十本槍

【用語名】 十本槍
【読み方】 じっぽんやり

【詳細】

羽柴・藤吉郎の私設部隊として抱えられる10人の学生達の名称。
元ネタは「賤ヶ岳の七本槍」。

所属する者は男女異族問わず皆若く高等部の二年生程度、人によっては中等部にすら上がらないほどであるが、皆一様に羽柴・藤吉郎を慕っている者達とされる。
元々は賤ヶ岳の七本槍+補佐として、現在真田教導院にいる真田十勇士の面々が入るポジションだったのを、
ある日突然現十本槍メンバーを羽柴が連れてきて戦わせた結果現十勇士達は敗北し、襲名の座を明け渡す事となった。

創世計画について深部まで知っていることはもちろんだが、彼らは何かを隠しつつ何も語らずただ実力で役職を勝ち取り、皆の信頼を得ていったという。
片桐・且元は渉外委員会国外係長の役職にあり、他のメンバーも何らかの役職持ちであると思われるが、誰がどの役職を担っているのか明かされていない。

全員に共通する要素としてM.H.R.R.の制服の首のハードポイントにSPEER-○(○は数字)と書かれている点。他からの個人の呼び名は「○番槍」。
指導者は多数決の先生こと、石川・数正
最近まで数正はオリオトライに対する復讐のため自己の鍛錬しかしていなかったが、ようやく十本槍の面々と向き合い彼らに指導するようになった。

初登場は3巻下。松平最大の敗戦である三方ヶ原の戦い歴史再現の終盤、羽柴が連れてくる形で顔見世(ただシルエットのみでデザインは不明だった)。
その後4巻にて有明にSPEER-01福島・正則とSPEER-02加藤・清正のみが登場し二代、メアリと交戦した。
本来水戸にいる武蔵メンバーに対し羽柴は歴史再現上関われないはずなのだが、部下扱いの両名が独断で有明に乗り込み、激戦を繰り広げた。

そして4下の終盤で"黒嬢""白嬢"に似た装備を持った魔女の2人組・"双鉄"(SPEER-04SPEER-05)が登場。
当初は襲名元が明かされていなかったが実況通神の様子から加藤・嘉明脇坂・安治襲名者ではないかと考えられ、後にイラスト付きで5下に登場した。

また5巻上にて羽柴の軍師としてSPEER-09竹中・半兵衛と唯一の男性メンバーであるSPEER-10片桐・且元が登場。
実況通神でのやり取りの中で長泰(平野・長泰)や「黒狼」という連座名の人物(糟屋・武則)も登場している。
6巻上にてSPEER-07蜂須賀・小六日溜玄武と共に登場し、6巻下でロールアウトされたSPEER-03石田・三成がメンバー入り、各地を転戦していたSPEER-08糟屋・武則も登場したことで全員出揃った。
また十本槍全体の副官として、可児・才蔵島・左近及び鬼武丸という機動殻がいる。

外部からやってきている竹中とOSである三成を除くメンバー8名は幼馴染であるというが、どこの出身であるかはかなりの間語られていなかった上、
福島と加藤が言うには「対武蔵要員の私達」「末世を止めることができるかどうかは私達次第」「私達は止める側」であり、彼女らの過去に触れようとすると二境紋が発生することから公主に目をつけられていることも明らかになっている。
9巻下で福島が回想していた過去では、「草原以外いつも夜だった」土地で育ち、「御座る」口調の武芸の師等親たちに育てられたが、ある日突然大人達が消えてしまったという。

そして本能寺の変にかこつけた運命の処刑、創世計画が若干形を変えつつも実行され織田・信長が運命を押さえ込み公主隠しが封じられたことでついに彼らはその正体を明かすこととなった。

外部からメンバーに加わった竹中と、作られた存在である三成を除く8人は、「未来の運命を抽出したことで過去にやってきた武蔵の者達の子供」と「武蔵の者の関係者」。
蜂須賀を除く7名は武蔵メンバーの子供だが、蜂須賀のみ、とある人物の血縁者である。

彼らが生まれた未来はホライゾン奪還戦にてホライゾンの処刑を止めることができず、"刑場"にてトーリもまた分解されてしまい両名が死亡してしまうという、今作品の前提から大きく異なる世界であり、
武蔵メンバーはその状態でもなお、彼らならどうするかを考え続け他国と交渉していき、大罪武装を集めたことで運命の処刑、創世計画の"実行側"という立場となった。
教皇総長に負けた武蔵が辛うじて頼れる場所といえば暫定支配されていない英国しかなく、そこからだいたい同じ経路で渡っていったようだが、ヴェストファーレン会議で各国を論破できなかったため運命の処刑に対しては各国の連合軍を組んだ上での総力戦となった。

しかし運命との最終決戦において、「幸運」で固定された敵軍勢に「不運」で固定された武蔵アリアダストを始めとする各国の連合軍は勝てず壊滅。
生還者は数百名程度とわずかであり、結果として運命の自殺を止めることができず末世が進行。
英国にある"花園"をシェルターとし、生き残った人々は全員ではないがそこを避難所としつつ、世界の消滅を受け入れざるを得ない状況となってしまった。

そして彼らはそんな中で生まれ、花園に入った母親達から技術と知識を受け継いでいき、運命の自害が完了したと同時に地脈の希薄化も停止したことから、
外燃拝気を花園から地脈に注いで世界に還元し、元通りに作り直すという途方もない事業を開始することになる。

この時までは子供達に着いている親も居た。
だが、消費される資源と還元するために必要な流体の収支が合わなくなったことを悟った彼らの親は、すべての知識と技術を受け継いだ子供達の合同誕生日の翌日、
手紙を子供達に託し、花園から外へと出ていった。
世界はまだ作り直される途中、しかもほぼそのスタート地点のままであり、外に出ていった彼らの親は恐らく死亡したと思われる。

手紙を残していったとはいえ、親に置いていかれる形となった彼らは深い悲しみを受け、それでもなお残された世界の修復を行うべく、
外燃拝気を送る作業を継続していた中、地脈の中から自分たちを呼ぶ声があることに気づき、武装や情報等を外燃拝気と共に送っていたところ気がついたら今の世界にやってきたと言う。

彼らを抽出したのは松平・信康
真田の遺跡にあった装置はこのためのものであり、兄である元信とは別のアプローチを試み、未来を知ることによって末世を解決しようとしていたらしい。
未来の情報を知る彼らから失敗した創世計画のことを聞いた元信は計画を軌道修正し、現在の依代に運命を降ろしそこを断罪武装を叩き込んで人格のみを破壊する新しい創生計画を打ち出した。

ホライゾンの持つノーマルの大罪武装で運命を処刑できないことが判明したのは、未来の情報を得たためだろう。
断罪武装と織田・信長や羽柴・藤吉郎は創生計画を完全な形で遂行するために作られた。

つまり、十本槍の面々は武蔵が大罪武装による末世解決をしようとしても失敗し、末世を防げないことを知っている。
その果に自分たちが生まれ、そして生みの親が自分たちのために死ぬことを知っている。
それを望まず、一緒にいたいと願い、彼らが運命に戦いを挑み結果失われることを防ごうとしている。

「対武蔵要員」「私たちは止める側」としているのはそういう理由からであり、ただ生きて自分達と一緒にいてほしかった子供達は、
力づくによる武蔵の妨害を行う立場になることを選んだ。

出自に関して触れると二境紋が出るのは、運命が未来から来た存在である彼らに真っ先に気が付き監視しているため。
事情聴取を行った者達も未来の結果を知ったことで何人も公主隠しにあったといい、彼らが洗脳されていては知り得ない未来の確定情報を知っていたことから、
その信用度は高いと判断されP.A.Odaに預けられつつ、元信は創世計画の練り直しに取り掛かることになる。

彼らの持つ武装は、未来で作られた未来武器であり、親やその血縁が扱っていた武装を統合させるなどしたものだが、
これは運命に対処するに辺りより強大な力を得る必要があったため。
銀釘が本来の形状と異なるのはそれが理由であり、カレトヴルッフも本当の名前は王賜剣三型という名称である。

そして山崎の合戦では親達に勝利し、大和が武蔵を撃沈したことで彼らの有用性が証明されたと思いきや、
撃沈したはずの武蔵は元信の仕込みで新武蔵として復活。さらに親達もまた再起し、彼らとの再戦の末、お互いが抱えたわだかまりを解消しつつ敗北することとなる。

その後、10巻下ラストにて羽柴共々武蔵に乗船。
そこで講和会議と称して感動の親子団らん(?)しつつ、今後のすり合わせを行い、武蔵への合流を進めつつ、それを確定としない宙ぶらりんな状態で、実質的に武蔵の面々との合流を果たした。

ヴェストファーレンにおいては元気な傀儡黒幕を通した無理難題に対し、宙ぶらりんの状況であることをうまく使って立ち回り、
不利な条件を飲まされることを回避している。

【一覧】

元ネタである賤ヶ岳の七本槍は、福島正則、加藤清正、加藤嘉明、脇坂安治、平野長泰、糟屋武則、片桐且元の七名。
石田三成は豊臣政権下の五奉行の一人。蜂須賀小六は織田家領地で故郷を収める領主から秀吉の部下になった武将(講談等では無名時代秀吉が世話になった野盗)。
竹中半兵衛/黒田官兵衛は軍師系の人物で、前述七名とは役割が異なる。

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最終更新:2018年11月24日 03:03