散り行く者への子守唄 ◆Wf0eUCE.vg
不死の少女を消し去り、世界を一色に染め上げた光が消える。
同時に、紅蓮を放った白銀の竜はその役目を終え静かにその姿を隠した。
そして、残ったのは戦場の名残。
目に映るのは、削り穿たれた大地。
鼻をつくのは、焼け焦げた風の匂い。
耳を打つのは、先の乱戦が嘘のような静寂。
そして、その中心には力なく横たわる赤毛の少女一人。
残された者たちが見守る中、少女が今静かにその息を引き取ろうとしていた。
同時に、紅蓮を放った白銀の竜はその役目を終え静かにその姿を隠した。
そして、残ったのは戦場の名残。
目に映るのは、削り穿たれた大地。
鼻をつくのは、焼け焦げた風の匂い。
耳を打つのは、先の乱戦が嘘のような静寂。
そして、その中心には力なく横たわる赤毛の少女一人。
残された者たちが見守る中、少女が今静かにその息を引き取ろうとしていた。
その光景に、取り残された者たちは語るべき言葉を持たず。
ただ心中で失われしモノたちに想いを馳せる。
ただ心中で失われしモノたちに想いを馳せる。
鴇羽舞衣は自らの手で奪ったモノ、失われたモノの重みを噛み締め。
スパイク・スピーゲルは何もできなかった、自身の不甲斐なさに歯噛みし。
小早川ゆたかは度重なる喪失に心揺れながらも、強い決意でそれを堪えた。
誰も動かず、時が止まってしまったように沈黙する世界。
それを打ち破り動き始めたのは、横たわる赤毛の少女と最後に言葉を交わした金色の王だった。
スパイク・スピーゲルは何もできなかった、自身の不甲斐なさに歯噛みし。
小早川ゆたかは度重なる喪失に心揺れながらも、強い決意でそれを堪えた。
誰も動かず、時が止まってしまったように沈黙する世界。
それを打ち破り動き始めたのは、横たわる赤毛の少女と最後に言葉を交わした金色の王だった。
ギルガメッシュは横たわる結城奈緒が完全にこと切れたのを見届けると、それまで向けていた視線を少女から外し周囲に向けた。
そして辺りをぐるりと一瞥し何かに気づいたのか、紅蓮の相貌を僅かに細める。
そして辺りをぐるりと一瞥し何かに気づいたのか、紅蓮の相貌を僅かに細める。
「ん? 王ドロボウの姿が見えんな。それに、あの小娘が持っていた我の財も見当たらん。
ヤツめ……まったく、手間をかける。
王ドロボウはともかく我の財はこの手に納めておかなければならん。致し方あるまい、迎えに出るか」
ヤツめ……まったく、手間をかける。
王ドロボウはともかく我の財はこの手に納めておかなければならん。致し方あるまい、迎えに出るか」
言って、心から面倒だと言わんばかりの態度で溜息を一つ。
そのままギルガメッシュは何の未練もない足取りで、歩を前へと進めた。
そのままギルガメッシュは何の未練もない足取りで、歩を前へと進めた。
■鴇羽舞衣―――――――――想い
「――――ま、待って」
だが、ギルガメッシュが踏み出した直後、その背後に静止の声がかけられる。
少女の呼びかけに動きを止めた王は振り返りもせず、声の方向に視線だけで応えた。
王の双眸に捕らえられたのは、巨竜を召喚せしめ、不死者を殺した少女、鴇羽舞衣の姿だった。
茜色の髪をした少女を射抜くのは驚くほど冷たい真紅の瞳。
その瞳に捉えられただけで、全身が凍てついてしまいそう。
少女の呼びかけに動きを止めた王は振り返りもせず、声の方向に視線だけで応えた。
王の双眸に捕らえられたのは、巨竜を召喚せしめ、不死者を殺した少女、鴇羽舞衣の姿だった。
茜色の髪をした少女を射抜くのは驚くほど冷たい真紅の瞳。
その瞳に捉えられただけで、全身が凍てついてしまいそう。
「奈緒ちゃんを……このままにしておくつもり?」
極寒の視線にも負けず舞衣はハッキリとそう告げた。
その舞衣が見つめる先には、先の戦いにおいて力尽き物言わず力なく横たわる少女。
舞衣にとっては同じHiMEという運命を背負わされた戦友でもある。
野晒しのまま、自身の生み出した血だまりに沈む姿はあまりにも哀れだ。
その舞衣が見つめる先には、先の戦いにおいて力尽き物言わず力なく横たわる少女。
舞衣にとっては同じHiMEという運命を背負わされた戦友でもある。
野晒しのまま、自身の生み出した血だまりに沈む姿はあまりにも哀れだ。
「そうだが、それがどうした?」
事も無げに放たれたその答え。
舞衣を見つめる瞳と同じくにべもない。
あまりに冷たいその答えを聞き、舞衣は信じられないようなモノを見る目で男を詰めた。
舞衣は奈緒とギルガメッシュがどんな関係だったのかは知らない。
けれど、ギルガメッシュについて語っていた奈緒からは温かみのようなものが確かに感じられた。
だというのに、この男の態度からはそういった感情が一切見て取れない。
そう思えば、自然と奥底から怒りのような感情が湧きあがってきた。
舞衣を見つめる瞳と同じくにべもない。
あまりに冷たいその答えを聞き、舞衣は信じられないようなモノを見る目で男を詰めた。
舞衣は奈緒とギルガメッシュがどんな関係だったのかは知らない。
けれど、ギルガメッシュについて語っていた奈緒からは温かみのようなものが確かに感じられた。
だというのに、この男の態度からはそういった感情が一切見て取れない。
そう思えば、自然と奥底から怒りのような感情が湧きあがってきた。
「それがどうしたって……あなたねえッ!
あなたこそ、どういうつもりよ!
こんな状態のまま奈緒ちゃんを放っておくだなんて。
あなたは……奈緒ちゃんの事、大事に思ってたんじゃないの?」
あなたこそ、どういうつもりよ!
こんな状態のまま奈緒ちゃんを放っておくだなんて。
あなたは……奈緒ちゃんの事、大事に思ってたんじゃないの?」
怒りとともに、そうであってくれという願いをこめた問いかけ。
だが、それを受けたギルガメッシュの反応は冷ややかだ。
だが、それを受けたギルガメッシュの反応は冷ややかだ。
「奈緒は我の家臣として悪くない働きをした。その功績も価値もこの我がしかと認めよう。
だが、それがどうしたというのだ? いかな価値があろうとも、死んでしまえばそれまでだろう?」
だが、それがどうしたというのだ? いかな価値があろうとも、死んでしまえばそれまでだろう?」
怒りにも似た舞衣の感情は届かない。
ギルガメッシュは傍らに横たわる奈緒を見向きもしない。
金色の王は少女の死に対してあまりにも淡泊だ。
ギルガメッシュは傍らに横たわる奈緒を見向きもしない。
金色の王は少女の死に対してあまりにも淡泊だ。
「……ちがうわ、それまでなんかじゃない」
「何が違う。
死には等しく価値はない。無価値なものに送る手向けもあるまい?
女。貴様が喚いたところで何が変わるわけもあるまい?」
「確かに何も変わらないかもしれない。
でも何も変わらなくても、いなくなってしまった人たちのために、できることがあるはずよ」
「何が違う。
死には等しく価値はない。無価値なものに送る手向けもあるまい?
女。貴様が喚いたところで何が変わるわけもあるまい?」
「確かに何も変わらないかもしれない。
でも何も変わらなくても、いなくなってしまった人たちのために、できることがあるはずよ」
何もできないなんて悲しいことがあるはずがない。
散っていった彼らのために、何かできることがあるはずだ。
舞衣はそう信じている。
散っていった彼らのために、何かできることがあるはずだ。
舞衣はそう信じている。
「は。ならばどうする? 泣くか? 嘆くか? いっそ死ぬか?
それに何の意味がある。たとえ七日七晩涙に暮れようとも死者は蘇りなどせん。
死者への弔いなど時間の無駄だ、捨て置け」
それに何の意味がある。たとえ七日七晩涙に暮れようとも死者は蘇りなどせん。
死者への弔いなど時間の無駄だ、捨て置け」
ギルガメッシュは破顔しながら、舞衣の言葉否定する。
「ちがう! 無駄なんかじゃない!」
そんな英雄王の言葉を打ち消すように舞衣は叫んだ。
死んでしまったら無価値だなんてそんな価値観はどうあっても受け入れられない。
死んでしまったら無価値だなんてそんな価値観はどうあっても受け入れられない。
その人がいなくなってしまえば、想いも消え去ってしまうというのか?
死んでしまえば想いも死んでしまうのか?
それはちがう。
死んでしまえば想いも死んでしまうのか?
それはちがう。
「―――そうだ。無意味なんかじゃない。
例えあなたの言うとおり、死が無意味なものだったとしても、残されたものは無意味じゃない。
その人がいなくなっても、その人と過ごした想いは残る。
だから、その想いのために、できることはあるはずよ」
例えあなたの言うとおり、死が無意味なものだったとしても、残されたものは無意味じゃない。
その人がいなくなっても、その人と過ごした想いは残る。
だから、その想いのために、できることはあるはずよ」
万感の思いを籠めて舞衣は告げる。
例え何があったとしても。
その人と過ごし、抱いた想いは決して消えない。
悲しみはどうしようもなく胸に残る。
けれど、同時にその人への想いも強く胸に残る。
例え、死に意味はなくとも、その人が残したものには意味がある。
なつきや会長、奈緒ちゃん達と共に風華で過ごした思い出は消えない。
一時ではあったがシモンたちと出会い感じた想いも消えない。
そして彼を想ったこの心は、今だってこんなにも熱くこの胸に燃えているのだから。
この想いを無駄になんかできるはずがない。
例え何があったとしても。
その人と過ごし、抱いた想いは決して消えない。
悲しみはどうしようもなく胸に残る。
けれど、同時にその人への想いも強く胸に残る。
例え、死に意味はなくとも、その人が残したものには意味がある。
なつきや会長、奈緒ちゃん達と共に風華で過ごした思い出は消えない。
一時ではあったがシモンたちと出会い感じた想いも消えない。
そして彼を想ったこの心は、今だってこんなにも熱くこの胸に燃えているのだから。
この想いを無駄になんかできるはずがない。
互いの視線が交わる。
舞衣は死者を尊ぶべきものと訴え。
ギルガメッシュは死者を無価値と断じた。
絶望的なまでの認識の違い。
互いの主張は交わらない。
舞衣は死者を尊ぶべきものと訴え。
ギルガメッシュは死者を無価値と断じた。
絶望的なまでの認識の違い。
互いの主張は交わらない。
「――――いや、そいつの言うとおりさ、舞衣」
平行線をたどる主張の応酬に、斜め横から声が割り込んだ。
向けた視線の先に立っていたのは宇宙を駆ける賞金稼ぎ、スパイク・スピーゲル。
色違いの瞳で向けられた四つの瞳を見返しながら、まるで夢でも見るような声でスパイクは言った。
向けた視線の先に立っていたのは宇宙を駆ける賞金稼ぎ、スパイク・スピーゲル。
色違いの瞳で向けられた四つの瞳を見返しながら、まるで夢でも見るような声でスパイクは言った。
「死んじまった女のために、出来る事なんてないさ――――」
■スパイク・スピーゲル――――醒めない夢
言い争う二人の間に割って入ったスパイクから告げられた言葉は、以外にも舞衣を否定し、ギルガメッシュを肯定する言葉だった。
「どれだけ弔ったって、死んじまった奴のためになんかなりゃしねえさ。
あるのは生き残ったやつの自己満足だけだ」
あるのは生き残ったやつの自己満足だけだ」
スパイクはレッドドラゴンに所属していたころから、死んでいく人間なんて腐るほど見てきた。
組織を抜け賞金稼ぎになってからも、ここに来てからもそれは同じだ。
欲望のまま死ぬ人間がいた。
理想のために死ぬ人間もいた。
愛のために死んだ人間もいた。
夢を見たまま死んでいった人間もいた。
どいつもこいつもみな、自分勝手な理由で死んでった。
死んじまった以上、そいつらが報われることはない。
組織を抜け賞金稼ぎになってからも、ここに来てからもそれは同じだ。
欲望のまま死ぬ人間がいた。
理想のために死ぬ人間もいた。
愛のために死んだ人間もいた。
夢を見たまま死んでいった人間もいた。
どいつもこいつもみな、自分勝手な理由で死んでった。
死んじまった以上、そいつらが報われることはない。
「けどな、だからこそ必要なんだ。
生きてるやつが死んじまったやつに踏ん切りをつけるためにな。
弔いってのはそういうもんだ、あんたは違うのか、ギルガメッシュ?」
生きてるやつが死んじまったやつに踏ん切りをつけるためにな。
弔いってのはそういうもんだ、あんたは違うのか、ギルガメッシュ?」
死んだ人間を忘れないために。
あるいは、死んだ人間を忘れるために。
弔いとは、そのために必要な儀式だ。
過去と死者のためではなく、未来と生者のために。
あるいは、死んだ人間を忘れるために。
弔いとは、そのために必要な儀式だ。
過去と死者のためではなく、未来と生者のために。
「愚問だな。死者への弔い? 過去との決別? 笑わせる。
たとえ何があろうとも、それはすべて己が行動の果ての結果にすぎん。
まったく、貴様らのような雑種どもは、そのようなものに縋らねば前にも進めぬとは、愚かしいな」
たとえ何があろうとも、それはすべて己が行動の果ての結果にすぎん。
まったく、貴様らのような雑種どもは、そのようなものに縋らねば前にも進めぬとは、愚かしいな」
スパイクを見下すようにギルガメッシュは告げる。
平等なる王は、死者も生者も等しく嘲笑っていた。
平等なる王は、死者も生者も等しく嘲笑っていた。
「……じゃあなにか? お前にとって、これまでのことも、今奈緒が死んだのも、ただの結果だってのか?」
「当然だ。どのような結末であれ受け入れられずして何が王か」
「当然だ。どのような結末であれ受け入れられずして何が王か」
堂々とギルガメッシュは断言する。
あまりにも迷いのないその態度に、スパイクは苛立ちを隠せず、奥歯をギリと噛み締める。
あまりにも迷いのないその態度に、スパイクは苛立ちを隠せず、奥歯をギリと噛み締める。
「……浮かばれねえな。
確かに奈緒は、生意気で、跳ねっ返りのクソガキだったさ。
けどな、テメェみたいなやつに追いつこうとしてあいつは逝っちまった。
俺には、それが気に喰わねえ」
確かに奈緒は、生意気で、跳ねっ返りのクソガキだったさ。
けどな、テメェみたいなやつに追いつこうとしてあいつは逝っちまった。
俺には、それが気に喰わねえ」
そう言って、スパイクは怒りと苛立ちの混じった目でギルガメッシュを睨み付ける。
対するギルガメッシュは告げられた言葉を噛み締めた後、氷を張り付けたような無表情を崩して、初めて人間らしい感情を露わにした。
対するギルガメッシュは告げられた言葉を噛み締めた後、氷を張り付けたような無表情を崩して、初めて人間らしい感情を露わにした。
「ク――――ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」
高らかに轟く嘲笑の声。
それは愉悦。
心の底から愉しげに、ギルガメッシュは一人愉悦に浸っていた。
それは愉悦。
心の底から愉しげに、ギルガメッシュは一人愉悦に浸っていた。
「この我と並ぶ!? なるほどそうか!
アレもずいぶんと身の程をわきまえぬ願いを持ったものだ!
ならば、この結末も当然の末路であったということか!」
アレもずいぶんと身の程をわきまえぬ願いを持ったものだ!
ならば、この結末も当然の末路であったということか!」
周囲の状況も一切意に介さず、礼節も尊厳も弁えぬ態度でギルガメッシュは笑いを上げる。
そのあまりに突然な態度の変化に、スパイクは訝しむというより理解できないといった表情でギルガメッシュを見据えた。
そのあまりに突然な態度の変化に、スパイクは訝しむというより理解できないといった表情でギルガメッシュを見据えた。
「……何がおかしいってんだ?」
ただ己のためだけに笑い続けるギルガメッシュは、割り込んだ疑問の声に、初めてそこにいることに気づいたような態度で視線を向けた。
「よいか、人にはそれぞれ身の程というものが存在する。
この我に並び立とうなど身の程知らずも甚だしい、愚者の所業だ。
それを弁えず、己が領分を越える願いを持てば滅びは必然であろう?」
この我に並び立とうなど身の程知らずも甚だしい、愚者の所業だ。
それを弁えず、己が領分を越える願いを持てば滅びは必然であろう?」
まるで、死んで当然だったと言わんばかりの傲慢な言に、
思わずスパイクはギルガメッシュに迫り、その肩に掴み掛かる。
だが、眼前に迫ったところで、掴み掛かるべき片腕がないことを思い出した。
それで激昂した頭が冷えたのか、スパイクは大きく舌を打ちながらも、後方に引き下がった。
思わずスパイクはギルガメッシュに迫り、その肩に掴み掛かる。
だが、眼前に迫ったところで、掴み掛かるべき片腕がないことを思い出した。
それで激昂した頭が冷えたのか、スパイクは大きく舌を打ちながらも、後方に引き下がった。
「お前は大事なもんがなにも見えてねえ、夢の中で踊ってる裸の王様さ。
夢なら一人で見な、ギルガメッシュ」
夢なら一人で見な、ギルガメッシュ」
そして離れ際、スパイクはギルガメッシュを睨み付けながら吐き捨てるようにそう告げた。
それに対し、ギルガメッシュが返すのは同じく吐き捨てるような笑み。
それに対し、ギルガメッシュが返すのは同じく吐き捨てるような笑み。
「は。何を言うか。
夢を見ているのは貴様のほうではないのか?」
夢を見ているのは貴様のほうではないのか?」
全てを見透かすような真紅の瞳が互い違いの色をした瞳を見据える。
自分の心中を指されたような言葉にスパイクは息を呑む。
だが、それも一瞬。
すぐさま落ち着きを取り戻し、どこか達観したような声でギルガメッシュに告げる。
自分の心中を指されたような言葉にスパイクは息を呑む。
だが、それも一瞬。
すぐさま落ち着きを取り戻し、どこか達観したような声でギルガメッシュに告げる。
「――――そうさ、俺はずっと醒めない夢でも観ているつもりだったんだ」
いや、その声は目の前のギルガメッシュに語られたものではなかった。
遠くどこかに思いを馳せるように、夢でも見るようにスパイクは言葉を紡ぐ。
遠くどこかに思いを馳せるように、夢でも見るようにスパイクは言葉を紡ぐ。
「事故で片目を失ったあの日から俺は、失った目で過去を見て、もう一方で現在を見てた。
目に見えてるものだけが現実じゃない、そう思ってた」
目に見えてるものだけが現実じゃない、そう思ってた」
ふと夢から覚めても、また夢の中。
玉葱を剥き続けるようにどこまでも夢。
いつまでも現実に辿り着かない。
事故で片目を失ったあの日からずっと、そんな醒めない夢を見続けていた。
玉葱を剥き続けるようにどこまでも夢。
いつまでも現実に辿り着かない。
事故で片目を失ったあの日からずっと、そんな醒めない夢を見続けていた。
だから、殺し合いなんて馬鹿げた事態も。
紙使いなんていう訳のわからん能力を使う女も。
この世の終わりみたいに暴れまわる巨大ロボットだってそうさ。
不思議なことなんて何もない。
夢を見てるんだ、醒めない夢を。
そう思って、怠慢に目の前の事態を受け入れながら他人事のように生きてきた。
本当の俺は死んじまって、今の自分は死んじまった自分が見てる長い夢みたいなもんだと。
ずっと、そう思ってたんだ。
紙使いなんていう訳のわからん能力を使う女も。
この世の終わりみたいに暴れまわる巨大ロボットだってそうさ。
不思議なことなんて何もない。
夢を見てるんだ、醒めない夢を。
そう思って、怠慢に目の前の事態を受け入れながら他人事のように生きてきた。
本当の俺は死んじまって、今の自分は死んじまった自分が見てる長い夢みたいなもんだと。
ずっと、そう思ってたんだ。
「けど――――夢は、いつの間にか醒めちまってた」
あるドラ猫がいた。
その猫は好きでもない飼い主達に飼われながら、100万回死に100万回生き返って100万回生きた。
猫は死ぬのが怖くなかった。
あるとき、猫は自由な野良猫だった。
そいつは一匹の美しい白猫に出会った。
白猫と一緒に幸せに暮らし、猫は初めて生きたいと思った。
やがて月日が経ち、白猫は歳をとって死んじまった。
ドラ猫は100万回泣いて、そして死んだ。
猫はもう、生き返らなかった。
その猫は好きでもない飼い主達に飼われながら、100万回死に100万回生き返って100万回生きた。
猫は死ぬのが怖くなかった。
あるとき、猫は自由な野良猫だった。
そいつは一匹の美しい白猫に出会った。
白猫と一緒に幸せに暮らし、猫は初めて生きたいと思った。
やがて月日が経ち、白猫は歳をとって死んじまった。
ドラ猫は100万回泣いて、そして死んだ。
猫はもう、生き返らなかった。
意味のない夢は終わりだ。
醒めない夢の終わりに、残ったのは現実だけだ。
醒めない夢の終わりに、残ったのは現実だけだ。
みな死んだ。
リードマンも。
カレンも。
ヴァッシュも。
Dボゥイも。
シータも。
ニアも。
かがみも。
奈緒も。
ジェットも。
エドも。
ビシャスも。
リードマンも。
カレンも。
ヴァッシュも。
Dボゥイも。
シータも。
ニアも。
かがみも。
奈緒も。
ジェットも。
エドも。
ビシャスも。
「もう夢なんて見ちゃいねえさ。
俺が今、見てるのは現実だ」
俺が今、見てるのは現実だ」
死んじまった猫はもう生き返らない。
片腕がもげちまったこの傷も。
みんな死んじまったのも。
どれもこれも現実だ。
戻ることはない、一度きりの現実だ。
一度きりだから明日を願う。
過去と現在を見つめていた瞳は未来を見たいと願っていた。
片腕がもげちまったこの傷も。
みんな死んじまったのも。
どれもこれも現実だ。
戻ることはない、一度きりの現実だ。
一度きりだから明日を願う。
過去と現在を見つめていた瞳は未来を見たいと願っていた。
言いたいことを言い切ったのかスパイクは大きく息を吐く。
そしてギルガメッシュに背を向け、そのまま横たわる結城奈緒の元まで近づいていった。
そしてギルガメッシュに背を向け、そのまま横たわる結城奈緒の元まで近づいていった。
「――――さて。とりあえず穴でも掘るか、手伝えよ舞衣」
■小早川ゆたか―――――――悲しみを越えて
スパイクと舞衣は黙々と穴を掘っていた。
そんな二人の姿を興味なさ気にギルガメッシュは見送る。
そして、体力的な面を考慮してか、スパイクに声をかけられることのなかった少女、小早川ゆたか。
結果二人取り残される形になった。
そんな二人の姿を興味なさ気にギルガメッシュは見送る。
そして、体力的な面を考慮してか、スパイクに声をかけられることのなかった少女、小早川ゆたか。
結果二人取り残される形になった。
「あなたは――――」
それまで沈黙を保っていた少女が声を上げた。
墓穴を掘る二人を見つめ立ち尽くすギルガメッシュの様を見て、思わず疑問が口をついていた。
墓穴を掘る二人を見つめ立ち尽くすギルガメッシュの様を見て、思わず疑問が口をついていた。
「――――あなたはそれで、悲しくないんですか?」
そのままでは辛いのではないかと、少女は王に問うた。
「なにを言うかと思えば。馬鹿らしい。
そんな下らん感情は我の中にあるはずもなかろう」
そんな下らん感情は我の中にあるはずもなかろう」
王は涙を流すどころか、悲しむ素振りすら見せない。
それはおそらく強がりや虚勢の類ではないのだろう。
ギルガメッシュはあらゆる負の感情とは一切無縁だった。
それはおそらく強がりや虚勢の類ではないのだろう。
ギルガメッシュはあらゆる負の感情とは一切無縁だった。
だが、目の前で親しい人間が死んでしまって。
それが、悲しくないはずがない。
それが、悲しくないはずがない。
「わたしは、とても悲しいです」
少なくともゆたかは悲しい。
思い出すだけで、また胸にポッカリ空洞が空いたような虚しさが到来する。
先輩と後輩の間柄とはいえ、ともに日常を過ごしたかがみが目の前で消失したのは酷く堪えた。
思い出すだけで、また胸にポッカリ空洞が空いたような虚しさが到来する。
先輩と後輩の間柄とはいえ、ともに日常を過ごしたかがみが目の前で消失したのは酷く堪えた。
小早川ゆたかが過ごしてきた世界は、平和な世界だった。
変わらぬ日常で、昨日と明日のわずかな変化を楽しみながら生きる平和な世界。
もちろん世界に争いがなかった訳じゃない。
小さな争いは絶えなかったし、遠い異国の地では人々は戦争に明け暮れていた殺し合い。
救いの手が行き届かないまま、病気で死に絶える人も多くいる。
それはゆたかだって知っている。
いや、彼女だけじゃない、誰だって知っていることだ。
だがそれも、彼女達にとっては遠く彼岸の出来事だ。
紙面や映像で知ったことを実感することもないまま、理解したつもりになっていた。
変わらぬ日常で、昨日と明日のわずかな変化を楽しみながら生きる平和な世界。
もちろん世界に争いがなかった訳じゃない。
小さな争いは絶えなかったし、遠い異国の地では人々は戦争に明け暮れていた殺し合い。
救いの手が行き届かないまま、病気で死に絶える人も多くいる。
それはゆたかだって知っている。
いや、彼女だけじゃない、誰だって知っていることだ。
だがそれも、彼女達にとっては遠く彼岸の出来事だ。
紙面や映像で知ったことを実感することもないまま、理解したつもりになっていた。
人は死ぬ。
誰だって誰かが死ねば悲しい。
それが親しい人間ならば尚更だ。
そんな、当り前のことすら知らなかったんだ。
言葉だけでわかってるつもりになっていただけだ。
ここに来るまで、そんなことすら知らなかったんだ。
誰だって誰かが死ねば悲しい。
それが親しい人間ならば尚更だ。
そんな、当り前のことすら知らなかったんだ。
言葉だけでわかってるつもりになっていただけだ。
ここに来るまで、そんなことすら知らなかったんだ。
たくさんの人が死んでしまった。
姉のように慕っている人がいた。
頼れる力を持っている人がいた。
強く憧れを抱いている人がいた。
全てが喪われ、弱い自分は今にも泣いてしまいそうで。
姉のように慕っている人がいた。
頼れる力を持っている人がいた。
強く憧れを抱いている人がいた。
全てが喪われ、弱い自分は今にも泣いてしまいそうで。
だけど、どれだけ悲しくとも、泣くことは許されなかった。
立ち止まることなど許されるはずもなかった。
なぜなら彼女の手もまた、悲しみを生み出してしまった。
彼女はそれに報いなければならない。
失ってしまったものは戻らない。
彼らの代わりは誰も成せない。
彼女にはそんな力もない。
だけどせめて、最大限自分できることはやらなくてはならなかった。
立ち止まるわけにはいかない。
歯を食いしばり、涙を堪えて、ただひたすらに前に進む。
それが彼女にできる精一杯の誠意だった。
立ち止まることなど許されるはずもなかった。
なぜなら彼女の手もまた、悲しみを生み出してしまった。
彼女はそれに報いなければならない。
失ってしまったものは戻らない。
彼らの代わりは誰も成せない。
彼女にはそんな力もない。
だけどせめて、最大限自分できることはやらなくてはならなかった。
立ち止まるわけにはいかない。
歯を食いしばり、涙を堪えて、ただひたすらに前に進む。
それが彼女にできる精一杯の誠意だった。
「ふん。人を降ろしつまらぬ罪罰に迷うか。
よいか小娘。そんなものは捨ててしまえ、その手の苦しみは見ていて楽しくもない。
幼童ならばそれらしく、我の威光に目を輝かしていればよい」
よいか小娘。そんなものは捨ててしまえ、その手の苦しみは見ていて楽しくもない。
幼童ならばそれらしく、我の威光に目を輝かしていればよい」
その様子をつまらなさげに見ていたギルガメッシュは、ゆたかの強がりを一言に切り捨てる。
彼の言うとおり強がりをやめて、背負っていたものを彼に任せれば楽になれる。
それは本当なのかも知れない。
ギルガメッシュはひたすらに強く、その強さは一切の歪みを見せない。
おそらく、彼は彼女のみならず、この世全ての悪すらたやすく背負ってしまうだろう。
それでも、
彼の言うとおり強がりをやめて、背負っていたものを彼に任せれば楽になれる。
それは本当なのかも知れない。
ギルガメッシュはひたすらに強く、その強さは一切の歪みを見せない。
おそらく、彼は彼女のみならず、この世全ての悪すらたやすく背負ってしまうだろう。
それでも、
「いいえ、捨てません。
私も、私にできることをしたいと思います」
私も、私にできることをしたいと思います」
この会場において最弱である少女は、最強である王に告げた。
それでも譲れぬ咎がある。
楽じゃなくても、やらなくてはならないことだ。
これまでどおり、おっかなびっくりやっていくしかないのだろう。
楽じゃなくても、やらなくてはならないことだ。
これまでどおり、おっかなびっくりやっていくしかないのだろう。
ゆたかはギルガメッシュに一礼して、スパイクたちの元に駆け寄っていった。
そして、最後に少し振り返る。
そして、最後に少し振り返る。
少女の目に映るのは独り立ち尽くす黄金の王。
何事にも動じないその強さは、憧れるといえば憧れるし。
大切な人の死を悲しむことすらできない強さは、悲しいといえば悲しかった。
何事にも動じないその強さは、憧れるといえば憧れるし。
大切な人の死を悲しむことすらできない強さは、悲しいといえば悲しかった。
■ギルガメッシュ―――――――朋友(とも)へ
三名との問答を終え、取り残されたギルガメッシュは呆れたように大きくため息をついた。
たいした道具もなく人一人埋めるとなれば、それ相応に時間もかかろう。
結論として、これ以上は時間の無駄と悟ったのか。
ギルガメッシュはスパイク達を置き去りにして、一人王の財宝を持つジンの元に向かおうと早々に踵を返した。
たいした道具もなく人一人埋めるとなれば、それ相応に時間もかかろう。
結論として、これ以上は時間の無駄と悟ったのか。
ギルガメッシュはスパイク達を置き去りにして、一人王の財宝を持つジンの元に向かおうと早々に踵を返した。
度重なる問答にも、一切その価値観を動かすことなかったギルガメッシュ。
その心中は常人には理解しがたい。
だが、もとよりギルガメッシュは彼らの理解など必要としていないし、全てに秀でた王は他者など必要としなかった。
その心中は常人には理解しがたい。
だが、もとよりギルガメッシュは彼らの理解など必要としていないし、全てに秀でた王は他者など必要としなかった。
この舞台で多くのモノが失われた。
それは英雄王とて例外ではないだろう。
それは英雄王とて例外ではないだろう。
言峰綺礼。
聖杯戦争における契約者。
愉悦を知らぬ哀れな迷い子であったが、戯れに愉悦を説いてみればなかなかに面白い男となった。
十年の付き合いになるがそれなりに退屈はしない男だった。
だが、散り際などこんなものだろうと思うところもない。
聖杯戦争における契約者。
愉悦を知らぬ哀れな迷い子であったが、戯れに愉悦を説いてみればなかなかに面白い男となった。
十年の付き合いになるがそれなりに退屈はしない男だった。
だが、散り際などこんなものだろうと思うところもない。
衝撃のアルベルト。
戯れとはいえ彼の英雄王に地を舐めさせた男も逝った。
もう借りを返すことが叶わないというのは些かながら口惜しい。
真なる英雄王の力を見せるに相応しい男であると思ったが、死んでしまったのなら所詮それまでの男か。
戯れとはいえ彼の英雄王に地を舐めさせた男も逝った。
もう借りを返すことが叶わないというのは些かながら口惜しい。
真なる英雄王の力を見せるに相応しい男であると思ったが、死んでしまったのなら所詮それまでの男か。
藤野静留。
ヴァッシュ・ザ・スタンピード。
この場にて家臣の契りを交わした二人も散った。
ヴァッシュ・ザ・スタンピード。
この場にて家臣の契りを交わした二人も散った。
散り行く者達。
彼を残して去り行く人々。
彼を残して去り行く人々。
些細なことだ。
どれもこれも一瞥するにも値しない。
別段珍しいことでもないのだ、たいした感傷もない。
どれもこれも一瞥するにも値しない。
別段珍しいことでもないのだ、たいした感傷もない。
王道とは孤高の道だ。
王とはすなわち超越者である。
超越者であるが故に、誰も王に並び歩むことは叶わない。
超越者であるが故に、誰も王を理解することは叶わない。
そして、神の子として生まれ、覇道を約束された彼は生まれながらにして孤高であった。
孤高とは孤独であるということ。
王は常に独り、誰にも理解されぬままその王道を歩み続けていた。
王とはすなわち超越者である。
超越者であるが故に、誰も王に並び歩むことは叶わない。
超越者であるが故に、誰も王を理解することは叶わない。
そして、神の子として生まれ、覇道を約束された彼は生まれながらにして孤高であった。
孤高とは孤独であるということ。
王は常に独り、誰にも理解されぬままその王道を歩み続けていた。
――――だが、ただ一人例外がいた。
彼を理解し、彼と並び、彼と歩んだ朋友は後にも先にもただ一人。
泥より作られて人と成った身でありながら、神の子の隣に並び立とうと背を伸ばした愚かなる道化者。
だが身の程を弁えぬその傲岸は、当然ながら天上の神々の怒りに触れ、男は神罰によって命を落とす。
泣き濡れながら息絶える彼の末期を、英雄王は今も忘れない。
なぜ泣くのか、とあのとき問うた。我の傍らに身を置いた愚かさを、今になって悔いるのか、と。
そうではない――と、彼は答えた。
彼を理解し、彼と並び、彼と歩んだ朋友は後にも先にもただ一人。
泥より作られて人と成った身でありながら、神の子の隣に並び立とうと背を伸ばした愚かなる道化者。
だが身の程を弁えぬその傲岸は、当然ながら天上の神々の怒りに触れ、男は神罰によって命を落とす。
泣き濡れながら息絶える彼の末期を、英雄王は今も忘れない。
なぜ泣くのか、とあのとき問うた。我の傍らに身を置いた愚かさを、今になって悔いるのか、と。
そうではない――と、彼は答えた。
『この僕の亡き後に、誰が君を理解するのだ? 誰が君と共に歩むのだ?
朋友(とも)よ……これより始まる君の孤独を偲べば、僕は泣かずにはいられない……』
朋友(とも)よ……これより始まる君の孤独を偲べば、僕は泣かずにはいられない……』
そうして男が息を引き取るのを看取ったとき、唯我独尊の王は理解した。
――人の身にあって人を超えようとしたこの男の生き様は、王が蔵に蓄える財の全てと比してもなお、貴く眩いものだった、と。
――人の身にあって人を超えようとしたこの男の生き様は、王が蔵に蓄える財の全てと比してもなお、貴く眩いものだった、と。
そしてまた、彼に並び立とうとして死に行った者が一人。
ヒトの領分を超えた悲願に手を伸ばす儚くも眩しき愚か者。
その破滅を愛してやれるのは天上天下にただ一人、このギルガメッシュをおいて他にない。
そんな人間が再び現れたことが、ギルガメッシュにとってたまらなく愉快だった。
ヒトの領分を超えた悲願に手を伸ばす儚くも眩しき愚か者。
その破滅を愛してやれるのは天上天下にただ一人、このギルガメッシュをおいて他にない。
そんな人間が再び現れたことが、ギルガメッシュにとってたまらなく愉快だった。
王はまたしても貴きモノを喪った。
だからといって、それを悔やむつもりは毛頭ない。
なぜなら、王が己が道を疑ったのならば嘘になる。
悔やんでしまったのならば、王を信じその道をたどった従者は何のために散っていったというのか?
ならば、王の成すべきことは変わらず、己が王道を突き進みその果てに螺旋王を誅す。これに尽きる。
結果、何が失われようと、何が救われようともそれは英雄王の興味の外だ。
だからといって、それを悔やむつもりは毛頭ない。
なぜなら、王が己が道を疑ったのならば嘘になる。
悔やんでしまったのならば、王を信じその道をたどった従者は何のために散っていったというのか?
ならば、王の成すべきことは変わらず、己が王道を突き進みその果てに螺旋王を誅す。これに尽きる。
結果、何が失われようと、何が救われようともそれは英雄王の興味の外だ。
見上げれば太陽は時期頂点に達しようとしていた。
大地を恨めしげに照らす太陽の傍らには朧気に霞む月。
僅かに肥大したその姿を認め、英雄王が舌を打ち踏み出そうとした足を止める。
いささか無駄話に時間をとられすぎたようだ。
定期放送の時間がすぐそこまで迫っていた。
大地を恨めしげに照らす太陽の傍らには朧気に霞む月。
僅かに肥大したその姿を認め、英雄王が舌を打ち踏み出そうとした足を止める。
いささか無駄話に時間をとられすぎたようだ。
定期放送の時間がすぐそこまで迫っていた。
終わりは近い。
まだ為すべき事は多い。
弔いなどに無駄な時間を割いている暇はない。
一刻も早く目的を果たし勝利せねばならない。
王は悔やまず。
王は退かず。
王は媚びず。
王は省みない。
それが英雄王の王道だ。
まだ為すべき事は多い。
弔いなどに無駄な時間を割いている暇はない。
一刻も早く目的を果たし勝利せねばならない。
王は悔やまず。
王は退かず。
王は媚びず。
王は省みない。
それが英雄王の王道だ。
英雄王の顔に皮肉気な笑みが浮かぶ。
そして、天から流れてくる声。
ギルガメッシュはすべてを聞き逃さぬようその声に耳を傾けた。
そして、天から流れてくる声。
ギルガメッシュはすべてを聞き逃さぬようその声に耳を傾けた。
【C-6/市街地/二日目/昼(放送直前)】
【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:疲労(大)、全身に裂傷(中)、身体の各部に打撲、黄金鎧型バリアジャケット
[装備]:乖離剣エア@Fate/stay night、マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
[道具]:支給品一式、クロちゃんマスク(大人用)@サイボーグクロちゃん 、黄金の鎧の欠片@Fate/stay night
[思考]
基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。月を目指す。【天の鎖】の入手。【王の財宝】の再入手。
0:ひとまず足を止め放送を聴く。
1:王の財宝回収のためにジンと合流する。
2:菫川ねねねに『王の物語』を綴らせる。
3:“螺旋王へ至る道”を模索。
4:頭脳派の生存者、 異世界の情報、宝具、それらに順ずる道具を集める(エレメント、フォーグラーに興味)。
5:目障りな雑種は叩き切る(特にドモンに不快感)
6:全ての財を手に入れた後、会場をエアの接触射撃で破壊する。
7:月に何かがあると推測。次に月が昇った時、そこに辿り着くべく動く。
【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:疲労(大)、全身に裂傷(中)、身体の各部に打撲、黄金鎧型バリアジャケット
[装備]:乖離剣エア@Fate/stay night、マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
[道具]:支給品一式、クロちゃんマスク(大人用)@サイボーグクロちゃん 、黄金の鎧の欠片@Fate/stay night
[思考]
基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。月を目指す。【天の鎖】の入手。【王の財宝】の再入手。
0:ひとまず足を止め放送を聴く。
1:王の財宝回収のためにジンと合流する。
2:菫川ねねねに『王の物語』を綴らせる。
3:“螺旋王へ至る道”を模索。
4:頭脳派の生存者、 異世界の情報、宝具、それらに順ずる道具を集める(エレメント、フォーグラーに興味)。
5:目障りな雑種は叩き切る(特にドモンに不快感)
6:全ての財を手に入れた後、会場をエアの接触射撃で破壊する。
7:月に何かがあると推測。次に月が昇った時、そこに辿り着くべく動く。
【備考】
※螺旋状のアイテムである偽・螺旋剣に何か価値を見出したようですが、エアを手に入れたのでもう割とどうでもいいようです。
※ヴァッシュ、静留、ジンたちと情報交換しました。
※ギルガメッシュのバリアジャケットは、1stがネイキッドギル状態、2ndがクロちゃんスーツ(大人用)、3rdが黄金の鎧です。
2ndを展開する意志はなくなりました。強敵に会った時にのみネイキッドのバリアジャケットを展開しようと考えています。
※会場は『世界の殻』『防護結界』『転移結界(確率変動を発生させる結界)』の三層構造になっていると推測しました。
※会場の形状は天の方向に伸びるドリル状であり、ドーム状の防護結界がその内部を覆っていると推測しました。
※会場のループについて認識済み。 会場端のワープは、人間以外にも大出力攻撃を転移させる模様です。
※マッハキャリバーによるウイングロード展開を習得。カタパルト代わりに使用可能(ちょっと飽きた)。
※マッハキャリバーから詳細名簿の情報を少し聞いたようです
(少なくともガッシュ、ヴィラル、シャマル、スカー、ねねねについて大まかに知ってます)。
※螺旋状のアイテムである偽・螺旋剣に何か価値を見出したようですが、エアを手に入れたのでもう割とどうでもいいようです。
※ヴァッシュ、静留、ジンたちと情報交換しました。
※ギルガメッシュのバリアジャケットは、1stがネイキッドギル状態、2ndがクロちゃんスーツ(大人用)、3rdが黄金の鎧です。
2ndを展開する意志はなくなりました。強敵に会った時にのみネイキッドのバリアジャケットを展開しようと考えています。
※会場は『世界の殻』『防護結界』『転移結界(確率変動を発生させる結界)』の三層構造になっていると推測しました。
※会場の形状は天の方向に伸びるドリル状であり、ドーム状の防護結界がその内部を覆っていると推測しました。
※会場のループについて認識済み。 会場端のワープは、人間以外にも大出力攻撃を転移させる模様です。
※マッハキャリバーによるウイングロード展開を習得。カタパルト代わりに使用可能(ちょっと飽きた)。
※マッハキャリバーから詳細名簿の情報を少し聞いたようです
(少なくともガッシュ、ヴィラル、シャマル、スカー、ねねねについて大まかに知ってます)。
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
[状態]:疲労(大)、心労、左腕から手の先が欠損(止血の応急手当はしましたが、再び出血する可能性があります)
左肩にナイフの刺突痕、左大腿部に斬撃痕(移動に支障なし) 、腹部に痛み
[装備]:ジェリコ941改(残弾0/16)@カウボーイビバップ
[道具]:支給品一式×4(内一つの食料:アンパン×5、メモ×2欠損)ブタモグラの極上チャーシュー(残り500g程)
スコップ、ライター、ブラッディアイ(残量100%)@カウボーイビバップ、風水羅盤@カウボーイビバップ
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書@トライガン、防弾チョッキ(耐久力減少、血糊付着)@現実
日出処の戦士の剣@王ドロボウJING、UZI(9mmパラベラム弾・弾数0)@現実、レーダー(破損)@アニロワオリジナル
ウォンのチョコ詰め合わせ(半分消費)@機動武闘伝Gガンダム、高遠遙一の奇術道具一式@金田一少年の事件簿
水上オートバイ、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等)
テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード 、ナイヴズの銃@トライガン(外部は破損、使用に問題なし)(残弾3/6)
デリンジャー(残弾2/2)@トライガン、デリンジャーの予備銃弾7
[思考]
1:奈緒を弔う
2:ウルフウッドを探す(見つけたあとどうするかは保留)
3:カミナを探し、その後、図書館を目指す。
4:ルルーシュにニアの伝言を伝える。
5:テッククリスタルは入手したが、かがみが持ってたことに疑問。対処法は状況次第。
6:全部が終わったら死んだ仲間たちの墓を立てて、そこに酒をかける。
[備考]
※ルルーシュが催眠能力の持ち主で、それを使ってマタタビを殺したのではないか、と考え始めています。
(周囲を納得させられる根拠がないため、今のところはジン以外には話すつもりはありません)
※清麿メモの内容について把握しました。 会場のループについても認識しています。
※ドモン、Dボゥイ(これまでの顛末とラダムも含む)、ヴァッシュ、ウルフウッドと情報交換を行いました。
※シータの情報は『ウルフウッドに襲われるまで』と『ロボットに出会ってから』の間が抜けています。
[状態]:疲労(大)、心労、左腕から手の先が欠損(止血の応急手当はしましたが、再び出血する可能性があります)
左肩にナイフの刺突痕、左大腿部に斬撃痕(移動に支障なし) 、腹部に痛み
[装備]:ジェリコ941改(残弾0/16)@カウボーイビバップ
[道具]:支給品一式×4(内一つの食料:アンパン×5、メモ×2欠損)ブタモグラの極上チャーシュー(残り500g程)
スコップ、ライター、ブラッディアイ(残量100%)@カウボーイビバップ、風水羅盤@カウボーイビバップ
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書@トライガン、防弾チョッキ(耐久力減少、血糊付着)@現実
日出処の戦士の剣@王ドロボウJING、UZI(9mmパラベラム弾・弾数0)@現実、レーダー(破損)@アニロワオリジナル
ウォンのチョコ詰め合わせ(半分消費)@機動武闘伝Gガンダム、高遠遙一の奇術道具一式@金田一少年の事件簿
水上オートバイ、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等)
テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード 、ナイヴズの銃@トライガン(外部は破損、使用に問題なし)(残弾3/6)
デリンジャー(残弾2/2)@トライガン、デリンジャーの予備銃弾7
[思考]
1:奈緒を弔う
2:ウルフウッドを探す(見つけたあとどうするかは保留)
3:カミナを探し、その後、図書館を目指す。
4:ルルーシュにニアの伝言を伝える。
5:テッククリスタルは入手したが、かがみが持ってたことに疑問。対処法は状況次第。
6:全部が終わったら死んだ仲間たちの墓を立てて、そこに酒をかける。
[備考]
※ルルーシュが催眠能力の持ち主で、それを使ってマタタビを殺したのではないか、と考え始めています。
(周囲を納得させられる根拠がないため、今のところはジン以外には話すつもりはありません)
※清麿メモの内容について把握しました。 会場のループについても認識しています。
※ドモン、Dボゥイ(これまでの顛末とラダムも含む)、ヴァッシュ、ウルフウッドと情報交換を行いました。
※シータの情報は『ウルフウッドに襲われるまで』と『ロボットに出会ってから』の間が抜けています。
【鴇羽舞衣@舞-HiME】
[状態]:背中にダメージ、全身に擦り傷、顔面各所に引っ掻き傷、引っ張られた頬、首輪なし、全身に軽い切り傷
疲労(大)、バリアジャケット
[装備]:薄手のシーツ、ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式、釘バット、X装置、ゲイボルク@Fate/stay night
[思考]:皆でここから脱出
0:奈緒のために墓を作る
1:何としてでも皆を守る
[備考]
※螺旋力覚醒
※失った高次物質化能力を取り戻しました。
※舞衣のバリアジャケットは《炎綬の紅玉》鴇羽舞衣@舞-乙HiME。飛行可能。
[状態]:背中にダメージ、全身に擦り傷、顔面各所に引っ掻き傷、引っ張られた頬、首輪なし、全身に軽い切り傷
疲労(大)、バリアジャケット
[装備]:薄手のシーツ、ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式、釘バット、X装置、ゲイボルク@Fate/stay night
[思考]:皆でここから脱出
0:奈緒のために墓を作る
1:何としてでも皆を守る
[備考]
※螺旋力覚醒
※失った高次物質化能力を取り戻しました。
※舞衣のバリアジャケットは《炎綬の紅玉》鴇羽舞衣@舞-乙HiME。飛行可能。
【小早川ゆたか@らき☆すた】
[状態]:発熱(中)、疲労(極大)、心労(中)、軽い脳震盪、左腕骨折、罪悪感、螺旋力覚醒
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式 、ガッシュの魔本@金色のガッシュベル!!
[思考]
基本-みんなで帰る
1:スパイクと舞衣を手伝う
2:舞衣がDボゥイを好きなのかどうか気になる
[備考]
※自分が螺旋力に覚醒したのではないかと疑っています。
※再び螺旋力が表に出てきました。
※ねねねと清麿が生きていることに気がつきました。明智の死を乗り越えました。
※舞衣との会話を通じて、少し罪悪感が晴れました。
[状態]:発熱(中)、疲労(極大)、心労(中)、軽い脳震盪、左腕骨折、罪悪感、螺旋力覚醒
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式 、ガッシュの魔本@金色のガッシュベル!!
[思考]
基本-みんなで帰る
1:スパイクと舞衣を手伝う
2:舞衣がDボゥイを好きなのかどうか気になる
[備考]
※自分が螺旋力に覚醒したのではないかと疑っています。
※再び螺旋力が表に出てきました。
※ねねねと清麿が生きていることに気がつきました。明智の死を乗り越えました。
※舞衣との会話を通じて、少し罪悪感が晴れました。
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275:柊かがみの憂鬱 Ⅳ | ギルガメッシュ | 281:十人十色 |
275:柊かがみの憂鬱 Ⅳ | スパイク・スピーゲル | 281:十人十色 |
275:柊かがみの憂鬱 Ⅳ | 鴇羽舞衣 | 281:十人十色 |
275:柊かがみの憂鬱 Ⅳ | 小早川ゆたか | 281:十人十色 |