NEXT LEVEL ◆DNdG5hiFT6



地に落ちたフォーグラーの瞳が見つめる前、大きな道から離れたところにある住宅街で
民家を飛び移りながら戦場を移動するのは、ジュリアに乗った奈緒の姿。

同じチャイルドとはいえ、ジュリアにはデュランのような攻める為の力があるわけでも、清姫のような全てを圧倒するパワーがあるわけでも無い。
また、それ単体で戦局を一変させることのできるカグヅチらとは違い、あくまで高機動性とサポート能力に秀でたチャイルドなのである。
更に不安条件を加えるなら、奈緒の体は他ならぬかがみによってすでに満身創痍。
特に攻撃の起点となるべきエレメントはヴァルセーレの剣によっていつもほどの切れが期待できない。

更に相対するのは常識を逸脱した存在だ。
不死身の体に殺人狂の技を持った不死身の柊かがみが、異世界の殺人集団・GUN-HO-GUNSの雷泥のローラーブレードで加速して追って来る。

しかも今のかがみはラッドの分も上乗せされた螺旋力によって、ビルをも砕く馬鹿力を手に入れている。
今の奈緒が勝てているのは小回りのみという情け無い状況だ。
だが接近戦はどう考えても不利。
とりあえずは距離をとって相手の出方を――

「ねぇ奈緒ちゃん、コレ、なんだと思う?」

かがみが微笑みながら右手に翳したのは見覚えのある鍵剣。
確か金ぴかの持ち物だというそれは、砲弾のように巳六を撃ち出し、さっきは本や金ぴかの鎧を射出していた。
だが裏を返せばそれは碌な弾丸がないということ。
いつかは弾切れを起こす――そこまで逃げ切れば勝機が……ある!
だが、その思考を遮るように大きな音が響き渡る。
奈緒の視線の先には、ブロックで民家の窓ガラスを叩き割るかがみの姿。

「この道具ってさ、面白いよねー」

友達に話しかけるような気軽さで話しかける。
呆気に取られる奈緒を目の前にして、血が流れ出すのもかかわらずその破片を乱暴に拾い上げる。

「ただディパックの中身を射出するだけじゃなく“刃物だけ”とか“本だけ”とか限定できるのね。
 だからできる――こんなことが」

そのまま大小様々な破片を自らのディパックに放り込み、そして鍵剣を掲げる。

「開け――≪王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)≫」

そして空間が歪み、波紋と共に透明な刃が奈緒へとその矛先を向ける。
かつて機械人形の少女が小石を弾丸としたように、そして先程、かがみの中の殺人鬼が金属片を黄金の散弾銃と化したように。
硝子の剣は空気を切り裂いて、少女を肉片へと変えようと迫る。

「ジュリアッ!」

だがそれを目の前にしても奈緒は冷静であった。
ジュリアを前に出し、自分は大きく後ろへと下がる。
高速で射出されるとはいえ、所詮は硝子。
ジュリアの硬質の肌に砕かれ、粉々に砕け散る。
だが――

≪王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)≫の攻撃は“点”ではなく“面”。
瞬時のことだったので、ジュリアの反応が僅かに遅れ、その一欠片が奈緒の頬を切り裂く。

血の滲む頬を押さえ、舌打ちをする。
見かけよりも広い効果範囲。
距離と射角次第ではジュリアを盾にしても防ぎきれまい。
その上周囲を見渡せば民家、民家、民家。
そしてその窓には必ずといっていいほど硝子が敷き詰められている。
そう、いまや柊かがみは無限の弾丸を手に入れたと同義なのだ。

「運が良かったわね。ガラスって体内に残ると悲惨らしいわよ?」
「……冗談ッ!?」

ビルすら砕く左腕と、尽きることの無い弾丸を吐き出す砲門。
遠近共に隙の無い絶対攻撃。
こんなもの、手詰まりにも程がある。

「だったら……これでもくらえぇぇっ!!」

エレメントで電信柱を切り裂き、そのまま絡めとる。
さらにジュリアの体重と力を利用して、滑車の原理で高速で投げ飛ばす。
チャイルドの力を上乗せさせて放たれたそれは最早砲弾に等しい。
だが――

「十傑集候補を……舐めんなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

かがみは高速で迫り来る電信柱を足場にして空中で再加速した。
……とある多重世界のラッドは、暗殺者の投擲したナイフを足で踏んでかわしたことがある。
一流の暗殺者の投げナイフ――それに比べればさっきの電信柱は止まって見えるも同然。
再度加速したかがみはジュリアに肉薄し、いつの間に持ち替えたのか、奪い取った聖剣を振り下ろす。
咄嗟にしゃがんで迫り来る白刃をかわすが、薄皮一枚と髪の毛を数本持っていかれる。

「こんの……化け物ッ!!」
「ありがと、褒め言葉として受け取っておくわね」

嫌味すらも通じない。
互角どころか、一方的なワンサイドゲーム。
それが現在のかがみと奈緒の力の差であった。

「くっそっ!」

糸を張り巡らせて独特の軌道を取りながら急いで物影へ身を隠す。
ディパックの中身を打ち出す≪王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)≫
金ぴか曰く正確な射撃が出来なくなっているらしいが、“面”の攻撃の前ではそんな誤差は塵に等しい。
また硝子を回収する隙も怪我を気にしなくていいせいで異常に早い。
どうする? どうする?
焦りだけが加速して、思考能力を奪っていく。
だが――

「さて、そろそろ終わりにしましょっか。
 結構いい復習になったし、一気に片付けてあげるわ」

かがみの勝ち誇った声が耳に届いた瞬間、その焦りは消え去った。
あの女はこっちを向いていない。
あたしを脅威としてではなく、数学の問題程度にしか考えていない。

――ふざけんな。

奈緒の中に生まれたのは怒り。
だがそれは生まれてこの方初めて感じた、冷え切った鋭いナイフのような怒り。
その怒りは奈緒の中から焦りを消し、冷静さを呼び戻す。
あの女は誰の目から見ても慢心している。
だが慢心すれば足元を掬われる。
慢心の塊を誰よりも隣で見てきた自分は、この場にいる誰よりもそれを理解している自信がある。

「目に物見せてやる……!」

奈緒は獰猛な決意を込めて、物影からかがみを睨みつける。


 *   *   *


さっきの言葉は半分挑発、半分事実だ。


かがみにとってこの戦いは“復習”である。
己が内から溢れ出た殺人技巧をこの身に定着させるための。
そして復習は、授業の直後が一番効率的なのだ。
もう8割がた復習は完了した。
残るのは内部に渦巻く、凄まじい殺人衝動だけ。

だからかがみは戦いを終わらせるために挑発を仕掛けた。
そしてかがみの予想通り、巨大な影が上空から襲ってきた。
一瞬戸惑うものの殆ど反射的に引き金を引き、蜘蛛の上の影を粉々に打ち砕く。
だが――音を立てて引き裂かれたのは、蜘蛛の上に載った看板であった。

「なぁ!?」

驚くかがみ。その瞬間、横合いから伸びてきた糸がかがみの腕を切り裂き、腕ごと鍵剣が宙を舞う。
更に呆然とするかがみに向かって、ジュリアの“糸”が直撃し、かがみは地面に縫い付けられる。

そう、これこそが奈緒の策。
ジュリアの上におとりを配置し、自身は周囲の建物の影へ。
かがみがおとりを撃ち、驚いた瞬間にあの鍵剣を引き離す。
それは策としては単純極まりないものであったが、その目論見は見事成功した。

そして、これで終わりではない。
相方と違ってハナから結城奈緒に慢心は無い。さらに追撃をかける。
だが以前散々切り裂いたことからも、恐らくは凄まじいスピードで再生していくだろう。
だとすればこの場で最も効率的な攻撃方法とは何か。

「来いっ、ジュリアッ!!!」

それは――圧殺。
身動きの取れないかがみに対し、ジュリアの重さを利用して全身の骨を砕く。
清姫ほど出ないにしろ、ジュリアとて軽自動車並みの重量がある。
全身を一気に潰す圧殺は、かつてラッドの行った殴殺ともまた違うダメージのはずだ。
少なくとも斬撃よりは効果があるはず。
僅かだけでも威力を上げるため、ジュリアの上に載り、天高く飛び上がる。

「潰れろっ! 柊かがみぃぃぃぃっ!!」

だがその瞬間、目標としていた白い繭は弾けて散った。
そして現れたのはライトブルーを基調としたセーラー服姿の少女。

――リアクティブ・パージ。
バリアジャケットを強制解除する反動を利用して攻撃を無効化する最後の切り札。
かがみはそれを応用し、解除時の衝撃で“糸”を弾いたのだ。

そして彼女の手に握られているのは聖剣。
魔力と引き換えに奇跡を起こす魔法の道具――宝具(ノウブルファンタズム)。
螺旋力は魔力に変換され、剣に光を宿していく。

それに対する奈緒達は天高く跳び上がったせいで、その破壊力と引き換えに機動性を失っている。
糸を吐こうにも届く範囲に建物が無い。
住宅街であるが故の敗因だった。
そしてそれが意味するのは逃れられない、ということ。
柊かがみの手に握られた剣は、文字通り少女に約束された勝利をもたらすだろう。

だがそれを前にしても恐ろしくはなかった。
それどころか“そういえばあの剣は金ぴかの彼女のモノだっけ”とか暢気なことを考えていた
思えばここの世界に召喚されてから、最初から最後まであの男に関連しっぱなしだったということになる。

でも、それは案外悪くないことのように思えた。
まぁ、不満なのは目の前の女に一度も勝てなかったことか。
だから最後の意地とばかりに真正面から睨みつけ、呟く。

「――地獄へ落ちろ、クソ女」

その呟きは誰の耳にも届くことなく、黄金の閃光にかき消された。


 *     *     *


かがみの視線の先にあるのは大地に崩れ落ちたジュリアと奈緒の姿。
だがジュリアも足を数本寸断されただけで本体そのものはダメージがない。
奈緒本人にいたっては新たについた傷は無い。
そう、最後の瞬間、全てを切り裂くかに見えた極光は僅かにそれて、ジュリアの足を数本切断するだけに終わった。

その原因はかがみの姿を見れば明らかだ。
かがみの肘に赤黒い孔が穿たれているのだから。
その孔は肉の向こうにある景色を見せ、その間にあるべき骨すら砕いている。
少女はつまらなそうに孔を見ると、その傷をつけた相手を睨みつける。

「そっか、最初の場所に戻ってきたんだ……それに暫く起きれないと思ってたんだけど。
 細く見えるのに案外丈夫なのね」
「……鍛えてるからな。それに、賞金稼ぎは体が資本なのさ」

その視線の先には、銃を構えるスパイクの姿があった。
彼が目覚めたのはなんて事は無い偶然。
2人の少女の戦いのフィールドが一周して最初の場所に戻っていたことと、
そして少女の叫んだチャイルドの名が、決して忘れることの出来ない名前と同じだったというだけのこと。

「ねぇ、あなた自殺志願者? 手出ししなかったら見逃してあげてもよかったのに」

獲物を横取りされた形になったかがみのイラつきはレッドゾーンだ。
殺人衝動は限界を超え、誰かを殺さねば収まりそうに無いまでに膨れ上がっている。
さらにさっきの挙動を見る限り、一対一、その上真正面から相対した状態では、いかにスパイクといえども頭部を狙い打つのは至難の業。
得意のジークンドーも片腕が無い状態では目の前の化物には分が悪い。
結局は容赦なく自分は殺され、その後に奈緒も殺される。
死体が一つ増えるだけの無駄な行為。そしてそれはスパイクにも分かっていたはずだ。

「……大人には責任って奴がある。 見捨てるわけにも、いかんだろ」

だがその言葉に、かがみは撃たれた左手を見下ろして、ため息をつく。
他の傷に比べ銃で撃たれたことは少ないとはいえ、もう既に再生は始まっている。
飛び散った血や肉がゆっくりと巻き戻され、白い手を形作っていく。

「それにしても……ワザと? だとしたら大バカ野郎よ?」

スパイクの手に握られたのはジェリコ941改、彼が長年使ってきた愛銃である。
いくらダメージを受けているとはいえ、この距離ならば外すことはありえない。
だが彼が狙ったのは手――最も早く動く小さな的だ。
そんなものを狙うぐらいならば効果が無いと知りつつも体を狙ったほうがまだ効果的だし確実だ。
それをしなかったのは一体――


「……ラブ&ピース、だとよ」
「はぁ?」

呆れるかがみを目の前にして、スパイクは大真面目にそんなことを呟く。

「あいつが……ヴァッシュが言ってたろ。そんなことをよ。
 誰だって大人になるにつれて嫌なもんを見る。
 そりゃそうだ。世の中は汚いモンだらけだ」

だがあの馬鹿は、人間台風は笑いながら向かった。
みんな笑おう、と。みんな助かろう、と。
いい年した大人が、大声で愛と平和を叫ぶ。
馬鹿だ。だがそれは心の隅でみんなが憧れたかっこいい馬鹿(ヒーロー)だ。

「あいつはそれを知ってて、それでも大声で“ラブ&ピース!!”って叫んでた。
 だから、俺はこう考えちまったのさ。
 あいつは世界が汚くても、それに何か匹敵するぐらい美しいものを見たんじゃねえか……ってな」

それは案外正解に近いんじゃないかと思えた。
うらぶれた汚いバーでスゲェイカすジャズを聴いたときのような、そんな感覚。
それがあれば、美しいものを信じれるような、何か。

「……でも、そのせいであんたは死ぬ。とんだ疫病神ね」
「そう言ってやるなよ。もしかしたらあいつは天使だったのかもしれないぜ」

スパイクはそう言って笑う。
皮肉げに、でも何処か満足そうに。
その顔を見てかがみはため息をつく。

「……冥土の土産に一つだけ教えてあげる。
 この会場にもう一人、ヴァッシュ・ザ・スタンピードに負けず劣らずのバカがいたらしいわ。
 もう死んだけど、誰かを救うことが正義と信じて貫こうとした男の子が、ね」

何だ、あのバカみたいなのがもう一人いたのか。
驚きとともに浮かぶのは笑い。

「ああ……そりゃあほんとに悪くねえな」

心の底から、そう思う。
さて、おしゃべりの時間はおしまいだ。
吹き飛ばされた左腕も何時の間にやら回復した。
さぁ、さっさと2人を始末して、ウルフウッドを探さないと。

――ザワリ

だがそのときかがみの全身が総毛立つ。
反射的に振り向いたその先、そこにはゆっくりと立ち上がる奈緒の姿があった。


 *    *    *


……ざーざーと音がする。
壊れたテレビの音のようなそれが風の音だって気付いたのは偶然。
気付けばあたしは凄い嵐の中にいて
吹き飛ばされないように地面にしがみつくしかなかった。
存在すら消し飛ばれそうなその風の中で壁を見つけ、やっとの思いで後ろに回りこむ。

『なっさけないねぇ。こんぐらいの風で音を上げるなんてさ』

そう言って誰かが背後で笑う。
仕方ないじゃん。もともとそんなキャラじゃないし。
あたしさ、勝てない算段はしないの。
フツーそうでしょ? 頭使っても何してもダメなら逃げるしかないってば。

『ふーん、じゃ、あれ見てもそういえる訳?』

見上げればそこにあったのは2本の足。
そう、壁だと思っていたのは金ぴかの背中だったのだ。
逆風をものともせず、迷いの無い足取りで一歩、また一歩と足を進めていく。
その背中は広くて、あいつのアホみたいな性格を知っていたとしても魅せられることに納得してしまう。
あいつの言う臣下だったらそれで十分だったのかもしれない。

でも、あたしは不満だった。
その背中に邪魔されて、その先が見えないのだ。
金ぴかの見ている光景が今のあたしには見えない。
アイツが見ているものが、あたしには何も見えない。
アイツの隣に立たないと、あたしはアイツと対等になれない。
それは今のあたしにとってスゴい悔しいことだった。

『へー、じゃ、どうすんの?』

決まってる。さっさと立ち上がって、アイツの隣にさっさと並ぶ。
重い体を引き上げて、ゆっくりと立ち上がる。
ただそれだけで吹き飛ばされそうになるが、足を踏ん張って何とかこらえる。
背中に隠れた状態でこれだ。あの中へ踏み出したら一体どうなってしまうのか。

『何? ビビってんの?』

――まさか。ビビってるヒマなんてない。
あの王様は傲慢で我侭だから、こっちを振り返りもしない。
だから隣に立とうと思ったらもっと速く進まないと。もっと強くならないと。
そのためにはこんなところで足踏みしているヒマなんて……あるはずがない!
だから意を決して、嵐の中へ一歩踏み出した。

『そうそう、そのぐらいの方がいい女になれるもんさ……アタシみたいにさ』

おせっかいなその声は聴き覚えがあるような、聞き覚えが無いような不思議な声。
視界の隅にあのダサいバリアジャケットを着た少し年上の自分が笑っていたような気がしたけれど、それも風にかき消される。
声だけじゃない、姿も、痛みも、結城奈緒という存在が砕かれ、消えていく。
自分自身が粉々になりそうなほどの衝撃の果て。
僅かに開けた瞳が見たものは――二重の螺旋。


 *     *     *


「……まだやる気? これ以上やるなら命の保障は出来ないわよ?」

それは脅しでも何でもない。純然たる事実だ。
さっきから殺人衝動は加速し、イラつきは限界を突破してしまいそうだ。

「……あの、隣に……」

だが奈緒の耳にその声は届いていない。
意識も朦朧としているのか意味の分からない言葉を呟いている。
どう見ても立っているだけで精一杯だ。

だが、だというのに背筋に走るこの悪寒は何だ。
うっすらと開かれた奈緒の両目に光る螺旋はより強く瞬き、螺旋の力は増大していく。
それこそ限界という名の天元を突破せんほどに。

奈緒の後ろで倒れていたジュリアの姿が掻き消える。
だがそれは消滅ではない。
それは言うなれば命の脈打つ蛹への進化。更なる飛躍のための助走だ。

悪寒がする。二人分の力を併せ持つかがみですら恐怖する何かが起ころうとしている。

だが螺旋の力の恩恵を受けているかがみだからこそ、行動は迅速だった。
≪約束された勝利の剣≫に魔力を籠め、水平に構える。
自身を中心に放たれる円の一撃は確実に2人まとめて切り裂ける。
それを察したスパイクが動き始めるが距離的に間に合わない。

「“約束された(エクス)”――って、なっ!!?」

だが、横会から飛んできた火の弾が邪魔をした。
斬殺、撲殺、圧殺、射殺……いろいろな“殺され方”をしてきたが焼殺だけは未経験だ。
いつか何かのラノベで読んだ『焼け死ぬ苦しさ』という“知識”が、かがみを回避へと導いた。

その視界の隅で奈緒が膝から崩れ落ちた。
後一歩の処で体力の限界がきたのだろう。
だが今はそれに安堵するよりも、新しい“敵”に備えなければ。
炎、ということは舞衣が能力を取り戻したかと思ったが位置関係からしてありえない。
炎の着た方向に視線を走らせるとそこにいたのは口元から火をちらつかせる小さな生き物。
そして――

「かがみ……せんぱい……」

柊かがみの記憶に残る、か弱い少女の姿だった。


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260:小娘オーバードライブ(後編) スパイク・スピーゲル 260:太陽がまた輝くとき
260:小娘オーバードライブ(後編) 柊かがみ 260:太陽がまた輝くとき
260:小娘オーバードライブ(後編) 結城奈緒 260:太陽がまた輝くとき
260:たたかう十六歳(^^;) 小早川ゆたか 260:太陽がまた輝くとき





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