を始め、この短冊と、短冊を下げる場所につきまして、
星鋼京国内各所に用意させて頂きますので、皆様揃ってお運び下さいませ。
そして、この芸事の上達祈願と併せまして、
藩王夫妻と、国民の皆様合同による奉納演奏会を行います。
この演奏会を通して、帝國の安寧と繁栄、そしてそれに裏打ちされた、
星鋼京の文化が向上するように、祈念させて頂く物であります。
男女の愛、そして文化という、人の社会を構築する礎となる部分を改めて見直して頂き、
何物にも替え難い一時の安らぎを大切な方と共有して頂く事で、帝國、
ひいては星鋼京の明日を照らす一灯の星明りとして頂ければと、
星鋼京政府一同、開催に踏み切らせて頂いた物であります。
皆様におかれましては、この星空の下、特別な一時を過ごす切っ掛けとして頂けましたら、
これに勝る幸いはありません。
この良き日に、善き星の巡りが、皆様にもたらされます事を祈って。
確認:星鋼京藩王 セタ・ロスティフンケ・フシミ 侯爵
文責:星鋼京執政 吾妻 勲
●藩王の言葉
国民の皆様、セタ・ロスティフンケ・フシミです。
今年もまた水面に灯火が揺れる季節がやってまいりました。
船上で語り合う愛は、波の静寂の調べを添えて、普段とはまた違う趣のあるものとなるでしょう。
逸話の如くなかなかに会えぬ方に想いを伝えるには良き日であり、日々素直になれぬ方々にとってもまた、良き日となるでしょう。
この良き日が皆様にとって幸いとなりますよう。
私もまた、この日を最愛の妻と過ごしたく思います。
星鋼京藩王 セタ・ロスティフンケ・フシミ侯爵
最終更新:2013年07月07日 22:49