練習台本03


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瀨戸島倶 「セト トウグ」♂
辛島徒鳥 「カラシマ トトリ」♀
筒木島藤花 「ツツキジマ トウカ」♀
マスター 来嶋為価 「キジマ ナルカ」♂



1  瀨戸「んでなんだっけ整理するんだっけか?」

2  辛島「というか、私は決めつけで美里島さんが犯人だと言っちゃったから、あなたのターンよと」

3  瀨戸「そゆことね置き去りにされてから話の流れ追い切れてなくてさ」

4  筒木島「私、随分と頑張って喋ってたんですけど」

5  瀨戸「そいつはアンテナから正しい電波しか出てなかったんだろうな俺のアンテナ少し曲がってるんですよねー」

6  筒木島「迷惑」

7  瀨戸「一単語で切り捨てるとか随分な後輩になったもんだよ畜生が良いよ良いよ無視だ無視だ俺様作のストーリーはっじまーるよー?」

8  辛島「待って、今日は何案あるの?」

9  瀨戸「二案かな実行可能なのは殺しって観点で見るとね自殺は限りなくありえないけど想定するとしたらさっきお前が説明してた摩擦力を使った方法で良いと思うぜ」

10  筒木島「二案もさらにあるんですか? しかも、自殺は限りなくありえないって」

11  瀨戸「遺書は分かりやすく設置しておくってのもそうだし手間がかかった死に方を選択すると途中で気が変わって首吊るのを止めるもんだ一つ動機を最初に設定したらそれでも死ぬけど」
12  筒木島「動機を最初に設定? 自分が自分を殺す動機ですか?」

13  瀨戸「フト死にたくなったコンクールも出場できるし最高潮だけど死にたくなったので死にますというか気づいたらロープの用意まで終わっていたので首吊って死ぬだけでした遺書とか書くとそれだけ死ぬのが遅くなるので今すぐ死にますそうします」

14  筒木島「まともじゃないですね、それ」

15  瀨戸「死ぬ直前ならありか?って思わせるところがミソだぜでも無いだろうけどな九割方」

16  辛島「では、他殺だった場合の第一案目は?」

17  瀨戸「カギの補強からしよう予備の予備がどこにあるかだが多分この世にはもう無いってのもありだ」

18  筒木島「それって、遺体の中に入っているからですか?」

19  瀨戸「解剖結果からカギがどのタイミングつまりは死んだあとか死ぬ前かまで判断できるとしたらその案は採用できない危険すぎる」

20  辛島「でも、そんな判定が出来るの?」

21  瀨戸「人間は生きている時にしか働かない器官だけで構成されている死後ある程度時間が過ぎていたら体液がカギに付着しているかどうかでも判断できるぜ」

22  辛島「口からだと唾液、胃袋までの潤滑液、たどり着いていたとしたら胃液もかしら」

23  瀨戸「人間の体は保湿性が無い少し口を開けっ放しにしてみろ直ぐに乾くぞ」

24  筒木島「そうかもしれないですねえ。判断材料は沢山あるってことですか」

25  瀨戸「そゆこと」

26  辛島「せっかく良い案だと思ったのに」

27  瀨戸「やめてくれよホームズ先生ちっともそんな事思ってないくせに」

28  辛島「あら? ワトスン君は私に過大な期待をしているようだけれど、別に万能頭脳の持ち主という訳ではないのだよ?」

29  瀨戸「それでも全能だと思ってるから神が助けてくれると思う前に先生が解決してくれると思うんだよ」

30  辛島「随分な持ち上げっぷり。もっと持ち上げても良くてよ?」

31  瀨戸「さて今否定した理由だが犯人が美里島だとしてカギを体内に入れるタイミングはもちろん密室を破った後に第一発見者として遺体を見つけたときになるんだがそこまでして危険を冒す理由は?」

32  辛島「そう、私を無視する、とい(うのね)――」

33  筒木島「あぁ、そういえばそうする動機がありませんね。犯人だとしたら、相当な馬鹿になってしまいます」

34  辛島「筒木島、あなたもか」

35  瀨戸「馬鹿はほおっておいて殺人後の異常な精神による異常行動とでも仮定しますか?と」

36  筒木島「ないですねー、それは。そんな仮定して議論をするぐらいならさっさと美里島さん捕まえてしまいますよ」

37  瀨戸「なので却下さて俺は先ほど話し始めに予備の予備のカギを補強すると言ったな」

38  筒木島「言いましたね」

39  辛島「補強というのは強度を?」

40  瀨戸「壊して無くしてしまいたいようなカギをその意味で補強してどうするんだよ違う違うこの世から消してしまいやすくする方向に補強するんだよ」

41  筒木島「カギとしての役割は果たし、しかしその物理的存在は消しやすくする……です?」

42  瀨戸「そゆことだこの事件があった場所は大学なんだろうしかも芸術系のなだとするとありえるんだよその存在を作り出しそうなのが」

43  辛島「もしかして、私たちが知らない、未知の構成物質?」

44  瀨戸「正解」



45  筒木島「えっ? ……えぇぇぇえええええ!? そ、それはズルイです!」

46  瀨戸「現実はそれぐらい容赦がないっつかこの程度で済んだなら良い方だと思えぐらいだと思うぜ」

47  辛島「それを設定することによる、勝算は?」

48  瀨戸「百だ完全だ他の可能性を未来から断絶させるほどの力だ」

49  辛島「ご立派なほどにそそり立つ自信ね。なら、私から」

50  瀨戸「どうぞごゆっくり」

51  辛島「――チェック、美里島と幸島の共犯説」

52  瀨戸「一番の外堀だなそれが実は第一第二発見者が犯人で犯行直後を第三発見者が目撃しましたという形になる訳だがドア開けて犯行に及ぶってどんだけだよ」

53  辛島「――チェック、容疑者達の証言に食い違い」

54  瀨戸「無いよそんなものは時間の連続性の否定は完全なる神の領域だからな人間が到達してはいけない特異点の一つだ」

55  辛島「なら、再度チェック。容疑者全員が犯人」

56  瀨戸「掠ったが急所からはほど遠いぞそれは六十億の無意識が作り出すランダムジャンプの否定に該当する」

57  辛島「その意味不明な単語はあえて? あえてなの?」

58  瀨戸「お好きにどーぞ俺は俺で考えがあって正しく脳内をアウトプットしてる」

59  辛島「そう……――チェック、琴島による狂言殺人」

60  瀨戸「離れていったぞ琴島はそういう意味では無関係だ気づいてやるべき点が一つあったかもしれないが」

61  辛島「なら、琴島のデータを形成。彼女、容疑者達以外と最後に接触したのはいつ?」

62  筒木島「へっ? あ、あぁ、はい。話では同じ学科の生徒さんが前日の昼食を一緒に取っていました。それが探し出せた最後の情報です」

63  辛島「へぇ、それはまた奇遇な――チェック、琴島は既に死んでいて、それがあのタイミングで世の中に認識されただけ」

64  瀨戸「ダウトだ誰が形而上の話をしろっつってんだよ物理法則に従うという定義は良いんだが一般常識での物理法則だ超常現象としての物理法則は適応してはいけない」

65  辛島「んー、だとしたら……わかんない」

66  瀨戸「アンサー」

67  辛島「無記投票」

68  瀨戸「答えは簡単でカギは琴島」

69  筒木島「この事件を解決するカギっていう意味ですか? でも、さっき無関係とか言ってませんでしたっけ?」

70  辛島「……帰る」

71  筒木島「はい?」

72  瀨戸「他愛もない世界だなぁやっぱり自分で自分を裏切れるようになってるなら世話はないわな」

73  筒木島「んん? えっと、先輩方、どうしました?」

74  瀨戸「こいつが帰るって言ったんだし俺も帰るよ腰巾着らしくな」

75  筒木島「はあ……あ、結局事件の話はどうするんですか?」

76  瀨戸「全部終わったよ答えも出したらしい」

77  筒木島「全部……って、分かったんですか!?」

78  瀨戸「誰が分かったんだかは知らないけれど推理して構築する遊びは一通りの答えを出したので終了です」

79  筒木島「えっと、よく分からないですけど、答え! 私には答えを明確に教えてください!」

80  瀨戸「ヒントはさっきの言葉通りカギが琴島だったということだ」

81  筒木島「なんで前とは違ってヒントしか出さないんですか、答え言っちゃって良いですから!」

82  瀨戸「んじゃマスターごちそうさま代金はこちらから」

83  来嶋「あいよ……おう、足りてるぜ。ありがとうございました。でも、二度と来るな」

84  瀨戸「こんな馬鹿話を出来る場所が此処しかなくってなまた来るよ」



85  辛島「あぁ、またつまらない事件引いたわ」

86  瀨戸「おもしろい事件ってのがどういうのかは興味があるが普通はこんなもんだろう?」

87  辛島「科学は発達すればするほど魔法に近くなる、ね。今回の事件、とりあえずは琴島さんが予備の予備のカギだったという事でいい訳ね」

88  瀨戸「防音室は首吊りロープの細工までしておく事が第一条件だな」

89  辛島「そして、別場所で殺害。首吊りに似せた殺し方はあるしね」

90  瀨戸「それをする必要も無いぜ構築するときにそういった状態にしてやりゃいいだけだ」

91  辛島「殺した後、アリバイを作ってから幸島に防音室を開けて貰うよう言いに行く」

92  瀨戸「第二発見者としての証人でもあるな直ぐ近くに居たが美里島には人を殺しているような時間はなかったって証言も出来るだろう」

93  辛島「予備の予備のカギを部屋の中に放り投げて、遺体を首吊り状態で再構築、か」

94  瀨戸「年齢が二十五だしデュプリケータの所持資格は満たしてんだろう」

95  辛島「ライフデュプリケータは違法で、個人での所持はそも不可能なはず」

96  瀨戸「死んでる人間はライフつまりは命を宿してないからマテリアルデュプリケータで十分だ」

97  辛島「殺し後、琴島の体をデュプリケータによって再構築、カギの形にコピーして持ち歩いたとして、カギの大きさで質量が五十五キロって、しっかり機能するの?」

98  瀨戸「どんな物質に変換したのかは分からないけれどカギの大きさまで質量五十五キロを圧縮する程度ならお茶の子さいさいだろう」

99  辛島「犯人は、美里島」

100  瀨戸「正しいと思うぜ謎は全て科学で解明できる」

101  辛島「そうですか、あなたが言うと随分と説得力が出てくるわね。フューチャーレコーダーの面目躍如?」

102  瀨戸「そのかわりに未来で俺が生まれた時間つまり残り三ヶ月で死ななきゃならない」

103  辛島「良い人生だったのかしらね、それは」

104  瀨戸「少なくとも人をカギにして密室を作ったり殺されなきゃならない人生よりはずっとマシだ」



105  辛島「そうだ、一つだけ聞いておきたいのだけれど」

106  瀨戸「いくつでも聞いてくれて構わないぜ?プライバシーは守った上で答えてやる」

107  辛島「もう一案あったでしょう、事件の内容。なんだったの?」

108  瀨戸「それかよもうちょっとプライベートな話でも良かったのになぁ」

109  辛島「短い花婿はいい。あと一案、なんだったの?」

110  瀨戸「簡単だよ全員が全員犯人で被害者なんていうのが居ない不純な自殺だったというだけ」

111  辛島「……琴島含めて、全てが犯人?」

112  瀨戸「正解だそれが一番楽な事件だろう?」

113  辛島「でも推理ゲームにはならない」

114  瀨戸「ゲームにしようとするなら現実を見ないことだ今だって信者におべっか使って細々生き残ってる推理小説ってジャンルがあるだろう?」

115  辛島「随分と批判するわねぇ。そんなに良い思い出がないの、推理小説に」

116  瀨戸「カウンターだから仕方ないだろう俺が登場すると全ての事件が陳腐化するし」

117  辛島「さいですか……それじゃ、こっちだから。また明日ね」

118  瀨戸「はいよおつかれさま」