線路の影をなぞる者(レイルトレーサー) ◆hsja2sb1KY
トンネル入り口付近。
リザ・ホークアイ中尉は、この異常な状況下において、冷静に活動を始めようとしていた。
名簿と地図は確認を済ませている。当初の目的は、ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟と合流すること。
自分ひとりでは、螺旋王と名乗る存在に対抗するのは不可能。しかし国家錬金術師なら話はちがう。
しかし、今この現状では、彼らの所在を掴むことは出来ない。いまのところは偶然出会う確率にまかせるしかない。
だから、自分にとって必要な物資が調達できそうな警察署に行くことにした。
射撃を得意とする彼女にとって、銃器の調達はなにより急務である。調達できそうな場所は警察署ぐらいのものだ。
距離はだいぶ離れていて、しかも調達できるかどうかかなり望み薄だが、行ってみる価値はあると彼女は判断した。
リザ・ホークアイ中尉は、この異常な状況下において、冷静に活動を始めようとしていた。
名簿と地図は確認を済ませている。当初の目的は、ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟と合流すること。
自分ひとりでは、螺旋王と名乗る存在に対抗するのは不可能。しかし国家錬金術師なら話はちがう。
しかし、今この現状では、彼らの所在を掴むことは出来ない。いまのところは偶然出会う確率にまかせるしかない。
だから、自分にとって必要な物資が調達できそうな警察署に行くことにした。
射撃を得意とする彼女にとって、銃器の調達はなにより急務である。調達できそうな場所は警察署ぐらいのものだ。
距離はだいぶ離れていて、しかも調達できるかどうかかなり望み薄だが、行ってみる価値はあると彼女は判断した。
今、彼女の手元に銃器はない。支給された武器は――ダーツ24本。
明らかにハズレだが、とりあえずコレを使用するしかない。
(やっぱり銃がないと不安だわ……)
ため息をついた。
明らかにハズレだが、とりあえずコレを使用するしかない。
(やっぱり銃がないと不安だわ……)
ため息をついた。
……ちょうど、一通り所持品の確認が済んで出発しようと思ったときだった。
カツーン、カツーン。
トンネルの奥から、誰かの足音が聞こえてきた。
(わたしの他にもこの場所に人がいたのか)
用心のため、ホークアイはデイパックとダーツを持って、トンネル入り口近くの物陰に隠れる。
カツーン、カツーン、カツーン。
足音がだんだん近づいてくる。
しかし、足音がトンネルの出口にさしかかったところで、急に止まった。
カツーン、カツーン。
トンネルの奥から、誰かの足音が聞こえてきた。
(わたしの他にもこの場所に人がいたのか)
用心のため、ホークアイはデイパックとダーツを持って、トンネル入り口近くの物陰に隠れる。
カツーン、カツーン、カツーン。
足音がだんだん近づいてくる。
しかし、足音がトンネルの出口にさしかかったところで、急に止まった。
(わたしの存在に気づいた?)
一瞬迷ったのち、ホークアイは、姿をあらわすことにした。たとえどんな相手にせよ、遅れをとるつもりはない。
ダーツを持ってトンネルの入り口の前に立つ。
相手の姿はトンネルの暗闇に紛れてよく見えないが、彼女に気づいている気配はあった。
一瞬迷ったのち、ホークアイは、姿をあらわすことにした。たとえどんな相手にせよ、遅れをとるつもりはない。
ダーツを持ってトンネルの入り口の前に立つ。
相手の姿はトンネルの暗闇に紛れてよく見えないが、彼女に気づいている気配はあった。
相手は急に前に歩き出した。ホークアイは身構えるが、相手はかまわず近づき、そのまま彼女の脇をすり抜けていく。
そして、
相手がトンネルの外に出たとき、はっきりと相手の姿が見え、初めてソイツの異常さに気づいた。
そして、
相手がトンネルの外に出たとき、はっきりと相手の姿が見え、初めてソイツの異常さに気づいた。
(――なに――これ)
常に沈着冷静なはずの彼女の顔が、ゆがむ。
思わず攻撃姿勢をとる。
常に沈着冷静なはずの彼女の顔が、ゆがむ。
思わず攻撃姿勢をとる。
トンネルの奥からやって来たのは、ヒトの姿をした、全身が真っ赤なナニカだった。
全身からつよい血の臭いを放ち、彼女に吐き気を催させる。
少し歩いて急に立ち止まったソレは、ゆっくりとホークアイのほうに顔を傾ける。その動きは、彼女に逆に恐怖を感じさせた。
そして彼女は覗き込んでしまった。その真っ赤なベトベトで覆われた顔の中の、憎悪と憐れみと蔑みが内面に満ち満ちた真っ黒な目を。
彼女は感じる。アレは傷の男よりはるかに危険な存在。存在してはいけない存在なのだ、と。
全身からつよい血の臭いを放ち、彼女に吐き気を催させる。
少し歩いて急に立ち止まったソレは、ゆっくりとホークアイのほうに顔を傾ける。その動きは、彼女に逆に恐怖を感じさせた。
そして彼女は覗き込んでしまった。その真っ赤なベトベトで覆われた顔の中の、憎悪と憐れみと蔑みが内面に満ち満ちた真っ黒な目を。
彼女は感じる。アレは傷の男よりはるかに危険な存在。存在してはいけない存在なのだ、と。
身震いと嫌悪感を抑えることができず、
「怪物……」
ホークアイは、我知らずつぶやき、右手のダーツを反射的に放つ。
それでも致命傷を与える気はない。右肩にあてて相手をひるませる。その隙に逃げ出すだけでよかった。
しかし、
「怪物……」
ホークアイは、我知らずつぶやき、右手のダーツを反射的に放つ。
それでも致命傷を与える気はない。右肩にあてて相手をひるませる。その隙に逃げ出すだけでよかった。
しかし、
相手は軽く受け止めて、投げかえしてきた。
ホークアイの顔をかすめて飛んでいくはずのそれを、彼女も反射的につかんだ。
「怪物」は、ニヤリと笑った。
「ケガしたらどうするんだ」
ホークアイの顔をかすめて飛んでいくはずのそれを、彼女も反射的につかんだ。
「怪物」は、ニヤリと笑った。
「ケガしたらどうするんだ」
「考えていた」
ふいに「怪物」は語りだす。
「さすがの俺も、状況を把握できかねている」
「は……?」
目の前のナニカがしゃべっていることに違和感を感じて、彼女は動けない。
「こんなところに呼び出されて、俺のスケジュールは滅茶苦茶だ。だいぶ気分が悪かったんだが――なかなかの美人だな?少し楽しくなってきた」
いや、本当にしゃべっているのか?現実感が感じられない。
「さっさと殺し合いに乗れば、30分で済みそうなんだがな」
自信ありげに言いながら「怪物」は少し考え込む。
ふいに「怪物」は語りだす。
「さすがの俺も、状況を把握できかねている」
「は……?」
目の前のナニカがしゃべっていることに違和感を感じて、彼女は動けない。
「こんなところに呼び出されて、俺のスケジュールは滅茶苦茶だ。だいぶ気分が悪かったんだが――なかなかの美人だな?少し楽しくなってきた」
いや、本当にしゃべっているのか?現実感が感じられない。
「さっさと殺し合いに乗れば、30分で済みそうなんだがな」
自信ありげに言いながら「怪物」は少し考え込む。
「まあ、いい……」
呟く。
「ガンドール兄弟との待ち合わせに遅れたら……まあ、ここの主催者に帳尻を合わせてもらおう。ヤツには高過ぎる代償を支払ってもらうことになる」
ホークアイには、「怪物」がなにを喋っているのかが全く理解できない。
「俺はしばらくこのトンネルにいよう」
そういって、
呟く。
「ガンドール兄弟との待ち合わせに遅れたら……まあ、ここの主催者に帳尻を合わせてもらおう。ヤツには高過ぎる代償を支払ってもらうことになる」
ホークアイには、「怪物」がなにを喋っているのかが全く理解できない。
「俺はしばらくこのトンネルにいよう」
そういって、
(消えた……!?)
一瞬のあと、「怪物」の姿は跡形もなく消えていた。
たった今まで目の前にいたはずなのに。
まるで真夜中の悪夢のように。
一瞬のあと、「怪物」の姿は跡形もなく消えていた。
たった今まで目の前にいたはずなのに。
まるで真夜中の悪夢のように。
「ああ、それと、俺の名は『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』だ、覚えておけ」
あとに残ったのは「怪物」の囁き声と血の臭いだけ――
【H-7/トンネル入り口付近/1日目-黎明】
【リザ・ホークアイ@鋼の錬金術師】
[状態]: 健康
[装備]:ダーツ24本セット
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムがあと0~2つあります・本人は確認済み)
[思考]
基本:ここから脱出する。殺し合いをするつもりはない。
1:ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟 と合流する。
2:トンネル付近に潜む怪物を警戒。
3:警察署で銃器を調達する。
※リザ・ホークアイの参戦時期はアニメ本編15話辺り。 そのため彼女の時間軸では、マース・ヒューズはまだ生存中です。
※道路沿いに北上中。
※『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』の名前を聞きましたが、名簿に記載されていないことに気づいていません。
[状態]: 健康
[装備]:ダーツ24本セット
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムがあと0~2つあります・本人は確認済み)
[思考]
基本:ここから脱出する。殺し合いをするつもりはない。
1:ロイ・マスタング大佐、マース・ヒューズ中佐、エルリック兄弟 と合流する。
2:トンネル付近に潜む怪物を警戒。
3:警察署で銃器を調達する。
※リザ・ホークアイの参戦時期はアニメ本編15話辺り。 そのため彼女の時間軸では、マース・ヒューズはまだ生存中です。
※道路沿いに北上中。
※『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』の名前を聞きましたが、名簿に記載されていないことに気づいていません。
【クレア・スタンフィールド@BACCANO バッカーノ!】
[状態]:??????
[装備]: なし
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムが1~3つ入っています)
[思考]
基本:??????
1:積極的に動くつもりはないが、自分に攻撃してくる者に対しては容赦なく反撃する。
2:しばらくトンネル内に潜伏する。
3:リザ・ホ-クアイに興味(名前は知りません)。
※クレアの参戦時期は『フライング・プッシーフット』の『車掌二人』の死亡後です。
[状態]:??????
[装備]: なし
[道具]:デイバッグ、支給品一式(詳細不明なアイテムが1~3つ入っています)
[思考]
基本:??????
1:積極的に動くつもりはないが、自分に攻撃してくる者に対しては容赦なく反撃する。
2:しばらくトンネル内に潜伏する。
3:リザ・ホ-クアイに興味(名前は知りません)。
※クレアの参戦時期は『フライング・プッシーフット』の『車掌二人』の死亡後です。
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リザ・ホークアイ | 050:マタタビからの挑戦状 |
クレア・スタンフィールド | 086:世界の中心で、叫ぶ |