ディナータイムの時間だよ(食後) ◆AZWNjKqIBQ



 ◆ ◆ ◆

そして、奈緒は絶賛大後悔中となる。

「な、な、な……、なんなの? ――なんなのよっ!」
「なんだ? ……は、ねーんじゃないの『なおちゃん』よ。『俺』も『わたし』もよーっく、知ってるだろうが。うん?」

あの時と、あの時を合わせて再現。そんな状況に彼女は追い込まれていた。
柊かがみ相手にビビっていた時。ラッド・ルッソ相手にビビっていた時。合わせて、それ以上にビビっていた。
人を吸い込み、そして取り込む。そんな本物の能力を見せられて、さらにこいつがあいつの顔で、ときている。
しかも、目の前の相手だけではなく、その後ろには金ピカを倒した衝撃のアルベルト。

蛇に睨まれた蛙どころか、蛇と狼と虎に睨まれた蛙――それぐらいまでに、彼女はビビっていた。

「まぁ、あの呪いは全然嘘だったわけだけどさ。リボンを解いたら倍返しって約束は守ってもらうわよ?」

拳を振りあげるかがみに、奈緒の身体がビクリと揺れる。
今すぐ飛んで逃げれば助かったのかもしれなかったが、飛べるようになって間もない彼女は緊急時の選択肢にそれを入れ忘れていた。
あの男そっくりのスタイルで拳を構え、かがみはそれを奈緒の顔面へと――……、

――ぽかり☆



「……あれ? あっ、そうかわたしの身体じゃあ、あんな風にはいかないのか……」

殺人鬼とは比べくもない細い腕をまじまじと見ているかがみを前に、奈緒の中の緊張感がユルみ同時に怒りが込み上げてくる。
またしてもこの女は私を謀った。というか馬鹿にしたと。……ついでに、バリアジャケットが覆ってない場所も保護してくれることを。
ともかく、身体の性能が普通の人間のままなら……と思ったところで、かがみの顔が、また……。

「おーおー、今こう思ったろ? 私はこんなヒョロいただの女子高生なんかに負けるわけがない。ってな!」

殺人鬼の笑みをニカっと明るく浮かべると、もう一度かがみは奈緒にパンチを打ち込んだ――ドカン! と。
無防備な胸の真ん中に、拳の先から肘のあたりまでをぶっ飛ばさせる殺人鬼の全力全壊パンチを受けて、
先刻のかがみの様に奈緒はぶっ飛び――壁に叩きつけられ――そのまま気を失い、地面に落ちた。

「…………ツタタタタ。こ、これは、使える……けど、ちょっと痛い、な。ハハ……」

元に戻った腕をさすりながら、不死身の柊かがみは新しく手に入れた力に、笑みを浮かべた。

 ◆ ◆ ◆


「中々に見事な一撃であったぞ、不死身の」

別れてより数時間ほど、しかしその間に大きく成長した同志をアルベルトは称える。
そして、戦果――『喰った』ものをどの様に得られたのか。計画の根幹を成す、その部分についての説明を要求した。

「うん、ばっちり。こいつはトンデモないやつだけど……記憶も、体に染み付いた癖まで、全部私の中に納まったわ」

それは重畳と頷くアルベルトに、今度はかがみの方が質問をぶつける。
私を散々ぶん殴っていったあのチンピラと、アルベルトと一緒にいたはずの神父の行方について。

「坊主は坊主同士が気が合うのであろう。あの言峰という男は、貴様の言うチンピラを追っていきよったわ」

ふーん。と、かがみは納得する。
今ならあのチンピラに復讐できそうだが、アルベルトが捨て置いたということは計画には無関係ということなので、
それは取りあえずのところ保留にしておく。今はそれよりも遥かに重要な報告があるからだ。

「ラッドの記憶からなんだけど、映画館を選択したのは大正解だったみたい。
 今はそいつらは刑務所にいるらしいんだけど、明智ってヤツが私が持ってたのよりすごいレーダーを持ってる。
 それに他にも色々あるみたいだし、清麿ってやつが首輪の外し方を考えてるみたいなのよ」

ほぅとアルベルトは唸る。かがみの覚醒を機に、計画が具体的に動き出したと、そう感触を得る。
だが、今は事を急く時ではない――。

「もう放送まで間もない、事を起こすのはそれからでもよかろう。
 それよりも……だ。そろそろ虚勢を張るのを止めい。息継ぎをせねば、どこかで溺れ命取りになるやもしれんぞ」

放送が終わるまではワシが守ってやる――その言葉を聞いた途端、かがみはストンと地面に落ち……、


「こ、こ、怖かった~~~~っ! すんごく痛かった~~~~っ! う、うぇ……う、うぅ…………ひーん」


……と、久しぶりに彼女自身の声で、泣いた。
そんな彼女を――同士であり、道連れでもある少女を見て、アルベルトはただ――そうか、とだけ答えた。




――後、何にも悪くない(?)のに巻き込まれた結城奈緒は、まだ道の端っこで気絶したままだった。




【B-5/道端/1日目/真夜中(放送直前)】
【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:不死者、螺旋力覚醒、番長ルック(不死の酒&吐瀉物まみれ)、髪留め無し
[装備]:つかさのスカーフ@らき☆すた、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     シルバーケープ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
[道具]:デイバッグ×11(支給品一式×11、[食料×4消費/水入りペットボトル×1消費])、
     フラップター@天空の城ラピュタ、ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル
     超電導ライフル@天元突破グレンラガン(超電導ライフル専用弾0/5)
     雷泥のローラースケート@トライガン、巨大ハサミを分解した片方の刃@王ドロボウJING、包丁
     テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード、オドラデクエンジン@王ドロボウJING
     緑色の鉱石@天元突破グレンラガン、全てを見通す眼の書@R.O.D(シリーズ)、サングラス@カウボーイビバップ
     アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION、マオのヘッドホン@コードギアス 反逆のルルーシュ
     大量の貴金属アクセサリ、ヴァッシュの手配書@トライガン、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル
     防水性の紙×10、暗視双眼鏡、首輪(つかさ)、首輪(シンヤ)、首輪(パズー)
     奈緒が集めてきた本数冊 (『 原作版・バトルロワイアル』、『今日の献立一〇〇〇種』、『八つ墓村』、『君は僕を知っている』)
     がらくた×3、柊かがみの靴、予備の服×1、破れたチャイナ服
[思考]
 基本:螺旋王を『喰って』願いを叶える。BF団員として振舞う
 0:すごく怖かった!すごく痛かった!うわーん!
 1:服……着替えたいな
 2:放送を聞く
 3:その後、アルベルトと共に刑務所に向かい明智達と接触
 4:奈緒はどうしようか……?
 5:今度、ウルフウッドに会ったら全力全壊パンチをお見舞いして恨みを晴らし、千里の仇もとる

[備考]:
 ※会場端のワープを認識。
 ※奈緒からギルガメッシュの持つ情報を手に入れました。
 ※繰り返しのフルブッコで心身ともに、大分慣れました。
 ※ラッド・ルッソを喰って、彼の知識、経験、その他全てを吸収しました。


【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:満腹、右足に刺し傷(処置済み)、スーツがズダボロ
[装備]:衝撃のアルベルトのアイパッチ@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
[道具]:ディパック×2、支給品一式×2、シガレットケースと葉巻(葉巻-3本)、ボイスレコーダー、
     シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム、赤絵の具@王ドロボウJING、
     ガンメンの設計図まとめ、王の財宝@Fate/stay night、ミロク@舞-HiME
     シェスカの全蔵書(数冊程度)@鋼の錬金術師、首輪(クアットロ)、黄金の鎧@Fate/stay night(半壊)
[思考]:
 基本-1:不死者(柊かがみ)に螺旋王を『喰わせ』、その力や知識、およびアンチシズマ管をBF団へと持ち帰る。
 基本-2:またその力を使い、戴宗を復活させ、再戦する。
 基本-3:基本-1が達成できないと判断すれば、優勝を目指す。
 0:……………………
 1:放送を聞く
 2:その後、不死身の柊かがみと共に刑務所に向かい明智達と接触
 3:首輪の解除、会場からの脱出、螺旋王への接触……これらの為の情報を集める
 4:マスターアジアと再開すれば決着をつける

[備考]:
 ※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です。
 ※ボイスレコーダーには、なつきによるドモン(チェス)への伝言が記録されています。
 ※ですが、アルベルトはドモンについて名前しか聞いていません。
 ※会場のワープを認識。
 ※図書館(超螺旋図書城)のカウンターに戴宗へのメッセージを残しました。
 ※奈緒からギルガメッシュの持つ情報を手に入れました。

【結城奈緒@舞-HiME】
[状態]:気絶、疲労(中)、胸に打撲、更にかがみにトラウマ
[装備]:クラールヴィント@リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式(ただし食料は無い)
[思考]
 基本方針:とりあえず死なないように行動。
 0:???
 1:ギルガメッシュに刑務所へ向かえと言われたが……
 2:柊かがみ(inラッド)に恐怖
 3:静留の動きには警戒しておく
 4:何故、自分はチャイルドが使えないのか疑問

[備考]:
 ※本の中の「金色の王様」=ギルガメッシュだとまだ気付いていません。
 ※ドモンの発した"ガンダム"という単語と本で読んだガンダムの関連が頭の中で引っ掛かっています。
 ※博物館に隠されているものが『使い方次第で強者を倒せるもの』と推測しました。
 ※第2回放送を聞き逃しました。
 ※奈緒のバリアジャケットは《破絃の尖晶石》ジュリエット・ナオ・チャン@舞-乙HiME。飛行可能。


 ◆ ◆ ◆


「ヘラクレスがいる訳でもないのに、ヒドラの登場か……ふむ」

大怪獣が暴れている様を遠目に、天上に浮かぶ白い月の下で言峰綺礼は放送までの一時を回想に使っていた。
透明な夜風が麻婆で火照った身体を冷まし、同時に思考をクリアな状態へと醒ます。


始まってよりすぐに出会ったパズーという少年。全てを救うと言っていた、もう死んでしまった少年。
誰かの命を奪って叶える願いなどは間違っている――そう答えたのは、これももう死んでしまった八神はやてという少女。
全くもって愚者としかいい様のない少年――間桐慎二。彼もまた程なくして死んでしまった。
ファイト――拳闘により心を通じ合うと言っていたドモン・カッシュ。彼はまだどこかで戦いを申し込んでいるのだろうか。
一度は拒み、結局は槍を持って飛び出したシータいう名の少女。彼女は今どの空を跳んでいるのか。
復讐者。額に傷を持つ男。彼もまた相当の手練であったが、未だにその牙を無差別に振りまいているのか。
虚しさを怒りに転化させ、そして持て余している男。同じ神職につく彼は、今ヒドラの目の前にいるはずだ。

そして――衝撃のアルベルト。

簡単に言えば、強く真っ直ぐな人物だ。先を見据え、ただそれだけに邁進できる芯の強さがある。
だがその強さ故に、危うい。正しさを求める故に、自己矛盾が猛毒となる……そんなタイプの人間だ。
そして彼の道行き。この螺旋王の舞台上での生き様はと言うと――。

例えるなら、今の彼は長い梯子をひたすらに上っている――そんなイメージだ。
落ちれば致死は間違いのない高さだが、梯子は頑丈で、迷いのない彼がそれを登ることに危うさはない。

多くを語らぬ男ではあったが、分かったのはすでに取り返しのつかない何かを失っているということ。
迷いがなく上だけを向いているのは、下を向けばそれが恐れに繋がると知っているからだ。

そして、彼にとって梯子となるのはあの柊かがみという少女。彼女が彼を目的地まで導くレールとなっている。
故に彼は彼女の強さを確かめた。決して最後まで折れないであろう強さを。
確かに強い。それは目の前で証明されたが……彼女もアルベルト同様だ。向うから見れば彼が彼女の梯子となる。
互いに強さを信頼し合っている。そう言えば、綺麗だが……結局は共依存だ。
どちらかが欠ければ、もう片方の墜落も免れない……もっとも、それはあまり面白みのない結末かもしれないが。

逆に面白みを感じるとしたならば、次の項目――梯子の行く先。ここに不安を混ぜることだろう。
やはり具体的には語りはしなかったが、大よその検討はついている。狙っているのは螺旋王の力なのだろう。
なので、一本目の楔をそこに打ち込んだ。

――梯子は足りているのか? と……。

彼らが切望しながらも一番目を背けている所。彼らの計画がそもそも螺旋王に届くのか……という指摘だ。
通常においては到底手を組むはずの無かった者同士が互いの手を取ったのは、いわば緊急避難措置の様なもの。
幻想を真実と見なして、互いに励ましあう――でなく、傷を舐めあっているだけ……。

追い求めていたものが幻想だったと知った時、あの二人は長い梯子の頂上で何を思うのか?
そこから二人でまた降りてゆくのか、動けなくなるのか、はたまた奇跡を信じて宙へと飛び出すのか……?


たった一日でもう8人。そして、それぞれが個性的でありまた上質な存在だった。
自分がここでどこまで生き残れるのかは分からない――が、最後まで退屈しないだろう。そう、言峰綺礼は月下で笑った。




【C-5/映画館近く/1日目/真夜中(放送直前)】

【言峰綺礼@Fate/stay night】
[状態]:満腹、左肋骨骨折(一本)、令呪(六画)
[装備]:飛行石@天空の城ラピュタ
[道具]:デイパック、支給品一式(コンパスが故障、食糧一食分消費)、麻婆豆腐の材料(10人分)
     エドのコンピュータとゴーグル@カウボーイビバップ
[思考]:
 基本-1:観察者として苦しみを観察し、検分し、愉悦としながら、脱出を目指す
 基本-2:麻婆豆腐の美味さを広める
 0:放送を聞く
 1:ウルフウッドを追い、映画館へと向かう
 2:シータやスカーなど、一度切開した相手の行く末を見てみたい
 3:ギルガメッシュを探す

 [備考]
 ※制限に気付いています。
 ※衛宮士郎にアゾット剣で胸を貫かれ、泥の中に落ちた後からの参戦。
 ※会場がループしていることに気付きました。
 ※シズマドライブに関する考察は以下
   1.酸素欠乏はブラフ、または起きるとしても遠い先のこと。
   2.シズマドライブ正常化により、螺旋力、また会場に関わる何かが起きる。
 ※令呪は、膨大な魔力の塊です。
 単体で行使できる術は、パスを繋いだサーヴァントに対する命令のみですが、
 本人が術を編むか礼装を用いることで、魔術を扱うにおいて強力な補助となります。
 ただし使えるのは一度限りで、扱い切れなければ反動でダメージを負う可能性があります。
 人体に移植される、魔力量が桁違いのカートリッジとでも認識してください。
 効果の高さは命令実行に要する時間に反比例します。


時系列順で読む


投下順で読む


238:ディナータイムの時間だよ(食前) 結城奈緒 242:罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編)
238:ディナータイムの時間だよ(食前) 柊かがみ 242:罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編)
238:ディナータイムの時間だよ(食前) 衝撃のアルベルト 242:罪歌 阿鼻叫喚の狂った舞台(前編)
221:病ん坊麻婆転機予報(後編) 言峰綺礼 246:〝天壌の劫火〟









| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー