トトリ ♀
カザナリ ♀
ツキ ♀
グート ♂
ゲッファ ♂
イエスマン ♂
01 トトリ「あれっ、このメンバーで食事って珍しいね」
02 カザナリ「トトリさん、こんちわー」
03 ツキ「お疲れ様です、教官」
04 グート「教官、この人どうにかしてください」
05 ゲッファ「トトリ教官、好きだー! 俺と再婚してくれー!」
06 イエスマン「俺に別れろってーのかよ!?」
07 トトリ「残念、今のところ乗車切符は一枚でね」
08 ゲッファ「わぉ……カッコイイ返し方きたぜ」
09 カザナリ「グート、用意」
10 グート「どうどう? ツキちゃん見てよコレ」
11 ツキ「凄く、トゲトゲです……」
12 ゲッファ「乗車切符って乗る為に必要なんだよな。これってエ――」
13 グート「……ふぅ、イイシゴトヲシタゼ」
14 カザナリ「トトリさんはどうしてここに?」
15 トトリ「こいつ探してたわけ。ご飯前に一つ仕事があったのに、気付いたらいないんでね」
16 イエスマン「俺? 何々? 俺なんかしなきゃならない仕事あったっけ?」
17 トトリ「ほほぅ……言うようになった」
18 ゲッファ「やべぇ、教官マジギレだ!」
19 カザナリ「クギの刺さりまくってるバット、取ってから復活しなさいよ」
20 グート「いや、今抜いたら血がテーブルに広がって、俺たちの昼食にまで降りかかってしまう」
21 ツキ「いい加減、APFのカスタマイズ機能、切って貰わないとダメなのかな?」
22 ゲッファ「ツキちゃん、俺死んじゃうからそんなことされたら」
23 ツキ「いや、その程度では直らないと思うのですが……」
24 ゲッファ「直らない? なにが?」
25 カザナリ「転生しても無理でしょうね」
26 グート「魂が消滅したらいけるか?」
27 トトリ「お前は、どうして、いつも、肝心なときに、忘れた忘れた、と!」
28 イエスマン「アガガガガガ! ち、違うんだぜトトリ! 一人出ていくアガガガ背中を見つけて――ギリギリ音してるから!」
29 トトリ「あぁん? しっかり話さなくてはわからんなぁ……」
30 イエスマン「拷問キタコレ!? 話す、話すからヤメテ半分だけでいいから優しさ頂戴! アイアンクローはマジ勘弁しぎゃぎゃぎゃぎゃ!」
31 トトリ「半分程度でいいんだな、よし分かった」
32 イエスマン「まだ痛い!? くそっ、くだらねぇ揚げ足取りやがって!」
33 トトリ「憂さ晴らしだね、日頃の」
34 イエスマン「やめて?!」
35 トトリ「だが断る――つもりだが」
36 イエスマン「イダダダダ……よ、ようやく終わったか」
37 トトリ「人前で自分の間抜けさを公表するからいけないんだ……さぁ、早く行こう。のんびりしていられるほど、楽な立場に居るつもりはない」
38 イエスマン「そうなんだが……」
39 ツキ「……えと。私に、惚れるなよ?」
40 カザナリ「どういう方向性なんだろう、この子の脳内お花畑は」
41 グート「さぁ? とりあえず、常識っていう太陽にあえて背くヒマワリみたいな感じ、とは思ってるけど」
42 ゲッファ「精一杯刃向かってる感じがカワイイ!」
43 グート「カワイイ!」
44 イエスマン「えっと――トトリ、そんなに抑えきれない衝動が溜まってるのか?」
45 トトリ「というか、お前にはいつでも抱いているぞ」
46 イエスマン「そうだよなぁ、朝は中途半端だったし、昼前にはスッキリしておか――」
47 カザナリ「――えっ?」
48 グート「見えなかっ、たぞ、おい。パンチ? キック?」
49 ゲッファ「初速……ありえね、秒間七千フレームに分解してようやく何かが見えるぞ。手とも足とも判断つかないが」
50 ツキ「まぁ、あれ以上は教育上の配慮と風評なんかを気にしてたんでしょう。どっちも今更感が漂いますが」
51 トトリ「今更とか言うな! ――コホンッ、それでは、私はコイツを連れて戻る。が、良いか? さっきこいつが口走りそうになったウソ、その先を想像したり、これからに当てはめたりするのはとてもいけない事だ。分かっているね、諸君」
52 カザナリ「了解しましたよ、トトリさん」
53 ツキ「口に出したりはしませんよ、えぇ」
54 グート「ツキちゃん一筋ですから」
55 ゲッファ「まったねー、トトリきょうかーん」
56 トトリ「……では、失礼」
57 カザナリ「午後の授業で会いましょうねー。……さぁ、残り食べちゃおうか」
58 ゲッファ「あっ、イエスマンの分は俺がいただきー」
59 ツキ・グート「どうぞどうぞ」
60 トトリ「お前な? どうして昔からバカが直らないんだ。自覚的なバカだとしたら矯正できるんだが、お前は天然にバカだから困る。分かるか? 教育者なんだぞ、私たちは。大人から子供へ。このサイクルは絶やせない、重要な人間の――」
61 イエスマン「でも、そのサイクルを全うできない人間だって、居るさ」
62 トトリ「それは怠けて――怠けているか、やむにやまない事情があった場合、だ。というかお前、憶えてたのか? あの人達の墓参りに行こうって話し」
63 イエスマン「その点に関しては、悪かった。謝る。俺都合でさ、折角作ってくれた自由時間が無くなったし」
64 トトリ「次に空くのは半年後かもしれないから今日行こうって、お前が誘ってきたんだろうが。それなのにいきなり反故するわ連絡しない(*1)わ。律儀に待っていた私に対して……なに? ごめん、もう一度言ってくれ」
65 イエスマン「背中がさ」 (*1)記号の場所で割り込み
66 イエスマン「背中がさ、見えたわけよ。背中丸めて、手に持った花束をぞんざいに扱って、哀愁漂わせてでていく、俺たちが作っちまった男の背中をな」
67 トトリ「そうか、あいつも」
68 イエスマン「そんなわけで、急遽中止。一緒に並んで『色々問題はありますが、なんとか元気にやってますよ』なんて言える訳がない」
69 トトリ「そうだね、確かにそうだ。なにも言うことはできない」
70 イエスマン「あとさ、今日の午後はツキちゃんがトウキと一緒に墓参りだとさ。授業後だろうし、その更に後ってなると、もう夜も近い」
71 トトリ「ハァ……今年こそは、一日も遅れることなく行けると思ってたのになぁ」
72 イエスマン「しかたないさ。自虐的でも、過去を見続けなきゃ癒えない傷もある。その場を、既に割り切ってしまった大人が奪っていい訳がない」
73 トトリ「傷、ね。あれから十年経過したのに。時間とはお構いなしに、直らない傷もあるんだな」
デモサ、シカタナイジャナイカ
最終更新:2010年12月12日 23:30