HAPPY END(3)◆ANI2to4ndE






(――ウヌウ?――)

 過去形になったのは、ガッシュの致命傷が瞬く間に癒えてしまったからである。
 激痛が引き、鈍痛が治まり、重苦も軽くなって、万全の状態へと戻る。
 折れていた骨が、再び接合し、血液の流れを正常に戻す。
 潰れていた内臓が、巻き戻したように再生される。
 裂けていた肌が、子供らしい玉肌に戻る。
 死を覚悟した心は、活力を取り戻す。
 復活する。

「こ、これは、いったい……?」

 わけもわからず、ガッシュは弾かれるように起き上がった。
 全身を見渡してみると、着衣やマントを含め、いたる箇所が新品同様に輝いている。
 試しに飛び跳ねてみても、まったく苦痛を感じず、体調もすこぶる良好だった。
 怪訝に思うガッシュだったが、ふと気づく。

 後ろを振り向くと、ガッシュの赤い本が、〝金色〟に輝く姿があった。
 本を持つねねねの表情は、驚嘆。
 自身、魔本の発光に原因を見い出せない様子で、呆然と口を開閉している。
 そんなときだ。

『不死者の再生能力をもってすれば、これくらい雑作もない……』

 どこからともなく、落ち着いた大人の風格を漂わせる声が響く。

『なんたって死なないからね! どんな傷もあっという間に全回復さ』

 続いて、同じ声が声色を変えて響いてきた。
 一転して無邪気な子供のように聞こえる声を、ガッシュの耳は覚えていた。
 まさか、そんなはずはない、とは思いながらも、つい振り向いてしまう。

 傍ら、声の発信源として立つ礼装の男児を見た。
 久方ぶりの顔ではにかんで見せ、ガッシュの顔を綻ばせる。
 死んだはずのチェスワフ・メイエルが、そこにいた。

『お久しぶり、だね!』

 チェスだけではない。彼の両肩に手を添え、姉のような微笑みを送るミリア・ハーヴェントの姿もあった。
 共に不死者という肩書きを持ち、死ぬはずがなかった船上で、運命に翻弄された二人が……いる。
 いつかと変わらぬ笑顔で、ガッシュに再会の言葉をかけ、頼もしく、温かく、包み込むように。

「チェス……ミリア……おぬしたち、いったいなぜ……!?」
『ピンチだったみたいだから、みんなで助けに来たのさ』

 嬉しさのあまり、勝手に涙が零れた。
 起こった事象の原因を究明する頭を、今のガッシュは持ち合わせてはいない。
 ただ、仲間との再会が喜悦を齎し思慮を鈍らせる。目の前の敵が健在であることすら、

『おっと、ガッシュ。君が戦うべき相手はまだピンピンしている。みんなを守るんだろう?』
『――だったら、力を貸すぜ』

 忘れそうになり、寸でのところで、高尚な男の声によって諭される。
 巨頭のように聳えるグレンラガンに顔を向けなおし、戦意を再燃させた表情で、睨み据えた。
 ガッシュの闘争心に感化され、ねねねも改めて、金色に輝く本を構える。
 そして唱えるのは、散っていった仲間たちの助力を受けての、新たなる術だ。


「シン・ガンズ・ブラックドッグ!!」


 ねねねの言霊を鍵とし、ガッシュの周囲一帯に、漆黒の猟犬が顕現する。
 影のように実態不確かなそれは、数にして六頭。
 おぞましい犬歯をむき出しにして、グレンラガンの巨躯へと一斉に飛び掛った。

 六頭の黒犬が、それぞれグレンラガンに牙を突きたてる。
 貼りつくようにしつこく、逃走を許さぬほどに粘り強く。
 ブラックドッグの異名を、その術技にまで浸透させ、グレンラガンの自由を奪う。

『喰らいついたら離すなよ、ガッシュ』
「ジェット!」

 ガッシュの傍らでは、顎鬚禿頭の巨漢が愛銃たるワルサーP99を構え、黒犬を使役していた。
 ジェット・ブラック。
 彼の放つ獣の弾丸は標的を狙い撃ち、一撃必殺に至らずとも、喰らいついたら決して逃がさない。

『あら、そう言う割には弾幕が薄いんじゃない?』

 グレンラガンが六頭の黒犬に噛みつかれている最中、それでは足りない、と女声が叱咤する。
 ガッシュと並び立つジェットの反対側、ヴィクトリア朝式メイド服を纏う魔導師の姿があった。


「シン・クロスファイアー……」


 ガッシュの周囲で、蛍火のような光球が舞う。
 魔力スフィアと呼ばれるエネルギー体は、小さくはあるが数は無尽蔵、続々と出現を為し、


「……シュート!!」



 未だ六頭の黒犬に絡まれるグレンラガンに、追い討ちをかけるように放たれた。
 数も相まって、機関銃のような勢いで叩き込まれる魔力スフィアに、グレンラガンはたたらを踏む。
 ガッシュの傍らでは、二丁の銃を構える船上メイド、ティアナ・ランスターがニッ、と微笑んでいた。

「チェス、ミリア、ジェット、それにティアナまで……おぬひたち、ひんだ、はずなのにぃ……」
『あーあー、泣くんじゃないわよガッシュ。いい男の子がみっともない』
『俺たち自身、驚いているがな。ま、最後のサプライズみたいなもんさ』
『ガッシュの想いが、奇跡を起こしたんだよきっと!』
『メークミラクルだね!』

 ガッシュを支えるように佇む、四人の故人たち。
 彼らは皆、宙に浮き、実体を持たず、淡い金色に包まれていた。
 幽霊という単語を想起させ、しかしガッシュは深くは考えない。
 こうやって、幾時間ぶりに会話をしていることが、なにより嬉しくてたまらなかった。
 その嬉しさに比べれば、謎など些細なものだ。

「……主人公のピンチに、死んだ仲間が駆けつけるって? はは……使い古された少年漫画の展開じゃん」

 金色の霊体は、金色の魔本を携えるねねねの目にも映っているのだろう。
 不可思議な現象に思わず失笑が零れ、しかしそれらを否定する気は一切ない。
 作家にとって、ご都合主義は嫌悪すべき概念であり、心強くもある切り札だった。

「いいネ。すごくいい。クライマックスにはこういう展開もアリってことね。ガッシュ、続けていくよ!」
「ウヌウ!!」

 現パートナーであるねねねも戦意を取り戻し、勇みよくガッシュに再動を促した。
 グレンラガンはまだ撃破したわけではない。反撃は加えたが、依然健在のままだ。
 だからこそ、ガッシュの本を包む金色は、一層輝きを増す。


「シン・ノーベル・フラフープ!!」


 ガッシュの指先に光が灯る。空を切るように輪を描くと、光の軌跡は徐々に拡大し、巨大なわっか状の光線と化した。
 ガッシュは指先を軽く振り、一回転、二回転、三回転、十分に遠心力をつけ、解き放つ。
 新体操に用いられるような光のフラフープは、輪投げの要領で頭からグレンラガンに嵌り、途端に縮小。
 ジェットの銃とティアナの魔法による弾幕がやんだ瞬間、矢継ぎ早の連撃としてその巨躯を縛り付ける。

『上手い上手い! ガッシュ、結構こっちの才能もあるよ!』
「ウヌウ! アレンビーも手を貸してくれるのだな!?」
『もっちろん! さあ、みんなで倒すよ、あのデカブツ!』
『――んじゃま、夫婦初の共同作業といきましょうか。俺の愛しのアレンビー』

 ガッシュの傍らに現れた新たな助っ人は、一人の少女と一羽の鳥。
 ピッチリとしたレオタードは本物の新体操選手を思わせ、人語を発する黒い鳥はやたらとキザっぽい。
 そんな二人のやり取りが、懐かしく。ガッシュはうれし涙を溜めながら、アレンビー・ビアズリーとキールに感謝した。

『役立たずの相棒はどっかでおねんねしてるみてーだしなぁ! ここはいっちょ、俺たちが……』
「ウヌウ! ジンからおいしいところを掻っ攫うわけだな、キール!」
『そーゆーこと。派手にいくぜご両人! LOVEなら俺とアレンビーだって負けちゃいないってね!』

 キールが金色を纏いながら羽ばたき、ガッシュの右腕に縋りつく。
 全身を撓らせ、篭手のような形態で絡みつくと、大きく開けたくちばしをグレンラガンへと向けた。
 フラフープに身を拘束されているグレンラガンは、この瞬間のみ単なる木偶の坊と化す。
 銃口となったくちばしが標的を狙い撃つには、十分な条件が整った。


「シン・キール・ロワイヤル!!」


 ガッシュの右腕、キールのくちばしから、金色の光線が放たれた。
 その輝きはグレンラガンから溢れ出る碧と桃の色を埋め尽くし、天空を金一色に染め上げる。
 さしもの巨体も直立不動とはいかず、放たれた金色の奔流に一歩、また一歩と後退を余儀なくされる。

「ヌゥォオオオオオオオオオオ!!」

 力の解放は続き、衰えるどころか火勢を増して、ついにはグレンラガンの装甲を削ぐに至った。
 光線の放出が終わると同時、キールはガッシュの右腕から飛び立ち、グレンラガンの惨状を見て不満げにごちた。

『しぶてーねぇ。あれだけくらってまだ壊れないなんて』
『あっちもそれだけ必死ってことでしょ。ほらガッシュ! 今度はあっちから攻めてきたよ!』

 鉄壁を誇っていたグレンラガンが、ここにきて守勢を強いられていた。
 そんな戦況を覆さんと、今度はグレンラガンのほうから、攻勢に出るため踏み込んでくる。
 超重の歩みが地響きを生み、愚直な突進にガッシュは一瞬、対処法を悩んだ。
 術で迎え撃つか、回避すべきか、決断を迫られる間際、

『引くなガッシュ! 真正面から投げ飛ばせ!!』
「――!」

 渋みのある男声に促され、自然と足は前へ出た。
 駆け込んでくるグレンラガンに真っ向から対するため、ガッシュもまた走る。
 衝突の瞬間、


「シン・ラウザルク!!」


 上空に現れた灰色の雲より、ガッシュに雷が落ちる。
 狙いすましたような落雷は、しかし天災ではない。
 構わず、ガッシュはグレンラガンのつま先を掴み、

「ヌゥ……」

 そのまま持ち上げ、突進の勢いを殺した。
 地から足が離れ、バランスを崩したグレンラガンの比重を、小柄なガッシュが抱えきる。
 ぐらっ、と大地が震え、巨体が宙に浮いた。

「……おぉおおおおおおおおおおおお……」

 両腕で抱えたグレンラガンのつま先を支点に、激震。
 ぐらん、ぐらん、とグレンラガンがやじろべえのように揺れ、ガッシュはそれを身動き不可能と見るや否や、

「……おおおらあああっしゃああああああああ!!」

 柔道における一本背負いの要領で、豪快に投げ飛ばした。
 自身の何倍もの体格を、法則すら無視して地にたたきつける。
 下敷きになった建築物は軒並み倒壊し、グレンラガンは残骸に沈んだ。

『剣持勇直伝の一本背負い! 上出来だガッシュ。なかなか筋がいいぞ』
「ウヌウ……まったく重みを感じなかったのだ。すごい、すごいぞ勇!」

 こげ茶色のスーツを着た年配の刑事が、ガッシュと万歳三唱する。
 自身、ヴィラルに同じ技をかけた経験があり、ガッシュとは夢を語り合った仲である、剣持勇だ。

『っと、気を抜くなよガッシュ。奴さん、まだやる気満々みてぇだぜ』
「ウム。皆が力を貸してくれる……私とて、まだまだやれるのだ!!」

 続々と駆けつけてくる仲間たちの魂に、ガッシュの戦意は鼓舞され、戦闘続行の原動力となる。
 装甲を損傷し、地面に勢いよく激突したグレンラガンも、大破には至っていない。
 悠然とした動作で起き上がり、二本の足で屹立してみせる。
 その巨大さゆえ緩慢なグレンラガンの立て直しを、〝地獄の傀儡師〟は行儀よく待ったりはしない。


「シン・サスペリア・バルカディオン!!」


 グレンラガンが起き上がった瞬間を狙い、矢継ぎ早に仕掛ける。
 唱えた術の効果はグレンラガンの周囲、取り囲むように出現した二種七体の人形の姿で反映される。

 ティアナと同じようなヴィクトリア朝式メイド服姿のドールが三体、包丁を握っていた。
 スティックタイプのお菓子の箱を胴とし、割り箸を手足とした不細工な工作が四体、漂うのみ。

 それら七体が皆人間大の大きさを持ち、、グレンラガンを幻惑するように周囲を旋回。
 ときには包丁で襲い掛かり、ときには口からミサイルを発射し、ときにはお茶を零し、ときには口をパカパカと開け閉めし、翻弄する。
 四体のメイド人形と四体のバルカン300を操るのは、人形繰りの技巧に長けた犯罪芸術家、高遠遙一だ。

『安易な横文字は好きではありませんのでね……タイトルをつけるならば、〝地獄の人形劇〟とでもいったところでしょうか』
「ウヌウ! ティアナとバルカンが踊っているようなのだ! すごいのだ!」

 人形劇とはよく言ったもので、グレンラガンは悪い魔女、人形たちは七人の小人を連想させた。
 それでいて術としての性能も抜群に発揮できており、見るものに楽しさを与える点が、奇術師としての創意工夫の結果でもある。
 ガッシュは爛々と眼を輝かせ、グレンラガンは鬱陶しそうに腕を振り回し、高遠は鷹揚に微笑んでみせた。


「シン・レード・ザ・ペーパー!!」


 地獄の人形劇が繰り広げられる中、舞台上、グレンラガンを包囲するように紙吹雪が舞った。
 一枚一枚が国旗のように大きく、それでいて鉄板のように硬質化している。
 まるで意志を持ったように飛び回る紙がグレンラガンの装甲に触れると、一閃の傷が走った。
 それが無数、接触するたびにグレンラガンを切りつけていく。
 グレンラガンの周りを、さながらミキサーのように、轟然と紙が踊り狂う。

「ウヌウ、これはいったい誰の術なのだ?」

 見覚えのない技にガッシュがいぶかしみ、術を唱えたねねねのほうへ目を向けた。
 そして、彼女の左右に浮かぶ〝紙〟を構えた女性と女の子を見て、すぐさま理解する。
 ガッシュだけではない。ガッシュと共に戦っている友――菫川ねねねにも、心強い仲間がいたのだ。

『書きましょう、先生。その本には、まだまだ加筆できる部分が残っているんですから』
『本で戦う作家なんて、紙使いよりよっぽど変。けど、ここ一番なんだから踏ん張ってよね』
「安心すれ。気合とか、根性とか、そういうのは作家の専売特許だってーの」

 絶望に暮れていたねねねはすっかり元の調子を取り戻し、歯を覗かせて笑っていた。
 読子・リードマンとアニタ・キング、二人の紙使いに励まされながら、心の力の放出を続ける。

『気合と根性……ですか。それなら、刑事を務める私とて得意とする分野です。なにせロスでは――』
『オッス! それならわたしだって負けてないッス!』
『おいおい私を誰だと思ってるんだ? 無敵のパルコ・フォルゴレだぜっ!?』
「だー! あんたら三人はなんのために出てきた!?」

 かと思えば、ここぞとばかりに新たな立会人が三名、ねねねを激励しに馳せ参じる。
 クラシックなスーツを着こなす眼鏡の男性と、体操着にブルマ姿の女児、そしてイタリアの英雄パルコ・フォルゴレだった。
 やんややんやと騒ぎ立てる三人は、やはりねねねにも縁深い者たちなのだろう。
 ガッシュも思わず、笑顔をほころばせる……なにはともあれ。
 後ろで術を唱えてくれるパートナーと、彼女を支える仲間たちに、ガッシュは安堵を覚え――Vの体勢を取った。

「う、ウヌウ!?」
『ウヌウ、ではぬわぁ~い! Vの体勢を維持せよ、ガッーシュ!!」

 両腕を空に向かってピンと伸ばし、足は爪先立ち。
 体のラインでアルファベットの『V』を形作り、ピタリと停止。

『荘厳回転(グロリアスレヴォリューション)3・6・0(スリー・シックス・オー)……』

 グレンラガンの周囲を覆っていたメイド、バルカン300、硬質化した紙が次々と回転しだし、
 華麗なるVの最強術を放つための条件が整った。


「シン・チャーグル・イミスドン!!」


 三百六十度回転を続ける人形と紙から、V状の光線が一斉放射される。
 一つは天に向かって雲を突き、一つは地に向かって路面を穿ち、多くはグレンラガンに向かって、装甲を破壊していった。
 広範囲高威力ながら、命中率もなにもあったものではない無造作で乱雑な攻撃は、ガッシュにVの体勢を指示するビクトリームによるものである。

『ぬぅわぁーっはっはっは! 見たかアホタレめぇ!! 生前見せられなかった華麗なるビクトリーム様の本領発揮よぉ』
「ウヌ……ビクトリームまで来てくれたのだな」
『あたぼうよガッシュ。なんてったって君と僕はマブダチじゃあん?』
「うっ、ウヌ……ウヌウ?」

 思わぬ助っ人に半ば困惑するガッシュだったが、この攻撃が決定打となった。
 Vの光線がやみ、人形や紙も消え、後に残ったのはボロボロの外観を纏うグレンラガンだけとなる。
 火花を散らす裂傷、歪み拉げた装甲、熱で溶解し始める四肢、焼き切れた計器を示す煙。
 もはや、ここの状態から挽回してくるはずもあるまい、と一瞬思うが、すぐに首を振る。

 初手としてバオウ・ザケルガを決めた際の再生能力。
 あれを視野に入れれば、やはり完全破壊を見届けなければ勝ち鬨をあげる気にはなれない。
 駆動もやっとといった様子のグレンラガンに、ガッシュは気を引き締めなおし、右腕を振り上げた。

『そうだ……やるのなら、もっと徹底しろ』

 ガッシュの背後に、褐色肌の傷面が立つ。
 仰々しい刺青を彫った右腕が、ガッシュの振り上げた右腕とシンクロし、


「シン・スカー・クロウ・ディスグルグ!!」


 ガッシュの背後の傷の男(スカー)、そのさらに背後……浅黒い肌色を纏った巨大な右手が、具現化した。
 その右手はスカーの動きに、ひいてはガッシュの動きに合わせ、グレンラガンを掌握せんと放たれる。
 ほぼ同一の大きさを誇るそれは、グレンラガンの巨躯を強く握り締め、瞬間、閃光が迸った。
 破壊を告げる錬成反応。掌の中のグレンラガンは、巨大な掌の握力と分解効果に襲われ、ついに大破した。

「う、ウヌウ……容赦がないのだ……」
『容赦はしなくて正解だ。ガッシュ。もう、誰も死なせるな』
「……ウム。わかったのだ、スカー」

 慌しくも、死亡直後に駆けつけて来てくれたスカーの魂。
 自身が不甲斐ないばかりに守れなかった仲間の想いを、ガッシュが受け継ぐ。

 スカーの術によって大破したグレンラガンは、爆発こそしていないものの、既に満身創痍を越えた損傷度合いだ。
 胸部のサングラスは粉々に砕け、両腕部は肩口からもげ、脚部はどうにか無事なために、転倒だけは免れている状態である。

『だけど油断しないで。シモンのグレンラガンは、頭のラガンさえ無事なら、まだ復活する可能性があります』

 そう、助言を届けにやって来たのは、グレンラガンというガンメンを人並み以上によく知る少女、ニアだった。
 ガッシュの肩に手を添えながら、エメラルドグリーンの輝きを纏った眼差しを向ける。

「ニア。私は……もう、誰にも死んでほしくはない。守りたいのだ。ねねねやジンを、みんなを、みんなで螺旋王を倒すのだ!」
『思いは一緒よ、ガッシュ。シモンやヨーコさんも、ここにはいないカミナさんも……そう、あなたのパートナーだって』

 ガッシュの肩に添えられたニアの手が、そっと離れる。
 代わりに、ニアのものよりは大きい、武骨な手が乗せられた。
 魔界の王を決める戦いの参加資格にして武器たる本を、掴んで離さず。
 どんな衝撃を受けようともページを開き、敵に渡しはしなかった強固な手。
 触れただけでも心強い、絆の握力を肩幅に感じる。
 振り返らずとも、ガッシュは最高のパートナーの存在を察知した。

『……よく。よく頑張ったな、ガッシュ』
「いいや……まだ終わってはいないのだ、清麿」

 賛辞にはまだ早い、とガッシュは確固たる意志で敵を睨み据える。
 紫電の眼差しは魔界の王子として、最後の関門を射竦める。
 傍らの親友、高嶺清麿は友の成長を鑑み、フッと微笑んだ。

『そうだな。まだ終わっちゃいない。俺たちの戦いは、まだまだ続くんだ』
「ウヌウ。そのためにも、ヴィラルとシャマルはここで倒す! ……しかし清麿、私の本のあの輝きは、いったいどうしてしまったのだ?」
『俺にもよくわからんが、あの本を通じて映像が見えたんだ。死んだはずの俺たちに、危機に立ち向かうガッシュたちの姿が送られてきた』
『ここにいるみんなはそれを見て、ガッシュの助けになりたいと思い駆けつけてきたんです』

 清麿とニアが、ガッシュを支えるように寄添う。
 その後ろには、金色に輝く本を携えたねねねと、読子とアニタの姿が。
 さらにチェスやミリア、ティアナ、ジェット、アレンビー、キール、剣持、高遠、ビクトリーム、スカー……志を同じくする仲間たちが、一同に会していた。

『さあガッシュ。グレンラガンを倒すために、最後の術を。私やシモンの、大グレン団のみんなの力、受け取って』
『イメージするのはバリーの術だ。グレンラガンにも負けないような特大のドリルで……天を突け、ガッシュ!!』
「おぉおおおッ!!」

 皆に支えられて、ガッシュはここに立っている。
 親に捨てられ、世知辛く暮らしてきた幼少時代。
 そのときの記憶すら失っての、闘争への強制参加。
 けれど得られたものは大きく、ガッシュは立派に成長した。
 自身をここまで導いてくれた全てのものに感謝し、応えるために。
 ガッシュは、右腕を天高く掲げ――今、最後の術を発動する。


「シン・ドルザケル――ッ!!」


 ねねねの持つ魔本が、オーロラのように眩く、鮮明な輝きを発する。
 螺旋力を象徴する碧と、ガッシュを象徴する金色、書本来の色である赤、混じって合わさる煌き。
 宿した心の力はねねね一人のものではない、多くの仲間から授かった力、容量は底なしの無尽蔵。

 ガッシュの右腕を包む雷撃の塵が、逆巻き渦となる。
 それは空に昇っていくにつれ先端を鋭く研磨し、螺旋を形成する。
 グレンラガンのギガドリルブレイクにも匹敵する、巨大な電撃のドリル。
 旋回とともに迸る閃光は、雲を裂き、天蓋を穿ち、月まで届いて螺旋の王に脅威を届ける。

 これが、決着の一撃だ。

『……ガッシュ。最後に一つだけ確認したい』
「ウヌ、なんなのだ清麿?」
『おまえの居場所は、ここにあるのか?』

 矛を向ける間際、清麿がガッシュに問うた、意味深長な一言。
 ガッシュは深くは考えず、心で理解し、質問に答える。

「ウヌウ! なにを言っているのだ清麿。私の居場所はここにある。ここ以外のどこにもありはしない。
 ヴィラルとシャマルを倒し、皆を守り、螺旋王を玉座から引き摺り下ろし、元の世界に帰って、また王を目指すのだ。
 いや……目指すのではない。私は、王になる。ねねねが力を貸してくれる。皆をしあわせにする、王に。
 聞いてくれ清麿。清麿がいなくなっても、私は戦えるのだ。大きな声で、自分の夢を叫ぶことができるのだ」

 ガッシュは大きく息を吸い込み、全世界に響き渡るように宣誓する。


「私は――やさしい王様になるのだぁああああああああああああッ!!」


 力一杯の叫びが、仲間たちの胸に届く。
 清麿は、ただ笑った。
 共に覇業を駆け抜けた、かつての戦友として。

 ガッシュの勇ましさを嬉しく思い、彼の頭をわしゃわしゃと撫で回す。

『それでこそガッシュだ! なら問題はねぇ……おまえは、〝この世界〟で王になる! 絶対にな!』
「ウヌウ! 絶対なのだ! だからいくぞ清麿! この一撃で――」

 ガッシュは決着の一撃、雷撃のドリルを、グレンラガンに放つ。
 悲願の成就、闘争の終焉、誰もがしあわせに暮らせる未来を目指して――。


 ……そんな、お話。


 願いは空に、遠い遠い宇宙の裏側にまで届く。
 望んだのは現実としての幸福、それがまやかしだと気づかなければ。


 走り抜けてきた過去は、決して無駄ではないはずだから。
 馬追い声のように響く騒がしき後方は、振り返らない。
 灯台の如きゆらめきへ一目散、前へ、愚直なほど前へ。


 こうだったらいいのに……という、拙く儚い想い。
 れっきとした現実には違いないが、現実とは違う場所。
 はじめて味わう極上の形に酔いしれて、永遠に気づかず。
 全ての艱難辛苦から逃れ、脱落者として目を背けた隔離世。
 部分的にでも違和感を覚えたのなら、あるいはどうだろうか。
 夢には違いない。それでも、命の風鈴は音を奏でることをやめ。


 死の間際に見た安楽の名前は――あるいは、多元宇宙迷宮と呼ばれる幸せの形なのかもしれない。



「――戦士の旅立ちだ。しばしの間だけ、時間をくれてやる――」

 人が見る夢は儚いものだと、誰かが呟いた。
 詩人でもなく、歌人でもなく、絶望を知った者の嘆きである。
 夢は叶う。夢は叶えるもの。夢を叶えるために、人は頑張る。
 ただ、夢は叶わずして潰える場合もある。悲しい事実として。

 少女の頃から作家になりたいと願い、見事夢を叶えてみせた菫川ねねねは、思い知る。

 夢は、潰えるのだ。

 ここでは、ひとつ。純粋無垢な少年の、年相応な願いと、不相応な志が、一挙に。

 夢は、潰えたのだ。

 ガッシュ・ベルの、王になりたいという願いは、もう――。

「あ、ああ……」

 ドリルという名の矛を収めたグレンラガンが、見下ろす。
 頭部と胸部、二つの顔で崩れ落ちるねねねを、見下ろす。
 ヴィラルとシャマルは黙して表情を隠し、ただ見下ろす。

 ねねねの目の前には、無残な子供の体がひとつ、横たわっていた。
 グレンラガンのドリルを受け止めるも、そこで力尽き、直後の攻撃に耐えられなかったガッシュ・ベルのなれの果てである。

 本来の体の頑丈さもあって、まだ人の形は保てていた。
 だが、全身各所からは骨が飛び出て、間接は逆方向に曲がり、肌の色は血に染まった赤で満たされている。
 顔つきは、明らかな死人の形相。微かに聞こえる荒い呼気が、まだ辛うじて存命しているという事実を知らせていた。

「がっ……あぁ……」

 潰えようとしている命に、ねねねは語りかけるべき言葉を見失う。
 辺りを見渡してみれば、破壊の名残の他に、無数の物品が転がっていた。
 ビチビチと跳ねるブリ、墓標のように突き刺さる扇、容器から零れた薬剤に、潰れたバルカン300。
 ガッシュの所持していた荷物が散乱しており、しかしその中に彼の命を助ける万能薬に等しき道具は存在しない。

 いや、あるいは――と思い立ち、ねねねはすぐ近くにあったジッポライターを拾い上げる。
 剣持勇の遺品となってしまったそれを使い、ガッシュの赤い本を燃やそうと試みた。
 本が燃えてしまえば、魔界の王を決める戦いからは脱落し、生きたまま魔界に強制送還される。
 そんなルールを聞き覚えていたからこその行動だったが、結果は知識とは食い違った。

(燃えろ……)

 赤い本にいくら着火しようとも、焦げ一つつかない。
 火力が不足しているわけではなく、熱がまるで伝わらないのだ。
 ライターの火種を近づけようとしても、手が寸でのところで止まってしまう。

(燃えない……なんで……どうして……)

 これだけが、ガッシュを救える唯一の手段であると信じていたのに。
 燃えない紙など話と違う……とねねねは悲観に暮れ、思い出す。
 ある種、魔物のパートナーを務める上では重要な事項を、失念していた。

(魔物とそのパートナーは……自分で自分の本を燃やすことが、できない)

 清麿やガッシュから聞き及んでいた予備知識は、追い風となってねねねの闇を深くする。
 魔界の王を決める戦いは厳正かつ過酷、白旗を揚げることは許されないのだ。
 心根のやさしい魔物でも、闘争に参加しなければならないように、制約を設けられていた。

(……ッ! 知るか……そんなの、そんなの知ったこっちゃない!)

 そんなルールは、この世界では適用されない。
 ねねねはガッシュの本来のパートナーではなく、代理人なのだから。
 そう都合よくルールが捻じ曲げられていれば、どれだけ楽だったろうか。

(燃えろ……燃えろ……本……燃えて……)

 作家である自分が、本を焼却することにここまで躍起になっている。
 おかしな違和感を覚え、それでもねねねはライターを本に押し付けた。
 ライターを押し当てる手は熱気を帯び、しかし火傷など恐れず、がむしゃらに。

(螺旋力でもなんでもいい……理屈じゃないんだろ……気合でどうにかなるんだろ!)

 自分の愚かな願望を、肯定してくれる声がほしい。
 ただ一つの命を救いたい、そのために道理を蹴っ飛ばすだけの気合がほしい。
 気合なら負けていない、根性なら負けていない、やってやるという意志は――。

(……………………誰かっ!!)

 結局、本を燃やせない、ガッシュを救えないという結論を叩きつけられ……折れる。
 何度も点火を繰り返すうちに、親指の皮が剥け、痺れる。
 ライターが手からぽろっと零れ、拾えない。

(誰か……誰かこの本を燃やして――――っ!)

 ねねねは、声なく願った――そうこうしている内に、
 ガッシュの口から奏でられる擦れた空気の音は消え、

「…………っ…………ぁ…………――――――――」

 音とも声とも識別できない呻きの後、完全に沈黙。
 微かに脈動を続けていた心臓も、停止。
 ガッシュは、絶命した。

「――――っ!!」

 ねねねは、嘆きの絶叫も、悲しみの嗚咽も出せず、歯を食いしばった。
 涙で頬を濡らし、眼鏡を鼻先までズラしてなお直そうとはせず、死に絶えたガッシュを見つめ続ける。
 くしゃくしゃになって、泣き崩れようともせず。そんなことが無駄であることは、大いに思い知ってしまっていたから。

 ねねねの眼前には、未だ健在のグレンラガンが聳え立っている。
 もう、なにをやっても無駄だと悟った。
 潰えたのは夢だけではない。命も、希望も――意地さえも。
 なにもかもがドリルに打ち砕かれて、粉として舞う。

 だからこそ――ねねねは、静かにそのときを待った。

 グレンラガンを操る二人の男女は、そんな弱者の諦観を重んじはしない。
 敵はあくまでも敵として。愛の障害を滅ぼさんと、拳を振り上げる。
 大仰な技や武器はいらない。今のねねねに抗う術などないのだから。
 終わりを迎えよう。なにもかも捨て去って、今日に沈もう。
 そして、グレンラガンの拳が振り下ろされた。

「超級……覇王……ッ!」

 その鉄槌がねねねに下される、わずかの間。
 グレンラガンの頭部目掛けて、竜巻状のなにかが飛来する。

「……電影だぁあああああああああああああん!!」

 その竜巻は、捻りを加えた回転が大気を巻き込む様。
 その竜巻は、単純に名を与えるだけならば突撃の二文字で事足りる。
 その竜巻は、だからこそグレンラガンの巨体を揺るがす。
 流派東方不敗が奥義、超級覇王電影弾でもって、男は戦闘に介入した。

 不意の攻撃をこめかみの辺りに受け、グレンラガンが揺れる。
 ねねねを潰さんとしていた拳は寸前で停止、引き戻される。
 体勢を立て直したグレンラガンの視点は、もうねねねには向いていなかった。
 唐突に現れた、鉢巻きの武闘家。
 ヴィラルもシャマルも面識はあるものの、ねねねの一味とは認識していなかった新たなる敵。

「ヴィラル! シャマル!」

 グレンラガンに一撃を与え大地に降り立ち、間髪入れず敵対者を名指しするその男。
 ねねねたちとは別働班、作戦が狂った際のメンテナーとして準備していた、その男。
 ――ドモン・カッシュ。

「俺はおまえたちが愛し合う仲だと認め、だからこそ頼む!」

 いきなりの先制は、ねねねの窮地を救うためのものにすぎない。
 彼は格闘家であり、だからこそ不意打ちなどといった戦法も好まない。
 如何な外道、如何な関門とて、その身一つで打ち破ってこそのガンダムファイターだ。

「一対一だ――俺を、追って来い!」

 ドモンの思惑はいったいなんなのか、ヴィラルとシャマルにそう言いつけ、この場より走り去ってしまった。

 取り残されたねねねは、ドモンに声をかける暇も与えられず、再び一人となる。
 ドモンが介入したところで、変わらない。絶望の再開だ。

 しかしグレンラガンは、ねねねに再び拳を振るおうとはせず、歩み出した。
 ドモンが走り去っていった方角に、ねねねには一瞥もくれることなく、追撃を開始する。
 ねねねはその為様を、呆然と見送った。物言わなくなったガッシュの亡骸を抱えながら。

「……おねーさん」

 やがてねねねのもとに、姿を消していたジンが現れた。
 着古した黄色のコートをさらにボロボロにし、よろめいた足取りで近寄ってくる。
 今までどこでなにをしていた、と咎めることはできない。ジンとて、それなりの深手を負っているのだろう。
 虚ろな目を向けるねねねに、ジンは気を失っていたところをドモンに助けてもらったと証言した。
 即死しなかっただけ儲けものだ、といつもの軽口に、しかし笑みは纏わない。
 ねねねにかける言葉はなく、ただガッシュを抱き、黙る。

「ドモンが来てくれなかったら、ヤバかった……いや、もう事態はヤバイなんてレベルをとうに超えちまってる」

 スカーが死に、ガッシュも死んだ。
 これ以上の絶望が、あるとでもいうのだろうか。

「それでも、だ。菫川ねねねと王ドロボウは生き永らえた」

 残った事実を、ジンは告げる。
 だから――?
 そう、ねねねは問いたかった。
 でも今は、喋る気力も失せてしまっている。

「これを、どう受け取る――?」

 ジンの問いかけに答えを用意するのは愚か、頭で考えることすらできはしない。
 強く、強く……壊してしまいそうなくらい、強く。
 ガッシュを抱いて離さぬことで、ねねねはジンに応えた。


 駆けつけてすぐに、ジャンクのように投棄されていたジンを発見した。
 重傷ではあったが、瀕死まではいかず、意識もあれば体もちゃんと動いた。
 ドモンはジンに事のあらましを聞き、スカーが死んだことも知った。

 ――男は走る。誇りを捨てろ、魂を売れ、悪魔になれという囁きを受けて。

「なにがガンダムファイターだ。なにがキング・オブ・ハートだ」

 脅威とは思っていたが、彼らの愛がこうも容易く仲間の命を絶つとは、思わなかった。
 スカーの死を嘆き、遅れを取った自身の不甲斐なさを戒め、だからこそ闘争心が湧いた。
 もう誰も死なせはしないと、そう決意した矢先に、死に絶えたガッシュと死の間際にあったねねねを発見した。

 ――男は駆ける。力を欲しながら、欲望の目的を考えながら、ただひたすらに。

「スカーが死に、ガッシュも死んだ。俺たちは、屈するしかないのか?」

 犠牲者は二名、勇猛果敢な二人の士が命を落とした。
 彼らに対し、ドモンがしてやれることは追悼でも仇討ちでもない。
 想いを継いでの、計画の成功――元の世界へ、生きて帰ることだ。

 ――男は目指す。選択の間へ、懊悩と熟考を繰り返しながら、しかし本能の導くままに。

「……ふざけるな!」

 猛りに合わせた怒声が、熱気に満ちた空気を劈いた。
 疾駆する足は、焦熱を帯び、追跡者を突き放す。
 逃走に徹しているこの状況を悔しく思い、舌を打つ。
 愛を知る者として、ここにはいない伴侶を思いもした。
 彼と彼女の愛を真っ向から受け止めるには、役不足だ。
 仲間を守るにも、戦闘欲を満たすにも、己では役不足だ。

「俺は――悪魔には屈しない! この拳で、必ずや勝利を掴んでやるッ!!」

 そして、ドモン・カッシュはその空間に辿り着いた。
 好敵手を引きつけた先、自身が悪魔と称す力に縋るため。
 否――仲間のために、己のために、約束された勝利をこの手に掴み取るために。



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285:HAPPY END(2) ヴィラル 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) シャマル 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) スカー(傷の男) 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) ガッシュ・ベル 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) 菫川ねねね 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) ジン 285:HAPPY END(4)
282:愛に時間をⅣ ドモン・カッシュ 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) 東方不敗 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) チミルフ 285:HAPPY END(4)
285:HAPPY END(2) 不動のグアーム 285:HAPPY END(4)





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