251話~260話
【251:邪ノ嗤フ刻-オニノワラウコロ-/あばよ、ダチ公 (◆wYjszMXgAo)】
かくして、彼の道はここで途切れる。幾多の出会いと幾多の別れ、短くも長い戦場が幕を閉じる。
ゆえに、万感の思いで彼は言葉を唇に乗せ――全てが涙とともに、風の向こうへ消えていった。
かくして、彼の道はここで途切れる。幾多の出会いと幾多の別れ、短くも長い戦場が幕を閉じる。
ゆえに、万感の思いで彼は言葉を唇に乗せ――全てが涙とともに、風の向こうへ消えていった。
【252:盟友 (◆1sC7CjNPu2)】
瓦礫の荒野に佇み、回顧と罪悪の雨に降られ、帰る場所をなくした男が一人。
十字を無くした彼の言葉は、天の神には届かない。呟きを聞くはただ星に獲物、あるいは――。
瓦礫の荒野に佇み、回顧と罪悪の雨に降られ、帰る場所をなくした男が一人。
十字を無くした彼の言葉は、天の神には届かない。呟きを聞くはただ星に獲物、あるいは――。
【253:王たちの狂宴 (◆DNdG5hiFT6)】
「王とは唯一にして絶対、全てを追随させる者」「否、王とはただ一人では成り立たぬ、仲間を必要とする者」
「否、王とは頂点にして自由、ゆえに全てを見渡す者」「否、王とは――」「否、王とは」「否、」……
「王とは唯一にして絶対、全てを追随させる者」「否、王とはただ一人では成り立たぬ、仲間を必要とする者」
「否、王とは頂点にして自由、ゆえに全てを見渡す者」「否、王とは――」「否、王とは」「否、」……
【254:今はまだ飛べない翼 (◆1sC7CjNPu2)】
一つ羽ばたくごとに血を流し、一つ羽ばたくごとに朽ちていく。
天の太陽も地を這うイカロスも、惹かれあうごとに崩れていくのは皆同じ……。
一つ羽ばたくごとに血を流し、一つ羽ばたくごとに朽ちていく。
天の太陽も地を這うイカロスも、惹かれあうごとに崩れていくのは皆同じ……。
【255:よせあつめブルース/ろくでなしとブルース/陸でなしと寄せ集めブルース (◆hNG3vL8qjA)】
己の背後に立つ少女の暗い笑みを男は知らない。己の言葉が何を引き起こすのかを少女は知らない。
廻った罪。廻った罰。無知は幸福のゆりかごか、それとも死神の鎌となるのか――誰もまだ、知らない。
己の背後に立つ少女の暗い笑みを男は知らない。己の言葉が何を引き起こすのかを少女は知らない。
廻った罪。廻った罰。無知は幸福のゆりかごか、それとも死神の鎌となるのか――誰もまだ、知らない。
【256:空の上のおもちゃ (◆wYjszMXgAo)】
黒ネコの王様、退屈しのぎにお散歩中。おもしろそうなおもちゃを見つけたので、早速壊して遊びます。
人の物を壊すのは悪いことですが、王様だけは大丈夫。なぜなら世界は、隅から隅まで王様のものだからです。
黒ネコの王様、退屈しのぎにお散歩中。おもしろそうなおもちゃを見つけたので、早速壊して遊びます。
人の物を壊すのは悪いことですが、王様だけは大丈夫。なぜなら世界は、隅から隅まで王様のものだからです。
【257:happily ever after (◆10fcvoEbko)】
足音は三つ、声は四つ。傷だらけの男がままごとのような行列を率いて線路を行く。
失ったものは多く、得たものは少なく、敵は未知数。しかし彼らの道の先には、昇りたての朝日が輝いていた。
足音は三つ、声は四つ。傷だらけの男がままごとのような行列を率いて線路を行く。
失ったものは多く、得たものは少なく、敵は未知数。しかし彼らの道の先には、昇りたての朝日が輝いていた。
【258:I can fly (◆Wf0eUCE.vg)】
Dボゥイ、彼は神に愛された男である。運命という名の怒涛の恩恵を見ればそれは明らかだ。
繰り返す、彼は神に愛された男である。――ただし、その神はかなりの捻くれ者である、たぶん。
Dボゥイ、彼は神に愛された男である。運命という名の怒涛の恩恵を見ればそれは明らかだ。
繰り返す、彼は神に愛された男である。――ただし、その神はかなりの捻くれ者である、たぶん。
【259:愛ある暴走 (◆2PGjCBHFlk)】
愛は祈りだ。あるいは暴風雨だ。周りも自分もしっちゃかめっちゃか、後には何が残るやら。
というわけで、只今愛の突風警報発令中!巻き込まれないように姿勢を低く!そして夜明けの残月にご注意を!
愛は祈りだ。あるいは暴風雨だ。周りも自分もしっちゃかめっちゃか、後には何が残るやら。
というわけで、只今愛の突風警報発令中!巻き込まれないように姿勢を低く!そして夜明けの残月にご注意を!
【260:たたかう十六歳(^^;)/小娘オーバードライブ/NEXT LEVEL/太陽がまた輝くとき/アンラッキー・スター (◆DNdG5hiFT6)】
反転の太陽は泥濡れの女帝に触れ光を取り戻し、交錯する道が彼らのカードを混ぜる。
逆さづりの女教皇の哄笑を前にして、うつろう少女は世界の向こうに一体何を見据えるのだろうか?
反転の太陽は泥濡れの女帝に触れ光を取り戻し、交錯する道が彼らのカードを混ぜる。
逆さづりの女教皇の哄笑を前にして、うつろう少女は世界の向こうに一体何を見据えるのだろうか?
261話~270話
【261:第五回放送 (◆wYjszMXgAo)】
時は近い。玉座に腰かけ男はひとり、崩壊の足音を聞き続けている。
醒めない悪夢に踊らされながら、男は箱庭に呼びかける。……覚ませるものなら、覚ましてみろ。
時は近い。玉座に腰かけ男はひとり、崩壊の足音を聞き続けている。
醒めない悪夢に踊らされながら、男は箱庭に呼びかける。……覚ませるものなら、覚ましてみろ。
【262:アイが呼ぶほうへ/愛を取り戻せ!/アイが呼ぶほうへ side-I/side-A/俺達が愛したタフな日々 (◆2PGjCBHFlk)】
いつも傍にあったものも今は遠く、望みはもはや手の届かない場所にある。
それでも、花が空に伸びゆくように、人は導かれてどこまでもいくのだろう――アイが呼ぶほうへと。
いつも傍にあったものも今は遠く、望みはもはや手の届かない場所にある。
それでも、花が空に伸びゆくように、人は導かれてどこまでもいくのだろう――アイが呼ぶほうへと。
【263:箱庭の隅っこで愛を叫んだケモノ (◆2PGjCBHFlk)】
悲鳴のように、咆哮のように、断末魔のように、歌声のように、あるいは産声のように。
叫んで叫んで、叫び続けて――箱庭の隅っこで、見捨てられた獣は錆びついた刃を取り戻す。
悲鳴のように、咆哮のように、断末魔のように、歌声のように、あるいは産声のように。
叫んで叫んで、叫び続けて――箱庭の隅っこで、見捨てられた獣は錆びついた刃を取り戻す。
【264:GOOD BYE MIRROR DAYS (◆3XMYeTbSoM)】
傷だらけで泥まみれな赤い靴を履いた少女が一人、木こりのところにやってきて言いました。
「この靴で踊るのにはもう疲れました。どうかこの足を切り落としてやってはくれませんか」
傷だらけで泥まみれな赤い靴を履いた少女が一人、木こりのところにやってきて言いました。
「この靴で踊るのにはもう疲れました。どうかこの足を切り落としてやってはくれませんか」
【265:TRIP OF 『D』/死を運ぶ黒き風 (◆japrki1LkU)】
神は彼を許さない。神を裏切り、優しさを裏切り、友を裏切り、そして自らを裏切った彼を許さない。
だから彼の元に最後に残るのは、神から与えられた『罰』だけなのだ。
神は彼を許さない。神を裏切り、優しさを裏切り、友を裏切り、そして自らを裏切った彼を許さない。
だから彼の元に最後に残るのは、神から与えられた『罰』だけなのだ。
【266:かしまし~ラブ&ピース・ミーツ・ガール~ (◆IaXd.lUSFI)】
漢字って無駄に複雑だと思わない?そりゃ一応中学生だし、さんざん習わされてるけど、正直面倒くさいのよね。
ま、そういう時には大体ゴロ合わせみたいに覚えるのよ。信じる者は儲かるとか、女が三人いると姦しいとか、ね。
漢字って無駄に複雑だと思わない?そりゃ一応中学生だし、さんざん習わされてるけど、正直面倒くさいのよね。
ま、そういう時には大体ゴロ合わせみたいに覚えるのよ。信じる者は儲かるとか、女が三人いると姦しいとか、ね。
【267:No Man's Land -はるか時の彼方-/-まだ見ぬ 遠き場所で-/-唄い続けられる-/三獅村祭/-同じ人類のうた-
(◆jIHhwnBJfg)】
かつて一人の男が無から作った、夢のための仮初の世界。総面積64k㎡の、ちっぽけな箱庭。
寂然と建物ばかりが並ぶ無人のこの大地で、また新たな出会い、そして別れのうたが紡がれる。
(◆jIHhwnBJfg)】
かつて一人の男が無から作った、夢のための仮初の世界。総面積64k㎡の、ちっぽけな箱庭。
寂然と建物ばかりが並ぶ無人のこの大地で、また新たな出会い、そして別れのうたが紡がれる。
【268:心を操る魔物 (◆RwRVJyFBpg)】
自らのカテゴリに属さぬ異質なもの、未知の生物や自然現象、そう言ったものを古来より人は魔物と呼んだ。
しかし人間という生き物が完全に他者と分かり合うことなどできない以上、あるいは誰もが……
自らのカテゴリに属さぬ異質なもの、未知の生物や自然現象、そう言ったものを古来より人は魔物と呼んだ。
しかし人間という生き物が完全に他者と分かり合うことなどできない以上、あるいは誰もが……
【269:愛のままにわがままに僕は君達を傷付けたい/最愛ナル魔王サマ (◆2PGjCBHFlk)】
「崇高な感情、例えば信仰心、あるいは愛。そういったものでさえ、我慢する心がなければただの暴力だ」
「といいますと?」「つまり何かを制し、コントロールするというのは極めて重要な行為だということだよ、チミルフ」
「崇高な感情、例えば信仰心、あるいは愛。そういったものでさえ、我慢する心がなければただの暴力だ」
「といいますと?」「つまり何かを制し、コントロールするというのは極めて重要な行為だということだよ、チミルフ」
【270:WILL (◆EA1tgeYbP.)】
果たされなかった「約束」に「固執」するかのように、彼は無言のままに「依頼」する。
理不尽な「命令」を「拒絶」したために断たれた「意志」を、「未来」へとつないで欲しいと言うかのように。
果たされなかった「約束」に「固執」するかのように、彼は無言のままに「依頼」する。
理不尽な「命令」を「拒絶」したために断たれた「意志」を、「未来」へとつないで欲しいと言うかのように。