HAPPY END(5)◆ANI2to4ndE




 睨み合う鉄身の巨人、二体。
 顔一つの機械闘士の姿は、ドモンに教えられたガンダムの名を呼び起こす。
 顔二つの合体ロボは自身縁の深いガンメン、搭乗経験もあるグレンラガンだった。

 雄々しく木霊するガンダムファイトの宣誓は、先の邪魔者、ギルガメッシュの声とは似て非なるもの。
 落としかけた命を顧みない善意で繋ぎ止めて見せた友、ドモン・カッシュのものである。

 ヴィラルとシャマルが駆るグレンラガンと、ドモンが駆るガンダム。二体が戦闘を始めようとしていた。
 巨人の衝突を生身のまま、遠方から見上げることしかできないグレンラガン本来のオーナーは、歯噛みする。

「ちくしょう……! 俺とシモンのグレンラガンを好き勝手乗り回しやがってッ!!」

 疲労困憊の様相で虚空にしかめっ面を浴びせ、カミナは乱暴に吐き捨てた。
 如何な罵詈雑言も、地上からでは届きはしない。
 兵器と兵器の対立を前にしては、喧嘩殺法しか能のないジーハ村の戦士では役不足だった。

「金ぴかヤローもどっか行っちまいやがったし、ガッシュたちも見当たらねぇ。
 グレンラガンとクロミラは奪われっ放し……ふざけんなよ。このままにゃしておけねぇ。
 なにがなんでも取り戻してやる。今からそっち行くから首洗って待ってろ、ヴィラルッ!!」

 近づくことも困難な死地へと、カミナは単身、機動兵器の助力を受けずに飛び込もうと勇む。
 達人級のガンダムファイターならばそれも可能であろうが、明鏡止水を会得しようとカミナはただの人間だ。
 ギルガメッシュとの喧嘩でただでさえ疲労が蓄積されている今、彼の行動は愚挙と罵るほかなかった。

 ――しかし、心意気は買おう。だからこそ罵倒で一蹴するのではなく、諭す。

 そのような意図が見え隠れする〝声〟が、駆け出さんとするカミナに落とされた。

「――ガンダム対ガンメン。なんとも心躍るカードではないか」

 ピタリ、とカミナの足が止まる。
 無謀の足を場に繋ぐ接合剤として、声はカミナの意識を攫う。
 耳に届く不快な音質に、カミナは聞き覚えがあることを否定せず、振り向く。

「片や究極、片や愛の巣。さて、軍配はどちらに挙がるかのう――?」

 カミナの背後、紫色際立つ道着を着こなすのは、怨嗟の宿敵にして好敵手。
 修行という名目でカミナに流派東方不敗の心得を叩き込み、その成長に一躍買った師。
 先の放送で訃報を知らされた――螺旋王も認める脱落者であるはずの老人が、仁王立ちしていた。

「テメェ……東方不敗のジジイ! 死んだはずじゃ……」
「これは異なことを。無理を通して道理を蹴っ飛ばす……はて、これは誰の言葉だったか」

 カミナを嘲弄する老人、東方不敗マスターアジアは見た目にも健全だ。
 真新しい道着は、過去二度の対決のときよりも小奇麗に思える。

 コンテナの爆発やショッピングモールの倒壊から逃れたと仮定しても、螺旋王が死亡確認をしたのは事実。
 死んだはずの男がこの場に立っているのは、どういう理屈か――無理を通して道理を蹴っ飛ばす、では納得できないカミナだった。

「なにを黙りこくっておる。貴様という男は、考えるのが得意なほうではあるまい。
 事実として、儂は生きておる。その事実のみを受け取り、貴様はなにを為すのだ?」

 東方不敗がカミナに向けるのは、詰問の言葉。挑発するような戦意ではなく、ましてや殺気とも程遠い。
 死人との対面にカミナは緘口し、すぐには答えを返すことができなかった。

「グレンラガン、そしてアルティメットガンダムとはな。フフフ……正に夢の対決ではないか。
 しかし双方が持ちうる武力は、人間を遥かに凌駕する。この儂とて、生身でやり合うのは厳しい。
 そんな闘争の渦を前に、貴様はなにを為す? 死んだはずの儂を前にして、目を向けるはどちらの方角だ?」

 言霊に促されるようにして、カミナは足を向けんとしていた目的地を再び見やる。
 グレンラガンとアルティメットガンダムは互いににじり寄り、掴み合いを始めていた。
 その足元、博物館周囲の町は地響きを立てて崩れ、二体の巨人に蹂躙されている。
 もし、あの場に人間がいたとして……巻き込まれるのは必至、闘争に加わるなど夢のまた夢だろう。

 生唾を飲み込み、目指さんとする地の危険度を再認識する。
 再認識して、しかし目は背けない。
 体が震えを訴えようとも、カミナは眼差しを固定したまま、シモンとの絆を正面に据えた。

「そうだ、それでよい。貴様は明鏡止水を会得し、儂の期待に応えてみせた……ならば見るべきは一点のみ」
「言われるまでもねぇ。悪いがなジジイ。テメェが甦ろうがなんだろうが、今は構ってる暇なんてねぇのさ」

 背後の東方不敗には一瞥もくれず、カミナは再度、足を前に踏み出す。
 全てはシモンのラガンと、自身のグレンと、相棒たるクロスミラージュを取り戻すため。
 男の意地でここまで突き抜けてきたのだ。それを今さら、ギルガメッシュや東方不敗といった邪魔者に否定されてたまるものか。
 確固たる意志が、カミナの追い風となって――直後、後方から身震いするような〝殺し〟の気配を感じた。

「だぁぁぁから貴様は阿呆なのだぁぁぁぁぁ!!」

 かつての敵対者でありながら守護霊のような温かさを秘めていた老人が一変、厳格なる格闘家として居直る。
 東方不敗は一喝の後、腰に巻いていた帯を鞭のように放った。
 容赦なし、明確な殺意に染まったマスタークロスの一撃が、阿呆を穿たんと伸びる。
 罵られたカミナは、咄嗟に飛び退いてこれを回避した。

「てん……っめ! おうおうおう! いきなりなにしやがんだこのクソジジイ!?」
「ふん。この地は常在戦場。定石常道に縛られず、不測邪道への対処を磐石にするが、真なる強者というものよ」

 獲物を捉え損ねたマスタークロスは、東方不敗の手で宙をうねり、再び腰に巻かれる。
 不意の攻撃、咄嗟の回避に体勢を崩されたカミナは、〝殺し〟の気配を潜めた相変わらずの宿敵に、顔を顰めた。

「問うぞカミナよ! 貴様、闘争の渦に勇み駆け込み、なにを為さんとする!?」
「ああ!? 決まってんだろ、オレとシモンのグレンラガン、それにクロミラを取り戻すんだよッ!!」
「馬鹿も休み休み言え! ガンメンとガンダムによる闘争を、貴様ごときが御せるとでも思うかァ!?」
「馬鹿でもやるんだよ! 無理を通して道理を蹴っ飛ばす! それがオレの、オレたち大グレン団のやり方だ!」
「だぁぁぁぁぁから貴様は阿呆だと言っているのだぁあああああ!!」

 二度目の一喝。
 東方不敗はその場で跳び、右脚を矛としてカミナに放つ。
 正面からの飛び蹴りにカミナは両腕を構え、受け止めようと試みた。
 しかし、モビルファイターの装甲すら粉砕する東方不敗の蹴りは、カミナの体を防御ごと吹き飛ばす。

「……こ……っの!」

 三回半ほど地面を転がり、さらなる怒気を纏って起き上がると、東方不敗は怒りの形相で言い放った。

「貴様の語る『無理を通して道理を蹴っ飛ばす』とは、無為無策で命を投げ出すことを指すのか!?
 天元突破……儂はこの地に残った誰よりも貴様が近しいと思っていたが、買い被りすぎていたようだわ!」

 恫喝する東方不敗の姿は、弟子に教えを叩き込む師匠の内面を表出していた。
 カミナは起き上がり様、駄犬のような目つきで忌々しげに見据え、東方不敗の金言を聞く。

「仲間を思い、己を信じ、命を投げ打ってでも事を成す。リーダーを名乗るに相応しい器よ。
 しかしなぜ、己に力がないことを自覚しない!? なぜ力を得ずに、無謀を貫かんとする!?
 できることとできないことの区別もつけられずただ泣き喚く……今の貴様は、まるで小童よ!」

 思うところが、ないわけではない。
 カミナが現地に辿り着いたとして、はたしてなにを成せるというのか。
 グレンラガンとアルティメットガンダムの戦いを止める、ヴィラルとシャマルを引き摺り下ろす、クロスミラージュを取り戻す――どうやって?
 せめて同等の力、ガンメンかガンダムかがカミナの手元にもあれば、憂いはなくなるのだろう。
 だがカミナにとって――問題の焦点はそこにはないのだ。

「事を優先する余り、己が見えていない! それで己を信じるなどできようものか!
 今の貴様なんぞ、悪運と周りの人間に支えられて生き延びたようなもの……恥を知れッ!」

 カミナ自身、それを一番よく理解していた。
 そして東方不敗は、それを理解せず師匠気取り。
 そう思えば途端に滑稽な様相に見えてきて、カミナは笑う。

 ――静かに。
 ――ただ、静かに。
 ――心の底から、爆笑する。

「…………ハッ、老いぼれジジイがギャーギャー騒がしいこった」

 一切、声には出ささずして。
 したり顔だけで笑みを表現し、東方不敗を嘲弄する。
 なにも理解していないボケ老人を、若きリーダーは哀れに思った。

「テメェはまるでわかっちゃいねぇ……いいか。理屈じゃねぇ。気合なんだよ。オレに足りないのは、気合なんだ」

 開いた悟りは、決して他人に教授され、与えられた美学ではない。
 ジーハ村で燻っていた頃の個が築き上げ、舎弟と共に磨き上げてきた、意地と誇りだ。

 昔から、なにひとつ変わってはいなかった。
 シモンが死んだ今となっても、
 東方不敗に阿呆と罵られる今となっても、
 ガンメンとガンダムを前に無謀を覚える今となっても、
 カミナは天井を見上げ、いつか岩盤をぶち抜きたいと願っていた。
 あの頃から、ずっと。

「結局テメェの言ってることは下手な理屈さ。無理を通して道理を蹴っ飛ばすってのはな、命投げ出すことじゃねぇ。
 命投げ出す覚悟で、やってやるって気概を見せつけて、気合全開で吼えて、オレが信じるオレを信じて、それで事を成す!
 結果なんざ後からついてくるのさ。無理なもん前にして無理って言っちまうような奴にゃ、絶対に真似できねぇだろうけどなぁ!」

 カミナが二の足を踏んでいた理由を、平易に言い換えよう。
 話相手の不在、だ。
 彼の狂言回しは聞き手を得ることで調子を上げ、行動を促す。

 あるときはシモンが。あるときはクロスミラージュが。あるときはガッシュが。あるときはニアが。
 そして今は、東方不敗マスターアジアという〝耄碌ジジイ〟相手に、自己の尊厳を主張し、わからせる。
 言ってわからぬ輩の耳をかっぽじり、わかるまで訴え続ける、それこそがカミナ流。
 音吐朗々とした言辞が、質感を伴い東方不敗を威嚇した。

「ふん、吼えおったな……ならば唱えよ、カミナ! 流派、東方不敗は――」
「――知ったことかぁあああああ!!」

 反論を許さず、叫び声でもって東方不敗を逆に一喝する。

「もしとか、たらとか、ればとか、そんなもんに惑わされるか! オレの信じるオレの道が、オレの宇宙の真実だ!!」

 人差し指を空に、突き破れない天井などこの世にはないと、挙措で示す。
 誰もが注目せざるをえない不思議な存在感が、カミナの全身に纏わりつく。
 東方不敗ですら、意識せず視線を奪われ、釘付けとなった。

「ジーハ村に悪名轟くグレン団! 男の魂背中に背負い、不撓不屈の鬼リーダー! カミナ様が、そう簡単に信念曲げてたまるかよぉ!!」

 天に向けていた指先を、東方不敗に突きつける。
 たじろぐ東方不敗を確認し、次に拳を固めた。
 ニヤリ、と口元で笑み、カミナは勝ち誇る。

「ジジイも金ぴかも、ダチ公取り戻した後で好きなだけ相手してやらぁ。だから大人しく待ってな」

 それだけを告げ、カミナは振り返る。
 視線を傾けるのは、再び闘争の地。
 ガンダム対ガンメンの果し合いに、臆せず飛び込むつもりだった。

「今いくぜぇ、ダチ公!!」

 誰に邪魔をされようと、カミナは揺るがない。
 当初の予定、同意である本能のままに、体を突き動かす。
 その破天荒な生き様を、捨て置かれた東方不敗は――

 ――したり顔で、見送った。


 カミナの背中が遠く彼方に消え、東方不敗は取り残されたその地で、ある落し物を眺めていた。
 舗装されたアスファルトの上に転がる、銀色の輪。それは開錠され、轡のような形状になっていた。
 手に取り確認してみると、そこには『Kamina』の名前が。本人、首の枷が外れたことにまるで気づいていない様子だった。

「磁場を歪める砂嵐とは、よく言ったものよ。グアームの見解は正しかったようだが……さて、となるとルルーシュはどう動くか」

 居城に残してきた同志の出方を推測し、しかしすぐに中断する。
 ルルーシュがこの事態を想定していたにせよしていなかったにせよ、首輪の有無などもはや瑣末なことだろう。
 東方不敗にとっても同じだ。首輪が外れようが、闘争に殉じる者は殉じ、その宿命からは逃れられない。

「天元突破の功労者に、馬鹿弟子二人。そして……奴も舞台に上ったか」

 遠方、グレンラガンとアルティメットガンダムがぶつかり合うその場に、重厚な足音を立てて近づく機体があった。
 全身を白で統一し、シャープなフォルムを刻みながらも形相は鬼のように険しい、怒涛のガンメン。
 チミルフの駆るビャコウが、ヴィラルの駆るグレンラガンに近づこうとしていた。

 ガンメン二体、ガンダム一体、そしてカミナ――混戦必至の台上は、はたしてどんな色で彩られるのか。
 螺旋力が放つ碧の輝きか、愛の証たる淡いピンクか、キング・オブ・ハートの燃えるような赤か、それとも血の色か。
 想像するだけで、心が躍った。全身はぶるぶると震え、上下の歯がかち合って音を出し、眼差しは子供のように無垢に。

 恋慕や愛情にも似た、欲求。
 自身が熟成へと導いた、強者。
 治まるはずのない闘争心が、伝染。
 東方不敗は喜悦をその身に宿し、武者震いを続けた。

「もうすぐ……もうすぐだ。もう間もなく、この地に絶対の存在が降臨する。儂やルルーシュの目論見通りにだ……だが!」

 試練、もしくは師匠としての役割を担い、実験参加者を天元突破へと至らせる。
 当初の任はヴィラルが早々に天元突破したことでお役御免となったが、東方不敗はなおも目論む。

 アンチ=スパイラルとの接触――その鍵となるのは、愛に飢えた獣二人ではない。
 流派東方不敗の志を継承する愛弟子、ドモン・カッシュ――そして。
 この地で見定め、大いに期待を寄せた若者――カミナ。

 東方不敗マスターアジアが資格ありと認める男二人、そのどちらかが降臨の儀を推し進める鍵となることを、東方不敗は望んでいた。
 ヴィラルとシャマルの愛の力を否定するわけではないが、東方不敗はドモンとカミナの二人に、それ以上のものを期待しているのだ。
 それこそ、アンチ=スパイラルが慌て飛び込んでくるほどの螺旋の躍動を、師は弟子二人から引き出そうとしている。

「ヴィラル、そしてシャマルといったか。おぬしら二人、所詮は前座にすぎん。せいぜい好敵手として奮闘してもらおうか」

 ルルーシュが考案した神算鬼謀の策に乗じるのが、アンチ=スパイラルとの接触を果たすなによりの近道なのは事実。
 だとしても、東方不敗はヴィラルとシャマルではなく、ドモンとカミナに可能性を感じ、試練役を自ら買って出た。
 計画の上では不要な干渉となるであろう行為だということも、十分に理解している。
 理解しながら、この道を選択したのだ。

 武を極めんとする者として――仕上がりつつある決闘場に、自らの闘争本能を委ねたいと願ってしまったがゆえに。

「ふふふ……血湧く、血湧くぞ! こんな熱い衝動は久しぶりよ。ドモン、カミナ、ヴィラル、シャマル、そしてチミルフ――待っておるがいい」

 純真無垢でありながら、邪鬼のようなおぞましさを兼ね備える東方不敗の笑みには、底知れぬ愉悦が。
 これより先に臨む闘い、勝利の果てに待つ悲願の道しるべ、人類抹殺の終着点までは見えず――。

「喜んで参じようではないか。この儂、東方不敗マスターアジアと愛機マスターガンダム……最終決戦の舞台へとな!」

 東方不敗が不気味に呵呵大笑する、その頃。
 七人の同志、その尖兵として躍り出たチミルフは――。


熱い熱い、どうしようもない血の滾りにヴィラルは全身が沸騰するような感覚を覚えていた。

「うおおおおおおおおおおおお!」
「はああああああああああああ!」

真正面からぶつかりあった拳が互いに粉々にくだけちる。
ヴィラルが駆り、愛妻たるシャマルがサポートを担当するグレンラガンの拳に補助武器として備えられた二本のドリル。強力無比な力であるはずのそれらでさえ、アドバンテージにはなり得ない。
二人の感情に呼応するかのように怒濤の勢いで生み出すことができる必殺のドリルを以てしても対峙する巨体が相手では相討ちがせいぜいらしい。

そう、巨体である。要塞型や戦艦型には及ばずともヴィラルの操るガンメンのサイズも相当なもの。小山程はあると言って良いだろう。
しかし、グレンラガンを小山と言うならば敵は正に山そのものだ。
ヴィラルとシャマルの道行きをまた別の愛のために阻まんとするあの男、ドモン・カッシュが呼び出した究極の名を持つガンメンは――ドでかいのだ。

『中々良いパンチをするようになったじゃないか。もっとも、ドリルなどという仰々しい武器に頼っているようではまだまだだがな』

しゅるしゅると触手が寄り合わさるような生物的な動きで失った腕を再生させながら、ドモンの挑発とも賞賛ともつかない言葉を飛ばす。

『抜かせ。でかさを頼りに攻めることしかできん木偶の坊が』

一歩も引かず、ヴィラルは鋭い口調で切り捨てた。言いながら、こちらも腕を再生させる。機械的なガキガキという音を立てて再生する様は、アルティメットガンダムとは対照的だ。
機体だけ見ればその能力差は歴然としていた。加えて対するドモン・カッシュはあの東方不敗なる化物に真正面から相対した男だ。操縦者としての腕前も油断はできない。
戦士としての器量は言わずもがなである。

しかし、そのような様々な悪条件を前にしてさえ、ヴィラルは己が負けるとは欠片も思っていなかった。
いや、敗北だけではない。願って止まないはずの勝利の二文字でさえ、今のヴィラルがどれだけ強く意識しているかは分からなかった。

(ヴィラルさん……。今のヴィラルさん、とても楽しそう)

グレンの操縦席の中、操縦桿を通して流れ込んでくる熱い想いをシャマルは確かに感じていた。
今の彼が望んでいるのはただの勝利ではない。認めるに足る者と正々堂々とぶつかり合い全霊を賭す。願うのはその先の勝利だ。
瞬く間に二人の人間を屠った圧倒的な暴力はやはり今のヴィラルには向かなかったのだろう。
人間はケダモノ同然の生き物などではないということを、確固たる信念を持つ強敵だと言うことを、彼は既に知ってしまっている。
あるいは別の形で相まみえられていれば、と内心で思っていただろうことは想像に難くない。
シャマルの愛したヴィラルとはそういう男だ。
それだけに自分と同じ武人の気質と全力でぶつかることのできる強さを併せ持つドモンとの戦い、相手の言い方に合わせればファイトに自然と喜びを見出だしてしまうのは無理からぬことなのだろう。

男の人って。そう思わないでもない。生死を賭けた、それ以上に二人の未来を賭けた戦いを楽しむ余裕なんて。
シャマルなど、少し手合わせをしただけで異形の巨大兵器のスペックに震えてしまいそうになっているのに。
昆虫を思わせる下半身に人形の上半身を合わせた奇形的な外見がシャマルにプレッシャーを与える。この人外のどこに究極を名乗る資格があるのか。
が、その威圧感さえ男にとっては興奮を煽る材料の一つでしかないのだろう。

『すまんシャマル。俺はやはりどうしようもないバカだったらしい……』

昂りに彩られたヴィラルの声が専用回線を通してシャマルに届く。

『勝てるかどうかも分からなくなったというのに俺はそれを楽しんでいる……理解してもらえるとは思わんがな』
『……いいの、あなたの思う通りに行動して。ヴィラルさん。私はそれについていきます』
『……感謝する』

通信が終わり、仮初めの静寂が戻った。
シャマルの言葉に嘘はない。理解できなくとも、戦いが鬱屈ばかり溜め込んできたヴィラルを満たすというならシャマルに異論のあろうはずがない。
自分が共感できない領域に彼がいることが少しだけ悔しいが、我慢できる。
要は勝てば良いのだ。勝ちさえすれば後に待つのは幸せな未来であると今は願おう。
シャマルは信じた。ヴィラルが後悔しないようにあらゆる面からサポートすることが今自分の為すべきことであると。

『どうした、お前達の愛とやらはそんな程度で終わるものなのか』
『行きましょう、ヴィラルさん!』
『ああ!くぅらええええええ!!』

余裕の呈で重ねられた挑発をゴングに再び両者が激突する。
交わされたのは今度は拳ではない。武士の如く顔を引き締めたグレンラガンの膝から真っ直ぐに突き出されたドリルが無表情に揺れるアルティメットガンダムの顔面を穿たんと迫る。

「甘いっ!」
「ぐわああ!」
「きゃああ!」

だが通じない。軽くいなされるどころかカウンターとして強烈な肘打ちをもらい、軽快にふっ飛ばされたグレンラガンがゴロンゴロンと転がりながらビル街を蹂躙する。

身を引きちぎられんばかりの衝撃にシャマルは必死に耐えた。
まるで子供扱いだと、弱い考えに傾きそうになるときに支えてくれるのはやはりこの声。

「ひるむなシャマル!少しずつだが奴との戦い方が分かってきた……俺を信じてくれ!」
「は、はい!」

機体を勢い良く反転させながらの激励に心が軽くなるのを感じた。
この人ならばなんとかしてくれると、そう信じることができる。
シャマルは操縦桿を握り直した。痛い程に奥歯をかみ締め、改めて自分に渇を入れる。
ところが、再度の攻撃を仕掛けるべくグレンラガンが構えを取ったとき、それに水をさすようにざざ、という雑音が割り込んできた。

「別方向からの通信……?一体誰が?」

いち早くそれに気付いたシャマルは反射的に回線を開いた。音声が繋がり同時に通信相手の画像も届けられた。

「こ、これは……!」
「あなたは……!」

そしてシャマルとヴィラルは同時に驚愕した。
映し出された映像は、二人の世界には存在していないもの。

『苦戦しておるようだな、ヴィラルよ』

死んだはずのヴィラルの上官、怒濤のチミルフの声は生前と同じ厳めしさを持って響いた。


『チ、チミルフ様ッ!? な……何故あなたが……戦死なされたはずでは!?』

通信用スピーカーから吐き出されたのは違う世界では部下だったらしい男の驚きに満ちた声だった。
その反応にチミルフは自身の唇がにんまりと不自然な形に引き攣る感覚を覚える。

まさに、想像通りの反応だった。
ヴィラルの中では「チミルフは戦死した」ことになっているのだ。
彼の主である螺旋王ルルーシュ・ランペルージの策略により、六回目の放送には虚偽が混ぜ込まれていた。

故に、ヴィラルはチミルフの死を露とも疑ってはいなかったはずなのだ。
なぜならば彼は八十二人の参加者とほぼ同等の条件であの戦場へと赴き、同等の扱いを受けたのである。
この会場のシステムをヴィラルが正しく認識している以上、放送の内容に疑問を持つとは考え難い。

が、その思考に絡み付いた鎖もチミルフの一言で屑鉄へと変えることが出来る。

「よく聞け、ヴィラルよ。先程行われた六回目の放送だけは、幾つか事実とは異なる内容を含んでおるのだ。
 詳しくは話せぬが……俺以外にも、数名〝王〟の意志に賛同するものが我々の側に付いた」
『なっ……!? 螺旋王様の下に他の参加者が……!?』
「そうだ」

王という言葉を殊更強調してチミルフは言った。
が、チミルフとヴィラルが心に描く〝王〟の姿は全く異なったモノだ。
しかし、その構図の中に捩れも歪みも存在しない。

――ギアス。

永久の時を生きる魔女C.C.との契約によってブリタニアの少年、ルルーシュ・ランペルージが獲得した絶対遵守の力。
特殊な光情報の波長を瞳から放つことにより、視覚細胞を通して対象を従わせることの出来る能力だ。

チミルフに掛けられたのは『お前の主君は螺旋王ではない、この私だ』という、主従書き換えのギアスである。
それはとある未来、コーネリア・リ・ブリタニアの騎士であるギルバート・G・P・ギルフォードに使用されたモノとほぼ同等の性質を帯びていた。
故に二匹、いや二人の獣人にとっての王はまるで別の人物を差すのだ。
ヴィラルにとっての王であるロージェノムと、チミルフにとっての王であるルルーシュ。

この宇宙では部下と上司という関係さえも偽りである彼らを唯一、引き繋いでいたのが崇め奉る王の存在だった。
しかし、そんな硝子の連環さえ既に形は失われた。
もはや両者の袂は完全に分かたれたのである。

たとえ――真実を暗部へと密閉することで、
幻想の関係を継続させようとチミルフが考えていたとしても、だ。

「俺もお前が置かれている状況は理解しているつもりだ。手短に用件だけを伝える。よく耳を澄ませろ、一度しか言わんぞ」

返事は、ない。
ようやく繋がった電波が奏でるノイズとガンメンの駆動音だけが唯一の音波となってチミルフの周囲に在るだけだった。
本当にヴィラルが通信装置に必死に耳をそばだてている光景が目に浮かぶようだ。
馬鹿正直で呆れるほど愚直なこの男にとって、彼の言葉は何よりの特効薬と成り得る。
たとえそれが〝愛〟という感情によって、天元突破を果たした者だとしても――


「〝真なる螺旋覚醒を果たした戦士ヴィラル、褒美としてその伴侶シャマルと共にこの舞台より脱出する権利を与える〟」


一字一句、主が彼に伝えた通り正確に。
本来、ルルーシュはチミルフが状況に合わせた勧誘の文句を考えることを想像していただろう。
なぜならば、このメッセージはあくまで、彼らを勾わかすためだけのまやかしに過ぎない。

天元突破を果たしたヴィラルを回収する――その目的さえ達成出来れば、手段は問われない。

『ッ――!』
『だ、脱出……でありますか!?』

無線機を通じて返って来る勘繰るような呻き。
そして、ヴィラルと共にグレンラガンを動かしているシャマルの息を呑む声が小さく響いた。

モニターに何かが爆発する音と振動とがない交ぜになった雑音が時々飛び込んで来る。
どうやらヴィラルがチミルフと通信を行っている間のグレンラガンの操縦は彼女が行っているようだった。
が、となると状況は更なる劣勢へと陥る。
単純な実力差ではアルティメットガンダムとそのパイロットの方が断然上を行く。
グレンとラガン。
二つの機体と二人のパイロットが力を合わせない限り、グレンラガンには勝機はないのだ。

「ヴィラルよ、お前の多大なる螺旋力の発揮に王は上機嫌だ。これまでの失態は全て水に流してくださるとのことだ。
 加えて、獣人としても我々四天王とほぼ同等に近い地位をお前に授けると仰られていた」
『お、俺が……チミルフ様やアディーネ様と同じ位に……ですか?』
「そうだ。これ以上さぁヴィラルよ。これ以上の戦闘は無意味だ。一時戦いを中断し、俺と共に――」

チミルフはヴィラルとの会話によって、明確な手応えを感じていた。
モニター、そしてスピーカーを通じて伝わって来るありとあらゆる情報が、二人の狼狽振りを現していたからだ。
二人は今だ既に「実験」が最終段階に近い地点まで進んでいることに気付いていない。
天元突破を果たした螺旋の中心人物でありながら、未だに「バトルロワイアル」のルールに捉われたままなのだ。

最後の〝二人〟として生き残る――それだけが活路であると、一筋の光明であると信じているのだ。

願ってもない、機会のはずだ。

本来ならば不可能だったはずの「二人でいたい」という望みが現実のモノとなる。
このままドモン・カッシュの操るアルティメットガンダムと拳を交える意味は完全に消滅するのだ。

『ッ……シャマル、俺は、』
『分かっています、ヴィラルさん。あなたの言いたいことは全部。私は……あなたの決定に従います。
 ああ、でも……ふふっ、多分もう私、ヴィラルさんが何を言いたいのか分かっちゃってるかもしれません』
『……すまないッ』
「ヴィラル……?」

だから、

『申し訳ありません! チミルフ様、俺は……いや、俺達は、あなたの言葉には従えません……!』
「なに……ッ?」

――ヴィラルがその命令に背くなどと、チミルフは想像だにしていなかった。

「……馬鹿か、貴様は。既にこの場に留まり、戦いを続ける意味はないのだ。
 ニンゲンどもを殲滅する役割は他の者が引き継ぐ。貴様には他にやるべき仕事が……!」

ドクン、と心臓が大きな音で一度鼓動を奏でたような気がした。
チミルフは口早にヴィラルを説得しようと試みた。
だが、彼自身は己がグアームのように弁の立つ獣人であるとは露ほどにも思っていない。
予想外の展開、慣れない役どころ。
歴戦の戦士として〝怒涛〟の二つ名を持つ漢であっても、動揺を完全に押し隠すことは不可能だった。


『チミルフ様、俺はあなたの言うように――バカです。大バカなのです。
 獣人としての任務を忘れ、奴と……ドモン・カッシュとの戦いをあろうことか〝楽しい〟とさえ感じている。
 それどころか、今のチミルフ様の言葉を聞いて、あなたが本当にチミルフ様なのかどうかを疑ってしまった。
 確かにここでチミルフ様の言葉に頷けば、俺達の願いは叶うでしょう。
 ですが、それでは、あまりにも…………口惜しいッ!』

そこまで言うと、ヴィラルは悔しげな表情を浮かべ拳を強く握り締めた。
だが、その螺旋の輝きを放つ瞳は口下手な男の意志を舌先以上に雄弁に語っていた。

戦いたい。

武人として、
獣人として、
男として――

それが散々苦渋を舐めさせられて来た雪辱を晴らす、という意味なのか。
もしくはヴィラル自身が導き出した「愛」という理想なのか。
金色の髪の男と女は互いの意志を再度確認し合うかのように、朗らかに笑った。
両者の間に結ばれた想いを、輝きを、チミルフは理解し得ることが出来ない。

『ここで……俺が、チミルフ様に背中を押して貰いたかったと……考えるのは贅沢なのでしょうか。
 戦士として、全力で目の前の敵を殲滅せよと――仰って頂きたかったのは俺の我がままなのでしょうか』

真摯な視線と歪のないハッキリとした語調でヴィラルは言った。
画面に小さなノイズが走る。
波のように揺れるモニターの向こうで、ヴィラルの瞳は真っ直ぐにチミルフを見つめていた。

それは戦いの中に自身の居場所を求め、戦場の空気を心の止まり木にする者の言葉だった。
誇り高き戦士といえど、戦場に一度足を踏み入れれば、胸は高鳴る。
単なる命のやり取りや生きるための手段ではない。
そこに矜持を、活路を、愉悦を――綺羅星のような光り輝く栄光を渇望する者の心からの叫びだった。


ヴィラルは、何を、言っているのだろう。

東方不敗・マスターアジアはルルーシュの下僕にされたチミルフを「駄犬」と称した。
もはや今の彼はかつて覚えた戦士としての高揚感など微塵も感じさせない木偶であると、大きな失望を寄せた。
自らの武でもってその信念を誇示しようとした姿は過去のモノ。
背中で語るべき同胞も、部下も、愛する人も既に彼の眼には映らない。

ヴィラルが尊敬して止まない「怒涛のチミルフ」は彼であって彼ではない。
同じ存在でありあがら、それは異なった多元宇宙に存在する何十何百何千何万何億何兆という分岐の中の一つの可能性に過ぎないのだ。
だが、彼は本来ならば何の縁もない男の前でも尊厳な戦士として振舞おうと心掛けた。
期待に、応えようとした――しかし、


『もちろん螺旋王の意志に背くつもりはこのヴィラル、毛頭ございません!
 ですが……今しばらくの猶予を頂きたい。
 決着を付けたい相手が……いえ、付けなければならない相手がまだこの場には居るのです!
 王の下に参るのは敵を駆逐したあと、必ずッ!』

結局、気が付けば今のチミルフは、ヴィラルの尊敬する「怒涛のチミルフ」の足元にも及ばない存在へと成り果てていた。

感覚的に、ヴィラルも彼へと違和感を覚えていたのだろう。
ルルーシュの「絶対遵守」のギアスは、対象にありとあらゆる命令を遂行させる能力を持つ。
それがたとえどんなに強固な信念を備えた人物であっても、完全な抵抗など不可能だ。

だが、本人は自身の変化に気付く事が出来ない。
主従書き換えのギアスは「武人」や「騎士」といった一人の人物に仕える人間のアイデンティティそのものを崩落させる。
たった一人の相手に己の全てを捧げるからこそ――彼らは尊く、気高い存在を保持出来るからだ。

『ヴィラルさんっ! もう……私ひとりじゃ……!』
『すまないっ、シャマル!! チミルフ様ッ、身勝手をお許しください』
「な、ヴィラ――!!」

ブヅッ、という太い糸が切れるような音と共に通信回線が途切れた。
再度、チミルフが回線を開こうとしてもあちらに応じる気配はない。


俺が、変わった?


ぼんやりと、チミルフは何も映さなくなったモニターを眺めた。

「くっ……」

直接、ヴィラル達の戦いに参戦し彼を説得すべきだろうか。
それとも、肩を並べてアルティメットガンダムとの戦いを援護でもすればいいのだろうか。

「……俺は何をすればいい」

煌々と光輝く天は星屑。
物悲しく鳴いている青白い月の光が心に軋轢をもたらす。
チミルフは血のように赤く染まった瞳を見開き、かぶりを振った。
間違ってなど、いない。
螺旋王ルルーシュの意志を叶えること――それが今の彼にとっての全てなのだから。

それでも、いつの間にか道を踏み外してしまったような気がするのはどうしてなのだろう。
応えてくれる相手はどこにもいなかった。
背後に控えた部下も、側で微笑んでくれる愛すべき人も、共に酒を飲み交わすような友も、気が付けば全て失っていた。
残されたものは王への忠義。もっとも大切で、重要な心。

何を、すればいい。何を、何を……!

疑念の鎖が心を縛り付ければつけるほど――戒めの「絶対遵守」は彼に王への忠信を強制する。
眼球の〝赤〟が更に色合いを増し、チミルフの心は塗り替えられる。


――――――お前の主君は螺旋王ではない、この私だ――――――


脳裏を縛り付ける強制の言葉。ラグナレクとの邂逅。
〝C〟という集合意識に囚われた者達と同等の運命の剣がチミルフの喉元には突き付けられていた。
そこに彼の意思が介在する余地はなく。
忠義が転じて、忠犬と成り果てた抜け殻がそこにあるだけ。


「イエス、ユア・マジェスティ(仰せのままに、我が王よ)」


己を確認するように、チミルフは忠誠の言葉を呟く。
頭の奥から囁くようなその声に、抗うことなど出来るはずもなくて。
武人は、いや武人〝だった〟男は心の中で膝を折るのみ。


星と月だけが嗤う世界で、彼は己が失ったものの大きさに気付ずにいた。



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