151話~160話
【151:鉄の、無敵の、 (◆P2vcbk2T1w)】
殺し合いの舞台。迫り来る殺人鬼。怯える少女。その間に立つ。そんなシチュエーション。そんな設定。
どんな脚本が書ける? どんな台詞が飛び出す? どんなアクションを要求される? 役者ならば。男ならば――。
殺し合いの舞台。迫り来る殺人鬼。怯える少女。その間に立つ。そんなシチュエーション。そんな設定。
どんな脚本が書ける? どんな台詞が飛び出す? どんなアクションを要求される? 役者ならば。男ならば――。
【152:読書の時間 (◆Wf0eUCE.vg)】
昨今、モバイルできるものが増え暇を潰す手段には事欠かなくなったが、やはり王道にして最適なのは本だろう。
本こそは知の結晶であり、知とは心の栄養。つまり、心の栄養を瞬間チャージできる本こそが現代社会においてもなお……。
昨今、モバイルできるものが増え暇を潰す手段には事欠かなくなったが、やはり王道にして最適なのは本だろう。
本こそは知の結晶であり、知とは心の栄養。つまり、心の栄養を瞬間チャージできる本こそが現代社会においてもなお……。
【153:読子達がみてる (◆UCRiZtpozI)】
黒いセルで形成されたボストンタイプの眼鏡の中で、好奇心旺盛そうな大きな眼がキラリと閃く。
彼と彼女の視線は全てを読み取る。――少女の下着の不在。少年の眼差しの力。リードマンと読子はそれを読む。
黒いセルで形成されたボストンタイプの眼鏡の中で、好奇心旺盛そうな大きな眼がキラリと閃く。
彼と彼女の視線は全てを読み取る。――少女の下着の不在。少年の眼差しの力。リードマンと読子はそれを読む。
【154:死ぬほど辛い (◆10fcvoEbko)】
死ぬほど辛い――ある意味、矛盾を内包した言葉である。彼女に聞かせれば納得のいくまで検証されることだろう。
不死の身体であるならば、死ぬほどの辛さを実感してなお生きていられるからだ。それは、死ねぬほどに辛い。
死ぬほど辛い――ある意味、矛盾を内包した言葉である。彼女に聞かせれば納得のいくまで検証されることだろう。
不死の身体であるならば、死ぬほどの辛さを実感してなお生きていられるからだ。それは、死ねぬほどに辛い。
【155:THE WAY OF THE ANSWER TAIKER (◆hNG3vL8qjA)】
分岐路――選択肢は3つ。いや、無限。回答権は1回。正解は……不明。制限時間は一瞬。
アンサートーカーは正しい道を選ぶことができるのか――?
分岐路――選択肢は3つ。いや、無限。回答権は1回。正解は……不明。制限時間は一瞬。
アンサートーカーは正しい道を選ぶことができるのか――?
【156:消えない憎悪 (◆jbLV1y5LEw)】
赤黒く、捻じれた柱に囲まれた静謐な神域の中で、傷の男は内側より湧き出る憎悪を浸透させ身体を癒す。
それが何も生まず、誰も救われず、また己の身体に傷を増やすだけということは知っている。だがそれでも憎悪は消えないのだ。
赤黒く、捻じれた柱に囲まれた静謐な神域の中で、傷の男は内側より湧き出る憎悪を浸透させ身体を癒す。
それが何も生まず、誰も救われず、また己の身体に傷を増やすだけということは知っている。だがそれでも憎悪は消えないのだ。
【157:誓うカミナ/疑う剣持/嗤う高遠 (◆DNdG5hiFT6)】
それはとても輝いて見えて、欺瞞に塗れた自分はとても場違いだと感じ、恥ずかしく思えた。
薄灰色の穴の中から覗く青色は綺麗で広く、こんな自分を放り込むには丁度いい。あの青色に紛れたい。だから――。
それはとても輝いて見えて、欺瞞に塗れた自分はとても場違いだと感じ、恥ずかしく思えた。
薄灰色の穴の中から覗く青色は綺麗で広く、こんな自分を放り込むには丁度いい。あの青色に紛れたい。だから――。
【158:金田一少年の天敵 (◆RwRVJyFBpg)】
コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コ口ス コロス コロス コロス コロス コロネ コロス コロス コロス
コロス コロス ニロス コロヌ コ□ス コロス コロス コロス コロス 「(一&マオ)――こ、この人は やばいですぅ……ッ!」
コロス コロス コロス コロス コロス コロス コロス コ口ス コロス コロス コロス コロス コロネ コロス コロス コロス
コロス コロス ニロス コロヌ コ□ス コロス コロス コロス コロス 「(一&マオ)――こ、この人は やばいですぅ……ッ!」
【159:そして私のおそれはつのる (◆LXe12sNRSs)】
悪意で染めた外套に身を包む神父は、真上に昇った陽の下で花を育てるに相応しい上等な苗床を新しく見つけた。
出会った男に少女は詠う、――「そして私のおそれはつのる」と。男の悪意は少女に芽吹くか……?
悪意で染めた外套に身を包む神父は、真上に昇った陽の下で花を育てるに相応しい上等な苗床を新しく見つけた。
出会った男に少女は詠う、――「そして私のおそれはつのる」と。男の悪意は少女に芽吹くか……?
【160:突っ走る女たち (◆jbLV1y5LEw)】
この世の理はすなわち速さだと思いませんか? 物事を速く成し遂げればその分時間が有効に使えます。
遅いことなら誰でもできる。20年かければ馬鹿でも傑作小説が書ける! 有能なのは―― (ある速い男が遺した言葉)
この世の理はすなわち速さだと思いませんか? 物事を速く成し遂げればその分時間が有効に使えます。
遅いことなら誰でもできる。20年かければ馬鹿でも傑作小説が書ける! 有能なのは―― (ある速い男が遺した言葉)
161話~170話
【161:ランチタイムの時間だよ (◆AZWNjKqIBQ)】
お昼を知らせるベルが鳴る前に、一人ランチを食べた悪い子だーれだ?
悪い子にはおしおきがまっています。とっても、とってもこわーいおしおきが……ネ。
お昼を知らせるベルが鳴る前に、一人ランチを食べた悪い子だーれだ?
悪い子にはおしおきがまっています。とっても、とってもこわーいおしおきが……ネ。
【162:奪え、全て、その手で (◆1sC7CjNPu2)】
想う心も絶望すらも、全て幻想。突きつけられた現実の前には所詮陽炎でしかなかった。
どこまでもリアルな現実に逃げ場なんてありやしない。ましてや奇跡なんて。恐れは捨てろ――奪え!全て!その手で!
想う心も絶望すらも、全て幻想。突きつけられた現実の前には所詮陽炎でしかなかった。
どこまでもリアルな現実に逃げ場なんてありやしない。ましてや奇跡なんて。恐れは捨てろ――奪え!全て!その手で!
【163:第二回放送 (◆10fcvoEbko)】
時計の針と太陽とが同時に頂上へと昇った時、二回目の放送が実験場へと流された。
青く澄み渡った空。緑色の山々。陽光を跳ね返す海面。色取り取りの建物。そんな景色の中、螺旋王の実験は続く。
時計の針と太陽とが同時に頂上へと昇った時、二回目の放送が実験場へと流された。
青く澄み渡った空。緑色の山々。陽光を跳ね返す海面。色取り取りの建物。そんな景色の中、螺旋王の実験は続く。
【164:好奇心は猫をも殺す (◆jbLV1y5LEw)】
好奇心は「猫」をも殺す――とありますが、何故「猫」なのでしょうか? それは、A cat has nine livesという言葉.から来ており、
猫は九の――数多の命を持っていて、そんな猫でさえも命が足りない。というわけです。所でナインライブズと言えば……。
好奇心は「猫」をも殺す――とありますが、何故「猫」なのでしょうか? それは、A cat has nine livesという言葉.から来ており、
猫は九の――数多の命を持っていて、そんな猫でさえも命が足りない。というわけです。所でナインライブズと言えば……。
【165:召喚 (◆10fcvoEbko)】
燃え上がる贄。幾千もの真っ赤に燃え上がる炎。空を覆い曇天へと変える黒煙。それが、その異形を呼び寄せた。
血の様に濃く炎の様に揺らめく赤と、闇に堕ちた心を表す黒で形作られた、かつては人であった異形。それを――。
燃え上がる贄。幾千もの真っ赤に燃え上がる炎。空を覆い曇天へと変える黒煙。それが、その異形を呼び寄せた。
血の様に濃く炎の様に揺らめく赤と、闇に堕ちた心を表す黒で形作られた、かつては人であった異形。それを――。
【166:これより先怪物領域 (◆LXe12sNRSs)】
涙だけが流れる暗い下水管の中、濁った水音を聞きながら曖昧な時間の中を、孤独な幼子が揺蕩う。
流れ向うは常人の往く先ではない怪物領域。覚悟は――無かった。だから諦めよう。かつて自分が人間であったという事を。
涙だけが流れる暗い下水管の中、濁った水音を聞きながら曖昧な時間の中を、孤独な幼子が揺蕩う。
流れ向うは常人の往く先ではない怪物領域。覚悟は――無かった。だから諦めよう。かつて自分が人間であったという事を。
【167:ヴィラルシャマルの事情 (◆DNdG5hiFT6)】
(ゲムッ? ギルゥッ……! ガンッ! グォォォォ……ッ! グフゥ……ッォ! オォォォォアアアァァァァァァ……ッ!)
勇者の無音の雄叫びが、一匹の獣の魂の咆哮が、孤独な戦死の慟哭が……ハハハ……バルサミコス~……♪
(ゲムッ? ギルゥッ……! ガンッ! グォォォォ……ッ! グフゥ……ッォ! オォォォォアアアァァァァァァ……ッ!)
勇者の無音の雄叫びが、一匹の獣の魂の咆哮が、孤独な戦死の慟哭が……ハハハ……バルサミコス~……♪
【168:それでもボクは分からない (◆mCVwtAkLB6)】
わけが分からない。何故? どうして自分が、無実の責を問われ、この様な目に合わされなくてはならないのか。
理解できたのは、現実が――ルールが何時の間にかに変わっていたということ。でも、それでもボクは…………。
わけが分からない。何故? どうして自分が、無実の責を問われ、この様な目に合わされなくてはならないのか。
理解できたのは、現実が――ルールが何時の間にかに変わっていたということ。でも、それでもボクは…………。
【169:CrazyBoys (◆Wf0eUCE.vg)】
愚か者同士の戦い。それを見下ろすことできる青空の果てを、気紛れで愛らしい少年達が行く。
「Back Again!」「――Talk To Me」 地上に堕ちた姫のため、少年達は今日も天馬を走らせる。
愚か者同士の戦い。それを見下ろすことできる青空の果てを、気紛れで愛らしい少年達が行く。
「Back Again!」「――Talk To Me」 地上に堕ちた姫のため、少年達は今日も天馬を走らせる。
【170:さよなら少年探偵 (◆j3Nf.sG1lk)】
こっ恥ずかしいことばかり。振り返りたくない、我が身。我が人生。
今度もやはり間に合わなかった。宿命的なる運の悪さか……。さらば光よ、届け絶唱。さよなら――少年探偵。
こっ恥ずかしいことばかり。振り返りたくない、我が身。我が人生。
今度もやはり間に合わなかった。宿命的なる運の悪さか……。さらば光よ、届け絶唱。さよなら――少年探偵。
171話~180話
【171:絶望の器 (◆AZWNjKqIBQ)】
床の上に散らかされた心の欠片の中から、一つ二つと目的の物を取り上げると男はそれを大事そうに懐へと仕舞った。
辺りを見回しもう目的の物がないと知ると、安心した様な、少し寂しそうな表情を顔に浮かべ―― 「絶望の器(著:原田衣良)より」
床の上に散らかされた心の欠片の中から、一つ二つと目的の物を取り上げると男はそれを大事そうに懐へと仕舞った。
辺りを見回しもう目的の物がないと知ると、安心した様な、少し寂しそうな表情を顔に浮かべ―― 「絶望の器(著:原田衣良)より」
【172:転進、転進、退却にあらず (◆WcYky2B84U)】
ましまろ色の髪をして、同じ色の心を持つ無垢な少女が、それと知らずに禁断の果実へと手を伸ばしてしまう。
掌の上に乗ったのは甘く香る黄金色の林檎。真っ白な歯が表皮を捲り、桃色の舌がそれを掬い、少女はそれを嚥下する。
ましまろ色の髪をして、同じ色の心を持つ無垢な少女が、それと知らずに禁断の果実へと手を伸ばしてしまう。
掌の上に乗ったのは甘く香る黄金色の林檎。真っ白な歯が表皮を捲り、桃色の舌がそれを掬い、少女はそれを嚥下する。
【173:REASON (◆3OcZUGDYUo)】
理性という檻の中に獣性を押し込めていた二人の男が牙を剥き合い、遂に激突してしまう。
因縁? 宿命? 復讐? そんな理由よりも彼らを突き動かすのは狂気。もう理由を問い合う時期などはとうに過ぎ去っている。
理性という檻の中に獣性を押し込めていた二人の男が牙を剥き合い、遂に激突してしまう。
因縁? 宿命? 復讐? そんな理由よりも彼らを突き動かすのは狂気。もう理由を問い合う時期などはとうに過ぎ去っている。
【174:Nightmare of Mao (◆1sC7CjNPu2)】
緑色の川辺で竹トンボは罪人を晒す~♪ 真っ黒な鏡に映るこの人は誰~♪ 赤鬼さんの振舞うパンの味はお肉味~♪
白い時計は正直兎の忘れ物~♪ 薄紫の円環は最高で最後のパーツ~♪ 蜜柑畑の囚人と輪舞を踊りましょう~♪
緑色の川辺で竹トンボは罪人を晒す~♪ 真っ黒な鏡に映るこの人は誰~♪ 赤鬼さんの振舞うパンの味はお肉味~♪
白い時計は正直兎の忘れ物~♪ 薄紫の円環は最高で最後のパーツ~♪ 蜜柑畑の囚人と輪舞を踊りましょう~♪
【175:幼年期の終わり (◆LXe12sNRSs)】
それの起源を紐解けば、そもそもそれは女性解放運動のシンボルであり、名前の由来もそこからである。その合理性からそれは
世界中へと浸透したのだが、近代において逆に女性により追放される事となった。これが所謂、「幼年(ブルマ)期の終わり」である。
それの起源を紐解けば、そもそもそれは女性解放運動のシンボルであり、名前の由来もそこからである。その合理性からそれは
世界中へと浸透したのだが、近代において逆に女性により追放される事となった。これが所謂、「幼年(ブルマ)期の終わり」である。
【176:邪魔する虫 (◆RwRVJyFBpg)】
水風船を絞ったかのような奇妙な鳴き声を上げる蟲が、そのはらわたの内に喰らいついている。
苛まれる飢餓感と身を捩らせる苦痛に耐えながら男は疾走する。闘争を、使命の達成を邪魔するその虫を駆逐するために。
水風船を絞ったかのような奇妙な鳴き声を上げる蟲が、そのはらわたの内に喰らいついている。
苛まれる飢餓感と身を捩らせる苦痛に耐えながら男は疾走する。闘争を、使命の達成を邪魔するその虫を駆逐するために。
【177:言峰綺礼の愉悦 (◆jbLV1y5LEw)】
時計をさかしまに巻いてはいけない。冬の花を春に咲かせてはならない。死者の名前を妄りに呼んではいけない。
約束された秘密を解き明かしてはならない。神の座を覗き込んではいけない。――この世の不思議に興味はありません。
時計をさかしまに巻いてはいけない。冬の花を春に咲かせてはならない。死者の名前を妄りに呼んではいけない。
約束された秘密を解き明かしてはならない。神の座を覗き込んではいけない。――この世の不思議に興味はありません。
【178:君らしく 愛らしく 笑ってよ (◆tu4bghlMIw)】
[地獄の傀儡師こと高遠遙一のマメ知識] メイド――とは単純に労働力であり道具であるため、本来口をきかせたり
声をかけるということは許されていません。仕事をさせるためだけの存在なのです。奇術におけるアシスタントと同様にね。
[地獄の傀儡師こと高遠遙一のマメ知識] メイド――とは単純に労働力であり道具であるため、本来口をきかせたり
声をかけるということは許されていません。仕事をさせるためだけの存在なのです。奇術におけるアシスタントと同様にね。
【179:戦闘機人は電気椅子の夢を見るか (◆ZJTBOvEGT.)】
古の魔導師によって組上げられた守護魔術詩。遺伝子学者により生み出された人より遠くまた近い者。
狂気の天才によって製造された自動人形姉妹。その四女。人によく似たものが目を瞑る。この三者は――夢を見るのか?
古の魔導師によって組上げられた守護魔術詩。遺伝子学者により生み出された人より遠くまた近い者。
狂気の天才によって製造された自動人形姉妹。その四女。人によく似たものが目を瞑る。この三者は――夢を見るのか?
【180:善と悪と神の使い (◆Wf0eUCE.vg)】
その者が善と言おうと、逆に悪と言おうとも、その足元にあるのはいつだって膨大な過去という名の躯の大地である。
目隠しのままに彼等は髑髏の丘をひたすら登る。業という名の十字架。下ろす其処は処刑場か、それとも天国への扉か……。
その者が善と言おうと、逆に悪と言おうとも、その足元にあるのはいつだって膨大な過去という名の躯の大地である。
目隠しのままに彼等は髑髏の丘をひたすら登る。業という名の十字架。下ろす其処は処刑場か、それとも天国への扉か……。
181話~190話
【181:ギルガメッシュ先生の黄金授業 (◆DNdG5hiFT6)】
螺旋博物館催し物案内 [イベント内容]:古代ウルクの王による螺旋力に関する考察及び、蜘蛛女を交えての討論会
[開催日時]:実験1日目・午後2時より [参加資格/参加料]:特になし/無料 [特典]:参加者は王より撫でて貰えます
螺旋博物館催し物案内 [イベント内容]:古代ウルクの王による螺旋力に関する考察及び、蜘蛛女を交えての討論会
[開催日時]:実験1日目・午後2時より [参加資格/参加料]:特になし/無料 [特典]:参加者は王より撫でて貰えます
【182:いまひとたびの生 (◆LXe12sNRSs)】
「う~、食料、食料……」 今、食料を求めて全力疾走している俺はネオジャパン出身のごく一般的なファイター。
強いて違うところをあげるとすれば、ガンダムファイトに興味があるってことかな? そんな訳で、食料を探して――……。
「う~、食料、食料……」 今、食料を求めて全力疾走している俺はネオジャパン出身のごく一般的なファイター。
強いて違うところをあげるとすれば、ガンダムファイトに興味があるってことかな? そんな訳で、食料を探して――……。
【183:被験者は自身が元凶である可能性について語れない (◆hNG3vL8qjA)】
「……洗脳ってことですか?」「間違いではない。……が、それだけでは精々183点止まりだな」「……何点中ですか?」
「よいか。ギアス、とは……そもそもが呪術的な制約を意味し、その約束を破った者に罰を与えるというのが本来の……」
「……洗脳ってことですか?」「間違いではない。……が、それだけでは精々183点止まりだな」「……何点中ですか?」
「よいか。ギアス、とは……そもそもが呪術的な制約を意味し、その約束を破った者に罰を与えるというのが本来の……」
【184:こころの迷宮 (◆1sC7CjNPu2)】
鋼で造られた獣の中で姫は夢から覚める。我武者羅に走ってきた道を振り返ればこころの迷宮。
行く道も帰る道も分からない……と、そこに獣の唸り声が近づいてきた。「狼の協定」――破るものには制裁をと。
鋼で造られた獣の中で姫は夢から覚める。我武者羅に走ってきた道を振り返ればこころの迷宮。
行く道も帰る道も分からない……と、そこに獣の唸り声が近づいてきた。「狼の協定」――破るものには制裁をと。
【185:黒き鳥は空を舞う (◆j3Nf.sG1lk)】
白い太陽の中で、真っ黒な烏が染み入らせる様に羽を広げ、地に這う者達をその先へと導く。
目隠しにあった者。目を回している者。目を塞いでいる者。――黒き鳥に導かれ、彼らは石の道に足跡を刻む。
白い太陽の中で、真っ黒な烏が染み入らせる様に羽を広げ、地に這う者達をその先へと導く。
目隠しにあった者。目を回している者。目を塞いでいる者。――黒き鳥に導かれ、彼らは石の道に足跡を刻む。
【186:蒼き槍兵と青い軍服の狙撃士 (◆o4xOfDTwjY)】
再度テリトリーを重ねた二匹の蒼い狗。雄犬は雌犬へと鼻を近づけ、その匂いを嗅ぎ彼女の正体を探る。
嗅ぎ取ったのは自分と似た不幸という名の匂い。僅かな憐憫。微妙な同属意識。二匹は不揃いながらも一緒に走り出す。
再度テリトリーを重ねた二匹の蒼い狗。雄犬は雌犬へと鼻を近づけ、その匂いを嗅ぎ彼女の正体を探る。
嗅ぎ取ったのは自分と似た不幸という名の匂い。僅かな憐憫。微妙な同属意識。二匹は不揃いながらも一緒に走り出す。
【187:紙魚 [shimi] (◆P2vcbk2T1w)】
白く白く白くどこまでも白くそして真っ赤な紙の揺篭の中から、女は外に広がる世界を夢想する。――早く外に出たい。
赤く赤く赤くどこまでも赤くそして真っ白な神の吊籠の中から、男は外に広がる世界を憎悪する。――早く外に出たい。
白く白く白くどこまでも白くそして真っ赤な紙の揺篭の中から、女は外に広がる世界を夢想する。――早く外に出たい。
赤く赤く赤くどこまでも赤くそして真っ白な神の吊籠の中から、男は外に広がる世界を憎悪する。――早く外に出たい。
【188:喜劇踊る人形は閉幕の音を聞く (◆Wf0eUCE.vg)】
憐れな少女の輪舞――片足しかないから軸のブレた独楽の様。助けを求めて伸ばす手は優雅とは真逆の有様。
零した油でタップは聞こえず、口から漏れるのは歌声からは程遠い嗚咽。緑の螺旋とは全く違う、無様な輪舞を少女は踊る。
憐れな少女の輪舞――片足しかないから軸のブレた独楽の様。助けを求めて伸ばす手は優雅とは真逆の有様。
零した油でタップは聞こえず、口から漏れるのは歌声からは程遠い嗚咽。緑の螺旋とは全く違う、無様な輪舞を少女は踊る。
【189:炎の日/焔のさだめ (◆DNdG5hiFT6)】
男達は盗まれた過去を探し、女達は砕かれた夢を拾い集めて――焼ける街をあてもなく彷徨い続ける。
燃え盛る炎に悪夢が蘇り、男の心は乾き、女の心は冷えた。だが――さだめとあれば心を決める。さぁ、決着は近い。
男達は盗まれた過去を探し、女達は砕かれた夢を拾い集めて――焼ける街をあてもなく彷徨い続ける。
燃え盛る炎に悪夢が蘇り、男の心は乾き、女の心は冷えた。だが――さだめとあれば心を決める。さぁ、決着は近い。
【190:ボクのセカイをまもるヒト (◆LXe12sNRSs)】
世界とは何か? それは、自分と言う可能性が届く範囲のことだと彼は認識していた。彼の世界こそが唯一無二の世界であると。
それ以外は未知の領域であり、彼は日夜それを征服する事で己の世界と同化していた。そしてまた、一つの未知が世界に変わる。
世界とは何か? それは、自分と言う可能性が届く範囲のことだと彼は認識していた。彼の世界こそが唯一無二の世界であると。
それ以外は未知の領域であり、彼は日夜それを征服する事で己の世界と同化していた。そしてまた、一つの未知が世界に変わる。
191話~200話
【191:新たなる輝き! 怒れアレンビー (◆jbLV1y5LEw)】
深い暗色のマットをリングに少女は舞闘する。悪意の弾丸を床を蹴って避け、視線の縄を身を捩り掻い潜る。
死闘の舞台に一本の棒が飛び込み、少女を運命の輪から解き放った時、緑色の帯状布は螺旋を描き死神を振り払う。
深い暗色のマットをリングに少女は舞闘する。悪意の弾丸を床を蹴って避け、視線の縄を身を捩り掻い潜る。
死闘の舞台に一本の棒が飛び込み、少女を運命の輪から解き放った時、緑色の帯状布は螺旋を描き死神を振り払う。
【192:例え絶望に打ちのめされても (◆AZWNjKqIBQ)】
ぐるりぐるりと……と、ゆっくりだが確実に、そして常に同じ方向へと観覧車の――運命の環は回り続ける。
環にぶら提げた箱の一つ一つに人を乗せて、運命の環は回り続ける。ゆっくりと……、だが確実に……ぐるりぐるりと……。
ぐるりぐるりと……と、ゆっくりだが確実に、そして常に同じ方向へと観覧車の――運命の環は回り続ける。
環にぶら提げた箱の一つ一つに人を乗せて、運命の環は回り続ける。ゆっくりと……、だが確実に……ぐるりぐるりと……。
【193:覚醒 の 黒き 皇子 (◆j3Nf.sG1lk)】
麗しき黒の皇子が長い眠りより目を覚ますと、そこは見たこともないようなみすぼらしいあばら屋の中でした。
赤い髪の従者が王冠を持ってこう言います。どうかこの貧しい国の王様になってくださいと。憐れな私めを救ってくださいと。
麗しき黒の皇子が長い眠りより目を覚ますと、そこは見たこともないようなみすぼらしいあばら屋の中でした。
赤い髪の従者が王冠を持ってこう言います。どうかこの貧しい国の王様になってくださいと。憐れな私めを救ってくださいと。
【194:DEVIL MAY CRY (◆Wf0eUCE.vg)】
憐れな異形の胸の中で、女は静かに彼の顔を見る。
あの男がこんな顔をしている……。やはり彼は悪魔などにはなりえなかった。何故ならば――「悪魔は涙を流さない」
憐れな異形の胸の中で、女は静かに彼の顔を見る。
あの男がこんな顔をしている……。やはり彼は悪魔などにはなりえなかった。何故ならば――「悪魔は涙を流さない」
【195:刑事と婦人と不死の少年は三人の奇人を前に沈黙する (◆hNG3vL8qjA)】
時と役者が舞台の上に満ち、ついに地獄の傀儡師の奇術ショウは静かに幕を開ける。
まず第一の演目は、アシスタントのメイドによるナイフ投げから。そして第二の演目はゲストの少年を舞台に上げての――。
時と役者が舞台の上に満ち、ついに地獄の傀儡師の奇術ショウは静かに幕を開ける。
まず第一の演目は、アシスタントのメイドによるナイフ投げから。そして第二の演目はゲストの少年を舞台に上げての――。
【196:シャドウ・ラン (◆RwRVJyFBpg)】
私の武器はほんの僅かな、しかし幾千幾万の閃き。守は心。兵糧は意志。戦場は己の――脳内。
他とは全く異質で、全くの孤立無援。たった一人、影の中で男は戦いに望む。覚悟完了。当方に迎撃の準備有!
私の武器はほんの僅かな、しかし幾千幾万の閃き。守は心。兵糧は意志。戦場は己の――脳内。
他とは全く異質で、全くの孤立無援。たった一人、影の中で男は戦いに望む。覚悟完了。当方に迎撃の準備有!
【197:Deus ex machina (◆oRFbZD5WiQ)】
この世の中に神は存在しない。故に人は皆それぞれの神を造ろうと、心の中のガラクタを積み上げるのだ。
その神は慈愛に満ちた女神かも知れない。闘いに駆り立てる戦神かも知れない。終わりへと誘惑する死神かも知れない。
この世の中に神は存在しない。故に人は皆それぞれの神を造ろうと、心の中のガラクタを積み上げるのだ。
その神は慈愛に満ちた女神かも知れない。闘いに駆り立てる戦神かも知れない。終わりへと誘惑する死神かも知れない。
【198:螺旋の力に目覚めた少女 (◆10fcvoEbko)】
ギルガメッシュ君の身の丈測定――結果:2600円
「王の財宝を使われたらマジギレ」「聖杯戦争が終わってもギリギリ残って騎士王を追ったり」「他人の身の丈に五月蝿い」
ギルガメッシュ君の身の丈測定――結果:2600円
「王の財宝を使われたらマジギレ」「聖杯戦争が終わってもギリギリ残って騎士王を追ったり」「他人の身の丈に五月蝿い」
【199:二人がここにいる不思議 (◆LXe12sNRSs )】
[ ☆ ふりだしに戻る ☆ ] サイコロをふって、『1』『6』以外の目が出たら財宝を山に返して駒をふりだしに戻す。
ただし、臣下はマスの上に残す。この臣下は次にこのマスを通った人のものになる。
[ ☆ ふりだしに戻る ☆ ] サイコロをふって、『1』『6』以外の目が出たら財宝を山に返して駒をふりだしに戻す。
ただし、臣下はマスの上に残す。この臣下は次にこのマスを通った人のものになる。
【200:Trip of Death (◆Haf2Sq.37.)】
ゴルゴダの丘の上に聖職者達が集まった。槍を馬の様に駆り悪意を振りまく者。密やかに近づき死神の鎌を振るう者。
己が傷を人に与え血を流させる者。それぞれに安穏とは程遠い三人。高き十字架。そこに磔にされるのは一体誰か?
ゴルゴダの丘の上に聖職者達が集まった。槍を馬の様に駆り悪意を振りまく者。密やかに近づき死神の鎌を振るう者。
己が傷を人に与え血を流させる者。それぞれに安穏とは程遠い三人。高き十字架。そこに磔にされるのは一体誰か?