HAPPY END(13)◆ANI2to4ndE




「さて、色々と聞かせてもらおうか」

フォーグラーの外壁に突き刺ささり、むなしく回転音を響かせるラガンを尻目に、ジンが安堵する。
ラガンがコクピット席に運悪く不時着――コクピットの破壊の心配が無くなったからだ。
昼寝をした兎は夜にヘマをしなかった。躍起になって亀にリベンジを果たした。
しかし事態は褒められたものではない。そこらに撒き散らされた出血の跡が、ジンの傷の悪化を物語っている。

『JING! まさかこれはアンチ・シズマフィールドではありませんか!? 』

やや不可解さが残るジンの一連の行動に、たまらずマッハキャリバーが口を出す。
ギルガメッシュの顔が不機嫌そうに歪んだが、手を出すまでには至らなかった。
彼もまた、マッハキャリバーと同じく疑問を抱いたからであろう。

『アンチ・シズマ管は最後の一本が行方知れずだったのでは……』
「何が、足りないって? 」

だが確かにあったのだ。マッハキャリバーの解析データをも狂わせるリアルが、目の前に。
マッハキャリバーだけではない。ねねねも舞衣もスパイクもゆたかも、この場にいれば目を疑っていた。
幻の第3のアンチ・シズマ管。フォーグラーの胎内で踊る。

『確かに同一のエネルギー反応が……どこでそれを!? 』

余談だが、ジンとシズマ・ドライブの出会いは、丸一日前に遡る。
足となり籠となり活躍していた――消防車を運転し続けた彼には、ある疑問が浮かんでいた。
“朝昼晩と走らせているのに、燃料が減っている気配を全く感じない”。
ひょんな好奇心でエンジンを調べた少年は、未知の世界へと足を踏み入れたのだ。

「簡単な話さ……2つの物を3人で公平に分けたい時――どうすればいいかな? 」

断っておくが、消防車の持ち主である“めぐみ”の住む世界にはシズマ・ドライブが存在しない。
この消防車は彼女の愛車をシズマ・ドライブ仕様にチューンナップした別物なのだ。
消防車本体ではなく、運転マニュアルと鍵“だけ”を支給された理由にも、この意図が含まれていたのかもしれない。
消防車本体はめぐみの所有物とは言い難い物になっている、と。

「貧乏性に救われたよ」

それから、彼は暇をみては各施設の動力炉を適度に物色していた。
この世界に存在する一部の施設は、螺旋王による建造だと推測をつけた理由にも、この考えが基。
ただ、彼が出会った者はシズマ・ドライブを知らなかったので、発想の昇華には至らなかった。
消防車の持ち主も見つからなかった事を加え、いつしかシズマ・ドライブはジンの脳の隅に追いやられていた。

「スカーが調べてくれた」

本題に戻るが、彼の好奇心が再び目を覚ましたのは、ヴィラル&シャマルと対峙する直前だった。
ねねねがスカーに人知れずアンチ・シズマ管の簡単な調査を依頼していたのだ。

「“未知の物質ゆえ、俺の手には負えそうにない。
だがこの上なく安定している。こんな物質は見たことが無い”ってね」

ドロボウは金のなる音を聞き取っていたのだ。活路という砂金が湧き出る音を。
ねねねがスカーの言葉に失望できる理由は、そして心の奥に隠していた彼女の狙いは、なんだったのか。
スカーの返答は彼女を落胆させるものだったのだが、その依頼に意味が無いはずがない。

「酸素を盗もうなんて洒落てるよねー……固唾を呑む大捕物。窒息しちまいそうだ。
 ところが事実は小説より奇なり……世界中の酸素を消滅させる危険は、大怪球を作った世界では未然に済んじまった。
 10年は持っちゃうんだよね。その間にシズマ・ドライブを壊して、酸欠で死んだ人間なんていなかった」

ジンがねねねからシズマ・ドライブの話を聞き出せたのは、それからすぐ後だった。
ねねねがガッシュと戦闘の準備をしていたので、やや手間がかかったが、それなりの収穫をジンに与えた。
詳細名簿と支給品資料集を読んだねねねの記憶……BF団、国際警察機構、フォーグラー、シズマ・ドライブの情報。

「あ、そうそう。スカーはこうも言ってたかな。
 “これも同じく……溶液と核はともかく、それを包む特殊ガラス管は特色のないものだ”」

ジンの抜け目の無さはここにある。
この世界のとある場所から拝借していた普通のシズマ管を、彼はこっそりスカーに見せていたのだ。
スカーの鑑定はアンチ・シズマ管の時と同じく不透明だったが、その鑑定は黄金の鉱脈を掘り当てた。

「アンチ・シズマ管もしかりさ。
 みんながあれほど駄々草に扱っていたのに、機能に問題は生じなかった。
 それだけフォーグラー博士たちが作り上げたこのシステムは素晴らしかった。
 その性能が薬であれ害であれ極上の安定性を持っていたんだ。
 常に沈み静まりエネルギーを運ぶ半永久機関だったわけで……こんな話を聞いたらさ――



――"3/等/分"したくなっちゃう



 俺ってばケチな泥棒ですから。切った張ったのイカサマは慣れてるし……方法は企業秘密だけど」



2本のアンチ・シズマ管から溶液を三分の一ずつ抜き取り、別の空の容器に移す。
さすれば等量の溶液が入った管が3つできる。3本目の容器は普通のシズマ管を拝借すればいい。

『本物の2つが両端に挿入されているのも狙い通りですか』
「ビンゴ。-/+/-(負正負)のバランスも考えて、ね」

もちろん悔いはある。どんな副作用が起こりえるのか、それは誰にもわからない点。
特筆すべきは3つの溶液のそれぞれに入る核。内1つは、従来のシズマ管に頼らざるえなかった事実。
アンチ・シズマ管とシズマ管の、核と溶液の正確な差異は、スカーをもってしても解読できない代物。

『万が一の事があったら、どうするつもりだったんですか。
 濃度、質量、システムの微細な変動で、どんな拒絶反応が起きるか……』

2本分の溶液は3つにできても、肝心の2つ核を3等分する危険は冒せなかった。
3本とも本物に近づけるために、彼が選んだ妥協は"元の3分の2になったシズマ管を3本用意する"ことだった。

「それはそれで千載一遇(狙い通り)なのさ」

アンチ・シズマフィールド発生による全シズマ・ドライブ救済が失敗に終わるとき。
それはBF団エージェント、幻夜が起こした地球静止作戦におけるシズマ・ドライブ破壊現象の再来を招くのか。
事態はそれに留まらず更に悪化するかもしれない。何しろ肝心のアンチ・シズマ管さえ不完全なのだから。
従来のシズマ・ドライブをフォーグラーに装着させた場合を含めて、これまでとは一線を画す実験なのだ

「2本揃っただけでも……“惨劇”を起こすには、十分だったのかな? 」

地球静止作戦を超える災害。完全なるエネルギー静止現象“バシュタールの惨劇”の再来。
即ち、菫川ねねね著“イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに捧ぐ”の実現もジンは覚悟していた。
もっとも、彼はねねねの本を読んでいたわけではないし、ねねねの口から聞いたわけでもない。

「ま、この真ん中に刺さってるレプリカにもちょっと細工を"施し続けている"けどね」

ともかくジンは舞衣とカグツチをフォーグラーの内部に無理やり突っ込ませようとしなかった。
わざわざフォーグラーから距離を取らせたのは、惨劇の巻添えを防ごうとした魂胆があったのかもしれない。
ねねねの心に隠れる本音を、ジンはそれとなく感じ取っていたのであろうか?

「無様だな」

満身創痍のドロボウの高説をギルガメッシュが吹き飛ばす。
相変わらずの口調で、相変わらずの態度で、相変わらずの視線で。
王ドロボウの賭けに、彼は成果を見出せずにいた。

「身を削って鍵を手にしたはいいが、貴様には夥しいほどの赤い錠が絡みついた」
「久しぶりの窮地(デート)だったから、おめかししたくてね」
「死女神と逢引きするためにそのまま後世へ婿入りか」

ふんぞり返る王の前で、ジンは永遠の忠義を誓う兵隊長のようにお辞儀をする。
そして懐から血塗(love wrapped)の鏡を取り出し、大げさに差し出した。

「これを我に渡してどうするつもりだ。口止め料か」
「寿命三ヶ月分をはたいて手に入れました。何も言わずこれを受け取って頂きたく……身だしなみに役立つかと」

彼が手渡した鏡は、日常品どころか非日常の貴重品。
かつてガッシュ・ベルの世界で生まれた究極の魔力タンクになる魔鏡なのだから。
魔力を使うギルガメッシュには、まさしく分相応なお歳暮だ。

「――その度々吐く下卑た口ぶりを止めろ。何が王ドロボウだ」

しかし王ドロボウの微笑みに、英雄王は真面目腐った。
相手へ慇懃さを感づかせるのにジンの振る舞いは今更すぎた。

「これで何度目だ。我と余計な争いを避けようとしているのか? ―――身の程を弁えろ。
 盗んだ金の毛皮を被った羊が、王に"譲る"とは何事か! ならば最初から衣を借るでない!! 」

もはや英雄王には王ドロボウが口先三寸の卑屈屋にしか見えなかった。
財を奪う才能に長けているかどうかはともかく、行動は不愉快の連続だった。
一度盗んだものでも、持ち主が見つかればあっさり宝を返す。
挙句、次から次へと献上してご機嫌を取ろうとするばかり。

「いけないかな? 見返りがなければ、泥棒は協力なんてしない」

その皮も剥がれてしまった。
顔を上げて笑うジンに、ギルガメッシュの怒りが篭る。

「……貴様はどこまで我の期待を裏切ってくれる」
「投資。これは投資なんだよギルガメッシュ。投資させるしか能のない品を、持っててもしょうがないよ。
 働き者の王ドロボウは剣も門も鏡も揃えたんだぜ。チップをくれたっていいじゃないか」

ぼんやりと抱いていた疑問へのあっけない答え――献上ではなく出資。
お気に入りの財は、盗んだ当人から持て余されたゆえに、三品と値切られてしまったのだ。

『――JING! あなたはそんな腹積もりで私たちと接していたというのですか!? 』

この宣戦布告に等しい愚弄に、第三者も黙っていられなくなったようだ。
王の具足として働くマッハキャリバーは、本当は王と王の対立に関して、最後まで見届けるつもりだった。
鴇羽舞衣一行に接触したときのように、我が道を進まんとするギルガメッシュが、わざわざ先回りしてジンに会ったからだ。
だからマッハキャリバーは、ジンとギルガメッシュの双方に……何らかの狙いがあると信じていた。

「何時も王が王であるように、泥棒はどこまでいっても泥棒なのさ。
 そこで“王子様”にもう一つ頼みがある。ナンパして欲しい女がいるんだ。イザラっていう、夜が似合う娘でね――」

しかし王ドロボウの侮辱はマッハキャリバーの信頼をも裏切った。
デバイスとしての立場であるゆえに、その思いも一塩どころの騒ぎではない。

「この悪党が」

"それ"ゆえだったのかは定かではない。
有機体と無機体の間で感情の交差が生じていたのか。お互いの思いは等しく同一であったのか。
マッハキャリバーとギルガメッシュは、動いていた。お互いの脳と心がまるで繋がっているかのように。
その動きは神速、流麗。ギルガメッシュの制裁は、ちっぽけな人間の若き血潮を、風のキャンパスに塗りつけた。

「……出来心、だった……反、省は」

泥棒は全身から鮮血の花を満開させる。
死を招いたのは献花に仕込まれていた翻意のトゲ。
そして、心に巣食う悪の種。

「し、て……い、な…………」

薄汚れた心を皮肉るように、命の一輪挿しは艶やかに色めく。
地に伏した泥棒は枯れ草となり、いずれ野に帰るだろう。
赤い赤い種子を巻き散らして、大地に芽を蒔いたのだから。

「花泥棒のフリはよせ。余罪がないとは言わせんぞ」

ああ哀れな哀れな王ドロボウ。救われず掬われて、裏切りの道を――


「我を盗んでおいて」


――いまだ、歩まず。



『King! どうしたのです、いつものあなたなら有無を言わさず処罰を下している! 』

マッハキャリバーの意見はもっともであり、至極真っ当だった。
ギルガメッシュは前のめりになって倒れている下手人を睨む。
怒っている。心の底から怒っている。しかしそれ以上は進まない。進められない。
王の心に絡むのは違和感。有り触れているようで、どこか有り得ない揺らぎ。
考えてみれば、それはずっと前から始まっていた。

「さて何処で盗まれ始めていたのか」
「……わかってるくせに」

死んだはずの男が、懐から種明かしを放り投げる。
空の容器がカンッと地面に跳ね返り、ギルガメッシュにラベルを見せる。
深紅王の赤絵の具(クリムゾン・キング・レッド)。
古今東西の死骸を沈めた血底湖(クリムゾンレイク)から生まれし、最高純度の出汁(クリムゾンレーキ)。

「――欲ってのは金と一緒で困りモノ。多くても少なくても厄介で。この世に存在する全てそのもの、さ」

甦るドロボウの転職先はゾンビにあらず、真っ赤な大嘘を着込んだ詐欺師。
慇懃の殻はついに破れ、むき出しになった意識は獲物を舐める。
王ドロボウが王ドロボウ足る究極の証明書。その支配は生命の如何に関わらず万物の心を侵し喰らうのだ。
ギルガメッシュは己の根底に潜む“欲”をジンに盗まれていた。

「だがな、そんな欲さえ自分の手足同然にコントロールできる奴が、王ドロボウなんだよ」

ジンがギルガメッシュを盗もうと動き出したのは、高速道路の移動中のこと。
初対面の対応と印象を踏まえ、早急に手を打つべしと考えていた。
その第一歩は、直接的な“支配”その物ではなく確認。
博物館に到着する頃、ジンは彼の実力と気質を客観的に半分以上読み取っていた。

“慢心しても油断はしない”という不可解なロジック。
人知を超えた存在であり、人間らしい惑いを持つ男を取り囲む二律背反。

「落とし所は、都落ち……でも、無駄な戦いはお互いのためにならない」

博物館の問答から数度の献上の儀式まで、全ての振る舞いは王ドロボウの計算。
だがこれらの行動は間接的に過ぎない皮算用。見積もりはどこまで行っても見積もりで、決定打には程遠い。
妥協点の模索に、ジンは悪戯に時間を消費するばかりだった。

「すっかり忘れていたよ。自分の専売特許を」

ジンが打開案を閃いたのは――いや、思い出したのは首輪の解除で螺旋王の介入がほんの少し崩れた時。
使用許可証がおりたので、“欲の支配”のブランクは明けて微小な復活を遂げた。
……己の力がそれまで封じられていた事をジンは本当に気づいていなかったのだろうか?
そして力が解き放たれた瞬間を、本当に気づいていなかったのだろうか?
偶然にせよ必然にせよ、機は巡った。
ギルガメッシュの殺意は、危害を加える頃にはすでに掠め取られていた。
彼の怒りは過去に入札されて攻撃の気概を失ってしまった。ゆえにジンを仕損じたのだ。

「フェアじゃないのは百も承知さ。俺にはあんたに殺されてもいい場面が少なくとも10回はあった。
 だけど……“必要とするときだ”と割り切って、先手を打たせてもらったよ」
「我の他にも、その力を施す事はなかったのか? 」
「こういうのは、やたら滅多に使うもんじゃないのさ」

この世の全ての欲の支配。そこに待つのは、無垢で無知で無害な者からの財の放棄。
何と刺激のない物盗り。何と謂れのない賞金首か。
人民総ドロボウ時代になっても、決して成りえぬ世界(エデン)。

「このまま我の慢心を全て支配する、か」

だがギルガメッシュは焦らない。焦る必要がないからだ。
彼の器は幾万年から続くこの世そのもの。無から始まる“存在”の肩書きを持つ全てが彼の欲。

「侮るな。この程度の支配、撥ね付けられなくて何が英雄か。この世の全てはとうに背負っている。
 仮に貴様が世を支配できたとしても、我を染めたければその3倍の力を持って来いというのだ」

王は全てにおいての超越者であり孤高の存在なのだ。
その英雄王の欲は、人智では計り知れるはずがない。全てが奪われるなど、通常では到底ありえない。

「……ん~と、おっかしいなあ」

下賤な者たちの王を気取りながら、その実、何の背景も感じられぬ泥沼のような少年。
王と肩を並べようと奮闘した朋友のような輝きもない。
王の高みを目指し歩を揃えて進もうと望んだ臣下のような輝きもない。
王の考えを理解できないと別の道を選ぶ民衆のような輝きもない。

「ちゃんと連れてきたんだけどなあ」

思えばこの男は、真っ向から関わろうとしていたのか。
英雄王から何かを感じ取ろうとしていたのか。これまでの喜怒哀楽はどこまでが本当なのか。
欲を支配できる男の欲は湧き上がる心の思念さえ怪しい。
節々から漏れる念は“理解できない”呆れより、“最初から理解するつもりなどない”放棄。

「ほら」

王ドロボウは、英雄王に対し理解しないことを最大の理解と考えていたのだろうか。
“誰か”が彼を理解している。だったら“誰か”に委ねてしまえ、と。

「ピンピンしてるぜ」

ジンはギルガメッシュに汚れたアイパッチを差し出した。
真の持ち主はギルガメッシュと決闘した衝撃のアルベルトだが、彼には知る由もない。
ギルガメッシュがこの世界で見た持ち主は別人だ。彼もよく知っている――

「――やめろ」

王ドロボウが空けた英雄王の心の隙間に、捨て去った過去のカケラが飛び込む。
一度去ったもの二度は入ることの叶わぬ檻に2人の侵入者の笑い声。
同盟者でも、好敵手でも、暗殺者でも、泥棒でもない。

「だから、なんだというのだ……!! 」

それは、ほんの少し前に忘れ去ったはずだった。
蜘蛛のようにクセのあるアルト。鎖のような硬さが残るテノール。
止まっていた友愛の囁きが、ギルガメッシュの拳を握らせる。

『僕たちは、かつて君と一緒にいたが死んでしまった。君と共に歩むことは、もうできない』
『でもあたしたちの傍に金ぴかがいたように“金ぴかの傍にはあたしたちがいた”。それは変わらないでしょ』

ギルガメッシュの背中に、二重奏のエレジーが浴びせられる。
その声にはかつてないほどの郷愁を思わせる稀有な口調。
今の彼には誰が後ろに立っているのかわかっている。そ知らぬ振りが、いつまでもつか。

「……中々ふざけた物を見せてくれるなぁ王ドロボウ! こんなまやかしに我が今更――」

神より産まれたギルガメッシュ。
彼の眼がそんなにも赤いのは、日がな一日、空を見続けていたからなのか。
彼の傲慢は傲慢に違いないが、それは万象を救う希望になろうとした為のものなのか。
人類を導く希望は……これからも酷薄な世界に裏切られるかも知れない。

『不思議、だよね』

しかし――昨日歩いた道々は彼を裏切らない。

『あたしたち、あんたと一緒にいるの、意外と楽しかったんだから』
「――っ!! 」

太陽 泣かすにゃ 刃物は要らぬ。狐 黄泉入り 涙雨。
意固地 ほどくにゃ 刃物は要らぬ。鎖 寂れて 腐り縁。
とどのつまり、逸予な泥坊は扇って歌っていただけ。
第三者から見れば、事態の深刻さを理解するには無理な話。

『『だから“その時”まで』』

姿形さえ無い者だったとしても。二度と会えぬ者だったとしても。
一生省みなかったとしても。永遠に彼方に忘れ去らせたとしても。
近すぎず、遠すぎず、熱すぎず、冷たすぎず。
“彼ら”はギルガメッシュに寄り添いながら、見つめ続けてくれているのだ。

『『待ってるよ』』

太陽のように……ずっと。


「迂闊に愚者へ機嫌をとらせるもんじゃないよ。胡麻を摩っていた鉢の中に、賢者の心臓を放り込むんだから」

大怪球フォーグラーから一筋の蒼い線が空に伸びる。
トラック地点で準備する陸上選手のように、ギルガメッシュはウィングロードを目視していた。
外壁の狭間を吹き抜けて、強風は競技開始のファンファーレを鳴らす。

「世の中には賢者も愚者もちょっとづつ必要なのさ。だから俺みたいな罪深い職業も成り立つわけ」

この世界を動かしたのは善良な聖者でも狂った悪魔でもない。
螺旋遺伝子を奮い立たせて螺旋力に覚醒した者。
一辺通りの枠に収まろうとせず、己を伸ばして先を行かんとする者たちだった。

「さーて大魔術第二幕の始まり始まり」

ジンは腕を限界まで伸ばし天を指差す。目標は遥か空に聳えるバスクの女。
予てからこの世界の結界に大きく絡んでいると目星を着けていた、月。

「あんたが全力を出せばアレは絶対に落ちる」

ギルガメッシュから離れて数m、フォーグラーのコクピット。ジンは大股を開いてぶっきら棒に座り、空を見上る。
彼はギルガメッシュが正真正銘の本気を出すのを望んでいた。
相手はお高くとまった箱入り娘。射止めるためには一握の慢心も薮蛇になる。

「何か言いたげそうだけど……ま、深く考えないでよ。そのご自慢の武器は英雄王ギルガメッシュが選んだ財だ。
 どんなに慢心を失おうとも、全てを奪われちゃこっちが困る。全部が奪われたら、あんたがあんたでなくなる。
 そうなったら財の価値は十二分に発揮されるのか……ちょい不安」

かつて王ドロボウは言った。輝くものは星であろうと月であろうと太陽であろうと盗むと。
ギルガメッシュは、太陽を化身である英雄王への比喩と解いた。
王ドロボウは、英雄王たる所以の“慢心”もまた、化身そのものと解いていた。

「英雄王は、慢心せずして成らずさ」

仮に慢心を捨て去れたとしても、その境目をギルガメッシュが気づくことは決してない。
どこまでが慢心なのか否かの線引きは人の数だけ答えがある。欲も本能も基点も過去も。
ギルガメッシュ本人でさえ、己が納得する慢心の放棄の確認自体が“慢心”になるかもしれない。

「これが博物館で問われたギルガメッシュに対する俺の答え」

手元に未来永劫あらんとするが、一度盗られれば決して取り返すことの出来ない財。
それは生涯という房から一秒一秒を実として落とす、時の流れのように。
慢心は英雄王が英雄王でなくなって初めて消える。それはギルガメッシュが王の立場を追われてこそ。
王のままでは、心の奥底のそのまた奥の底のずっと先に、無尽蔵のお神酒が沸き続ける。
成されると仮定された消失に収束するまで、ギルガメッシュは王ドロボウに永遠に盗まれ続ける。

「――憎らしい男だ……だが許そう」

進みゆく喪失感にギルガメッシュはフラッシュバックする。
思慮を教授せし友人と王の道を辿ろうとした儚き従者を失った、あの瞬間。
それでもギルガメッシュは歩いた。決して悔やまず、決して退かず、決して媚びず。
彼らが信じた道が間違いではないことを示すために、再び孤高に身を投じた。

「盗られた分は貴様にくれてやる」

しかし現れた。また現れたのだ。
王の道を、今度は理解ではなく盗むことで辿ろうする只管な愚か者。決して省みることの無い覇道の跡を、全て奪おうとする影。
あまつさえ過去を掘り起こし、呼び出そうとする始末。
3度目は得られぬであろう、と考えていた巡り合わせが、英雄王の傍に再びやってきたのだ。

「奪い尽くせるのならやってみせよ」

かくして英雄王と王ドロボウの奇妙な寸劇は、第一幕を閉じた。それぞれの道を進む王は、本来ならば交じらぬはずだった。
互いにわかっていたことはただ一つ。
彼らはこれからも己が信じた道を進む。鏡のように立ちはだかる相手が現れても、それは変わらない。
勝手に皮肉り、勝手に嘲笑し、勝手に気遣い、勝手に気配る。

「これもまた“美しさ”か」

英雄王は笑う。王ドロボウに、盗まれてしまったから。
懐かしき己の詩に流れる涙、未来を省みれなくなるくらいの過去。
そして、いずれは“これから”も。

「盗みの永久機関……誠心誠意、循環させていただきます」

劇はまだまだ終わらない。終わり無き旅路が前にあり、旅の足跡もまた終わり無し。
今度はきっと大丈夫だろう。影が失われることはないのだから。

「我が振り向くのは、もう少し先でいい」


英雄王は、省みない。



 王ドロボウに

 盗まれたんじゃ

 絶望だ

 だが
 その絶望は、


 なんと


 希望に似ていることか――


(隻腕指揮者エギュベル著 『未亡人たちの演奏旅行』プロローグより)



「南の国の英雄王、北極星に旅立った」

吹き抜ける風に顔を覆いながらも、ジンは大怪球フォーグラーの外壁を伝い、空を昇る。
ギルガメッシュの一件が片付いたので、彼は次の仕事に取り掛かっていたのだ。

「風の靴を供につけ、筆耕寝子が起きるころ。王子は行方をくらませた」

その仕事とは、フォーグラーの外壁に突き刺さったまま、何の動きも見せようとしないラガン。
空回りだったにしろ、一度はラガンはグレンの投球によってジン達を襲撃しようとしていたのだ。
ヴィラルとシャマルが何を思ってこんなことをしたのか、ジンには確証がなかった。

「東も西も南も北も、家族は必死で探したが――」

ラガンはアンチ・シズマフィールドが展開した後も、何もしてこなかった。
ギルガメッシュがフォーグラーから飛び出した後も、ずっとこのままの状態を保っている。
ギルガメッシュの力を恐れて沈黙を守っていたにしては、なんとも不気味な待機。

「旦那! 賽はもう投げられたんだ。この後に及んで、妾(フォーグラー)に走るのかい。
 人生はゲームじゃないんだ……帰りなよ。後押ししてくれた奥さんが草葉の陰で泣いてるぜ」

ジンは超伝導ライフルを、外しどころの無い相手の顔に突きつけて、引き金に指をかける。
そこはかとなく聞こえるエンジン音から察すれば、ラガンの機能はまだ停止していない。
しかし返答はない。無機質な顔が綻びるはずもなく、沈黙は貫ぬかれたまま。

「?!?!? 」

――が、応答アリ。
大規模な振動が湧き上がり、赤ん坊をあやす様に大怪球を揺り動かせる。
それはこの世界の崩壊を示す自然災害ではなく、限定された異常事態。
乖離剣・エアに開けられたフォーグラーの風穴が、着々と塞がり始めていたのだ。

「……愛こそ天下、か」

ジンはラガンの登頂に飛び乗り、超電導ライフルを白く包まれたラガンの防風壁に向ける。
機体とパイロットを傷つけぬよう、銃口は壁のヘリを水平に突きぬけるように狙う。
敵を気遣ったのは、その先に隠れる諸悪の根源の存在を暴くため。

「とっくに巣立っていたとはね」

破れた壁から中を覗いたジンは感嘆の息を漏らす。
白月の夜空に晒された操縦者ヴィラルの意識は、既に途切れていた。
両手はしっかりとレバーを握り締めているが、目は曇り口からは涎を垂らしっぱなし。呼吸の有無はわからない。
口は開けど再度は閉じず。目は開けど光は見えず。ただ倒されるは握られたレバー。

「あんた達の愛は、生きる事さえ凌駕しちまうのかい」

ラガンの外傷は修復を始め、ヴィラルを再び外界から遮断させる。
死んでいるのかも生きているのかもわからない生命が、螺旋の殻に包まれる姿にジンは納得した。
2人にとって愛の巣だった機神は、そのまま棺桶になっていた。
ヴィラルとシャマルはあの激闘の終焉と共に、眠りについていたのだ。

「ハートに火が着いちまってるというのに……まだ、諦めていない」

そして取り残された膨大な螺旋力だけが、彼ら――グレンとラガンを動かしていた。
あの投擲は、ヴィラルとシャマルの意思が乗り移った『ラガン・インパクト』だったのだろう。
敵がどこにいるのかもわからぬまま、当てずっぽうに放たれた非常識。
いくら螺旋遺伝子に反応するとしても、グレンラガンは直接の生命の持たぬ機械なのに。

「でも、これ以上は狂気の沙汰よ。披露宴は終わったんだ」

ジンはラガンから、外壁が完全に直りつつあるフォーグラーの内部に、飛び降りた。
行き過ぎた愛をガソリンとして、ラガンが動き続けるのなら、フォーグラーの修復は合点がいく。
偶然にもフォーグラーに突き刺さったラガンは、アンチ・シズマフィールドごと本体を乗っ取ろうとしているのだ。
落日した三日月が太陽になれば、あの悪夢が甦る。今度の聖誕祭はいつもより赤が増えるだろう。

「そろそろ地獄巡り(ハネムーン)にでも行って――」

ジンは天使の羽根のようにふわりとコクピットに着地する。

「――っ!? 」

その刹那――
無防備に舞っていた蝶を絡めるが如く、数多の触手がジンの体に巻きついた。
縄は一気に緊張し、蜜柑の果汁を搾り出すように下手人を締めあげる。

「ガッ!!! ……ガフッ……! 」

嘔吐。コクピットの椅子に、溢れるほどの赤が降り注ぐ。
この赤は絵の具のように手垢のついた模造品ではなく、人が生けるための必需品。

「……あの世行き……の……切符、に」

ドロボウをお縄に頂戴させた保安官の正体。
それは大怪球フォーグラー――いや、螺旋の力に乗っ取られた臨界球フォーグラーガン自身だった。
外壁の表面に装備されていた沢山のレーザーアームが、己が体を突き破ってまで、襲い掛かったのだ。
彼らは内部にいた異分子(ウイルス)の存在を本能で察知し、追い出そうと考えたのかもしれない。

「払い戻しは、きかないん……だよ……! 」

転生を迎えたフォーグラーの胎内でジンの弱音が空しく響く。
骨身に染みる圧力に、五臓六腑たちが悲鳴を上げていた。もう強がりだけでは隠し通せない。
即ちこれは、王ドロボウもまた、この世界で幾多の無茶を潜り抜けてきたという証明なのだ。

「なんせ俺たちは、生まれつき極刑を言い渡されてるんだからな」

凍てついた視線を亡霊たちに向けて、ジンは右手を淡い緑色に輝かせる。
光は右手から銃全体に染み渡り、更なる輝きを増していく。
正体不明の眩さは留まることなく、ジンを中心として広がっていった。

「どのみち、こんな窒息しそうな棺桶は……ご免こーむる……」

――幼少期の王ドロボウには、右手を懐へ隠す癖があった。
理由を尋ねられても“必要とするときじゃないから”の一点張り。
母親から五年越しの誕生日祝いに、とあるプレゼントが贈られるまで、やりとりは繰り返されていた。

「こっちにはどんな物語にも、どんな文献にも載ってない」

思い出の品の名は“王の罪(クリム・ロワイアル)”。
お披露目会で破壊され日の目を見ることのなくなったジンの必殺技。
エム・エルコルド(Amarcord)産の知られざる傑作となったのも今では良き思い出だ。
鳥の相棒から乳離れして以来、産まれて始めてになる単独発射(一人立ち)。

「誰もが笑顔でハッピーになれる」

狙いは超新星の核の中心にあたる、コクピットに備え付けられた自爆装置への誘爆。
侵食に純応し過ぎてエゴとなった塊は、芯から根こそぎ駆除しなければならない。
結果あらゆる迸りを受けたとしても、彼には相応の覚悟がある。
それは職業柄、分かりきっていることなのだから……

「――――パーティーが待ってるんだ!!! 」

少年は、迷わず引き金を引くのだ。


余すところ無く軋轢と閃光を走らせて、大怪球が崩れていく。
二次災害も甚大。円らな瞳が大粒の涙を散布するように、周囲を巻き込んでいく。
その上空で、どこふく風と言わんばかりにカグツチが舞う。
銀の龍の背に乗るは、この発破解体の前兆を偶然にも感知した鴇羽舞衣一行。

「これで……よかったの? 」

舞衣は誰かに向かって問いかける。面と向かって言わなかったせいか、誰も彼女に答えようとしない。
彼女は知っていた。ジンが何のためにフォーグラーに行ったのか。
運び役も買って出たし、ジンの頼み通り迷うことなくゆたかたちを避難させた。
しかし最後の最後でHIMEは騙された。ジンの用意した三本目のアンチ・シズマ管の種明かしを知らなかった。
“イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに捧ぐ”の存在も、彼女はまだ知らなかった。

「ねぇ! よかったっていうの!? 」

舞衣の質問に何も答えることができず、ゆたかはフリードを強く抱きしめて俯く。
彼女は何も聞かされていなかった。舞衣がジンと空に上昇する少し前から、彼女の意識は闇に落ちていたから。
眠り姫が覚醒したときには、何もかも終わった後だった。

「爆発が起こったのは、アンチ・シズマフィールドが発生した後だ」

ジンが余分に保管していたシズマ管をディバッグから取り出して、しれっとねねねが返事をする。
彼女の右手で淡く光るシズマ管の内容物は、とても穏やかに状態を保っている。
一度アンチ・シズマフィールドが展開されれば、シズマ・ドライブが世界を崩壊させることは永遠に無い。
螺旋王に作られし酸素欠乏のバッドエンドは、遂にお蔵入りとなったのだ。

「作戦は失敗じゃない。あたし達が無理に付こうもんなら……終わってたよ」

抑揚を押し殺して話すねねねは、この結末を薄々予感していたのかもしれない。
“イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに捧ぐ”は彼女の悲願だった。
存在を直接伝えずとも、情報を回りくどく、ジンに仄めかしていたのかもしれない。

「……ジンが一度でもそう言った!? ねねねさんが彼に聞かなかっただけじゃない!! 」

ジンが皆に絵空事を話し始めてからカグツチに乗るまで、ねねねは彼を止めることはできなかった。
“それでもジンならやってくれる”という得体の知れぬ期待を、ねねねは選んでしまったのだ。
淡々とする彼女の態度は、椿姫の役を買って出た裏返しかもしれない。

「聞かなくたって分かるだろ」

ねねねの肩を掴んで迫る舞衣を、無骨な男の腕が引き止める。
この現状に堪え切れないと目で訴える彼女に、スパイクは一枚の手紙を見せた。
“領収書”と銘打たれたその筆跡に、舞衣は見覚えがあった。

「いい奴だったさ。俺たちが知ってる通りのな」

舞衣が手紙を受け取ると、スパイクはそれっきり何も言わず、葉巻に火を点けながら背を向けた。



             “領収書”


    王様からの永遠のお預け 確かに盗ませていただきました
    太陽も月も紛い物ですが 民が飢え死ぬことはありません

    盗んだ物を“使う”のは もっと相応しい方にお譲りします 
    根無し草の王ドロボウは 盗むことにしか興味がありません


      なぜなら盗むことは 多分 最高の賛美だから

       今までも 未来も 終わることなく

   この世が賛美に値する限り 王ドロボウは 盗み続けるでしょう



スパイクは今だ自壊し続けるフォーグラーの末路を見届けながら、煙を吸い込む。
口に広がるかすかな苦味が、湿りきっていた顔を歪ませた。
彼が吸っている葉巻は、先ほど地上で口から落とした一本ゆえ、少し砂がついていた。

(メメント・モリ……失敗しても、せいぜい死ぬだけってか)

砂埃は払ったつもりだったでも、こういった物はなかなか落ちないものだ。
本当は不衛生極まりないのだが、スパイクは敢えて煙を味わった。
この葉巻はジンから譲り受けた、言わば置き形見であり、最後の接触に立ち会った証だから。

(螺旋力とやらがそっぽを向くわけだ)

いまいち腹の底が見えずとも、どこか脱力させられるあの少年は、信頼に値していた。
そのジンがいつの間にかスパイクのズボンに初心表明を投函していたのだ。
あの質問に対するジンの答えがこれだとしたら、自分は何と答えるべきだろう。

(本当に“死ぬには良い日”だったのかよ。冠を捨てちまった王様は、眠るしかねぇんだぞ)

月明かりで淡くなった夜に、深く長く煙を吐き出すと、スパイクはチラリと後ろを見る。
向こうではジンの手紙を食い入るように読みながら、同志が思い思いの感情をぶつけていた。
心の奥底では孤独を良しと受け入れているスパイクとは違い、彼女たちはどれほど真っ直ぐか。

(あいつらみたいに、惹かれてみろってのか。涙が出るくらい――……ん? )

ぼんやりと見ていた両目を擦ってスパイクは視界を明確にする。
小さな小さな何かがカグツチに向かって来たからだ。
飛来物はねねねたちの肩を通り過ぎ、持ち前の動体視力で捉えていたスパイクの右手にパシッと綺麗に収まった。
それはジンが持っていた死芸品、夜刀神。刀身には一枚の紙が結び付けられていた。


『あなたの頭上に輝く星が流れた夜に
                  あなたの故郷でお会いしましょう
                                  HO! HO! HO!
                                            永らえの王ドロボウ』

咥えていた葉巻を投げ捨て、賞金稼ぎはすっくと立ち上がる。
顔をぐしゃぐしゃにしている淑女たちへこの紙切れを渡すために。
文面の意図を読みとれば、これは待ち合わせの約束。
いつどこで会えるのかはわからない。実に気の長い話だ。

(またな、王ドロボウ)

……それでも、遅かれ早かれ――巡り合えるはずだ。
含み笑いを添えて、スパイクは同志に手紙を差し出す。



  あんたは、どうなんだい
  DO YOU HAVE COMRADE?


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285:HAPPY END(12) ガッシュ・ベル 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) 菫川ねねね 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) スパイク・スピーゲル 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) 鴇羽舞衣 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) 小早川ゆたか 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) ジン 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) ギルガメッシュ 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) カミナ 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) ドモン・カッシュ 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) 東方不敗 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) ニコラス・D・ウルフウッド 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) ルルーシュ・ランペルージ 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) チミルフ 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) 不動のグアーム 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) 流麗のアディーネ 285:HAPPY END(14)
285:HAPPY END(12) 神速のシトマンドラ 285:HAPPY END(14)





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