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トリスタンの、騎士の介入した事件は必ず良い結果を生み出す。
ならば、騎士が介入しなくなったらどうなるのだろうか。 イレブンスは頭を振って否定する。既に最悪の事態は免れているのだ。ならば、そこからは自分達で未来を掴むしか無い。 現に、イレブンス単体では手もつけられなかった脅威は今や大きく力を減じている。博士を始めとする研究者たちからは止められたが、残された時間は余りにも少ない。手段を選ぶ余地はない。 イレブンスは研究所の地下で、目の前の繭をしっかりと見据えた。
――数十分前のこと。トゥエルブスを監視していた計器が異常を示した。
研究所地下に巣食うトゥエルブス……つまり、水爆で遂にとうとう恐れていたことが起こり始めていたのだ。 内部構造の変質。及び水爆そのものも肥大化を始めており、想定されている被害は更に膨れ上がっていた。 おそらくは一日も経たないうちにナノマシンが活動を開始し、辺り数キロから数十キロ圏内は水爆の猛威が荒れ狂う地獄と化す。 前々から各所と密かに連携を取っていたため、警察と自衛隊は何とか間に合った。 しかし、避難は間に合わないだろう。何せ急過ぎる。 騎士に頼れば解決できるかも知れないが、トリスタンにも依頼を出そうにも時間がない。 第一、依頼を出したところで爆発待ったなしの水爆をどう処理してもらえば良いというのか。 ただの水爆ではない、攻撃に対し臨機応変に変化する水爆だ。また、どのような自己進化を遂げるかも解らない。
(第一、これ以上皆に迷惑は掛けられないロボ)
皆のお陰でシステムの大部分の解析は進んだのだ。 現時点の解析情報でもトゥエルブスのシステムとガワの水爆、その内外同時に同化攻撃を仕掛けることはできる。 それにより主導権をイレブンス側で握って爆破する事で爆発の威力を限りなく小さく、またその影響を限定的にできる。 上手く行けば地下の外壁とナノマシンにより、あらゆる放射線を外に漏らさない事も可能であろう。 しかしそれは自爆と同義であり、イレブンスと同型かそれ以上であろうトゥエルブスを相手取るに当たって余裕は一切ない。 つまりイレブンスの記憶も、なのマテリアルプラントも、全てが消滅する。 一部は残るかもしれないが、そこから復旧することは難しいだろう。よしんば出来たとして、それが同じイレブンスである事を誰も保障しない。 ……ただ付近一帯の壊滅と引き換えと考えれば、対価としてはむしろ安い方であろう。 恐らくは研究所の爆発事故くらいの損害で済ませることが出来るはずだ。 騎士が絶対に善き未来を引き寄せることが出来る者ならばイレブンスもまた、騎士だ。 魔獣相手の戦いで生命を失う訳ではないのは円卓の騎士の名折れかもしれないが、それでも救える生命の価値は計れるものではない……。
イレブンスは覚悟を決め、灰色の繭にそっと触れた。
少し前に背後のシェルターを閉じた時の、博士の情けない顔を思い出す。彼はもう二度となのマテリアルプラントを作らない、とイレブンスに約束した。 イレブンスにとっては意外と言うか、迫るつもりもない約束であったが……彼なりのけじめなのだろう。このような事態を招いてしまったことへの。 繭は冷たくもなく、暖かくもなく、不気味な温度を保っていた。向こうには今水爆が動き出そうとしている。 そしてそれを始まりに『何か』がこの世に生まれ出ようとしている。 それが何物であれ……それの想定通りの形での誕生は認められない。だから。 「……システムセット。なのマテリアルプラント最大稼働。これより『最終工程』を開始します」 自身の工程を確認するように、機械的な音声が口から流れる。 それに伴い身体の端々からケーブルを伴ったコネクタが伸び、繭に次々と突き刺さる。灼熱を頭脳に感じながら、イレブンスはゆっくりと手を押し進めていった……。
研究途中の開発物が突如暴走し、自爆工程に入った。
そのような一報を受けたとして自衛隊により付近の住民は避難させられ、爆発物処理班や放射能汚染対策班が分厚いシェルターの中にあるという爆発物の対処について案を講じていた時。 「来ます!」 研究所から提供されていた監視用のモニタで数値を計測していた誰かが叫ぶ。それは反射的にあちこちに叫ばれながら皆しゃがみ込む。 ズズン……。地鳴りのような音が響き、重たい衝撃に耐えかねたらしいガラスが割れる。 しかし、それだけだった。待てどもそれ以上の爆発は無く、室内のモニタは使い物にならなくなっていたが、室外のモニタは健在であった。 何れも数値は平常、爆発による大きな被害はなく、放射能を始めとするあらゆる科学的な汚染も無い。 また、内部の『開発物11』、『開発物12』共に信号は途絶しており、それが完全破壊かそれに近いくらい破壊されている事を示していた。 最悪の事態は免れた。それを知った人々は吹き出た冷や汗を拭った。
けれども自衛隊の仕事はこれで終わりではない。
これからあのシェルターの中を何とか確認し、内部で何某かの汚染が起こっていないかを確認せねばならない。 何故なら研究所側の資料により放射能汚染がある可能性は非常に高いからだ。 また、二次被害の可能性がないかを確認しなければならない。 研究所側とて同じで事後処理がこれから待っているし、責任問題も問われるであろう。 けれども、一番大きな問題は去ったのだ。自分達が作り出したものが起こした問題を、自分達が作り出した存在に助けられる事で……。その罪悪感は、とても小さいものとは言い切れなかった。
爆発による震動が終息した後、博士は地下の方を見やる。
その顔には罪悪感と、今更罪悪感に押し潰されそうになっている自分を冷ややかに見下す博士自身が同居しているように思われた。 (計画は凍結だな……) これ以上なのマテリアルを使ったアンドロイド、ガイノイドを作るわけにはいかない。 トゥエルブスに悪意ある改変を行ったルートがまだ特定されていないからだ。 国内の組織か、国外の組織か……それすらもはっきりとはしない。 あの『円卓の騎士』の何れかによるものでない、という事だけしかはっきりしていないのだ。 それに、このようにして外部から悪意ある改変が行われた時、次もまたイレブンスのような存在が食い止めてくれるとは限らない。
博士は心中でそう考え、近づいてくる警察官たちの方を振り返った。
イレブンスが自らに課した使命をその身と引き換えに達成したのであれば、自身もまたこれからの事後処理を……あるいは何某かの罰を受けねばならない。 イレブンスとトゥエルブス。二つの犠牲を背負っている博士に、逃げるとか誤魔化すとかそういう選択肢は最早存在していなかった。 |
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今回の事件の原因
明確には不明。
ただ、「二つの存在による代理戦争」が内部世界の正体である可能性が浮上。 それと現実世界の水爆がどう関係するのかは未だ憶測の域を出ない為保留。 内部世界について
*ループの最初の起点は『ゲイボルグ』が最初に発動した時、とされている *以降、騎士が依頼として介入してからは介入終了直後が起点となる。
騎士が事象が確定しながら後ろへ起点をずらして行っている状態。
*現在の時点では代理戦争を行っている両者にとっての脅威とはみなされていない模様 *ただ、起点が後ろの時間へズレていく事から、余り歓迎もされていない模様
*信奉されている女神がトゥエルブスと同一の存在かは不明。
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・「内部世界」と「現実世界」の関係
内部世界は部屋ほどの大きさまで広がったトゥエルブスの中に存在する、広大な仮想空間です。外部との接触はほぼ断ち切られており、完全に孤立した電脳空間となっております。
現実世界の重犯罪者も内部世界では無名な一個人であり、世界に名だたる大組織の高名な幹部であろうともそれは一緒です。当然、騎士もその例外ではありません。 ただ、内部世界と現実世界を結ぶものがあります。それは「トゥエルブス」の存在であり、内部世界において創造神にも等しい存在のトゥエルブスは現実に存在する水爆のスイッチを握っているも同然です。余り迂闊な事をすれば、依頼は即失敗となるでしょう。
あと、騎士達が違和感なく行動できるようにある程度のフィードバックは存在します。
騎士が死ぬようなフィードバックが来る事は早々無いでしょうが疲労はしますし、「思い込み」で現実世界の身体にも火傷等の傷跡ができる可能性もあります。 慢心ダメ、絶対。 ・内部世界の技術力
基本的に内部世界は戦争方向に技術力が発展している世界だと思ってください。
手足はちぎれてもまた修復出来ます。彼らの外殻には武器を装着させ、身体の一部として扱う事が出来ます。 余り賢くはありませんが、ある程度の命令ならこなせる無人兵器も稼働しています。 戦争以外にもかなりの科学力がある事はあるのですが、それらは「前大戦」と呼ばれる過去の凄絶な争いの中でノウハウが失われてしまい、極一部の上流階級が独占する形で利用しています。 ただ、それでも建造物は基本的に鉄筋コンクリートなどであり、木造や石造のところは「他所からわざわざ高い金払って資材を持ってきても無駄になる理由がある」為にそうしているようです。
但し、内部世界の技術は「現実世界においてありえない物理法則を取る」場合もあります。
なので、まず現実世界に持ち帰って利用、量産……という事は不可能でしょう。ゲームやアニメの技術が全て現実で実際に普及している訳ではない、という事と同じです。 ・「前大戦」
イレブンスが先行調査を行う前からあったとされる争いです。実際は複数の組織間の抗争ですが、場所を問わずに戦いが起こっていたほどの激しさから「大戦」と称されています。
最終決戦の地は赤色平野と呼ばれる土地、現在の赤色荒野に当たります。 決戦末期にどこかの組織が秘密裏に開発していた戦略兵器が予想外のタイミングで起爆、その組織の壊滅という形で大戦は幕を下ろしたと言われています。
その際に戦略兵器を発動させたのが誰か、という事に関して知る者は口を開かず、様々な噂や憶測が飛び交っています。
今のところ有力な説は「アマツカゼの前身に当たる組織が発動させた」「警察軍が発動させた」というもので、 珍説、ジョークの類として「大戦末期から出没し始めていたアーベルト神父がやった」という説が語られています。 ・特殊な仕掛け
内部世界は基本的に普通の現実世界と同じ物理法則等に則っています。
ですが、いくつか変わった点もあります。 例を挙げるなら、それなりの規模の組織では扱われる事の多い「下層世界」がその一つです。 これは地下室を異世界に作るようなもので、「進入方向・進入場所が限定されている」という利点が存在します。 正確に進入できるようにするために地面や床面に設置して地下室や下層として利用する事が多く、それが「下層世界」という名前の由来になっています。 基本的に「ある程度の大きさの入り口」が存在し、そこに乗って手続きを行う事で「下層世界」へ移動する事が出来ます。 しかし、「強引に進入する」ならば条件は些か変化し、「その入口を中央とする見えない入り口」、つまりある一定の大きさの床面のどこか一箇所でも破壊すれば、そこからその下層世界の内部へ侵入できます。 また、下層世界の入り口の設置には幾つか条件がありますが、大体は制限がかかっていなければどこにでも設置出来る利点があります。 勿論、下層世界から更に下層世界の入り口を作る事も可能ですし、下層世界の入り口は一つとは限りません。(但し多く設置すればするほど侵入口が増え、防衛には不適になる) それなりの規模の組織であれば地上部分は防衛に、地下部分を建物として利用する事もある。(そうしない組織も当然存在する) しかしながら一方で「異世界に作る」という事から「コスト、技術が必要」であり、まず一般人は必要としない技術でもあります。相応の規模の組織が「用心」の為に必要とする事が多いです。
正規の入り口と、強行突破可能な入り口は「城門」と「人が通る為の門」のような存在だと思ってください。
人を通すためにいちいち城門を開けるのは面倒臭い、通っていい人通って欲しい人ならばここを使えばいい、と言うことで用意されているのが正規の入り口。 それとは別に、「外部からでも用意して力づくで通る事が可能」なのが強行突破可能な入り口(の床面)です。 ・内部世界の住人達
内部世界の住人たちは人間と同じ姿をしています。ですが、ほぼ全員がシフトチェンジと呼ばれる能力を持っています。
それは「生身の肉体に鋼鉄の装甲を纏う」という能力であり、武装をまとえる事もあって戦闘能力は飛躍的に向上します。 尤も、大抵は騎士にとって脅威となるレベルまで能力が向上する事は余りありません。 ただ、外殻をより自分の特性に合わせた改良を施し、特定の武器や某かの戦闘術を使いこなせる者がシフトチェンジした時、騎士に対する障壁として立ちふさがるかもしれません。 但し、外殻を纏ったまま日常生活を送る者は殆どいません。何故なら、「抜身の剣を持ったまま徘徊している」に等しい行為だからです。 なので、現実世界同様乗り物が人々の足として存在します。が、飛行機等に関しては警察軍が規制・独占しており、普通は利用する事が出来ません。
また「前大戦」の存在に加え、割りと戦いが起こる事も多い世界だからか現実世界における「表の世界」に当たる人間は余り多くなく、大体が「裏の世界」か「闇の世界」に属しています。
全体的な治安も余り良いとはいえないようです。 ですが、それでも「国家」や「能力者、闇の者」レベルまで知っている者は全体に比べて極僅かでしょう。 ・賞金首
賞金首は「何らかの理由で誰かから賞金を掛けられた存在」です。
その為、必ずしも「警察軍に睨まれるような事をした」とは限らないのですが、大体は警察軍に睨まれるような事を誰かにした為に賞金を掛けられています。 しかし「誰が誰に賞金を掛けたか」は絶対に秘密となっています。一説には「賞金首の告知、賞金の授与を担当する組織自身も知る事のないように努めている」と言われているほどです。 ・『魔術師』
この世界の住人は基本的に「外殻」やそれに移行する「シフトチェンジ」という能力を持っている事以外、現実世界の人間と大差ありません。
外殻には様々な特殊能力を付与することが可能ですが、往々にして高度で専門的な技術である事が多く、大半は外殻用の装備を装着してシフトチェンジ後即座にその武器が使えるようにする位が精々です。 また、外殻の特殊能力をシフトチェンジも無しに行使する事は基本的に不可能です。 ですが、内部世界の中にも『外殻でないと出来ないような事』を平然とやってのけてしまう、特殊な人々がいます。それが『魔術師』です。
『魔術師』の能力は人によって様々な形で発現し、超能力の類から常人ではありえない異常な知力など様々です。
ただ、今日まで生き残っている『魔術師』の殆どは主に知力などの方面に特化した人材が多いです。 なぜなら、戦闘に特化した者は戦場へ駆りだされて戦死したり、あるいは戦闘中に行方不明になったまま姿をくらますことが多いためです。 また、外殻に移行せずとも強大な力を振るえることが危険視され、場合によっては抹殺される事もあります。 更に『魔術師』の能力自体が繊細で何時何が切欠で能力が消失するかは不明で能力が発現する確率も極めて低く、一度覚醒すると外殻の強化倍率が極端に低下する上に殆ど改造が出来ないため、死にやすくなる事も数が少ない理由の一つと言われています。 知力方面に発現した魔術師は企業の新商品の開発に極めて重宝されて厳重に匿われており、現在市場に流通しているいくつかの兵器は『魔術師』達が開発した兵器を低性能化、低コスト化し、市場に流通させたものだと言われています。
特に賞金首第四位、「魔術師中の魔術師」という意味で『魔術師』という異名がついてしまっているモルガンはおよそ人間業とは思えない能力と知識を有しているらしく、様々な組織が欲すると同時に畏怖してその居所を突き詰めようとやっきになっています。
更にモルガンの師匠とも言える『魔術師』はゲイボルグに関して重大な嫌疑が掛けられており、現在警察軍が最優先の指名手配犯に指定している。
内部世界の人間達から見れば、騎士達もまた「魔術師」の一人として見られるでしょう。
その為騎士達の異能に関しても「魔術師」として一定の理解は得られるでしょうが「何もないなら外殻状態で行動しない」が鉄則のこの世界において「戦闘能力を持った『魔術師』」は「抜身の刀」を意味します。 故に大っぴらに扱えば現実同様に大混乱や警察沙汰を招くかもしれません。 組織について
現実世界と同様、内部世界でも組織は激しいしのぎの削り合いを行っています。
騎士でもバレなければ……つまりイレブンスが駄目と言わなければ組織の設立、乗っ取りは可能です。 ですが内部世界でも迂闊に騎士の力を使えない事から、騎士が内部世界の組織を設立して経営するのは至難の業でしょう。 特に、「アイリス教会」や「千軍万馬」など、既存の組織に比肩しうる勢力を持つ組織の設立・発展・乗っ取り等は不可能でしょう。
追記:・騎士が設立・乗っ取った組織は、騎士がいない間は他の組織に比べて特に優位性はない。(弱体化したと見られる可能性も)
・組織の活動が活発になったり、規模・知名度が上がると、下記の組織に目を付けられる可能性がある。 ・組織の活動ならば騎士がやっている訳ではないので大丈夫、と言うのは無い。組織から芋づる式に騎士の存在がバレる恐れもある。 『情報汚染』
内部世界で起こった事、これから起こる事についてイレブンスはある程度知っています。(一時期、高速で進行する内部世界の監視をしていたため)
しかし、イレブンスはそれらについての情報汚染を同時に受けており、「何が起こるかは知っているが、その詳細までは知らない(思い出そうとすると複数の事が同時に思い浮かぶ)」状態にあります。 簡単に例えると
という状態です。
なので、イレブンスはこれから起こる事についてある程度知っては居ますが、決定的な情報を喪失している状態にあります。イレブンスが知っている事は基本的に依頼の時点で全て明かされていると思ってください。 (未来の事も知っては居ますが、選択肢は複数ある上に騎士の介入で違う未来が生まれるため、未来のことを尋ねるだけ無駄です) |
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基本的に騎士と内部世界を仲介する立ち位置のイレブンスは「基本的には騎士が能力を発動した」事に気づいている、ということにします。
但し、イレブンスが判るのは「騎士が特に気にせず能力を発動した場合」で、「騎士がイレブンスにすら隠すつもりで発動した」場合はイレブンスも気づきません。 尚、その場合は「イレブンスにも気づかれないように発動した」という旨の説明をロールする際に書き込んでおいてください。 (イレブンスには能力の発動を知らせておくが、内部世界の住人に対してはその限りでない、という場合にややこしいので)
イレブンスに隠さず能力を発動した場合、能力の存在やどういう能力かというのはある程度把握されますが精々「退魔フェイズでその場に居合わせた場合」レベルの事しか分かりません。
また、イレブンスは騎士の能力の発動に合わせて欺瞞情報を混ぜ込むため、騎士がやった事がイレギュラーな事態であると言う事は隠蔽され、AIなどにも異常が気づかれにくくなります。
イレブンスに隠して能力を発動した場合、イレブンスは能力の発動に気づきませんが、内部世界には能力の効果がきちんと出ます。イレブンスは完全にその存在を知らないまま無意識で処理し、そのまま無意識で処理したことも忘却してしまったとかそんな感じで。
但し、イレブンスはその能力が発動した事を知らないため、その能力を「普通に内部世界のNPCがやった、至って普通の行動であり結果である」と隠し立てすることも出来ません。 また、AIもその能力の発動には気づきませんが、その能力が発動して直接起こった結果までは気付かないように出来ても、そこから間接的に生じたと推定される出来事までは隠し通せません。(禁止事項:トゥエルブスをハッキング、改変しようとする事に抵触) その為、相対的に判定の難易度が上がる可能性があります。 例えば洗脳を例に取るとすれば、「PCがNPCに洗脳を掛けた事を気づかれないようにする」事は可能です。しかし「洗脳を掛けられたNPCがいきなり殺人に走る、暴動を起こす」等をを気づかれないようにするには結局「そもそも異能が発動しても大騒ぎにならない」ような状況で洗脳したり誘導していくしかないです。 但し、AIは「能力の発動に気づいて注視している」のではなく、「本来そのNPCが取るとは思えない行動が他の監視用NPCから確認されたため」にそのNPCの異常を確認しようとしているだけです。その為、そのNPCが「いつも通り」な行動をする場合や、あるいは「他に目撃者がいない」場合は特に異常に気付かずスルーします。 上に付随してイレブンスが内部世界にダイブしている騎士達に確実に出来る事、出来ない事。
確実にできること
確実にできないこと
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・「NPCを無闇矢鱈と殺害、洗脳する事」におけるデメリット
『過去三回の賞金首との交戦により、トゥエルブスが気づいて制裁を行った素振りがない』という理由から、重要NPCを含めた全てのNPCの殺害、洗脳が解禁されました(ということで)。
但し、彼らは内部世界の住人。現実においてはデータ上にしか存在しない者達ですが、内部世界もまた現実世界を模倣している以上、殺害や人格が崩壊するレベルの精神操作等は不可逆的な変質を発生させ、それを最新データとして上書きされる可能性があります。 もし一度起こってしまった変更を完全に元に戻そうとするならば、トゥエルブスを掌握する必要があり……つまり、結局地道に依頼をこなさなければならない、という事になります。 つまるところ、「内部世界においては強力な効果の精神操作も殺害と同レベルで作用する」「殺害、強力な精神操作の結果や、それによるフラグ変動を騎士の能力で『無かったこと』にする事は出来ない」ということです。 ・「内部世界で余りに大きな変化をもたらそうとする」
上と似たようなものですが。
過去の調査結果から考察した結果、トゥエルブスは騎士達の介入に気づいていて、それを放置あるいはある程度自力で対処しようとはしているようです。ですが、それは水爆が爆発するまで秒読みに入ったことを必ずしも意味しません。 おそらくは騎士が内部世界のルールに則って行動しているため、あくまでもギリギリまでは内部世界内の出来事として完結させようとしているのではないか、とイレブンスは推測しています。 ただし、一つ問題が有ります。「騎士の行動はトゥエルブスAIでは上書きが出来ない」事です。ある程度までならイレブンスが書き換えを出来ますが……派手ですが無意味な行動は一連の努力をふいにするだけの可能性を秘めています。 注意してください。 |
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・「まだ中枢すら把握してない状況でトゥエルブスを騎士が直接ハッキング、改変をしようとする事」
トゥエルブスは外部からのハッキング等に対して非常に敏感です。その分内部への警戒がおろそかであり、イレブンスと研究所は今回の作戦……つまり一連の依頼をトリスタンに行う事を思い立ちました。
ただ、トゥエルブスの警戒は些か特殊な条件をクリア出来るイレブンスだから突破出来るのであり、例え騎士と言えど物理、精神、ハイテク……どのような手段を用いようと、その警戒を突破する事は難しい(それならイレブンスによって内部に投影してもらったほうが早い)のです。
また、内部は警戒度が低いと書いてありますが、「イレブンスが騎士を通して退魔依頼の要領で内部を調べてみる」分には問題ない程度に警戒がおろそか、と言う意味です。
その為、内部から騎士がAI、あるいは内部世界に「広範囲に能力を使う」等という過剰な干渉を行えば、AIも流石に気づいてしまいます。なので、「内部から騎士がAIを対象に取る形でのハッキング」はできるだけ避けてください。また「広範囲で起こった出来事を無かったことにする」事は出来ません。 |
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(二つ名しか載っていない賞金首は、情報不足により退魔対象に選択出来ない賞金首である)
賞金首は基本的に「甲種」相当、黒色槍騎士隊も甲種相当となります。 賞金首は「賞金額」を含めた幾つかの事項によってのみランクが決まっており、必ずしも強さとランクの高さは比例しません。
第一位 『彷徨う白狼』マージナルウルフ
・その名の通りの見た目と言われている存在。一人でありながら精鋭の傭兵集団一部隊に匹敵する戦力としてみなされている。 観測される範囲の行動でアイリス教会に対してあまり友好的ではないが、反アイリス教会勢力とも懇意にはしていない。 数々の傭兵組織と手を組んだり手を切ったりしており、特にアマツカゼとは因縁浅からぬ仲とも言われている。 神出鬼没でありながら時折超人めいた先見の明を見せる事がある。 誰もが予想し得なかった事態に万全の準備を整えて出現した事例が幾度か確認されていて、自作自演の噂が立ったり、あるいはその正体が実は政府の最高権力者ではないかという噂が飛び交う程の謎の人物。 ・賞金が賭けられた理由:様々な犯罪行為に加担した疑い。また、死者生者問わず『行方不明』にした疑い。 それに加え、その脅威度の高さから。
第三位 『闘神』レイブンズ・ナインソード
・『戦場を渡り歩く鴉』とも称される。単騎で戦場へ突撃してくる謎の存在。 明らかに異常な速度で先回りしてくる事もあることから、複数犯とも言われている。 ・賞金が掛けられた理由:様々な犯罪行為に加担した疑い (半分くらいは濡れ衣、もう半分くらいはアマツカゼやイカルガ・ゴウ絡みで本当)、 アマツカゼやアングレットの敵対組織からの飛び火 ・賞金が掛けられた理由:テロ行為、不法侵入、強盗行為、その他諸々。
第六位 『一撃必刀』ザ・リッパー
・戦場での目撃例から恐らく「反アイリス連合」の一員ではないかと目されています。 ・賞金が掛けられた理由:不法侵入、強盗行為、暗殺行為等。 ・賞金が掛けられた理由:敵対行為、破壊行為、契約違反その他諸々。 ・賞金が掛けられた理由:無差別破壊行為(爆発により被害総数不明)、一切の説得が効かない事 ・賞金が掛けられた理由:残虐行為(無差別の圧殺)、死体の破壊(被害総数不明)、公務執行妨害(逮捕に抵抗) 討伐済み賞金首情報第二位 『姿無き殲滅者』ブラックホール『メティオ』 ・普段の容姿はアーベルト神父。しかしブラックホール『メティオ』としての側面もある。 その場合無数の手と口が付いたとても巨大な球体の上にアーベルト神父の腰から上がちんまりと融合している状態になる。 その能力は「存在のエネルギー化あるいは模倣能力」である。 相手を取り込み、エネルギー化した上でその能力をそのエネルギーで数倍にして放出する能力。 放出される量からしてエネルギー保存の法則諸々に反している為、「ただ死体をエネルギー化するだけでない何かを行っている」模様。 ただそのエネルギーを蓄える事ができず、直ぐに放出してしまうのが難点。 また、生物は取り込めず一度死体にする必要がある。 アーベルト神父は複数存在しているようだが、その中でも『本体』に当たる存在。 それ以外のアーベルト神父はブラックホール『メティオ』にならず、普通にアイリス教会用外殻に身を包む。 当然異常な能力も持ち合わせていない。 ブラックホール『メティオ』の弱点はエネルギー源を取り込ませない事。 つまりその周囲から死体や物体を無くしてしまえばガス欠になってしまう。 今回フロートランドを毒ガステロによって一網打尽にするために出現したが、 騎士の登場によってシナリオが狂ってしまい毒ガステロを完全にできず、また自身も討ち取られてしまうという末路を辿った。 マスター格がやられた為、残っていたアーベルト神父も行動に支障を来たし、一旦誰も知らぬ場所に引きこもっている。 参加騎士:時田迅、葉月頼子、遠野流 第四位 『魔術師』モルガン (2014/11/1 ある意味討伐済み) ・容姿は気だるげそうな妙齢の女性。但し「外に出る時は変装している」らしい。たまに元の姿が解らなくなったりする等。 その能力は「強力な環境改変能力」であり、簡単にいえば妄想具現化能力。
現実で言えば一NPCにしては莫大な処理領域が割り振られており、それが『魔法使い』じみた様々な奇跡を可能にしている。
一方で外殻を生成する事が不可能だが、本人の攻撃力は外殻にも通用するレベルである。 先手を打たれなければ割りとどうにかなるようだ。 「人工的に生み出された魔術師」であり、数百、数千という失敗作の中から唯一成功した一人でもある。 その為に『魔術師』を研究していた研究者に致命的な弱点を握られており、それを悪用されて無力化された上に薬物を投与される。 そして最終的には研究者の意のままに動く女神『モルガン・アストライア』にされてしまう。 しかし投与された薬物が予想外の方向に働き、研究者の命令を聞かずに暴走。 最終的に騎士達によって救出され、警察軍に半ばひったくられる形で保護され、後に解放されてアングレットへと戻っていく。 弱点は「モルガンの大切な人物が攻撃対象の近くに居る事」。 例を挙げると「カイヅカ・リカ」「カイヅカ・ハヤト」「エンドウ・タイガ」といったアマツカゼメンバー、 それに「ベルトラン(アングレットのリーダー)」「エリオット(黒色槍騎士隊の隊長)」「イカルガ・ゴウ」が入る。 ちなみに、モルガンがカイヅカ一家に付けてもらった名前は『アストライア』である。 参加騎士:七種千夏恵、葉月頼子、クローズ 第五位 『一寸先は闇』トラップマン (2014/08/01 討伐済み) ・容姿はスーツを着け、白手袋着用の男性。 但し、隠密行動に移る際は特殊なナノマシンで肉眼や周囲のセンサー類を欺瞞している。 その為、得意とする爆発物やトラップを含めて全くの不可視状態となる。 大量破壊兵器『ゲイボルグ』が発動した事実を探っており、マグレーディ・ガルディアの地上で千夏恵と一回遭遇。 次にマグレーディ・ガルディアのある企業のビルの中で騎士達と再び遭遇する。 順平がアマツカゼを自称する五人組からもらったアンチナノマシンカプセルにより、その正体が暴露。 事前に仕掛けていたトラップを利用して戦うも騎士には敵わず、全身ボロボロにされる。 異変に気づいた警備員達が降りてくる時に騎士の不意を突いて脱出用の爆弾が起動。 そのまま最下層まで落下した後、そこから下層世界へ逃げこんで行方をくらます。 未だ死体は見つかっておらず、生死は不明。 参加騎士:イヴ、七種千夏恵、片瀬川順平 第七位 『影の暗殺者』ジェミニ・ニンジャ (2014/10/12 討伐済み) ・容姿は至って一般的な忍者装束に、忍者刀を背負った形。 但し装束の色が白と黒の二人組で、忍者刀も触れたものに高圧の電撃が走るように仕組まれている代物。 また、白い方は「0.5人分の実体しかない偽物」であり、本体となる黒い方は手足のようにコレを操って相手を撹乱し、対象を暗殺する。 一方で黒い方には人間未満の0.5人分の意識や感覚が常時流れこんでおり、非人道的な人体実験の記憶等から死を望む。
だが、死しても尚安息が許されないと女神におびえてもいた。
S-11研究所の秘匿区画においてデータの確認と侵入者の排除、それが終わればデータを回収しての撤退を命じられていた。 だが侵入してきたアマツカゼが秘匿区画に気付かず、中枢機構を派手に破壊して結果的に区画の入り口を封鎖してしまい、出られなくなってしまった。 その為に内部のコンソールからデータを送受信したことがきっかけとなり、アマツカゼから騎士への再調査依頼となって騎士達と邂逅する事となる。 不意打ち程度では騎士に勝つことは出来ずあっさりとノックダウンさせられる。 その後は助け甲斐のない言動を繰り返した結果、渋々といった感じになった騎士達によってアマツカゼへ引き渡される。 参加騎士:七種千夏恵、片瀬川順平、ルシア・クリスティア・西條 第八位 『天津風』アマツカゼ (2014/08/09 調査済) ・五人組で動く傭兵組織。 但しアマツカゼという組織としてのフルメンバーが五名なだけで、依頼を遂行する際には必要に応じて他の傭兵組織を雇ったりしている。 その他に『魔術師』級の外部協力者が存在する素振りがある。 騎士達とは傭兵組織『ラット・カンパニー』に関する噂を調べている時に接触があり、 ラット・カンパニーと雌雄を決する際にも騎士達と共同戦線を張ったため、その実力は信頼している。 情報収集能力はかなり高い為、今後とも某かの形で協力を得られる可能性が高い。 また、アイリス教会のアーベルト神父とは因縁も深いようだ。 参加騎士:七種千夏恵、葉月頼子、ルシア・クリスティア・西條 第九位 『爆弾小娘症候群』ジャパニーズドール・レギオン (2014/07/18 討伐済) ・容姿は「市松人形」。但し普通の市松人形以外に髪型が違う「実戦リーダー仕様」と、着物の色が違う「女王蜂?仕様」の計三パターン。 基本的に「動くものに近寄って爆発する」「リーダーがいなくなったら一定時間後に爆発する」というもので、 集団で近寄ってくるために個々の大きさの割に被害が洒落にならないことになっていた。 町中に巣からの入り口を作られ、町中に出現していたところへ騎士達が登場。あっという間に弱点を割り出し?て一掃していた。 最後正体不明の爆発を起こす中、笑顔を浮かべたアーベルト神父(※中年、Notイケメン)の笑顔が浮かぶ騎士がいたとかいなかったとか。 参加騎士:七種千夏恵、葉月頼子、イヴ 第十位 『ポテトフライ』フライング・ヘッド (2014/07/11 討伐済) ・容姿は「空飛ぶ巨大な馬鈴薯」か「空飛ぶ巨大な人面岩」。ほぼ全体にスラスターが付いており、背部には巨大ブースター装備。 頭は悪く、攻撃手段も「体当たり」「自由落下」等しか持たなかったが、その頑丈さと質量から内部世界の住人にとって厄介な存在であった。 尤も構造上の欠点(口&鼻という巨大な吸気口に爆発物を放り込まれると弱い)を把握した騎士の敵ではなく、逃げる事も許されず轟沈。 参加騎士:イヴ、葉月頼子、長尾宵 |
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フロートランド
内部世界における『最重要』な都市。およそ内部世界の公的な機関は全てここに本部が存在している。 警察軍の本部もここに存在するため、警察軍の戦力の殆どはここに集中していると言ってもいい。 名前の通り空に浮いており、飛行手段が無ければ進入は不可能。 そして、飛行機の類は法律により警察軍以外所持を厳しく制限されている。
マグレーディ・ガルディア
内部世界における『退廃の都』とも呼ばれる都市。 地上部と地下部に分かれており、地上部はかつての繁栄を思わせる廃墟群に貧民が住み着き、貧民街と成り果てている。 そこから複雑に分岐した下層世界へ侵入すると、合計すれば地上のマグレーディ・ガルディアを超えそうな規模の都市が広がっており、およそ傭兵組織や様々な企業の支社等が乱立している。 マグレーディ・ガルディアの地下は「傭兵組織の掟」によって固く戒められており、荒くれ者達の住まう場所ではあるが比較的穏便な区域とそうでない区域がしっかりと分けられている。 一方、トラップマンを筆頭とした犯罪者の暗躍や、建前は「強盗」による企業同士の私兵の抗争等、傭兵組織達の仕事がない訳ではない。
ノイブルク
内部世界内ではそこそこ発展しているらしい都市。石造りの建物が多い。 北部はそこそこ繁栄しているが、南部が貧民街同然となっている。南部はアイリス教の影響が強い地域。 また、中央は公園になっているが、建物にびっしりと囲まれていて開放感はあまりない。 ベルカイムとは赤色荒野を挟んだ真向かいにある。 かつてここの中央公園にはジャパニーズドール・レギオンが存在する下層世界の入り口が設けられるという事件が存在した。
ベルカイム
内部世界内でそこそこ繁栄しているらしい街。木で出来た建物が多い。 赤色荒野を直行、あるいは迂回するルートに存在する休憩地点となっている。 ノイブルクとは赤色荒野を挟んだ真向かいにある。
赤色荒野
文字通り、どこまでも広く赤い荒野。 かつての大戦と、大戦を終結させる一因となった悲劇によって形成された。 賞金首であるフライング・ヘッドが延々と潰して回ったため大戦時の外殻は全て粉々になり、風化して錆びている。 大戦以後、赤色荒野の上空だけはいつも奇妙な曇天に覆われていて晴れる事は全くない。 |
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(重要な情報についてはイベントで情報を手に入れるまでは伏せられています)
警察軍
内部世界における公的な治安活動を一手に担う組織。最も有名なのは、最精鋭部隊「黒色槍騎士隊」である。 軍隊と警察が混じってしまっているのはかつて「前大戦」と呼ばれる戦いと、現在も繰り広げられているアイリス教vs反アイリス教の抗争により警察部隊の一部が重武装・専門化した結果となっている。
著名なNPC
・騎士隊長エリオット 黒色槍騎士隊の隊長。曰く「クソ真面目で融通が効かない」が「味方に回ってくれるなら非常に頼もしい」とも。 黒色槍騎士隊がフルメンバーで揃った時の戦力は賞金首と比肩しうるとも言われているが、基本的に重要な区画の警備に当てられており、外部への出動は賞金首が町を破壊している等手が付けられそうに無い時などに限られている。
アマツカゼ
少数精鋭を謳う傭兵組織。そのメンバーは主に五名で構成されていると言われている。但し、外部協力者を募って任務に当たる事もあるという。 依頼成功率は非常に高くその実力の程を伺わせるが、依頼と並行して「小遣い稼ぎ」等を行っていく為、余計ないざこざを嫌う依頼主からの評判は余り宜しくない。 反面、「アマツカゼがどう動こうが気にしない」というタイプの依頼主や、自暴自棄になっているような依頼主からの評判は安定している事が多い。 リーダーの名前は『カイヅカ』と言うらしい。組織のマークは「右を向いた狼」のデフォルメ絵の下の方に「アマツカゼ」と書かれているもの。
なお『天津風運輸』と呼ばれる荒事だろうがなんだろうがお構いなしの腕利き運送会社が存在し、少数精鋭ぶりやその仕事ぶりからアマツカゼとの関係が疑われているが、曰く「アマツカゼとは名前が一致しているだけ。仕事ぶりが評価されているのは嬉しいが、何ら関係はない」と表明している。
青いジャケットに「天津風運輸」と書かれたロゴと天津風運輸(空を掛ける犬ぞりっぽい何か)のマークが目印。
・カイヅカ・リカ(女性)
アマツカゼのリーダー。アマツカゼ内で最も戦闘力が高いのも彼女。外殻の色はオレンジ。 かつて「カイヅカ・ハヤト」という伴侶が居た可能性、及び二人の間に息子が居た可能性がある。
・エンドウ・タイガ(男性)
アマツカゼの副リーダー。アマツカゼ内では頭脳労働や作戦指揮、後方支援が主な仕事だが、アマツカゼの前身組織から居る古株でもあるだけに戦闘力は決して低くない。 外殻の色は深い青。
・トクガワ・コタロウ(男性)
今のアマツカゼになってから一番最初に組織へ入った男。アマツカゼ内のポジションは小隊長格。 かつては警察軍の精鋭、『黒色槍騎士隊』にも所属していた。外殻の色は黒にも見える濃い緑。
・スガノ・トキコ(女性)
アマツカゼ内では新入りの少女。アマツカゼ内のポジションは狙撃手。外殻の色は白(但し周囲に溶け込む迷彩機能付き)。 腕を買われ、壊滅寸前だった傭兵組織から引きぬかれた。
・オガミ・カナメ(女性)
アマツカゼ内では一番の新入り。アマツカゼ内のポジションは囮を兼ねた前衛。外殻の色は赤。 他所の傭兵組織から追い出されたところをカイヅカに拾われ、今に至る。
アイリス教会
『知の女神』アイリスを信奉する宗教。強引な勧誘や、熱心過ぎる狂信者による犯罪行為が問題視されている。 ただ、狂信者の殆どは神父の言葉にすら耳を貸さない程狂信的であり、大多数の信者は神父の言う事には素直に聞いている事や神父の影響力の強さ、 半ば公然と非人道的な実験を行っているが「アイリス教会がやったものである」という物証を残すことは無い為に、警察軍も神父の逮捕に中々踏み切れずに居る。 また、反アイリス連合とは積極的に交戦している。
ブラックホール・メティオと一体化していたアーベルト神父の死亡に伴い、各地で急激に求心力が低下。
一方で今なお再復活を信じてやまない信徒もいる他、狂信者達の更なる先鋭化が始まっており、未だアイリス協会関係の問題は予断を許さない状況となっている。
著名なNPC
・アーベルト神父 『知の女神』アイリスを信奉する男。自身を神父と自称し、世の中に正しき信仰を広めるために活動していると言って憚らない。 但し、その方法は強引である事が多々あり、一説には薬物の類も利用されているという。 不死身、という噂もあるようです。 ブラックホール・メティオと一体化していたアーベルト神父は騎士達によって倒され、アーベルト神父は表に出てこなくなった事によって求心力が低下しているものの、未だ復活を信じている人々は少なくないようだ。
・ジェミニ・ニンジャ
アイリス教会に属している二人組の忍者。所属不明とされていたが、実際はアイリス教会の都合のいいように動く暗殺者だった。 その正体は「白い方が0.5人分の実体を持った幻影、黒い方が1.5人分の命と感情や思考」を抱え込んだ、アイリス教の人体実験が生み出した「成功作の失敗作」。 二つの機能が中途半端に実装されており、「バックアップからの即時リカバリ」によって並大抵の事では死ぬことが許されず、「分身(とその操作)」により人間未満の思考を流し込まれている。 現在はアマツカゼに引き渡され、遺体も残らぬように処分されるのを待っているところ。
反アイリス連合
アイリス教会の強引な勧誘に反発した者や殉教した信徒の関係者、あるいは狂信者が引き起こした犯罪の犠牲者の関係者らが作り上げた組織。 アイリス教会への「抗議」は度々無数の弾丸と一緒に行われており、集団で歩く反アイリス連合を見た一般人はまず進行方向から逃げ出すという。
著名なNPC
・ザ・リッパー 反アイリス連合と一緒に居るところを度々目撃されているため、反アイリス連合の一員ではないかと目されている。 主に刃物を使い、傷ひとつ負わずに目標へ接近して切りかかってくる事から、その名が付いた。
千軍万馬
ある事件によって戦力が大きく減退した複数の傭兵組織によって作られた組合。 中心核は傭兵組織「アングレット」。但しアングレット単体で連合全体を左右するような力は無く、専ら合議制らしい。 その為、親アイリス・反アイリスのブレが激しいとのこと。
著名なNPC
・ベルトラン アングレットのリーダー。 見た目は老人ですが、まだまだ第一線で活躍できる能力があるようです。 何かその姿に秘密があるみたいですが……。
・モルガン
魔女、あるいはモルガンというコードネームで呼ばれている女性です。 ですが、好意的な印象を持たない人間からは専ら『魔術師(賞金首の方の意味)』でも呼ばれているようです。 アングレットにて居候のような立場にあるようです。 主にアングレットか否かを問わず、気が向いた仕事を行っているようです。 その顧客にはアマツカゼや、警察軍も居るという噂があります。
その他
・イカルガ・ゴウ&アネサザメ・リカ 二人一組で動いている男女ペア。内部世界のNPCとは少し違った雰囲気を持つ。変わり者としてそこそこ有名。 また「二人で一つの外殻をまとう」という能力も有しているようです。 二人して何かを探し続けている模様。 イカルガ・ゴウは記憶を失ってこそ居るがある人物の息子である、とモルガンは確信を持っているようです。
・『トラップマン』
賞金首五位。詳細不明。破壊工作を得意とする潜入工作員とも言われているが、詳細は不明。 前大戦末期に発動し、その終了を決定づけたとも言われる大量破壊兵器『ゲイボルグ』に関する、ある事柄について調査をしていたらしい。生死不明。
・『レイブンズ』
あらゆる大規模な戦闘に介入しては、その戦いを『痛み分け』に終わらせる存在。 アイリス教会、反アイリス教会問わず『勢力の興亡が掛かりかねない』ような戦いや作戦に姿を現し、双方の作戦をご破産にして帰っていく。
・レーメンス
複数の顔、肩書を持つと言われる情報屋。 一説にはフロートランド内政府の特命エージェントではないか、という噂も立つほど。 対価さえ支払えば当人の知るあらゆる情報を教えてくれる。 その一方で対価には厳しく、重要な情報には同程度の情報か会社が一つ買えるほどの金を要求する事もある。 また客をよく見ており、それが善人にせよ悪党にせよ「三流」はどれだけ情報、金を積んでも情報を売ることは無いらしい。 その結果恨みをよく買うようだが、ほぼあらゆる情報に通じている彼を実際に襲おうなどという輩は全員消息不明になっている。
・『代理人』
二人居ると言われる存在。一人はイレブンスの姿をしており、もう一人は黒い靄で出来たアーベルト神父のような姿をしていた。 また、イレブンスの姿をした方は本来『観測者』と呼ばれる存在が一時的に代理人となっており、本当の代理人が同じ姿をしているかどうかは不明。 アーベルト神父の形をした方も、本来その姿なのか一時的にその姿だったのかは不明。 内部世界における重要な代理……つまりトゥエルブスの代わりに動いていると思われる。 だがもしそうだとして、何故トゥエルブス本体ではなくトゥエルブスの代わりに独立した人格を持つ存在が別個に動いているのか、何故侵入者たる騎士を目撃してもまだ水爆が起爆されていないのか、という点については不明。 |