オンライン=オンライン4

~迷子の迷子の子猫ちゃん~


とあるオンラインゲーム上でのお話。
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スキル



ジェイド♂          青年タイプのアバター推定17歳、ジョブクラスはナイト。
(以下もジェイド)      声も思春期の青年をイメージ、とっても素直な子。
                主人公っぽく、ロールしている。
                中の人も同じ位の年齢で、精神年齢もそんな感じ。
                久しぶりに、彼のターンがやってきました。

ヒメリ♀           少女タイプのアバター推定16歳、ジョブクラスはウィザード。
(以下もヒメリ)       声は元気な子をイメージ、私ルール全開だけど、
                思いやりも持ち合わせている子。
                中の人は大人な女性だったり。色々経験積んでます。
                火属性広域上級魔法『インフェルノ』を使うのが好き。

マスカレイド♀        少女タイプのアバター推定16歳、ジョブクラスはプリースト。
(以下マスカ)        声は清楚なお嬢様をイメージ。ネガティブ思考。
                それなりにレベルは上げているが、まだまだ初心者。
                あんまり、ゲームセンスは無い。
                キャラクターの髪型がポニーテールなのは、
                元気な子になりたいという変身願望から。

システムボイス♂♀     ゲーム本体からのシステムメッセージです。(被り奨励)
(以下システム)      なんかこう、機械が発しているそんなイメージ。
                お昼のニュースを読んでいるニュースキャスターのような感じ。
                今回は、被りの関係で男性がいいかも。

ガゼルandユートリア♂   一般モンスターとダンジョンボスモンスター (被り奨励)
(以下ガゼル・ユート)    グオオォォって言うだけの簡単なお仕事。


配役表(奨励四人 1:2:1)

ジェイド♂:
ヒメリ♀:
マスカ♀:
システムボイス♂♀:
ガゼルandユートリア♂:



1システム  ダンジョン『ユートリアの迷宮』第2層。

2ジェイド 「ぬおー!ここも行き止まりか!」

3ヒメリ  「中々たどり着けないねぇ」

4ジェイド 「不親切すぎないか、このダンジョンの構造! 迷路だよ、迷路!」

5ヒメリ  「『ユートリアの迷宮』ダンジョンに潜ってる冒険者の台詞とは思えないね」

6ジェイド 「ダメなんだよなぁ迷路、あんまり記憶力良くねぇし」

7ヒメリ  「こんなの、フィーリングで進んでれば何とかなるよ!」

8ジェイド 「相方は、こんな調子だし……」

9ヒメリ  「え、なにそれ、不満?!」

10ジェイド 「こんなことなら、下調べしてから潜るんだった……」

11ヒメリ  「そう……スルーするのね」

12ジェイド 「これは、最近身に着けた、身を守る術だ」

13ヒメリ  「何から!?」

14ジェイド 「ん、戦闘音?向こうからだ、人が居るかもしれないな。 行ってみよう」

15ヒメリ  「うん」



16マスカ  「えい!やあ!あっちいって!」

17ジェイド 「プリーストの、ソロ?」

18ヒメリ  「装備を見た感じ、レベルは適正みたいだけど。 プリさんのソロって珍しいねぇー」

19マスカ  「ひゃうっ!」

20システム  マスカレイドさんが、戦闘不能になりました。

21ヒメリ  「あらあら、やられちゃった」

22ジェイド 「助けるぞ、援護よろしく!」

23ヒメリ  「あいあい!」




24ヒメリ  「リバイブハーブ」

25システム  マスカレイドさんが、復活しました。

26マスカ  「ありがとうございました、たすかりました」

27ヒメリ  「どういたしまして、でもデスぺナ喰らっちゃったね……」

28マスカ  「いつものことですから、どうぞお気になさらずに」

29ジェイド 「いつも……という事は、ソロでの狩りも?」

30マスカ  「はい、ソロがほとんどですね」

31ヒメリ  「プリーストって、引く手数多じゃん! 適当に募集すれば、パーティ組めるんじゃないかなぁ?」

32マスカ  「その……私、下手なんで、いつも皆さんの足を引っ張ってしまって……」

33ジェイド 「上手いプリの人のプレイは、印象に残りやすい。 みんな、そのレベルのプレイを無意識に要求してる。 そんな傾向があるって、聞いたことがあるな。」

34ヒメリ  「なにそれ!ヒドイ!!」

35ジェイド 「俺に言うな」

36マスカ  「……でも、私が力不足なのは、事実ですから」

37ヒメリ  「それで、自信が付くまでソロで練習を?」

38マスカ  「はい」

39ヒメリ  「何やってんの、ジェイド」

40ジェイド 「え……何?」

41ヒメリ  「マスカレイドちゃんを、早くパーティに突っ込みなさいよ!」

42ジェイド 「あー、了解ですレディ」

43システム  ジェイドさんが、マスカレイドさんをパーティに招待しました。

44マスカ  「え、でも私、また足を引っ張って……」

45ヒメリ  「パーティプレイの技術なんだから、パーティで練習しなきゃダメでしょ! 私達は、全然気にしないから。ね?」

46ジェイド 「もっともだな、たまにはいい事言うじゃないか」

47ヒメリ  「プリティーで完璧なヒメリちゃんを、もっと褒めなさい」

48ジェイド 「言っておくと、あんまり褒めてないぞ?」

49マスカ  「えっと……でも」

50ヒメリ  「こんな所でばったり会ったのも、何かの縁だって。 ほらほら、早く認証する」

51マスカ  「わかりました、お世話になります」

52システム  マスカレイドさんが、パーティに追加されました。

53ヒメリ  「よろ!」

54ジェイド 「よろ」

55マスカ  「よろしくです」




56ジェイド 「んで」

57ヒメリ  「そいで?」

58ジェイド 「依然迷子続行中なワケだが」

59マスカ  「すみません、道調べておかなくて」

60ヒメリ  「いやいや、お互い様でしょ、この状況は」

61ジェイド 「迷子と迷子が合流したダケっていう、なんとも面白い状況だな。 いやー、人がいるからもしかして、とは思ったんだがなぁ」

62マスカ  「そして、分かれ道ですね」

63ヒメリ  「うーん、右!」

64ジェイド 「さっきも右だったよなぁ、グルグル回ってるだけなんじゃ……」

65マスカ  「風景も、全然変わりませんし……」

66ヒメリ  「いいの!私のフィーリングがコッチだって告げているの、マキシマムに!」

67ジェイド 「マキシマムって……」

68マスカ  「たどり着けるのでしょうか……?」




69システム  ダンジョン『ユートリアの迷宮』第3層。

70ガゼル  「グガァー!」

71マスカ  「ひゃうんっ!」

72ジェイド 「なぜマスカさんが俺より前に出ているんだ!?」

73マスカ  「ヒール!」

74ヒメリ  「マスカちゃん!それ違う!モンスター回復してるから!!」

75マスカ  「ジェイドさんを回復しようとしましたのに……」

76ジェイド 「い……いいから、早く後ろにさがって!」

77マスカ  「いえ、ジェイドさんを回復しなくては」

78ヒメリ  「マスカちゃん!危ない!!」

79ガゼル  「グガガァー!」

80システム  マスカレイドさんが、戦闘不能になりました。

81マスカ  「あうあう」

82ヒメリ  「ドンマイ、次頑張ろう!」

83ジェイド 「南無」





84システム  ダンジョン『ユートリアの迷宮』第4層。

85マスカ  「ヒールがかかりませんー!」

86ヒメリ  「マスカちゃん!岩!引っかかってる!」

87ジェイド 「ぜぇ…ぜぇ…ヒールは、まだですか……」

88ヒメリ  「ジェイドがマスカさんにヒールさせるために、回復アイテムを使わずに戦い続けて干からびそうになってる!?」

89マスカ  「待っててください!今ヒールを!」

90ヒメリ  「マスカちゃん!動いて!岩が邪魔で届かないから! キャラクターを移動させてぇ!」

91マスカ  「なるほど、そうだったんですね!あ、後ろからもモンスターさん」

92ガゼル  「グガァー!」

93ヒメリ  「危ない、マスカちゃん! このぉ!インフェルノォォォオオオ!!」

94ガゼル  「グヲォォォ!!?」

95マスカ  「ひゃうん!?」

96ヒメリ  「危なかったねぇ、マスカちゃん」

97マスカ  「ひどいです……ヒメリさん、攻撃するなんて……」

98ヒメリ  「いや、その、ガゼルを攻撃するために……」

99マスカ  「気にしないって、言ったじゃないですかー!」

100ヒメリ  「たまたま、巻き込んじゃっただけだって」

101マスカ  「それもこれも、私がダメだから……うぅ。」

102ヒメリ  「悪かった!私が悪かったから泣かないでぇ!」

103ジェイド 「ヒールは、ヒールは……まだですかぁぁぁ……。」

104マスカ  「もう、何やってもだめなんですぅー!」

105ヒメリ  「私が……泣きたい」

106ジェイド 「ヒールぅ……」

107システム  ジェイドさんが、戦闘不能になりました。





108システム  ダンジョン『ユートリアの迷宮』第5層。

109ジェイド 「すごく色々あったな」

110ヒメリ  「すっごく色々あったねぇ」

111マスカ  「すごくダメダメでした……」

112ジェイド 「けど」

113ヒメリ  「なんとか」

114マスカ  「最深部、到達です」

115ヒメリ  「これも、ヒメリちゃんの完璧なフィーリングのお陰ね!マキシマムに!」

116ジェイド 「平均クリアタイム一時間、今回のタイムは二時間。 しかも途中で、攻略サイト見に行ったからな、俺が」

117マスカ  「これも、私の支援がボロボロだった所為です……」

118ジェイド 「あんまり関係ないです」

119マスカ  「関係ない……」

120ヒメリ  「さぁ!最後の仕上げ!ボスを倒してお宝をいただきましょう!」

121ジェイド 「おうさ!」

122マスカ  「ボロボロですけど、頑張ります!」

123システム  最深部に到達しました、ダンジョンボスを生成します。

124ユートリア「グォォォオオオ!!」





125システム  ダンジョンボスを撃破しました、宝箱を入手しました。

126マスカ  「勝った……?」

127ジェイド 「あぁ、勝ったな」

128ヒメリ  「大勝利ぃー!」

129ジェイド 「お疲れぇ……意図せず、大冒険になってしまったな」

130ヒメリ  「ハラハラしたけどね、ナイス補助だったよぉ」

131マスカ  「ホントですか!?」

132ジェイド 「あぁ、二人じゃ敵わなかっただろうね」

133ヒメリ  「マスカちゃんのお陰だよ」

134マスカ  「よかったぁ……、これでちょっと自信持てそうです。私、リアルでも何やっても上手くいかなくて……。 ゲームの中なら大丈夫かなって思ったけど、そうもいかなくて、ちょっと悩んでたんです」

135ジェイド 「なるほど、ね」

136マスカ  「それで、知り合いの先輩さんに相談したんですけど、そしたら 『変われるさ、素敵な出会いがあればね。 外で何か出来ることをしてごらん。きっとあるさ、素敵な出会いが』って」

137ヒメリ  「それで、ソロでダンジョンなんかに入ってたのかぁ」

138マスカ  「言うとおりになりました! お二人に出会えて、何か変われそうな気がします!」

139ヒメリ  「いえいえ、どういたしまして!」

140マスカ  「えっと、先輩さんに報告したいので、私はこれで失礼しますね!」

141ジェイド 「また一緒しましょう」

142ヒメリ  「またねー!」

143システム  マスカレイドさんが、パーティから抜けました。

144ジェイド 「さて、宝箱でもあけますか」

145ヒメリ  「何が出るかなー」

146システム  宝箱を使用しました、アイテム『ライダーズヘルメット』を入手しました。

147ジェイド 「む、ライダーズヘルメットか、中々の品だな」

148ヒメリ  「私も同じのだ!」

149ジェイド 「おう、珍しいこともあるもんだな」

150ヒメリ  「お揃いだね」

151ジェイド 「お……おう」

152ヒメリ  「着用、義務だからね!」

153ジェイド 「あー、そうなると思った……」






2話ぶりの主人公ジェイド君がっつり出番。よかったね。


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ネットゲーム用語解説集

リバイブハーブ アイテムの名前。戦闘不能のキャラクターを復活。


書いた人:柿崎    どんどん繋がる。
最終更新:2010年04月14日 19:51