流言に対する藩王の声明

国民の、そして帝國の皆様、星鋼京藩王のセタ・ロスティフンケ・フシミです。
近頃、世間では一つの噂が流れていると聞き及んでいます。

曰く、星鋼京は敵対勢力と取引をした、と。
その結果としての、平和であり、繁栄であると――その様に聞き及んでいます。
この事は私にとっても誠に哀しい事に他なりません。

何故ならば、それは――星鋼京の民と友邦たる帝國藩屏の皆が、己を愛することに躊躇いがあるという事に他ならないからです。

この星鋼京という国の繁栄は、敵対勢力との後ろ暗い取引をもってせねば成り立たないことだったのでしょうか。
この国の立国とそれに続く零落、そこからの復興と今日の繁栄は――あなた方の流した汗と努力以外の何かで培われたというのでしょうか。

私は、それを否定します。

この国の発展と繁栄は、この国の民であるあなた方が努力を重ね、その手で育んで来たものだということを、私は肯定します。
そして、そこには友邦諸藩の皆の暖かな援助と、支えがあった事も私は決して忘れてはいません。
あなた方は忘れてしまったというのでしょうか――この国の為に、あなた方がしてくださった事を。
時に知恵を惜しみなく伝え、時に人材を貸し与え、時に技術を供与してくれたことを。

この国の発展と繁栄は、この国の民と、帝國全ての民の、血を吐くような努力の結晶であることを、思い出してください。
あなた達、みんなの成した偉業であることを――忘れないで下さい。


それは、この国の平穏にも言えることです。

この情勢下では、たしかに不自然すぎる程に事件は起こっていません。
ですが、それすらも、醜い利己的な取引の成果だと言うのでしょうか。

私は、それを否定します。

全ての兵士、全ての騎士、諸君らの献身的な活動が、この国の治安を守り、この平和を創り上げたことを、私は肯定します。
吏族、護民官、法の司――貴殿らの誇り高い仕事が、この国の理を守り、民を護り、法を守ってきたことを、私は肯定します。
己の成してきた事を、どうか、信じてください。それだけはあなた方を裏切りません。

そして、もちろん、聯合諸国――帝國全ての友邦にも。

私たちの平和は貴国らによっても守られてきました。
有事の際にいつでも、我々を救えるよう――その為の御準備をしてくださっていたことも、私は決して忘れてはいません。
あなた方の眼差しがあったからこそ、誰もこの国に手出しをできなかったことを、私は忘れてはいません。

どうか、皆様、己を信じてください。
己が成してきた仕事を、思い出してください。
何故、この国が平和で、この国が繁栄しているのか――それは貴方達、一人一人の成果があったからこそです。

――それでも、どうしても、己を信じられず、星鋼京が敵となったと言うのであれば。

そのときは、皇帝陛下を信じてください。

陛下は言われました――“皇帝の剣”たるは、逆賊を討ち、帝國の敵を倒せと。

“皇帝の剣”たる星鋼京は、皇帝陛下の指し示す敵を、いかな相手であろうと斬り捨てるでしょう。
それが、例え己自身であろうとも例外は、ありません。

陛下が私とこの国を“敵”と処断されたならば喜んで帝國の為に、この首を捧げましょう。

 

最後に二つ、全ての帝國の民に問います。

貴方達は己の成したヒロイックを信じることができるか?
貴方達は愛すべき皇帝陛下を信じることができるか?

以上――ご清聴に感謝します。
帝國に栄光あれ。

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最終更新:2010年12月01日 06:27
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