※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

陸でなしと寄せ集めブルース ◆hNG3vL8qjA


■  ■  ■

『“B-5-卸売り市場”-⑥-Forever Broke-』

……右に首を傾けてみる。瓦礫の山。
180度反転させて左をみる。瓦礫の山。
首を少しあげて前方を見てみる。瓦礫の山。
もう少し上げて、自分の体を見てみる。五体満足。
力を抜いて大の字の状態に体を戻す。
深呼吸をしてみる。肺はやられてないようだ。
右手を見る。拳銃の所持を確認。左手を見る……あ。

「片方をどっかで落っことしまったな……カートリッジごと。愛銃が残ってるだけましか」

嵐のような、出来事だった。
次から次へとわけもわからず降り注ぐ赤い光線のスコール。
俺もウルフウッドも不死身の柊かがみも、即座に逃げることを選んだ。
逃げるほど、恐怖していたわけでもないのに。
レーザーの雨なら、俺はエドの一件で経験済みだ。
あの2人も、レーザーとまではいかなくても似たような襲撃なら慣れっこ。特に片方は不死身だ。
しかし体が動いたということは、俺たちは鼻が利いたんだろう。
これからもっと恐ろしい災害がここに降ってくるのだ、と。
人間台風を目の当たりにした警報機も、計測不能を起こすような天変地異が。
もっとも、この市場はじきに崩壊しそうだから、非難することには変わらないんだがな。
問題は人名救助だ。
赤い雨が鳴りを潜め、不死身の柊かがみが生死不明である今、俺が気にかける行方不明者はただ一人。
ニコラス・D・ウルフウッド。
正直、助ける義理は無い。図らずとも俺の仲間を殺した男だ。
だが――ヴァッシュ・ザ・スタンピードの顔が、俺の心を鈍らせる。
実に変な話だ。
たった数時間しか共にしていない男に、この俺の心を絆されかけているのだから。
なぜだろうな。
宿敵・ビシャスという因縁に決着をつけたからか?
奴が死んだ以上、俺の中の覚めない夢は、あいつ――ジュリアだけのはずだった。
だがそこにちゃっかり入り込んで、空いた席にどかっと座ってきたのがヴァッシュだ。
まだ組織に殺される前の、足を洗ってジュリア生きると羨望していたころの俺に、目覚まし時計を鳴らしやがった。
奴のラブアンドピースに少しづつ浸っていく自分がいる。
ニコラス・D・ウルフウッドを救出してみないか、と。
この瓦礫の山から奴を見つけようとする時点で、お手上げなんだがな……ん?

「救急車のおでましだ」


ぽっかり開いた天井の穴を、目を細めてみる。
土色にまぶされた鳥のようなフォルムを、俺はよく覚えている。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードを搬送するために、その場を去ったはずのロボットだ。
戻ってきたということは、あのナイチンゲールは俺の仲間と遭遇して上手くやってくれたのだろう。
彼女がここに戻ってきたということは、とりあえずヴァッシュの命の保証は大丈夫、ということだ。
彼女は最初に聞くところによれば、ウルフウッドに出会うまではエドたちといたらしい。
その後、逃亡の果てにロボットと出会ったらしい。よくここまで生きていたものだ。
……本当のことを言えば、ウルフウッドの前例もあるので、警戒を完全に怠るのはどうかとも思った。
しかし事態が事態だったので顔見知りの名前を挙げるくらいは、と妥協した。

「スパイクさん! 大丈夫ですか」
「感謝するぜシータ、こっちは無事だ。それより頼みがある。ウルフウッドを探してほしい」
「……ウルフウッド牧師をですか」
「別に奴を助けるためじゃない。助けた後どうするかは、それからじっくり考えればいいさ」
「あの……もう一人の方は」
「あいつは不死身だ。ここが禁止エリアにならない限りしばらくは死なないさ」

俺はシータに背を向けると、近場にあった瓦礫を適当にどかし始めた。
セメントで固められた建造物の破片は、持ちどころこそ多いが、うっかり手を滑らせて怪我をしやすい。
剥き出しになったボルトや針金も厄介で、素手で運ぶには余りにも危険だ。
そして、意外と重い。
持ち上げようにも、足腰の疲労も相まって、バランスが上手く取れない。
耐え切れなくなった俺は、声を上げながら、障害物を明後日の方向へ投げ飛ばした。

「…………は? 」

俺は、テレビにはそれほど興味が無い。
だから何万人という観客のいるステージで起こる大魔術の中継番組を見ても、鵜呑みにはしない。
どちらかといえば、ギャンブル寄りな思考だが、イカサマを見破るのは得意だ。
しかし、それでもわからない。
何をどうやったら、俺の投げた障害物がそのまま俺の左腕を持っていくんだ?
この左腕から噴出す赤い血糊は、モノホンなのか?
なぁ誰か種と仕掛け教えてくれよ。このままじゃ俺は一生勘違いしたままだ。
目の前にいるお姫様のお供が、殺すつもりで俺にレーザービームを放ったってよ。

「くすくす。もうちょっとだったのに」

片腕が殺られたのは、おそらく偶然だ。
体の疲れで頭がフラフラしてなかったら、あの瓦礫を投げ飛ばす時にバランスを崩していなかった。
上半身をひねりながら、無理な体勢で投げた拍子に転んでいなかったら、問答無用でお陀仏になっていただろう。
また、らしくないヘマを俺はしちまったのか。
スパイに情報を送るなんざやってはいけないタブーの、初歩中の初歩だぜ。
いつからだ。いつからこんな腑抜けになった。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードに会ってからか……いや、ここに来てからだな。明らかに出遅れてた。

「ヴァッシュ・ザ・スタンピードはどうした」
「“これ”と“これ”を見ても、わかりませんか? 」

シータが勿体ぶった口調で、ディバッグからブツを2つ取り出して見せびらかす。
わからないはずがない。それを“持ってこれた”ということは、“そういうこと”だ。


――だからガキと女と動物は嫌いなんだよ。


■  ■  ■


『B-5-道端-Adieu』

……主よ、あなたには冗談が通じないのですね。
やられたわ。やられてもうた。俺というブタ、ホンマに捨て札されてしもた!
やるなぁ~あんの絶妙なタイミングで天の雷降らせるか。
ビックリしたわ~今の俺、めっちゃオイシイやん。
不死身の柊かがみはどっかに埋まって、ほなさいなら。
モジャモジャはロボットに乗ってきた嬢ちゃんとイザコザ起こして腕吹っ飛ばされおった。
嬢ちゃんもモジャモジャのことで頭が一杯やし。
みんな、俺が隠れとることには気づいとらん。つまり、俺は晴れて自由の身。
しかもな、俺こっそりモジャモジャの落としよった拳銃拾ってもうたんや。
いやーついとるなー……ケッ。

「じゃ、俺はここらでお暇させてもらうわ」

体についた汚れを払いながら、こっそりと歩を進める。
どうせこの施設は間も無く崩壊するし、あの2人に肩入れするような義理もないのだから。
行き先はもう決まっている。
親切な賞金稼ぎが教えてくれた“仲間”の拠点、図書館だ。
あそこにいけば、ひとまず休息はできるし、自分を介抱してくれるお人好しがいるかもしれない。
事情を問いただされたら『わからない、忘れた、思い出せない』を連呼すればいい。
他人のフリ三拍子を並べて適当に言い繕えば、相手は疑いこそすれ敵意は出すまい。

『――“これ”と“これ”を見ても、わかりませんか? 』

……確かに意外やった。
何をどうしたんかはわからんが、意表をつかされた。
嬢ちゃんが、あのトンガリを誑し込んだとは。
思えば最初に再開したときから、何かが変わっていた。
相変わらず誰かに守られとるか弱いウサギのような目をしていた。
しかし何故最初に俺と遭遇したときに使ったカマイタチを全く使わなかったのか。
ロボットという更に上物の力を手に入れたから?
いや、それは無い。ロボットは操縦者さえ黙らせてしまえばお釈迦。
昔から巨大ロボットの弱点は、それを操縦するリモコンと相場は決まっている。
リモコンに厳重な装備をつけることに、不必要という概念は入らないはずだ。
使えなくなったのか、それとも使わなくてもいい事情があったのか。
だが、それらは所詮“経験不足”という言葉で片付けられる。

「……なぁ。ホンマに死ぬまで言い続けるんか」

『死ね死ね』と響く体のノイズに、俺は独り言を吐く。
ここまで連続で言われ続けると、意外と慣れてくるものだ。
最初は誰かが自分にこっそり陰口を叩いてるものだと思っていた。
しかし、こうして1人になった今でも、所構わず聞こえてくるのだ。
俺はこれを主が与えた奇跡――いわば“聖痕”と解釈した。
つまり、主は俺に死んでほしいのだ。
単なる思いつきかどうかはさておいて、主は敬愛なる信仰者ニコラス・D・ウルフウッドを甦らせた。
しかし、それは間違っていた。
聖職者は単なる暴徒と化し、怒りに任せて残虐の限りを尽くしてしまったからだ。
せっかくやり直しのチャンスを与えたのに、結果は主の裏目に出てしまったのだ。
困った主は、やむ終えず自分の過ちを“無かったこと”にしようとした。
しかし直接この手で下してしまえば、それは自分の非を認めることになる。
悩んだ末に主が選んだ手段とは――

「俺が自殺するように仕向けるってとこか」

何度も何度も窮地に追い詰めるが、決して直接死には繋がらない。
ニコラス・D・ウルフウッドが少しでも不快に思うことをひたすら与え続ける。
実に強引なやり方だ。
そのためには、誰がどうなってもいいというのか。

「やれるもんならやってみぃ」

どう考えても不可思議。どう考えてもこじつけ。
しかし、そうでなければこの”声”に説明がつかない。
苦楽を共にした盟友への思いを、消化しきれない。
ひたすら怒りが募るこの現状に納得がいかない。

(トンガリィ……お前はなぁ……やっぱり、笑顔のほうが……似合っとったでぇ! )

いつの間にか、俺はみっともなく泣いていた。
前歯で下唇を噛み閉め、声は押し殺す。
出してしまえば、誰かに自分の居場所を気づかせてしまう。
そして、こんな姿を誰にも見せたくはなかった。
あのトンチンカンな男のために、泣いている自分など、見られたくはなかった。
でも泣かないわけにはいかなかった。
これも主が自分に差し向けた嫌がらせだとすれば、泣ける余裕なんて、これがおそらく最後だろう。

(カラッポなんて言うて……悪かった)

スマンなトンガリ。けど絶対に死なんぞ俺は。
何が何でも生き残ったる。どんな手を使っても生き残ったる。
このまま無かったことにされてたまるかい。
主よ、おどれはこっからもっと思い知ることになるんや。
俺を甦らせたっちゅーことが、どれほど過失やったかをな。
どんだけ卑怯なこともやる。殺れるチャンスでは容赦なく殺るで。仲間なんぞ利用してポイや。
お前が少しでも不快に感じて俺を殺したら、そこで俺の勝ち。


外道はくたばるまで外道味やで。分かっとるんかクソが。
せやけど怖がることないで?
俺は、何一つ見限らんっちゅう男やないんやから。




【B-5/道端/2日目/早朝】
【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン】
[状態]:疲れによる認識力判断力の欠如、情緒不安定、全身に浅い裂傷(治療済み)、肋骨骨折、全身打撲、頭部裂傷、貧血気味
     軽いイライラ、聖杯の泥
[装備]:アゾット剣@Fate/stay night、デザートイーグル(残弾:8/8発)@現実(予備マガジン×1)
[道具]:支給品一式
[思考]
 基本思考:自分を甦らせたことを“無し”にしようとする神に復讐する。(①絶対に死なない②外道の道をあえて進む)
1:どこかに移動して休息をしたい(図書館も視野に入っている)。タバコが欲しい。
2:売られた喧嘩は買うが、自分の生存を最優先。他者は適当に利用して適当に裏切る。
3:神への復讐の一環として、殺人も続行。女子供にも容赦はしない。迷いもない。  
4:自分の手でゲームを終わらせたいが、無謀なことはしない。
5:ヴァッシュに対して深い悲しみ
6:言峰に対して――――?

[備考]
※迷いは完全に断ち切りました。
※ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの思いは――。
※シータを槍(ストラーダ)、鎌鼬(ルフトメッサー )、高速移動、ロボットの使い手と認識しました。
※言峰の言葉により感情の波が一定していません。躁鬱的な傾向が見られます。
※シータのロボットは飛行、レーザービーム機能持ちであることを確認。

■  ■  ■

『???-???-ヘブンズ・ゲイトウェイ・シャッフル』


…………何処なんだ……ここは……?

進めない。行く先に、何があるのか……くそっ。
何も見えないし、真っ暗だ。
いや違う。
今度ははっきりと見えているけど、視界がぼやけているんだ。
一体ここはどこなんだろうう――

「あ! ヴァッシュさん、目が覚めましたか? 」

……シータちゃん?
どうして君が? ウルフウッドは? スパイクさんは? 不死身の柊かがみは?
みんなはどうし……そうだ。
僕は不死身の柊かがみからすたこら逃げて時間を稼いでいたんだ。
でも彼女がみんなを狙おうとしたから、慌てて僕が盾になったんだっけ。
やっぱり銃で弾いておけば良かったかなぁ。すっげぇ痛いのなんの。
でもスパイクさんもマジだったし、せっかくもらった銃だったから弾は大事にしたかったんだよね。
あの銃の弾丸なら、なんとか急所を外せば我慢できると思ってたからさ。
……と、待てよ。
じゃあなんで他にも痛い箇所があるんだ?

「良かった。そんなに剣が刺さってたから、もう駄目だと思ってました」

剣……ああそうか! 思い出したよ。
それからが大変だったんだ。不死身の柊かがみはその後、今度は刃物を飛ばしてきたんだよ
あれはビックリしたなぁ。何も無いところからいきなり刃物が飛び出すんだもの。
一番重そうな刀から、何発か撃って優先して弾いたけど、距離が近すぎたせいか全部刺さっちゃったんだよね。
でも変だな。刺さったとはいえ、銃弾の時よりも急所は外れていたはずなんだけど……気絶しちゃってたのか?

「やっぱりアナタも不死身ですね。私の予想通りです」

いやいやそんな照れるなぁ。
だがごめんよ。僕のタフネスは誰にも知られてはいけないトップ・シークレットなのさ。
それに話したところできっと君は信じないだろう。僕がプラントの自立種なんてことは、ね。

「せっかくで悪いんですが、もう1仕事してもらいますから」

フフ、しょうがないなぁ。そんなにカワイイお顔でおねだりされたら……あれー?
そういえばシータちゃんはどこ?
声はするんだけど、姿が見えない。
ちょっと目を擦って……やっぱりいない。
僕はシータちゃんのロボットに担がれているけど、シータちゃんはロボットに搭乗していない。
僕たちよりちょっと離れた場所で手を振っている。
うーん、どうして――――







“この界隈は現在、進入禁止エリアと定められている。速やかに移動を開始し、当該エリア外へと退避せよ”



■  ■  ■

『A-3←→A-4-禁止エリアの境目-スピーク・ライク・ア・プリンセス』


“ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー”


くすくす。私、考えちゃいました。
『兵隊さんならではの作戦』。
用意するもの、私の言うことを聞くロボットさんと禁止エリア。
まず、殺したい人をロボットさんに禁止エリアまで運ばせます。
あとは簡単。ロボットさんが殺したい人を押さえつけて1分間待つだけで出来上がり!
手間もかからず、手も汚れません。鰯のパイ包みよりも簡単ですよ。
唯一問題があるとしたら、準備でしょうか。
ロボットさんより強い人は、ほどほどに痛めて下ごしらえをしないといけません。
記念すべき一回目はヴァッシュ・ザ・スタンピードさんにやってもらうことにしました。
体中に疲労がたまっていそうで、剣が沢山突き刺さっています。死に体です。うってつけです。

「シータちゃーーーーーーーーーーん、離してーーーーーーーーーー!! 話せばわかるーーーーーーーー!!」

くすくす。ごめんなさいヴァッシュさん。あなたには恨みはありませんし、むしろ感謝しています。
あなたが1人で奮闘してくれたからこそ、私はこうして無事でいられるんです。
でも、ごめんなさい。
だって、思いついちゃったんですもの。不死身の人間でも殺せるかもしれない方法。
螺旋王のおじ様は、禁止エリアを設けました。でもそれが本物かどうかは私には半信半疑でした。
でも、これが本当のことだったら、あの人も同じ手で殺すことができます。
不死身の柊かがみ。
私、最初に卸売り市場で彼女と遭遇したとき、どこかでお会いしたような気がしてたんです。
でも、思い出したのは彼女が先でした。彼女、最初に私たちがウルフウッドさんとあなたを取り囲むんでいる時に耳打ちしたんです。

『この切り裂き魔。忘れたとは言わせないわよ? あとで思い知らせてやるわ』

彼女は私がうっかりストラーダで殺してしまった女の子だったんです。
その時は顔を見てなかったのですが、柊かがみは忘れていなかったのです。私の顔は無事だったんですから。
私は目の前が真っ青になりました。いつ皆さんの前で全てを暴露されるのか怖くて震えていました。
せっかくあなた達に矛先が向かっていたはずなのに……何も出来ない無力な女の子のフリをしていたのに!

「ダメだよーーーーーーーーーーーーこんなことしちゃダメだーーーーーーーーーーーーーー!!」
『残り10秒だ』
「アッーーー!! やめてとめてぇーーーーーーーヘルプミーーーーーーーーヘルプミーーーーーーーーーーー!!」
『9、8、7、6、5、……』

だから私は逃げました。うまい口実をつけて、ヴァッシュさんを連れて逃げました。
でも私が逃げたところで、柊かがみがスパイクさんとウルフウッド牧師に私の素性を話していたとしたら、結局お終いです。
その時……偶然この“殺し方”を思いつきました。
この殺し方が上手くいけば、柊かがみは始末できる!
他の2人も、ロボットさんが痛めつけたあと運べば、出来るはず。
だからヴァッシュさん。あなたは実験台になってもらいます。
私の優勝のために死んでくださ…………

『4…………………………………………』

……何ですって!
そんな、どうして!? 確かに禁止エリアに入ってるはず。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの首輪は間違いなくカウントをしていたはずなのに!
一体何が起こってるというの!?


■  ■  ■

『A-4-禁止エリア-終わらない唄』

いよお……兄弟……つながれ……そして決めてくれ。
おたくのご主人様が、俺を殺そうとしている。
いや、それは別にいいんだ。
だけどよ、お姫様が殺し合いってのもシュールだぜ。民衆には見せられない。
俺は信じてる。
そっちは何年歩いてる? 俺は150年歩いた。
頼むぜ……もう一度、チャンスをくれないか。
言いつけを破れ、とまでは言わないさ。
全身の力を込めて僕を地面に押さえつけている、君の両腕を離してくれるだけでいい。
俺がおかしな事を始めたら、容赦なく殺していい。
話がしたいんだ。君のお姫様と。

「…………そんな! どうしたの兵隊さん!? 」
「君の兵隊とコンタクトをとってみた。何を考えているのかは、よくわからなかったけど。僕に猶予をくれたよ」
「あなたも不死身だというの? 」
「さあね」

……要領は同じだった。
自立型のプラントである僕が、同胞とコンタクトを取る方法。
仮死状態にはなるけど、4分はいける。動けないんだけどね。
完全にバクチだったけど、禁止エリアってのは死者を殺さないらしい。
これを使えば、僕にとって禁止エリアはチェックメイトに成り得ないわけだ。
もっとも、いざ外に出るとなると誰かに助けてもらわないといけないんだが……だから、伝える限りのことをしよう。
やれるだけのことをするんだ。
そうさ。僕はいつだって、ラブ・アンドピース。彼女の心を解きほぐしてやるんだ!!

「シータちゃん。僕を殺さなければならない理由があるんだね。
 でも、それは間違ってる。そうまでして何の為に生きるっていうんだ」
「あなたに何がわかるって言うんですか! 私は、例えどんなことをしてでもやらなければいけないことが……」
「じゃあ仕切り直せよ。死なせるな裏切るな幸せをつかめ、夢を語れ!! 未来への切符は……いつも、白紙なんだ」
「……ヴァッシュさん、私にも仕切り直せるんですか? 」 
「ああ、その通りだ。君には殺しは似合わないよ」

……どうやら話してもわからない相手じゃなさそうだ。
良かった。こうやって少しづつ少しづつ時間をかけて説得していけば、いけそうだ
そろそろ一分だから、またここで仮死状態にならなきゃいけない。
でもこれあんまりやりすぎると、体力の消耗で僕のほうがへばっちまいそうだ。
あと2、3回の説得で済ませるには、ロボット君に眠ってもらうしかないか。

「…………くすくす」

痛。なんか投げつけられたぞ? これは……?
弾は入ってない。シータちゃん、どうしてこれを――

「でもね、あなたは色々と期待し過ぎなんですよヴァッシュさん! 何も持たずにこの世に生まれてきたくせに! 」

……まだ10秒前じゃないよね。
これはひょっとするとひょっとしたら……

「どうして禁止エリアでも死なないのかはわからないけど、その傷だらけの体を見れば、あなたは所詮凡人。
 そこに転がってる玉無しの銃がお似合いなんですよ。
 私のようにラピュタの血統なんて高潔なもの、あなたは持っていないでしょう!?
 けど安心してください。私がみんなを殺して優勝すれば、螺旋王のおじ様の力でみんなを生き返らせれるんですから! 」

いつかわかってくれるなんて、悠長にはできなさそうだ。 
君が僕を助けてくれなかったら、僕は消される側にいた。だから望みはあると思ってたんだけどね。

「ヴァッシュさん! そう考えればあなたの言うとおりですね! 未来の切符はいつも白紙です! 
だって私が全部消去するんですから! みんなまとめて白紙に戻してあげますよアハハハハハハハハ……ハ? 」

……お腹を押さえて大笑いするシータちゃんを尻目に、僕は足元にある“僕の銃”を拾った。
そしてまた仮死状態。ロボットくんとの共鳴だ。ごめんな。ちょっと我慢してもらうぜ
おそらくシータちゃんが僕に投げつけたものだろう。置き土産のつもりだったのだろうか。
どうして彼女がこれを持っていたのかはわからない。でも、彼女の目を覚ますのにはちょうどいいかな。

「……きゃああ!? ヴァッシュさんの、う、腕が!? 」
「シータちゃん! いや、シータ! ありがとう! 君が投げてくれた銃は、僕にとっちゃ最高の切符だ!」
「何よ! その大砲であたしを殺そうって言うの!? やれるものならやってみなさいな! 」
「僕だって本気を出せばシータなんか全く相手にならないんだよ!
ロボットくんから逃げて、君の鳩尾に一発かますくらい、10秒もいらないんだ!
 でも僕は君を殺さない! どうしてかわかるかい! 」
「私のことなんか、いつでも殺せるからでしょう! もういいです。兵隊さん、お願い! 」

もう遅いよシータ。わずかだけどエネルギーはたまった。
時間もまだ50秒以上ある。
ロボットくんにAAを一発お見舞いしたら、すかさず君の所まで踏み込んで、しばらく寝てもら



――うぐっ!?


こ、この感覚は……まるで全身の力が……抜けていく……
なんだ!? 何が……起こったん、だ? 急激に多量の力を、使った、から……制御が……?
こんな……ときに……どうし、て……まるで……僕のエネルギーが……吸い取られ……る……ような……
動…………けない……おいこら……ヴァッシュ・ザ・スタンピード……寝てる場合じゃないぞ…………
ロボット……くんと……シータ……を……なんと……か……しないと……もう、一度……もう一度だ…………立ち……上が……

くそ…………駄目…………か……






「ヴァッシュ・ザ・スタンピードを焼き払えぇぇーーーーーーー!! 」





(情け無……え……)






■  ■  ■


【“B-5-卸売り市場”-⑦-Don't be such a“Spokey Dokey”】

どっかのブルースマンが、ブルースの定義を聞かれてこう言ったそうだ。
“ブルースってのは、どうにもならない困り事を言うのさ”、と。
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの愛と平和は、リュシータ・トエル・ウル・ラピュタの心には届かなかった。
彼女の兵隊はレーザービームで奴の体を肩から股にかけて真っ二つにし、また同時に奴の首輪も爆発したらしい。
首輪の爆発がタイムオーバーのせいなのか、レーザーのせいなのかはわからないが、彼女が殺したことには変わりない。
シータは相変わらず自慢げに戦利品、ヴァッシュの生首と奴の体に刺さっていた剣の一本を持ってこっちを見下している。
人間の死体は数多く見てきたが、久々に気分が悪くなってきた。
だらりとぶら下ったヴァッシュの表情は文字通り空ろだった。
笑ったり、泣いたり、落ち込んだりと、何かと感情豊かだった奴の顔とは思えないほどだ。
絶望に打ちひしがれたとか、諦めずに前を見続けたとか、そういう意思がすっぽり抜けたような気味の悪さだ。

「何が望みだ」
「あなたはさっさと死んだほうがいいですよ。どうせ私の望むものは、あなたには出せません」
「そんなにベラベラ喋って、後で泣きをみても知らないぜ」
「ご心配なく、なぜなら」
「「どうせ、あなたはここで死ぬんですから」って言いたいのか? ボキャブラリーのない台詞だぜ」

あららタイミングまでぴったりハモっちまった。
顔を真っ赤にしてる内は、まだ垢抜けたとは言えねぇな。

「ふ、不死身の柊かがみは私のことで何か言ってましたか? 」
「腐るには早過ぎたとよ」
「……聞いたところで、教えてくれるわけないですよね」

とはいえ、あの厄介なロボットの戦闘能力を俺は直接見たわけじゃない。
うかうかしてっと、今度は右腕を持ってかれちまうだろう。
鋼鉄の義手をつけていたジェットを笑ってた俺が、いざジェットの立場になってみると……それなりに思うところがある。
目の前のじゃじゃ馬を黙らせたら、今後の生活を考えないとな。
義手をつけるのも、意外と悪くないかもしれない



ま、なるようになるか。





【B-5南西/卸売り市場/二日目/早朝】
【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】
[状態]:疲労(大)、心労(大)、左腕から手の先が欠損(止血の応急手当はしましたが、再び出血する可能性があります)
    左肩にナイフの刺突痕、左大腿部に斬撃痕(移動に支障なし)
[装備]:ジェリコ941改(残弾7/16)@カウボーイビバップ
[道具]:支給品一式×4(内一つの食料:アンパン×5、メモ×2欠損)ブタモグラの極上チャーシュー(残り500g程)
    スコップ、ライター、ブラッディアイ(残量100%)@カウボーイビバップ、太陽石&風水羅盤@カウボーイビバップ、
    ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書@トライガン、防弾チョッキ(耐久力減少、血糊付着)@現実
    日出処の戦士の剣@王ドロボウJING、UZI(9mmパラベラム弾・弾数0)@現実、レーダー(破損)@アニロワオリジナル
    ウォンのチョコ詰め合わせ@機動武闘伝Gガンダム、高遠遙一の奇術道具一式@金田一少年の事件簿、
    水上オートバイ、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等)
    テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード

[思考]
1:シータに対処
2:ウルフウッドを探す(見つけたあとどうするかは保留)
3:カミナを探しつつ、映画館及び卸売り市場付近でジン達と合流。その後、図書館を目指す。
4:ルルーシュと合流した場合、警戒しつつも守りきる。
5:小早川ゆたか・鴇羽舞衣を探す。テッククリスタルは入手したが、かがみが持ってたことに疑問。対処法は状況次第。
6:全部が終わったら死んだ仲間たちの墓を立てて、そこに酒をかける。
[備考]
※ルルーシュが催眠能力の持ち主で、それを使ってマタタビを殺したのではないか、と考え始めています。
 (周囲を納得させられる根拠がないため、今のところはジン以外には話すつもりはありません)
※清麿メモの内容について把握しました。 会場のループについても認識しています。
※ドモン、Dボゥイ(これまでの顛末とラダムも含む)、ヴァッシュ、ウルフウッドと情報交換を行いました。
※カグツチと清姫は見ていますが、静留が近くにいるかどうかについては半信半疑です。
※シータの情報は『ウルフウッドに襲われるまで』と『ロボットに出会ってから』の間が抜けています。
※シータのロボットは飛行、レーザービーム機能持ちであることを確認。



【シータ@天空の城ラピュタ】
[状態]:疲労(大)、倫理観及び道徳観念の崩壊(判断力は失わず)、右肩に痺れ(動かす分には問題無し)
    頬に切り傷、おさげ喪失、右頬にモミジ
[装備]:ラピュタのロボット兵@天空の城ラピュタ、ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル、ヴァッシュの生首
機体状況:無傷、多少の汚れ、※ヴァッシュとのコンタクトで影響があるのかは不明
[道具]:支給品一式 ×6(食糧:食パン六枚切り三斤、ミネラルウォーター500ml2本)、
    ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS(待機状態)、びしょ濡れのかがみの制服、暗視スコープ、
    音楽CD(自殺交響曲「楽園」@R.O.Dシリーズ)、巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、ミロク@舞-HiME、
    ワルサーP99(残弾4/16)@カウボーイビバップ、軍用ナイフ@現実、包丁@現実
[思考]
基本:自分の外見を利用して、邪魔者は手段を念入りに選んだ上で始末する。優勝して自分の大切な人たちを、自分の価値観に合わせて生き返らせる。
0:スパイク、ウルフウッド、かがみの始末。禁止エリア殺法も視野に入れる。
1:言峰を捜索。保護してもらうと同時に新たに令呪を貰う。
2:途中見かけた人間はロボット兵に殺させる。
3:気に入った人間はとりあえず生かす。ゲームの最後に殺した上で、生き返らせる。
4:恩人の言峰は一番最後に殺してあげる。
5:使えそうな人間は抱きこむ。その際には口でも体でも何でも用いて篭絡する。

[備考]
※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。
※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。
※バリアジャケットは現状解除されています。防御力皆無のバリアジャケットなら令呪が無くても展開できるかもしれません。
※バリアジャケットのモデルはカリオスト○の城のク○リスの白いドレスです。
 夜間迷彩モードを作成しました。モデルは魔○の宅○便のキ○の服です。
※言峰から言伝でストラーダの性能の説明を受けています。
 ストラーダ使用による体への負担は少しはあるようですが、今のところは大丈夫のようです。
※エドがパソコンで何をやっていたのかは正確には把握してません。
※かがみを一度殺してしまった事実を、スパイクとウルフウッドが知っていると誤解しています。
※会場のループを認識しました。
※シータがごみ屋敷から北上中に静留と舞衣の姿を確認したかどうかはわかりません。
※ヴァルセーレの剣にはガッシュ本編までの魔物の力、奈緒のエレメントの力、アルベルトの衝撃の力、
 ヴァッシュのAA(もしくはプラントとしての)エネルギーが蓄えられています。
※ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾0/6)@トライガンはヴァッシュの遺体(A-3とA-4の境目)の側に放置されています。
※大量の貴金属アクセサリ、コルトガバメント(残弾:0/7発)、真っ二つのシルバーケープが近くに放置されています。
※シルバーケープが使い物にならなくなったかどうかは不明です。
※卸売り市場は時間が立てば完全に崩壊するようです。



【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン 死亡】




時系列順で読む


投下順で読む



255:ろくでなしとブルース ヴァッシュ・ザ・スタンピード
255:ろくでなしとブルース ニコラス・D・ウルフウッド 262:俺達が愛したタフな日々
255:ろくでなしとブルース スパイク・スピーゲル 260:小娘オーバードライブ(前編)
255:ろくでなしとブルース シータ 260:小娘オーバードライブ(前編)




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー