アンラッキー・スター ◆DNdG5hiFT6



「はぁ、はぁ……はぁ!」

全力で突っ走ったせいで息が切れている。
でもそんなのは関係ない。今は少しでも遠くへ逃げたかった。
少しでも止まれば、恐怖に、罪に押しつぶされてしまうような気がして。

今の彼女の心の中にあるのは唯一つ――恐怖のみであった。

かつて少女は“不死身の柊かがみ”というという名の仮面をかぶることで己の弱さを覆い隠していた。
“柊かがみ”には出来なくとも“不死身の柊かがみ”にはできる、という風に。
そしてすぐ傍にはいつだってその“不死身の柊かがみ”を肯定してくれる男の姿があった。
だけど仮面はいつの間にか、外れなくなっていて顔そのものになっていた。

『貴様はもはや人間ではない』

いつぞやのアルベルトの言葉が真実味を持って襲い掛かる。
人を殺す……アルベルトを手にかけた今のかがみは知っている。
それは辛く、悲しいことだ。

『だから……帰ろうかがみ先輩。あの世界に……あの場所に』

優しいゆたかが何故、どのようにして人を殺してしまったのか。
かがみにはその光景が想像できないが、その目は決して嘘を言っているようには思えなかった。
そう、それでもそれでも少女は変わっていなかった……いや、むしろ強くさえなっていた。
だというのに私はどうだ?
力を制御し切れず、あまつさえ手にかけようとした。
最後に残った“柊かがみ”の知り合いを――

「いやああああああっ!!」

目の前に現れた川で手の皮がむけるほどに洗うが、人の首を絞めた感触は消えてくれない。

そして水面に映るのは髪を一つに纏めた少女の姿。
トレードマークだった二つ結びはなく、眼帯をつけたその姿はまるで別人みたい。
肉体は死ぬに死ねない不死身に成り果てて、目的のために人としての正義にも目を瞑り、そして守るべき少女も手にかけそうになった。
そんな存在は“柊かがみ”であるはずもなく、かと言って“ラッド・ルッソ”では足り得ない。
だったら“私”は何処にいるの? 『不死身の柊かがみ』は一体何なのだろう?
そしてそれより恐ろしいのは……あの殺意は、知り合いの少女に向けたあの殺意は一体誰のものだろう?

……1930年代のアメリカを血と暴力に塗れて生きた男と、2000年代の日本を平穏に生きた少女の世界は違いすぎる。
それらはそれらと絡み合う感情も同等だ。
だから乗っ取られることはあっても、滅多なことでは混じりえない。
だが皮肉にもそれは“不死身の柊かがみ”という中間点を見つけることで、その境目を曖昧にした。
水と油に石鹸水をたらせば混ざり合ってしまうように、2つの異なる精神はゆっくりと混ざり合っていった。

だから“不死身の柊かがみ”にはわからない。
あの時ゆたかに向けた殺意がラッドのものなのか、それとも自分のものなのか、が。
以前の私なら『違う!』と言えた筈なのに、確固たる自信がもてない。
わからない。わからない。“私”と“俺”の微妙なラインがわからない。
泥沼の上に浮かべた板の上に立っているかのように、なんて不安定で無様な自分。

そして分けられていたはずの記憶も感情に引き摺られ、どんどん混ざり合っていく。
血と暴力に溺れた記憶がある。平穏に満ちた記憶がある。
分解狂の弟分がいた気がする。何でも知っている眼鏡の友人がいた気がする。
愛する死にたがりの婚約者がいた気がする。ちょっとおかしなオタクの友人がいた気がする。
人間の小さい叔父がいた気がする。優しい父と母と姉と、大切な妹がいた気がする。
あのスーツの男は敵だったか? 師と呼んでもいい男だったか?
そのどちらもが本当で、そのどちらもが違う気がする。

大丈夫だと思ったはずなのに、もう大丈夫だと思ったはずなのに。
ああ、“柊かがみ”が消えていく。
そしてもう確固たる“不死身の柊かがみ”という仮面を肯定してくれる、厳しく優しい男もいないのだ。

――かがみは想像する。
螺旋王を喰らい、全てが元に戻った世界。
殺し合いも無い、平和な日常がただ過ぎ行くだけの世界。
だがその光景を見て“不死身の柊かがみ”は殺意を抱くのではないだろうか?
誰しもが、自分の死を想像していない。
誰しもが、平和な日常が続くと思っている。
それがきっと“不死身の柊かがみ”には許せなくなる。

だから殺す。
父も。母も。2人の姉も大事な妹も。
あれだけ死を嘆いた友人も。
元の世界にいる友人たちも。
クラスメイトも。先生も。見知らぬ通りすがりの人々も。
男も。女も。子供も。老人も。

殺す。
殺す。殺す。
殺す。殺す。殺す。
殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。
殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。
殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。
殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。
殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。

そして無数の死体の頂に立つのは、血塗れで笑う、自分。

「う……えええええええええ」

最悪の想像に胃の中のものを戻してしまう。

そして制御できない衝動は暴発する銃と同じ。
それは組織には不要な力。
BF団だって、それはきっと同じこと。

元の世界にも戻れない。
新しい神にもなれはしない。
アルベルトの遺志すら――継ぐことも出来ない。
“不死身の柊かがみ”にはもうどこにも行く場所が――ない。

「う……う……あああああ……」

少女は絶望に膝をつき、その場に泣き崩れた。

――ごめんなさい、ゆたかちゃん

――あなたは信じてくれると言ったけれど

――“柊かがみ”はこんなにも弱かった。

……そしてそのまま、かがみはただひたすらに泣いた。
子供のように。恥も外聞もなく。
無駄だと分かっていても、体中のラッドが流れ出せばいいと願って。

――だから気付かない。自分に接近してくる影があることに。

「おい、大丈夫か!」

振り返った先にいたのは全身傷だらけの赤いジャンパーの男。
その男を“私”は知らない。でも確かに識っている。
だって俺(わたし)が殺したのだから、彼の弟を。

「相羽……タカヤ……」

行き場を失った感情は思わずその名を口にする。
だがDボゥイは呼ばれた名前に身を硬くする。
誰も知らないはずのその名を呼ばれたことに驚き、そして同時に警戒の色を露にする。

「何故……俺の名前を知っている!」

頭の中はぐしゃぐしゃで、口を開けば何を言い出すか、自分でもわからない。
それでもかがみは口を開く。
そして、その口から放たれた言葉は――

【D-6/河原/二日目/早朝】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:不死者、髪留め無し、混乱中、螺旋力覚醒(ラッドの分もプラス) 、疲労(大)
[装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、コスプレ衣装(涼宮ハルヒ)@らき☆すた
衝撃のアルベルトのアイパッチ@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
    クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS、ぼろぼろのつかさのスカーフ@らき☆すた、
    雷泥のローラースケート@トライガン、バリアジャケット
[道具]:デイバッグ×14(支給品一式×14[うち一つ食料なし、食料×5 消費/水入りペットボトル×2消費])、
 【武器】
  超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾0/5)、
  王の財宝@Fate/stay night、シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム、
 【特殊な道具】
  オドラデクエンジン@王ドロボウJING、緑色の鉱石@天元突破グレンラガン、全てを見通す眼の書@R.O.D(シリーズ)、
  サングラス@カウボーイビバップ、アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION、赤絵の具@王ドロボウJING
  マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ、ヴァッシュの手配書@トライガン、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル
  首輪(つかさ)、首輪(シンヤ)、首輪(パズー)、首輪(クアットロ)
 【通常の道具】
   シガレットケースと葉巻(葉巻-1本)、ボイスレコーダー、防水性の紙×10、暗視双眼鏡、  
 【その他】
  がらくた×3、柊かがみの靴、破れたチャイナ服、ずたずたの番長ルック(吐瀉物まみれ、殆ど裸)、ガンメンの設計図まとめ、   
  壊れたローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[思考]
0:混乱中
[備考]:
 ※ボイスレコーダーには、なつきによるドモン(チェス)への伝言が記録されています。
 ※会場端のワープを認識。
 ※奈緒からギルガメッシュの持つ情報を手に入れました。
 ※ラッド・ルッソの力を開放することに恐怖を覚えました。
 ※ラッドの知識により、不死者の再生力への制限に思い当たりました。
 ※本人の意思とは無関係にギルガメッシュ、Dボゥイ、舞衣に強い殺意を抱いています。
 ※『自分が死なない』に類する台詞を聞いたとき、非常に強い殺意が湧き上がります。抑え切れない可能性があります。
 ※かがみのバリアジャケットは『ラッドのアルカトラズスタイル(青い囚人服+義手状の鋼鉄製左篭手)』です。
  2ndフォームは『黒を基調としたゴシックロリータ風の衣裳です』 その下に最後の予備の服を着用しています。
 ※王の財宝@Fate/stay nightは、空間からバッグの中身を飛び出させる能力(ギルとアルベルトに関係あり?)、と認識。
 ※シータのロボットは飛行機能持ちであることを確認。またレーザービーム機能についても目視したようです。


【Dボゥイ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:一部内臓損傷、背中に傷(炎による止血済み・応急処置済、火傷とバイクの破片は抜いた。)
    左肩から背中の中心までに裂傷・右肩に刺し傷・背中一面に深い擦り傷(全て傷跡のみ)
    ブラッディアイ使用による副作用(詳しい症状は不明)肉体崩壊(進行率13%)
[装備]:なし
[道具]:デイバック、支給品一式、ブラッディアイ(残量60%)@カウボーイビバップ
[思考]
0:目の前の少女(かがみ)に対処する
1:舞衣が過ちを犯す前に止める。だが……
2:テッククリスタルをなんとしても手に入れる。
3:極力戦闘は避けたいが、襲い掛かってくる人間に対しては容赦しない。
4:煙草を探す
5:首輪を外す手段を模索する
[備考]
※殺し合いに乗っている連中はラダム同然だと考えています。
※情報交換によって、機動六課、クロ達、リザの仲間達の情報を得ました。
※青い男(ランサー)と東洋人(戴宗)を、子供の遺体を集めている極悪な殺人鬼と認識しています。
※恐らくテッククリスタルはどちらを使ってもテックセットが可能です。またその事を認識しています。
※ペガスが支給品として支給されているのではと思っています。
※包帯を使って応急処置を施しました。
※ラッドに対する深い憎しみが刻まれました。
※螺旋力覚醒。但し本人は螺旋力に目覚めた事実に気づいていません。
※ラダムに対する憎しみを再認識しました
※スパイクと出会った参加者の情報を交換しました。会場のループについても認識しています。
※ブラッディアイは使えば使うほど効果時間が減少し、中毒症状も進行します。
※肉体崩壊が始まりました、本人も少しだけ違和感を感じました
※フリードリヒに対して同属意識。


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260:太陽がまた輝くとき 柊かがみ 264:GOOD BYE MIRROR DAYS
260:たたかう十六歳(^^;) Dボゥイ 264:GOOD BYE MIRROR DAYS





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