バトルロワイヤル開始! ファイター大集合! ◆SEE7n9Y/L2



整備が行き届いた高速道路。だが、車が通ることなどない。
その架橋の下。地図と名簿を確認した衛宮士郎は、怒っていた。
怒りの対象は、既に犠牲者を出してしまった自分。
迷いは無い。彼の行動指針は決まっている。在り得ない名前を見た程度で、その指針は揺るがない。

……慎二が生き返っているかもしれない?言峰が?だからどうした。
自分が死なせた、殺した、斬り捨てた一を拾いなおすチャンスだ。
衛宮士郎の行動は変わらない。そうだ。衛宮士郎のすることは決まっている。
助けないといけない。守らないといけない。セイバーと誓った。切嗣と誓った。
全てを助けるなんてできない。聖杯戦争でもそれは実証されていた。
だから多くの人を守るために、言峰という一人を殺した。
それでも諦めず、全ての人を助けるという理想を目指さないと。
例え理想でも下らない夢でも他人に語れなくても、それをやりとげるのが正義の味方なんだから。
そうしないと、あの教会で見捨てた、言ったことが嘘になる。無意味になる。
多くの人を助けないといけない。正義の味方ではない衛宮士郎は、ただの――

周りに誰もいない。ならすることは決まっている。
また地図と名簿しか確認していないが、早くイリヤを、守らないといけない人々を探さないといけないのだ。
支給品の確認は歩きながらでも……

「甘い! 甘いぞ!!!」
「!?」

突如響いた声に、慌てて夜空を見上げる。そこには、月を背に空から降ってくる人間が一人。
格好は……全身タイツに、覆面。ライダーやランサーを遥かに上回る怪しさ爆発のとんでもセンスだ。
色んな意味で呆然とした士郎の隙を突き、その男は投げつけてきたロープで士郎の足を巻き取って投げ飛ばした。
地面に叩きつけられる寸前、それでもなんとか受け身を取る。幸い、怪我をしてはいないようだ。

「くそ、やる気か! なんだよお前!」
「名はシュバルツ・ブルーダー!」
「っ……!? なんなんだコイツ!」

本当に名乗ってきたことには驚いたものの、すばやく夫婦剣・干将莫耶を投影し斬りかかる。狙いは肩、もしくは足。
だがシュバルツと名乗る覆面の男は動くことなく、額につけていたアンテナ(?)を手に持っただけ。
いったい何のつもりだ――その答えは、すぐに出た。

「なっ……!?」

剣が流れ、体勢が崩れる。いや、流されて崩された。
投影したものとはいえ、仮にも干将莫耶は宝具だ。ただの金属ならあっさりと両断してみせるだろう。
それを額につけていたアンテナ(?)で受け流すなど、色んな意味でまともな人間がすることと思えない――!
そのままシュバルツと名乗る謎の男はアンテナを額に戻し、一瞬のうちに高速道路の上へと飛び移っていた。

「所詮道具頼りで体が追いついてはいない……
 だが何よりその心の有り様だ。そんなものでは自分も守るべきものも守れはしない。
 ましてや螺旋王打倒など無理の一言!!!」
「何だと……!」
「なぜそれほどの業物がこの程度の飾りでいなされたのか……よく考えてみろ!」

腕組みしたままそう告げると同時に、謎の男は消え去った。
残された士郎はあまりの事態に呆然とするしかない。
どうやら殺しに来たわけではないらしい。だけど、だったらなんでいなくなるんだ?
いったいあの男が何をしたかったのかさっぱり分からないまま、溜め息を吐いて。
……士郎は、投影した剣の様子がおかしいのに気付いた。

「魔力が漏れ出してる……?」

本来、士郎の投影する剣はずっと残っているのが特徴だ。
大抵の人間ならば今、この剣が何か異常をきたしているようには見えないだろう。
だが士郎には、少しずつ霧散していくのが感じ取れていた。
おそらく30分。それで、この剣はただの魔力に戻るだろう。

「投影だけには頼れないってことかよ……!」

思わず、歯を噛み締める。
だが投影抜きの自分ではサーヴァントには勝てない。いや、投影込みでさえ勝てない。
そして、さっきの男にも……

「……だからって、立ち止まるわけにはいかないんだ!」


支給品の確認を開始した士郎。
それを物陰から見つめる人物がいた。言うまでも無くシュバルツ・ブルーダーである。
シュバルツにとって、この程度の隠行は容易い。少なくとも士郎には彼を発見することはできないだろう。

――首輪が吹き飛んだ瞬間。
たまたま士郎のすぐ後ろにいたシュバルツには、彼が立ち上がろうとするのが見えていた。
死体に対して驚きもせず、まず「悪」に対しての怒りを見せる。少なくとも「死」には慣れているのが見て取れた。
もっともシュバルツには、その行動が考え無しのそれにしか思えなかったのも事実だが。
こうしてたまたま遭遇したのを幸運と、確かめるために少しばかり突っかかってみればやはり感じた通りの性格。
それに資質、経験、共にドモンに遠く及ばず。だが……

「…………」

無言のまま、シュバルツは覆面の額に取り付けてあるものに手を当てた。
彼には飾りと言ったが……元々これはブーメランであり、武器として活用できるものだ。
無論、シュバルツも実力差を思い知らせ自重を呼びかけるため、あの剣を切り裂くつもりであった。
しかし……実際のところ受け流しはできてもあの剣は無事。
いや、それどころか逆にブーメランの方が僅かに軋んでいるという事実。
つまり彼が作り出した剣はただの剣ではない、ということである。

「……フッ」

思わぬ拾い物ににやりとする。
別に「剣を作れる」程度のことに疑問を抱くシュバルツではない。
そもそも、ガンダムファイターである自分達の方がよっぽどおかしな事をしている。
シュバルツが着目するのは彼の可能性。
名剣を作れるあの少年と組めば、動きが鈍くなっているハンデを打ち破れるかもしれない。
ガンダムファイターは、ちょっとした道具でさえ20m程度の人型兵器を破壊できる凶器とするのだから。
螺旋王という男の実力はまだ不明だ。だがそれを倒すための一助とはなりえる。
それにドモン程ではないが、彼もそれなりに見所があるようだ。
問題は、明鏡止水の境地から遠すぎる精神だが……。

「……さて」

地図を開きながら、シュバルツは思考を切り替える。
彼が士郎に着目しているのは、単なる興味からだけではない。戦略の面からもだ。

(真っ向から死地に飛び込むということは、注意を引くということ。
 彼が真正面から飛び込めば、隠れている者は簡単に奇襲できる。
 また……地図を見る限りこの会場は広い。
 ドモンの奴なら各地の喧騒に首を突っ込むはず。それは、あの少年も同じ)

要するに、士郎を囮にしシュバルツがゲームに乗った者に奇襲をかける……
そして闇雲に動き回るよりは彼を泳がせた方がドモンに遭遇できる可能性が高い、という理論だ。
ドモンは困った時、一人になりたがる。今回も、他人と徒党を組むかどうかは不確実。
ならば「この男を知らないか」と聞き歩いても効率が悪いだろう。
もちろん、出会う前にドモンが死ぬ可能性は依然として存在するが……
シュバルツはドモンがそうそう簡単にやられるとは思っていない。
もはや全てを伝えきったのだ。マスターアジアとの決着も、ドモン自身が勝利と言う形で付けるはず。
それに、いざとならばシュバルツ自身が士郎を上手く誘導することも可能である。
支給品として与えられた絵の具は血から作られているという。彼のことだ、こんな赤には確実に反応することだろう。
むしろ問題は……なぜこの身が五体満足でここにあるのか、だろう。これもまた、些細な問題に過ぎないが。

(もし螺旋王という男が修復したのだとしても……私が恩に着ることなどない。
 奴を倒すべく動くだけだ)

士郎が歩き出したのに合わせ。
シュバルツは完全に気配を消したまま、追跡を開始した。


【A-4中心部/ 一日目・深夜】
【シュバルツ・ブルーダー@機動武闘伝Gガンダム】
 [状態]:健康
 [装備]:いつも通りの覆面スーツ(ブーメラン付き)
 [道具]:赤絵の具@王ドロボウJING、自殺用ロープ@さよなら絶望先生
 [思考]
1.このファイトの破壊、犠牲者を最低限に食い止める(悪人には容赦しない)。
2.士郎を隠れて見張る。命に関わる時は助け、必要に応じて叱咤し教育する。
3.ドモンと合流。ただ、それほど焦る必要はないと感じている。
※制限には薄々感づいているようです。
※電流爆破金網時限デスマッチでドモンと戦った後、もしくはデビルガンダムと共に吹き飛んだ後から参戦。
 後続の書き手の方が書きやすいほうを選んでください。
※完全に気配を遮断しているため、よほどの達人でない限り感づかれることはありません。

【衛宮士郎@Fate/stay night】
 [状態]:魔力小消費
 [装備]:なし
 [道具]:デイバッグ、支給品一式(ランダムアイテム1~3つ)
 [思考]
1.殺し合いを止める。
2.イリヤの保護。
3.できる限り悪人でも救いたい(改心させたい)が、やむを得ない場合は――
※投影した剣は放っておいても30分ほどで消えます。
真名解放などをした場合は、その瞬間に消えます。
※本編終了後から参戦。

【ブーメラン@機動武闘伝Gガンダム】
シュバルツの覆面の額に、まるでガンダムのアンテナのごとくついてあるアレ。
武器は没収とはいえこれがないと間抜けな感じなので本人支給。変な格好には変わりないが。

【赤絵の具@王ドロボウJING】
血を使って作り上げられた赤い絵の具。

【自殺用ロープ@さよなら絶望先生】
絶望先生がよく首吊ってるアレ。すぐ木の枝に巻きつけられてすぐ首を吊れます。


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シュバルツ・ブルーダー 048:風のイ・タ・ズ・ラ
衛宮士郎 048:風のイ・タ・ズ・ラ





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