HAPPY END(8)◆ANI2to4ndE




チミルフが何かが違う、と思い始めたのは戦いが始まってから数分が経過してからだった。

「グ――!?」
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」

燐光を放つビームを掻い潜りながら、灼熱の巨龍が炎の弾丸を口蓋から吐き出した。
大きさは直径二メートル程度。
普通の人間ならば、一発でも食らえばすぐさまその身を焼き尽くされてしまうだろう。
ビャコウの強化装甲に関しても過信は出来ない。

一発は大地を駆け抜けることで躱し、一発は十字槍で切り裂く。
そして最後の一発に対して回避運動を――

「ちぃいいっ!!」

鴇羽舞衣の使役するチャイルド、カグツチの放った大火球がビャコウの左の腕部に直撃したのである。
チミルフは溜まらず、コクピットの中で苦悶の表情を浮かべる。
これで、カグツチの攻撃を被弾するのは三回目だった。
左腕、胴体、そして再度左腕。
大して錬度の高い炎ではないため、一発で装甲が融解し爆発するまでとは行かないが、
あと一撃でも直撃した場合は、おそらくこちら側は切り離す必要があるだろう。

「コンデムブレイズッ!」

十字槍からビームを発射し、遥か上空を飛翔するカグツチに向けて発射する。
だが、未だにチミルフの攻撃は一発も命中していなかった。
紅蓮の翼で大空を翔け回るカグツチの機動性が非常に高いという点を考慮しても、これは異常な事態だ。

戦闘開始直後はこちらが握っていたはずの勢いも完全に向こうの手中。
確かに、本来の実力を発揮すればカグツチは単体での大気圏突入を可能とするような図抜けた能力を持つ相手だ。
だが、まさかここまでいいようにやられるとはチミルフ自身は思っていなかったのである。

「ッ……ぐぁあぁっ!!」

レーザー状の熱線にビャコウの左のショルダーアーマーが切断される。
収束度を増した強力な一撃である。運用自体に問題はないが、これでビャコウは相当に情けない風貌になってしまった。
天秤の傾き具合はすっかり変わってしまっていた。
つまりチミルフが苦しくなったということはその逆、舞衣達が楽になったという事実に繋がる訳だ。

火球ではなく、ブレスと呼ぶ方が相応しいだろうか。
牽制の意味合いではなく、確固たる意志を持って敵はチミルフを仕留めに掛かっていた。


――どうなって、いる?

チミルフがビャコウを駆り、この空間で行った戦闘はこれで二戦目である。
一回目はパニッシャーを装備したニコラス・D・ウルフウッドとの戦いだ。
そう、彼が「何故か」ロージェノムを主君であると認識していた時期の出来事である。

しかし、あの時出来たはずの動作が今の彼には出来なくなっていた。

具体的に言うならば、戦士としての直感に起因する槍捌きや身のこなしについてだ。
ビャコウを今の彼は百パーセントの力で操ることが出来ているはずだった。それなのに、である。
そうだ、今こそが完全な姿なのだ。
なぜなら、チミルフはルルーシュという真の〝王〟との再会を果たし、真の忠義を誓った。
「武人」とは仕えるべきたった一人の主君のためならば、容易く己を捨て去ることの出来る気高き闘士なのだから。

では、何だというのだろうか。
まさか、体調が本調子ではないとでも?
機体の整備に不備が?
もしくは、慣れない夜間の戦闘が影響しているのだろうか。

操縦桿を握り締めるチミルフの剛毛と分厚い筋肉に覆われた腕が震えた。
身体の奥深く、深遠の淵から押し寄せる衝動にチミルフは焼かれ、己を鼓舞する。

「俺は……絶対に負ける訳にはいかんのだ……!」

空と陸。
大空の覇者と翼を持たぬ者。
両者の間にはどう足掻いたとしても埋めることの出来ない空白が広がっている。
ここは起死回生の一手が必要だ。
このまま、手を拱いてコンデムブレイズによる牽制を続けても全く埒が明かない。

が、手はある――アルカイドグレイヴだ。

ビームを発生させた十字槍を突き刺し攻撃するビャコウの奥の手である。
遠距離からの攻撃が当たらないのならば、接近して仕留めるまで。
だが、問題は大空を舞うカグツチにインファイトを挑むことは非常に困難であるという点だ。

一度、こちらに相手の注意を惹き付ける必要がある。
ルルーシュにヴィラルとシャマル、そしてグレンラガンの回収を命じられたチミルフはこんな場所で躓いている訳にはならない。
ましてや、敗北することなどあってはならないのである。
何か、打開策は――

「む……ッ!?」

耳触りなノイズがコクピットのレーダーから響いた。
すぐさま、反応の原因を調べるとどうやら周囲に他のニンゲンが潜んでいる気配を感知したらしい。
廃ビルを襲撃した時点では、何人生き残りがいるのか定かではなかった。
最大で十人の参加者が周囲でこちら側の戦力と交戦しているとも考えられたのだ。

今回レーダーがその存在を確認したのは三人。
周囲の地図の縮尺を操作すると、紅の光点が三つ、多少離れてはいるが丘陵地帯に燈っている。
廃ビルとの位置関係から察するに、襲撃から逃げ果せた他の参加者と見て間違いないだろう。

その時、チミルフの脳裏にふと一つ妙案とも呼べる作戦が思い浮かんだ。
つまり、これは使えるのではないか、と。
このニンゲン達を先に確保し、人質とすればおそらくカグツチは――


「な――お、俺は……!?」


ピタリとビャコウを操っていたチミルフの動作が静止した。

瞬間、彼の身体を駆け巡るのは酷い不快感を伴った驚愕の感情だった。
息を呑み、機体が駆動する音だけが彼の中へと浸透していく。
夜の闇と月の光に照らされ、孤独を噛み締める男は大きく眼を見開き、天を仰いだ。

――それは、訪れるべくして訪れた衝撃だ。

目的を達成するために、人質を取るという確かにプランは非常に効果的かもしれない。
そもそもルルーシュ本人が脅迫や恫喝のカードとして、拉致や拘束を行うことを忌避しない人物である。

故にルルーシュからギアスを掛けられたチミルフが、その流儀や信念に勝手に影響を受けてしまう可能性は十分に考えられた訳だ。
主君の願いを遵守し、意志を叶えるべく行動することこそを武人の誇りと考える彼にとって、
「ルルーシュ・ランペルージ」という人物が好んで用いる戦略こそがある種の理想とも成りえるからだ。

カグツチに勝てないのならば、勝機を見出すために他の要因に縋るのは実に合理的だ。
相手はいかに強大な力を有していたとしても、あくまで少女。
付け込む隙は簡単に見つけられるだろう。闇雲に射撃を行いエネルギーを消耗するよりも余程マシだ。

だが、


「俺は……何を、考え――うがぁああああああああっ!! ッ……ガッ、グゥウウウウウ!!!」


本来の彼は――決して、そのような卑劣な真似に手を染めることなどない高潔な獣人なのだ。

巨龍の吐き出す紅蓮の輝きにも似た色へとチミルフの瞳が染まった。
チミルフの中で二つの意志が鬩ぎ合っていた。
ギアスの力に捉われたものは決してその力に抗うことは出来ない。
むしろ、こうして自身の行動に疑問を持っている――その一点においてでさえ賛美に値するのだ。

「グッ……俺の仕えるべき……主君は……グ――」

頭を抱え、チミルフは激しく身体を捩った。
荒々しく吐き出される息と上下する肩。更に震えを増す豪腕にミシミシと操縦機器が悲鳴を上げる。

何が間違っているのかなど、彼には分からなかった。
彼が目指したものは一体どこに繋がっているのか。
何かが違う。
だが、これは自分が越えてはならぬ一線だ――そんな風に思ったりもする。


「ガァアアアアアアアアアアア!」


そして、チミルフは――吼えた。

彼はケモノであり、そしてニンゲンでもある獣人という曖昧な存在だ。
この一瞬だけは、その雄叫びは「理性」という〝知〟を司る分野から乖離した野生の毛色を帯びていた。

結果として、チミルフは一瞬であったとしても、
武人としての流儀に真っ向から反する考えを浮かべてしまった己に強い羞恥心を覚えた。

そう、ニンゲンを人質に取り、不利な状況を覆そうという発想こそが忌むべきモノだ。
勝利のために誇りをも捨て、恥や外聞を投げ捨てて外道に走るなど、武人として在り得ない行動だ。
そして、湧き上がる自身への失望。
人質などに頼らなくてはならない程、「怒涛」の二つ名を持った戦士はちっぽけな存在だったのか。
そのような形で戦士としての矜持を散らしてもいいのか。

結果として起こるのは二つの意志の衝突だった。
ギアスの力によってルルーシュの傀儡と化した男と、武人として死ぬまで忠義を貫き通す漢。
相反するそれらの二つの理性がチミルフの中には在り、この瞬間――真っ向からぶつかり合った。


「はぁっ…………はぁっ……っ!!」


疲労困憊といった様子で、チミルフはただただ息を吐き出した。
滲み出した汗が身体を濡らし、モニター越しでも光を失わない月が輝きを増す。

必死に、必死に、チミルフは心を落ち着かせようとした。
息を吐いて、吸って、また吐いて。
深呼吸を繰り返し、自分自身という存在をもう一度確認しなおそうとした。

だが――もはやそのような行為を〝戦闘中〟に行った時点で、
彼は戦士として、正しい道から足を踏み外してしまっていたのだ。


「な――――っ!?」



「舞衣ちゃんっ!」

ゆたかはキュッ、と舞衣の衣服の端を掴む手に力を込めた。
返って来るのは暖かい鼓動と、胸の奥からとろけてしまいそうになる不思議な衝動だった。
心に溜まっていた想いを全てぶちまけたおかげだろうか。
二人の間には何も障害なんてないようにゆたかは感じていた。

「分かってるわ、ゆたかっ!」

ゆたかを抱き抱えた舞衣がカグツチの頭を蹴って音もなく、飛翔した。

戦いに関する勘や知識などがゆたかにはまるで存在しない。
故に彼女の側から舞衣へ何かをアドバイスしたりといった具体的な支援は出来ないはずだった。
しかし、今、この瞬間、二人の少女の心は完全に通じ合っていた。

だから、分かるのだ。相手が何を考え、今何を言おうとしているのかも全部!

橙色の鎧のようなバリアジャケットを展開した舞衣が高度数百メートルの地点から大地を見下ろしているカグツチから少しだけ距離を取った。
舞衣の持つ環状のエレメントには強力な防御能力が存在するが、それも過度の期待は禁物である。
これから発射される最強の砲撃の余波がどの程度のモノか、二人にも予測は出来なかった。

「さぁ行くわよ……カグツチ」
「頑張って、カグツチっ!」
「――GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」

二人の主にその名を呼ばれ、カグツチが猛々しい雄叫びを上げた。
それは明日の未来を掴み取るための輝かしい希望に満ちた咆哮だ。
ゆたかの、舞衣の願いがカグツチの中で揺らめく天壌の劫火へと姿を変える。

炎の色は、龍の放つ光の色は、思わず息を呑んでしまうような黄金だ。
憎しみと絶望の螺旋に囚われ、負の感情を爆発させてしまった時とは違う。
カグツチの肺の奥から強大なエネルギーが紅蓮の煌きとなってゆっくりと食管を通り、上昇していく。

そしてその輝きに伴い、舞衣の身体の周囲に紅の光が満ちる。
帯状の鮮火、飛び散る火の粉、血潮のように噴出すプロミネンス。

「カグツチの身体が……っ!」

ゆたかは感嘆の吐露を漏らした。
特別な力など何も持たないゆたかにさえ、目の前の龍の身体に凄まじい力が集められていることを悟ったのだ。

カグツチが見据える敵は眼下の白い機体。
そう、先ほどまで二人を苦しめていた相手――猛将・チミルフの駆るビャコウ。
しかし、迫り来るビームの嵐は止み、ビャコウは今や完全に立ち止まってしまっている。

ロボットがどこか故障してしまったのだろうか。
だとしたらソレは致命傷だ。
戦っている最中に足を止めてしまうなんて、攻撃して下さいと言っているようなモノなのだから。

ゆたかの胸の奥にはグルグルと渦を巻く激しい感覚が眠っていた。
それは「絶対に負けたくない」という強い強い想いだ。

『螺旋力』という力が、実際どれだけゆたか自身に影響を及ぼしているのかはよく分からない。
それでも、そんな「人間」という種族としての力ではなくて、
〝小早川ゆたか〟という一つの存在としての力が遥か未来へと繋がる萌芽になっているような気がしていた。


「ゆたか、しっかり掴まっていて!」
「う、うん」

集中力を高めた舞衣がゆたかに強い口調で言った。

ゆたかは舞衣の首の後ろに両手を回して、もっともっと身体を密着させる。
薄い布を通して伝わって来る温もりがじんわりと広がって行く。
耳の奥、後頭部の辺りに疼きにも似た不思議な感覚が芽生える。

そして――浸透。

触れ合う舞衣の感触だけがゆたかの中へと流れ込んで来る。
舞衣とゆたかは別の人間なのに、脈打つ鼓動は一つだけ。
二人の心は完全に一緒になっていた。

……あったかい。

「いくよ、ゆたか」
「……うん」

投げ掛けられる優しい声。

「ね。全部、終わったらさ。どこかに二人で遊びに行かない?」
「あ……それ凄く楽しそうです」
「でしょ」

世界の歯車がゆっくりと回り始める。

「……あ、ま、舞衣ちゃん」
「え?」
「身体、震えてる」

思わず、ゆたかは舞衣の首に回した腕にギュッと力を込めた。
二つの心臓が触れ合う。
トクン、トクンという音のテンポが次第に一つのはっきりとした鼓動へと変わる。

ドクン、ドクン、と。

力強く、だけど優しく。
ゆたかは眼を閉じて舞衣を抱き締めた。

この一撃が、きっと相手の命を奪ってしまう――きっと舞衣はそう考えている。

全て振り切ったように見せていたとしても、それは演技に決まっている。
人を一人殺す度に心も一緒に死んで行くのだ。
綺麗事や正義を振り翳すつもりはない。
全ての罪を意識して生きて行く。
前に進むためには、いくつもの屍を越えて行かなければならない。

だから、二人で戦うと決めた時から、
その苦しみはゆたかと舞衣、二人で背負わなければならないと悟っていた。

「大丈夫だよ」
「……ゆたか」
「大丈夫、だから」
「……うん」

こくり、と舞衣が頷いた。
舞衣の震えがピタリ、と止まった。全ての準備は整った。

そして、スゥッと息を吸い込み、二人の少女は――叫んだ。


「「カグツチィィイイイイイイイイッ!!!」」


終末の色は紅。煌々と燃える紅蓮に、夜空が赤く染まる。
その時、ようやく動きを止めていたビャコウに反応があった。
まるで何かに憑り付かれていたかのように、緩慢な動きで白い機体が天を見上げた。

男の視界に映ったモノは何だったのだろうか。
己の終焉を悟った諦めか、それとも最後まで抗う線香花火のような輝きか。
迫るは太古の龍王の口から吐き出される超高温のレーザーの如き波動。

そして――カグツチの放った〝天壌の劫火〟がビャコウに直撃した。


「ギガ……ドォリル……ブレイクウウウウゥゥゥ!!」

右腕を振り上げドリルとなし、その身までも一本の巨大な螺旋となるほどのエネルギーを集めグレンラガンが必殺の突撃を行う。
牽制として放ったのは決まれば絶対の束縛となるグレンブーメランだ。
グレンラガンの胸部にサングラスを思わせる形で収められていたそれが鋭利な刃物となってアルティメットガンダムに迫る。

「ならばこちらも!超級!覇王!電影だぁぁぁぁぁぁぁん!!」

必殺の一撃を座して受けるドモンではない。対とするように同じく全身をフル回転させ竜巻のように膨大な突進力を得る。
生身でさえグレンラガンの猛攻を阻んだ奥義が比べ物にならない程の巨体によって生み出され、巻き起こされた爆風が壁となりブーメランを弾き飛ばした。
輝ける二つの光が相競うよう突撃し――意固地なまでに真正面からぶつかりあった。

「く、ぐおおおおおおおお!!」
「ぬ、がああああああああ!!」

火花散り紫電舞飛ぶ力比べもほんの数瞬。
僅かにずれた切っ先を決起に両者の激突は交錯に変わり纏っていたエネルギーが霧散する。
互いに傷をつけることは叶わず、一瞬遅れて周囲に無数の爆発だけが巻き起こった。

「埒があかんか……!」
「ならばっ!」

同時に大地を踏み締め、同時に双方の健在を知った二人は全く同じタイミングで確信する。
今こそ、決着のとき。

「一気に決めるぞシャマル!」
「はい!」
「あれで行く……気合いをいれろおおおおおおお!!」
「私達の、全力全開!!」

再び、グレンラガンがドリルを展開する。
だが、その力強さ、雄々しく聳え立つドリルの勇ましい輝きは無効に終わった先の一撃の比ではない。
溢れんばかりの緑青の光を支えるようにに桃色の光がそっと寄り添い高みへと、遥かな高みへと導いていく。
その力はまさしく天元突破。
恒星の如く悠久の時を越えて煌めく、至高の感情の結晶である。

「見事な力だ……惚れ惚れしそうなくらいにな。……だがな!」

創世の光を前に一歩たりとも退かぬのはキングオブハート。
最強の技を迎え撃つべく不敵に笑い、力強く右手を構える。

「俺のこの手が光って唸るのさぁっ!レインが!シュバルツが!師匠が!仲間達が教えてくれた勝利を掴めってなぁっ!!」

数えきれぬ戦いを潜り抜けた黄金の指の裏でシャッフルの紋章が光を放つ。
アルティメットガンダムもまた同じ金の輝きにその身を染め上げ、放たれた裂帛の気合いが砂塵の大地を叩き割った。
勝負は一撃。

「行くぞぉ!!」
「行くぞぉ!!」

「ギガァァァァァァァァァァァアアアア!!」
「流派!東方不敗は王者の風ぇぇぇ……!!」

「ラァァァァァァァアアアアブラブゥゥ!!」
「フゥルパワァァァァァアアアアアアア!!」

「ドリル!!ブレイクゥゥゥウウウッッ!!」
「石破!!天驚けぇぇぇええええんッッ!!」


激突が、宇宙を揺らした。



「何だよこいつは……」

崩壊した建物の残骸を更に根底から抉りとる程の衝撃と、直視するだけで視覚を焼き切られる程の極光の中でそれでも踏ん張る男がいた。
カミナである。

「こいつぁ……」

息をすれば肺が焦げる気さえする熱波を吹き付けられようとも、カミナが後退を選ぶことはない。
風に舞為すすべもなく鉄の壁に叩きつけられようと、這ってずって、また立ち上がる。

「こいつぁよぉ……!」

退けぬ訳があった。
意地と威勢だけで生き延びてきた男を繋ぎ止めるだけの何かがあった。
死んでも最後を見届けたいと思える戦いが、そこにあった。

「すげぇじゃねか!」

見開かれた両目が見るものは、何か。



限界をとうに越えた運用にグレンの搭乗席で小規模な爆発が起こった。

「きゃあ!」
「くっ!こらえろシャマル!あと少しだあああああああ!!」

退くことも避けることも知らぬ戦いはいつ果てるとも知れない。
だが、終焉は確実に近付きつつあった。

「ぐぅ……何と言うパワーだ!!」

アルティメットガンダムの装甲が捲り上がり、融解していく。再生力を越える痛みにドモンが歯を食い縛る。
勝利は我にありと、ヴィラルが確信を強め尚も力を加えようと喉を裂く。

「当然だ!!これは俺とシャマルの愛の力っ!!例えお前といえども、いいや誰であろうと!!

 止めることなどできんのだああああああああああああああああああああああああああああ!!」

更に膨れ上がるグレンラガンの力に、緑の光はまたたく間に金色の巨体を飲み込むかに思われた。
しかし、愛を知るのは獣人の戦士ばかりではない。

「俺の……」

グレンラガンが押し戻される。

「何っ!?」
「俺のこの手が真っ赤に燃えるぅ!『幸せ掴め』と轟き叫ぶぅ!今爆熱するのは、レインとこの俺ぇっ!!」

輝きを取り戻した黄金の力が再び均衡状態を形作った。
獣人の目が驚愕に見開かれ、対するドモンは言葉を放つ。
絶対に曲げられぬ意思を込めて。

「言ったはずだぞヴィラル……俺は、レインが好きだとなあああああああああ!!」
「ほざけえええええええええ!!」


『おおおおおおおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおおおおおおお
 おおおおおおおおおおおおおおお!!!』


ぶつかり合う意思の中央で一際大きい爆発が起こり、そして勝負が決した。



「終わった、のかな」
「多分……そうだと思います」

カグツチから降りた舞衣はずっと抱き抱えたままだったゆたかをそっと地面へと下ろした。
腕に掛かっていた微かな重量と彼女の体温が離れて行く感覚が少しだけ寂しかった。

「……舞衣ちゃん? どうかしたの」
「う、ううん! な、なんでもないっ」

首を傾げたゆたかに舞衣は慌ててその場を取り繕った。
そしてああ、そんな気分になるのがおかしいのだ、と上気した頬を掌で軽く扇ぐ。

暗闇と瓦礫の世界の中で、煌々と燃えていく白い機体だけがクッキリとその輪郭を露にしていた。
舞衣はキョロキョロと辺りを見回しながら、ホッと胸を撫で下ろした。

――確かに、ビャコウにはカグツチのブレスが直撃したはずだ。

地面に降りて確認して見た所、どう見てもビャコウは大破している。
火球で爆破した肩の鎧などだけでなく、二つある顔(ビャコウは胴体にも顔が付いているロボットだった)はどちらも完全にその形を失っていた。

「……あっ……、ま、舞衣ちゃん!」
「どうしたの、ゆた――っ!?」

ゆたかが指差した方向に眼を向けた舞衣は思わず身構えた。


「グゥッ……ッ!」

燃え盛る炎の向こうから現れたのは――未だ健在のチミルフだった。
だが、もちろん無傷という訳ではない。

身体に纏っていたであろう鎧は所々が焼け焦げ、特に肩部から完全に炭化している左腕は「悲惨」の一言である。
肉の焼ける焦げ臭い臭いを漂わせながら幽鬼のような足取りでチミルフはよろめいた。
爆炎を背負い苦悶の表情を浮かべつつも、右手に握り締めた鉄槌が彼の戦意が朽ち果てていないことを示していた。
だが同時に囚人の足鉄球のように引き摺る鉄と地面が擦れ合う音こそが、彼の満身創痍を証明している、と考えることも出来るだろう。

「ゆたか。下がっていて」
「……舞衣ちゃん」
「大丈夫。絶対に……大丈夫だから」

不安げな眼差しで見上げるゆたかの頭を軽く撫でつつ、舞衣は気丈に言い放った。
そして一度消滅させたエレメントを再び具現化させる。
両手首・両手足の周囲に惑星のリングのように展開される金環が音もなく回転を始めた。

ギリィッ、と舞衣は下唇を噛み締めた。
そうだ、相手はわざわざ殺し合いの途中から参戦してくるような人物だ。
こちらが一筋縄で圧倒出来るなんて、あまりに楽観的な見通しだったのだ。

「ッ……」

隣のゆたかがごくり、と息を呑む音が聞こえたような気がした。
その表情に浮かび上がった色は〝驚愕〟と〝怯え〟だ。
舞衣にもその心情は痛いほどよく分かる。そもそも――チミルフは人ではなかったのだから。

螺旋王は確かに部下を途中から舞台に上げると言った。
だが、まさかこのような〝獣〟の姿をしたモノが殺し合いに加わっているとは夢にも思わなかった。
ロボットを操っているから、人語を話すから。
そんな理由で舞衣はてっきり相手はロージェノムと同じ人間だと思っていたのだ。

二メートル近い巨体。隆々とした筋肉と全身を覆う剛毛。
低く豚のような鼻に豪快な足音。
そして――ルビーのように煌々と光る赤い瞳。

「来て、カグツ――」
「……待て。鴇羽……舞衣……」
「え?」

チミルフの口から吐き出された静止の言葉に舞衣は思わず言い淀んだ。

「もう、終わりだ……ッ……」
「お、わり?」
「そうだ、グッ…………!」

言葉と共にチミルフの膝が折れた。ガクッと肩膝を付き、息を荒げる。

終わり……もう、限界ということか?
確かに、チミルフの身体には相当なダメージが蓄積しているようだ。
完全に燃え尽きた左腕などその最たる例だろう。

「完敗だ……ッ、だが……貴様らのような子供を前に膝を付くことになろうとは……な」

自嘲気味にチミルフが呟いた。
鉄槌を右手に持ったままなので、戦意が喪失した訳ではないなのだろう。
単純に身体がその意志に付いて行かない、だけなのかもしれない。


「……どうして、ですか」
「な、に?」

その時、舞衣の背後のゆたかが小さな声でチミルフに問い掛けた。

「なんで……戦いの最中に立ち止まったりしたんですか……?」
「ソレは……ッ!」

チミルフの苦虫を噛み潰したような顔付きが更に歪んだ。
触れられたくない部分だったのだろうか。
だが、ゆたかの覚えた疑問は同様に舞衣も感じたモノだ。
戦闘の主導権をこちら側が握った直後、ビャコウが突如動きを停止したのだから。普通では考えられない行動だ。

「わたしには……戦いのことはよく分かりません。
 でもチミルフさんは〝武人〟だって……聞きました。だから、その、凄く変だと思ったんです。
 本気で戦っていないとか、手を抜いている……とは違った……妙な感じがずっとあって……」

たどたどしい口調でゆたかが続ける。

「チミルフさんは……どうして……戦うんですか?
 わたし達を襲って来たってことは、ロージェノムさんの命令だと思うんですが……でも」


確かにチミルフの行動には不可解な点が数多く見られた。

それは、言ってしまえばある種の二面性だ。
ある時は強くて、ある時は弱い。
ある時は熱くて、ある時は冷たい。
ある時は心の込められた戦い方をするのに、またある時は極めて無機質で。

彼の中に二人の彼がいて、それが交互に顔を出しているような不思議な感覚だった。
舞衣の中にも〝ソレ〟と似たような記憶があった。

一面の炎と、涙と、怨恨。
もちろん、曖昧で根拠のない想いではあるのだけど。


「くくくくくく……ハハハハハハッハハハ!」


言葉を切ったゆたかを見据えたチミルフが突如、凄まじい大声で嗤った。
舞衣達は飛び上がってしまいたくなる衝動を必死に抑える。
身体が大きいだけあって、その声量も圧倒的だった。


「小娘共よ。最後に、一つだけ……聞こう」

チミルフが小さく、言葉を切った。そして、


「――俺は、手強い相手と言えたか?」
「え……っ!」
「俺は……貴様達を存分に沸き立たせるだけの戦いが出来たか?
 貴様達は何を……感じた? 何を思った……? そこに武人としての生き様は……あったか?」


舞衣とゆたかは、チミルフの言葉に思わず顔を見合わせた。

二人とも、胸に過ぎった感想は同じだった。
相手が本気だから、鬼気迫るような迫力が伝わって来るからこそ、辛いのだ。
何かに一生懸命になっている相手を無碍に扱っても、お互いが傷つくだけなのだから。

それが、チミルフにとって残酷な宣告になると確信していた。
悟ってしまっていた。だが、

「言えっ!! 貴様達はどう感じたのだ……ッ!?」
「う……」

そんな甘えを目前の猛将は決して許さなかった。
評価しろ、と。
感じたことを言ってみろ、と。
二人の少女に強要――いや、懇願したのだ。
そこに、戦士としての誇りが在ったかどうかを確かめるために。

ゆっくりと、舞衣が口を開く。


「…………正直、やられちゃう……とは一度も思わなかったわ。少なくとも、負ける気はしなかった」
「……そうか」

チミルフはそう呟くと、膝を付いたまま天を見上げ、遠い眼で空の彼方を見つめた。

でも、どうしていきなり立ち止まったりなんか……。
ハッキリ言ってしまえば舞衣はチミルフに負ける訳がない、と感じていた。
そしてソレは単純な慢心や自己の実力の過剰などではなく、半ば感覚的なモノとして嚥下出来る感想だった。

大きな理由の一つとして、ゆたかが「一緒に戦う」と言ってくれたことが大きかった。
舞衣は、自身の〝叫び〟をその胸の内に押し隠してしまう少女だった。

彼女には巧海という、心の底から大事に思っている弟がいた。
彼は少しばかり身体が弱くて、病院に通い詰めだ。
そして舞衣はそんな弟のことをずっとずっと気に掛けていた。

――私は、お姉ちゃんだから。

そんな意識をずっと抱えていた気がする。

本当は誰かに頼りたくて頼りたくて堪らないのに。
不安で、心配事で潰れてしまいそうなのに、無理ばかりしてしまう。
苦しいことを心の奥底にある棚の中へと押し込んで蓋をして、自分だけの問題にしては外の顔ばかりを取り繕っていた。
だからこそ、ゆたかが「自分を頼ってもいい」と言ってくれた時に、舞衣は本当の気持ちで笑えたのだ。

一人一人ではちっぽけな存在かもしれないけれど、舞衣の側にはゆたかがいてくれた。

二人、だ。
一人じゃない。頼れる相手がいる。
全部心の中に抱え込む必要はないのだ。

だから――無敵だ。
絶対に負けるはずがないと思った。
舞衣もゆたかも胸を張って、全力で目の前の障害に立ち向かうことが出来たのだから。

若干の沈黙に舞衣は心の底から居た堪れない気持ちになった。
望まれてやったことだとしても、相手の感情がこうしてモロに伝わって来るとなると話は別だ。
覚悟を剣に、使命感を刃に、決意を炎に変えて戦っていた数分前とは状況が全く異なってしまっている。

怪物にしか見えなかったチミルフが、
何故かこうしていると本物の人間と変わらないように見えてくるから不思議だった。
星空へと食い入るように視線を寄せるチミルフの眼が輝いて見えた。


いつの間にか――チミルフの瞳から紅色が消えていた。


「ルルーシュの力に取り込まれた時……既に〝怒涛〟と呼ばれた武人は死んでいたのかもしれんな」
「え……今なんて――」

ニィッ、とチミルフが一瞬だけ豪放な笑みを浮かべたような気がした。
棒切れのようにピクリともしなかった彼の右腕が動いた。
大槌を天を突き破らんばかりに持ち上げ、そして、


「螺旋王ッ!! 忠義を失った哀れな部下にせめて獣人らしい最期を!!」


振り下ろした鉄槌を――チミルフ自身の頭蓋へと叩き付けた。



「え…………」

赤色の血潮が辺り一面に噴水のように降り注いだ。
支える力を失った鉄槌が地面へと落下して鈍い音を立てる。
万力によってひしゃげた男の骨は粉々に砕かれ、血流からサラサラと粉末のように流れ落ちる。
黄身を帯びた白いペースト状の物体が道路にぶちまけられた。
そしてドサッ、という小さな音と共に、チミルフの身体がコンクリートの上に倒れ込んだ。

「きゃああああああっ!」
「ゆ、ゆたかっ! 見ちゃダメ……!」

あまりに凄惨な光景にゆたかが悲鳴と共に顔を覆う。
だが、彼女を庇おうとした舞衣の顔面も引き攣り何が起こったのかを理解出来ずにいた。

「な、なんで……」

呻りのような言葉しか出て来なかった。

誇りを否定されたことが、
武人として満足行く戦いが出来なかったことが、それほど彼には苦痛だったのだろうか。
もしくはもっと他の理由が……あったのだろうか。

舞衣は戦いの中に己を全て埋没させている訳ではない。
彼女を構成する要素はいくつもあって、HiMEとしての側面はその中の一部に過ぎないのだ。

誇りも、
忠義も、
武人としての生き様も、
ソレが自身の命を絶つに相応しい理由なのか、舞衣には分からなかった。

ただ一つ、漠然とした結末だけが転がっていて。
それだけが彼女の理解出来るハッキリとした事実で。


パチパチと燃え続ける街。溶けたコンクリートに抉れた大地。
星と月だけが埋め尽くす宇宙の瞬きに包まれて――男は逝った。


もう一歩意地を通していたら流石に死んでいたかもしれない。
カミナの目の前には巨大なクレーターが広がっていた。円は綺麗にカミナの鼻先から始まっていたが、対岸が見えないためその全貌を伺い知ることはできない。
派手な喧嘩に相応しい置き土産と言ったところか。ともかく戦いは終わったらしい。

「へへっ、あの馬鹿野郎ども見せつけてくれんじゃねぇか」

スポーツで名勝負を観戦しあ後のようにさっぱりと笑い、体にこびりついた土砂を払う。
さすがに身が持たなかったのか最後の瞬間の記憶はなかった。そのため勝負の行方がどうなったかは分からない。
だがそんなことは些細な問題だ。
カミナはクレーターの中にに降り立った。
この先に進み、立っていたものが勝者だという根拠のない確信に突き動かされ足を動かす。グレンラガンやクロスミラージュのこともあったが、不思議とそれほど不安はなかった。
底に近付くにつれて水が溜まっていた。どうやら穴は水辺と繋がってしまっているらしい。
クレーターの中心に居るのは激戦を潜り抜けた一体のロボットである。やはりというか、もう片方は影も形も見えない。
声の届く距離まで一気に駆け寄って、カミナは勝者へと声を張り上げた。

「おう!見せてもらったぜぇ……ドモン!」
「カミナ……か?お前まだこんなところに……」

立っていたのはアルティメットガンダムだった。
生物的だった外観のそこかしこから機械が剥き出しになりあれ程活発だった再生も殆ど進んでいないが、それでも最後に立っていたのはドモン・カッシュだったのである。

「言われっぱなしで逃げたんじゃあグレン団の名がすたるってもんだ!……おかけで久しぶりに良いケンカを見せてもらったぜ」
「ふ……お前という奴は」

アルティメットガンダムの損傷具合と同様、スピーカーを通して聞こえるドモンの声も限界寸前という様子だったがカミナへの不快感は感じられない。
ただの野次馬とはまた違う表情を見せるカミナに何かを感じたのかも知れなかった。

「ヴィラルの野郎はどうしたぁ?派手にぶっ飛んじまったか?」
「そのようだ……死んではいないだろうが確かに手応えがあった。もう戦闘はできまい」
「クロミラは?」
「無事……のはずだ」

つまりは万々歳という訳だ。敵は倒れ、味方は皆健在である。
もっとも俺もこいつもボロボロだがな、とドモンは笑った。そこに自嘲的な感情はなく、代わりにやり遂げた男だけが持つ誇りが感じられた。

「なら今度こそクロミラを取り返しに行くとしようじゃねぇか。まさか歩く力もねぇなんて言わねぇだろうな?」
「ああ……どのみちこいつはここで眠らせてやった方が良さそうだ」

何かを惜しむような、懐かしむような響きがあった。そう思った理由まではカミナには分からなかったが。

「仲間とも合流しなくてはな……ぐぅお!?」

ハッチが開かれる寸前、上空から降り注いだ何かがアルティメットガンダムの周囲で爆発し、その巨体を揺らした。生じた突風にカミナの体も宙を舞う。

「あでぇ!何だぁ!?」

訳も分からず顎から強かに地面に打ち付けられ、カエルが潰れたときのような妙な音を立てた。
世界が反転していたのも一瞬、持ち前の頑丈さで素早く身を起こすとカミナはきっ、と眼前を睨み付ける。
黒い巨体がそこにあった。一瞬にして現れ、崩壊寸前のアルティメットガンダムに攻撃を加えた新たな敵である。

「てめぇは……!」

漆黒に赤を差した禍々しき機体。ネオホンコン代表マスターガンダム。
それを支える真白きモビルホース。操るは愛馬風雲再起。

「ふん。見事だ。見事であったぞドモンよ」

流派東方不敗開祖。東方不敗マスターアジアその人である。


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285:HAPPY END(7) カミナ 285:HAPPY END(9)
285:HAPPY END(7) ドモン・カッシュ 285:HAPPY END(9)
285:HAPPY END(7) 東方不敗 285:HAPPY END(9)
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285:HAPPY END(7) 不動のグアーム 285:HAPPY END(9)





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