二人がここにいる不思議(後編) ◆LXe12sNRSs




 ほのかな磯の香りが鼻腔を刺激し、ギルガメッシュの意識を覚醒に向かわせていた。
 瞼を開け目に入ったのは、夕日に照らされ爛々と輝く水面。どうやら沿岸に位置を移したようだ。
 朦朧と霞む思考の海で、寸前の記憶を懸命に手繰り寄せる。
 書の集中砲火で無残な肉塊へと成り果てたアルベルト――それがまやかしだったことを思い出し、歯噛みする。
 どれくらいの時間気を失っていたかは知らないが、現在の虚ろな意識こそが、アルベルトに敗北を喫したという証拠に他ならなかった。

「目覚めたか、裸の王よ」

 ギルガメッシュが目を開いたことに気づいたアルベルトが、見下ろす形で声をかける。
 またしてもこの位置関係だ。見上げるギルガメッシュと、見下ろすアルベルト。その隣にはかがみが立ち、奈緒の姿はどこにもない。
 アルベルトの言葉を受けて、ギルガメッシュは自身の体を可能な範囲で眺めてみる。
 言うとおり、裸だった。黄金の鎧は破壊されたのかそれとも没収されたのか、影も形も残されていない。
 履物は局部を隠す意味での腰布一枚のみ。引き締まった肉体は、荒縄でぐるぐる巻きにされていた。
 動かせるのは手先と足先、それに首から上くらいという散々な醜態を強いられて、ギルガメッシュはぎりっと音が鳴るほどに歯を擦る。

「――殺せ」

 現在の状況を顧みて、発した言葉それだった。

「目覚めて第一声が、殺せ、とはな。少しは気にならんか? 自分が敗北した理由が。
 そうたとえば、ワシが囮に使ったあの肉塊。あれの正体を教えてやろう」

 興味はなかった。詳細を知りえたところで、ギルガメッシュが雑種の浅知恵にしてやられたことには変わりない。

「あれはな、ワシに支給された品の一つよ。強いて言うならば“ヒトの形をしていなかったモノ”よな。
 とはいえ、獣肉というわけではない。人肉を纏った、異形のなにかだ。螺旋王もまったく、悪趣味なものを混ぜてくれる」

 どこかから拾ってきた死体でも使ったのだろう、と考えてはいたが、やはりどうでもいい。

「透明化の能力も、この機械によるものよ。が、やはりこういった小細工は好かんな。かがみ、以後はおまえが使うがよい」

 言ってアルベルトは、女物のケープをかがみに手渡した。見る気も起きない。

「戯言は終わったか、雑種?」

 勝者の愉悦に浸っているであろうアルベルトの態度が、ただ気に入らなかった。
 心中で憤慨しつつも、罵声を飛ばしたりはしない。穏やかに、聖人の佇まいで死を要求する。
 ギルガメッシュが、王ゆえに。

「ふうむ、なぜに死を望む? 勝者は敗者を従える、という約束であったはずだが」
「我は王なるぞ? 雑種の飼い犬に成り下がる気など毛頭ない。そうなるくらいならば自害を選ぶわ」
「それにしたって、普通は命乞いの一つや二つあるでしょう?」
「死後語り継がれるであろう伝承に泥を塗ることになるのでな。醜態を晒すつもりもない」

 命を握られている状況を自覚して、なおこの口ぶりである。
 それは裏を返せば、本当に命が惜しくないという真意の表れでもあった。
 殺される覚悟があるからこそ、死の際に立たされても遠慮のない発言ができる。
 王の戦い。それは規模の大小こそあれど、己の尊厳と国を懸けての大戦に他ならない。
 王の敗北とは即ち、全ての喪失に繋がるのだ。国も、民も、財も、臣下も、己自身も。全て勝者にもぎ取られる。

「なるほど。つまり負けたのが恥ずかしいから、とっとと死んで忘れたいってわけだ」
「たわけたことをぬかすなよ小娘が。あんなものは決闘ではない。戯れよ。我は童心を介し遊んでいたにすぎん」

 そう、あれはギルガメッシュからしてみれば、決闘などという大それた戦いではなかった。
 とはいえ、陥った状況を鑑みれば、戦に敗北したという現実は否定できるものでもなく、本人もそれを認めている。
 だからこそ、自身の失態を自覚したまま、王として散ろうと言うのだ。

「そんな言い分で約束を反故にされてはたまったものではない。少しはその慢心を正す気にはならんものか」
「馬鹿な。慢心せずしてなにが王か」

 内容が遊戯に等しいものだったとしても、ギルガメッシュは王として戦場に立ち、王ゆえの隙を突かれ、王として負けた。
 民衆は結果だけを見る。名もなき雑兵に首を取られた王、と。
 口惜しい。が、王なればこそ、甘んじて受けるほかない。

「……では、生き恥を晒してまでワシらに従うつもりはない、と」
「何度も言わせるな」
「だが先に述べたとおり、ワシは貴様の首などに興味はない。しかし情報を提供する気はなく、協力する気もないときた。
 困ったものよ。かがみ、この強情なる王の処分、おまえならどうする?」
「そうね……いっそ、紐にでも繋いでおくとか」
「晒し者にして連れまわすということか。なるほど、それはそれでおもしろいかもしれんな」

 冗談混じりに話すアルベルトとかがみの顔は、確かな余裕に満ちていた。
 見ているだけで不快になる。余裕や慢心などといったものは、強者にのみ許される絶対の安心感だ。
 この二人の余裕は、偶然掴み得た幸運のようなもの。ギルガメッシュが真に猛威を振れば、表情は百八十度変わる。
 その様を思い浮かべるだけで、笑いが込み上げてきた。

「……くっくっく」

 端から見れば、裸身を荒縄で縛られた笑い男――という変態以外の何者でもない全姿が、殺意を纏う。

「つくづく我を笑わせるのが上手いな、雑種共。紐で繋ぐか。おもしろい、やってみせよ。
 ただし先ほども言ったとおり、我は犬に成り下がる気など毛頭ない。
 貴様らが手綱を引くは、主に従順な犬ではなく、牙を研いだ獅子だと心得よ」

 ギルガメッシュは、決して王であることを捨てたりはしない。
 死を宣告されようと、晒し者の運命が待っていようと、態度は常に傲岸。
 怒りを売る者には殺意で答え、鉄壁の姿勢で我を通す。
 その空気は、たとえ黄金の鎧をもがれ裸になろうとも剥がれることはなく、周囲を戦慄させる。
 実証として、かがみはギルガメッシュが放つ空気に呑まれ、だらだらと脂汗を流していた。
 しかしアルベルトは、

「――結城奈緒と言ったか、あの女は」

 怯えを纏うどころか、したり顔を強調させ、会話を続ける。

「貴様が臣下と言った女。結城奈緒をワシが殺す、と言ったらどうする?」

 試すような口調で、またギルガメッシュに揺さぶりをかける。
 なお食い下がってくるアルベルトの必死さに、ギルガメッシュは思わず声を荒げた。

「クククク……クハハハハハハ。なにを言い出すかと思えば、ナオを人質にでもしたつもりか?
 あの蜘蛛女は我の臣下の一人にすぎんと言ったはずだ。主人の名誉を守るために死ぬなら本望だろうよ。
 が、臣下とて我の財の一部だ。戦勝した証として捕虜にするならともかく――」

 嘲笑いの声が消え、静かなる怒声を響き渡らせる。

「――我の死後、無碍にでも扱ってみろ。死霊になりとて、縊り殺すぞ――?」

 耳にして、かがみが一歩退いた。
 アルベルトは、ニヤリ、と微かに笑った。

「……よくわかった。どのような条件であろうとも、ワシらに降る気はないと。そう受け取って構わんな?」
「ああ、やっと理解が追いついたか雑種が」
「安心しろ。あの小娘は貴様と違ってまだ使い道があるようなのでな。無駄に殺したりはせん。
 ――が、やはり貴様は駄目だな。その誇りには感服するが、ワシらにとっては害でしかない」

 殺意と殺意が対立する間で、やっと幕を下ろそうという動きが見られた。
 初めから決まっていたシナリオを、やはり書き換えることはなく、予定調和のように。

「生かしたところで、後々噛みつかれては面倒だ。望みどおり、障害として排除してやろう」

 判決が、下った。
 ギルガメッシュは抗わず、不気味な微笑のままそれを受け入れた。
 王として死のうとしている男を、アルベルトとかがみは憐れみなどしなかった。

「……かがみよ、先に結城奈緒を置いておいた場所に戻っておれ。
 曲がりなりにも英雄王の死だ。大勢の目に触れさせるのは酷というものだろう」
「うん……わかった」

 短いやり取りを交わし、かがみはその場から離れていった。
 一度も振り向かずに去っていくその姿は、なるほど、アルベルトに同行するに値する気丈さだと、ギルガメッシュは一人納得した。
 雑種には違いないが、この二人はこれで、参加者内のなかでは上等な部類に入るのだろう。
 不運と、数と、なにより王ゆえの慢心が原因で死すのだ――恥ではない。

「――ではな裸王。来世では、“英雄王”などという不釣合いな二つ名を名乗るでないぞ――」

 そして、英雄王ギルガメッシュの処刑は決行された。


 ◇ ◇ ◇


 夕日は水面に沈み、夜の帳が下ろされようという時刻。
 古めかしい木造建築を合流地としたかがみは、その一室、柱に縛られた奈緒の身を眺め思う。
 ――この少女は目覚めたとき、まずなにを思うだろうか。
 ギルガメッシュを金ぴかと呼び、戦闘面に関してまったくの心配をしていなかった奈緒。
 ギルガメッシュは臣下と言っていたが、実のところ二人の明確な関係などわかりはしない。
 彼の死を受け、どのような反応を見せるか。悲しむか、怒るか、それとも絶望するか。
 やはり、二人の事情を把握していないかがみには想像がつかなかった。
 ただ、ちょっとかわいそう、とだけ胸に抱く。

(……まったく、同情なんてしてる暇ないってーの)

 自分自身に溜め息をつきながら、相棒の帰りを待つ。
 ほどなくして、衝撃のアルベルトは帰ってきた。

「おかえり」
「うむ。……今度は、茶の用意はしてくれていないのか?」
「そんな気分じゃないわよ……」

 人ひとり殺してきたというのに、アルベルトは別段変わった様子でもない。
 ギルガメッシュとの一件を済んだことと割り切り、既にこれからを見据えている。
 私も切り替えなくちゃな、とかがみは思った。

「滅入ったか、かがみよ?」
「……そんなこと」
「気張らずともよい。不死者になったとて、精神までもが強靭になるわけではないからな。
 むしろ、人の心が残っているのならそれに越したことはない。貴様を野望に突き走らせる要因を、忘れてはならんぞ」

 忘れてなんかいない。
 螺旋王を喰い、自分の願望を叶えるという野心……かがみをここまで突っ走らせた、二つの悲しみを。

「今回は廻り合わせが悪かったにすぎん。が、次も後味が悪いとは限らんさ。
 障害と判断した者は排除する。利用価値がある者はとことんまで利用する。
 それ以外には目もくれん。ただ目標をのみを目指せ。それがワシら二人の成すべきことよ」
「……ちょっと、寝る。放送、お願い……」

 言うアルベルトの横、かがみは布団も引いていない畳の上に倒れこんだ。
 今度出会うのは、いざこざなく手を取り合える人たちがいい。
 そう心の端で願いながら、かがみは疲労の闇に落ちた。


 ◇ ◇ ◇


(王、か。くだらん。実にくだらん)

 仮眠を取るかがみの横、アルベルトは参加者名簿とペンを持ち、あと数分で始まるであろう放送を待った。
 宿敵である神行太保・戴宗の名は、まだ横線を引かれていない。が、あと数分後にはこの名が抹消される可能性もある。
 戴宗の性格を熟知しているからこそ、予感がした。争いが激しさを増す一方であるこの地において、戴宗がいつ無茶を働くか。
 ……それが、そろそろであると。もしくは、この六時間の間にもう……。

(なにかと荷の多い男であった。ワシとの戦いに無用な感情を持ち出すほどにな。……が、それゆえに)

 強かった。仲間を、平和を、正義を背負い戦っていた戴宗は、紛れもなくアルベルトと拳を交わすに相応しい強者だった。
 あんな自尊心を守るためだけに戦う慢心王とは、まるで別格。アルベルトの敵たる男は、戴宗以外にありえない。
 もっとも、実力だけで言うならば、ギルガメッシュにも資格はあった。慢心を捨てれば、の話であったが。

(古来より、正義の使者というのは守るものがあるからこそ強者足りえ、悪たる我らBF団と双璧を成してきた。
 戴宗を含む九大天王……彼奴ら国際警察機構、ジャイアントロボに選ばれたあの小僧とて例外ではない。
 だからこそ、ワシはあくまでもBF団十傑集が一人としてこの地に立つ。そして、決着をつけねばならんのだ。
 こんなところで死んでくれるなよ――――戴宗)

 ふと、ペンを握る手が震えていることに気づいた。
 武者震いにも似た、不思議な高揚を覚える。

(四十路近いというのに……ワシもまだまだ若い。本能で焦がれているということか、宿敵に)

 ――――だからかもしれない。
 それは、因縁の相手である戴宗か、それとも。

(熱い――な。戴宗……ジジイ……そして――――。ワシの心を満たすのは、誰だ――?)

 腹の底で燻る、燃え滾るような衝動。
 若人の頃、何度となく味わったそれが、再びぶり返してきた。
 まだだ。まだ足りない。しかしまだ待て。と。
 衝撃のアルベルトは恍惚に笑み、放送を、未来を、訪れる命運を待った。
 そして、放送が始まった。


 ◇ ◇ ◇


 結城奈緒14歳。あたしのバトルロワイアルは、とんでもない形で終わりを迎えた。
 聞いて驚け。あたしと金ぴかがここから脱出する方法を探し歩くうちに……なんと、他の参加者が全滅してしまったのだ。
 放送で螺旋王が「あと二人」などとのんきに口にしたところで、あたしは「ハァ~!?」となった。正直拍子抜けだ。
 その後は、まぁ金ぴかと仲良く殺し合いって展開になるはずもなく、まだあてのない行脚を続けている。
 ちなみに、首輪のほうは金ぴかのなんだかよくわからないご都合ラッキーが働いてとっくに外れていた。
 会場全域が禁止エリアと化そうが関係ない。超安心な生活。
 それがもう、何年経ったことか。面倒くさいので覚えていない。
 少なくとも、二人でいることが疑問に感じなくなるまでは、そうしていたと思う。

 ――んで、次はどこへ行く?

 ――そうだな――。

 いつかのようなやり取りを、また繰り返す。
 どこに行ったって、今さら手がかりなんて見つかるはずもない。
 天命をまっとうするまでの、なんとも物悲しい二人旅だ。
 だけど、悪くはない。
 嫌味とかじゃなく、本心でそう思っている自分がいた。
 昔のあたしが側にいたら、きっと驚いていたことだろう。

 ――や、至極残念だが、どうやらここまでのようだ。

 けれど、終わりは唐突に訪れた。
 このまま脱出方法が見つかるまで、半永久的にここで金ぴかと二人きりだと、そう思いこんでいたのに。

 ――眠りにつくときがきた。我はもう、次の地に赴かなければならん。

 金ぴかは、本当に突然に、別れの言葉を告げてきたのだ。
 って、ちょっと待て。いくらなんでもそりゃ突然すぎるでしょうが。
 だって、ずっと二人でいたわけよ?
 途中、暑苦しい鉢巻きとか変な神父とか機械人形とかアレンビーとかいたけどさ。
 ほとんど二人で行動してたわけよ。そりゃもううんざりするほど。
 それが、いきなり。

 ――子供みたいなことを言うな。まったく、この期に及んでまだ乳臭さが抜けぬと見える。

 知るか。そんなことより、納得のいく説明してよ。じゃなきゃ、

 ――だが……よい。許そう。それもまた、ナオの持ち味だと、我はそう思っておこう……

 だーかーらー、なに一人で片付けちゃってんだっつーの。
 おい金ぴか。ねぇ金ぴか。返事、返事しろ金ぴか。

 ――次に……目が覚めるのは……ナオのいないところであろうな……

 締めに入るな。まだあたしは納得しちゃいない。しちゃ、いない。

 ――……いやあ……なかなかに…………愉しかったぞ……………………

 こら、消えるな。お願いだから、消えるな。消え……………………、

 ふざけんな…………ふざけんな金ぴかあああぁぁぁぁぁ!

 二人がここにいる不思議。
 それは不思議だからこそ、二人でいる理由が掴めない。
 理由がなければ、二人でいる必然性もないのかもしれない。
 不思議は、こんな風に、容易く崩される。
 大切な人――お母さんが消えたあのときの思いには、遠く及ばないけれど。
 奈緒は、ようやく思い知らされた。

 さっきまで並んで歩いていた人が、前触れもなくいなくなる。

 だけど、それが自然。

 これが、バトルロワイアルというものなんだ、と。



【D-3中部/民家/1日目-夕方(放送開始)】

【結城奈緒@舞-HiME】
[状態]:気絶、精神的疲労(大)、かがみにトラウマ
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本思考:面倒なのであまり戦いたくない。ヤバくなったら真面目にやる。
0:金ぴか…………死んだ?
1:とりあえず金ぴかと一緒に行動する。
2:攻撃してくる人間を殺すのに躊躇いは無い。
3:藤乃には色々と会いたくない 。
※本の中の「金色の王様」=ギルガメッシュだとまだ気付いていません。
※ドモンの発した"ガンダム"という単語と本で読んだガンダムの関連が頭の中で引っ掛かっています。
※博物館に隠されているものが『使い方次第で強者を倒せるもの』と推測しました。

【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:全身にダメージ(小)、右足に刺し傷(処置済み)、スーツがズダボロ
[装備]:衝撃のアルベルトのアイパッチ@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
[道具]:デイバッグ×2、支給品一式×2、シガレットケースと葉巻(葉巻-2本)、ボイスレコーダー、
    シュバルツのブーメラン@機動武闘伝Gガンダム、赤絵の具@王ドロボウJING、
    ガンメンの設計図まとめ、王の財宝@Fate/stay night、ミロク@舞-HiME
    シェスカの全蔵書(数冊程度)@鋼の錬金術師、首輪(クアットロ)、黄金の鎧@Fate/stay night(半壊)
[思考]:
基本-1:納得の行く形で、戴宗との決着をつける
基本-2:不死者(柊かがみ)に螺旋王を『喰わせ』、その力や知識をBF団へと持ち帰る
基本-3:上記の1と2が達成できないと判断すれば、優勝を目指す
0:闘争心が治まらぬ……?
0:放送を聞き、以後の方針を練る。
1:戴宗を探す。
2:不死者(柊かがみ)の身を守る。
3:奈緒が起きたら、知っている情報を洗い浚い聞き出す。その後可能なら利用し、無理ならば処分する。
4:各施設を周り、戴宗への書置きを残す。メッセージは『豪華客船にて待つ 衝撃のアルベルト』
5:脱出や首輪解除に必要な情報を集める
6:他の参加者達と必要以上に馴れ合うつもりはない
7:マスターアジアと再会すれば決着をつける
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※ボイスレコーダーには、なつきによるドモン(チェス)への伝言が記録されています
※ですが、アルベルトはドモンについて名前しか聞いていません
※会場のワープを認識
※図書館(超螺旋図書城)のカウンターに戴宗へのメッセージを残しました

【柊かがみ@らき☆すた】
[状態]:不死者、私服に切り傷、睡眠中
[装備]:つかさのスカーフ、ローラーブーツ@魔法少女リリカルなのはStrikerS、シルバーケープ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:デイバッグ×6(支給品一式×6、[水入りペットボトル×1消費])、柊つかさの首輪、柊かがみの靴、全てを見通す眼の書@R.O.D(シリーズ) 、
    奈緒が適当に集めてきた本数冊 (『 原作版・バトルロワイアル』、『今日の献立一〇〇〇種』、『八つ墓村』、『君は僕を知っている』)
    オドラデクエンジン@王ドロボウJING、緑色の鉱石@天元突破グレンラガン、エクスカリバー@Fate/stay night、
    アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION、がらくた×3
[思考]
基本:螺旋王を『喰い』、自分の願いを叶える
0:疲れたので仮眠を取る
1:衝撃のアルベルトに協力する
[備考]:
※会場端のワープを認識



【“人の形をしていなかった”モノ@鋼の錬金術師】
アルベルトが囮に使った肉塊。名称は仮。
幼き頃のエルリック兄弟が、母を蘇らせるべく人体錬成を試み生まれた、異形の産物。
人体錬成直後の状態なので、スロウスとは無関係。
エルリック兄弟曰く、「人の形をしていなかった」。

【シルバーケープ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
クアットロの固有武装。クアットロが羽織っているケープがこれ。
高いステルス性能と魔法攻撃に対する耐性を持っている。
また、戦闘機人でない者でも問題なく使用できる模様。




◇ ◇ ◇




 土左衛門(どざえもん)、という言葉がある。
 元は江戸時代におけるとある力士を指す言葉であったが、現代では主に、水死体を表す言葉として用いられている。
 そして、ここにも土左衛門が一体。
 ぷかぷかと水面を漂う、裸に腰布一枚の格好。
 バリッとしていた金髪は力なく萎れ、さらに体は縄によって雁字搦めにされている。
 と、不意に締まっていた縄が自壊し、波に揺られるままどんどん解かれていく。
 しめしめと、土左衛門が蠢き、縄を完全に振りほどいた。
 そのまま岸を目指し、躍動感溢れる力強い泳ぎを見せる。
 ここまで自立して動ければ、それはもはや土左衛門ではない。
 ただの、パンツ一丁の裸男だった。

「がっ、は…………っく、忌々しい…………なんと忌々しいことか…………」

 堤防を上る最中、裸男が念の込められた呟きを発する。
 それは悔恨と怒りであるらしく、裸男を包む周囲の空気が、どこか淀んで見えた。

「忘れぬぞ、この屈辱…………なぁ、“衝撃”よ!」

 肺に溜まった水を吐き出し、血気盛んに叫び散らしたその裸男は――彼の英雄王、ギルガメッシュであった。
 とはいえ、現在の彼に王らしき風格は微塵も残されていない。
 衣服を含むありとあらゆる財を奪われ、誇りすら汚され、なお生者としてここに立っている事実。
 思い出すだけでも忌々しい、数分前の出来事――


『ではな裸王。来世では、“英雄王”などという不釣合いな二つ名を名乗るでないぞ――
 ――と、言いたいところではあるが、気が変わった。やはり、貴様はこのまま生かしておくとしよう』

 と、死を宣告してすぐ撤回するアルベルト。あれには憤慨したが、それから先の言動がさらにギルガメッシュを苛立たせる。

『ただし、紐は繋がん。貴様は、財と臣下を奪われた哀れな裸の王として、ワシに放し飼いにされるのだ。
 屈辱か? 屈辱であろうな。プライドが許せぬというのなら、自害でもなんでもすればいい。ワシは止めん。
 が、もし貴様が死んだならば――貴様から奪った財、臣下も含め、無に散るであろうことを心得ておくのだな』

 放し飼い。アルベルトの見い出したギルガメッシュの活用法は、なんとも馬鹿げたものだった。
 おそらく、アルベルトはこう踏んだのだろう――彼奴は口ではああ言っても、自害より報復の道を選ぶ。と。
 あえて敗北感を背負ったギルガメッシュを生かすことにより、復讐者を作る。
 復讐者と成り果てたギルガメッシュは、当然アルベルトに逆襲を果たすべく、この会場を翻弄することだろう。
 そして、互いに生き残っていれば、いつか道は交わる――ただしそれは、螺旋王へ至る道。
 アルベルトがあくまでも脱出を目指すのであれば、ギルガメッシュも同じ道を、別の経路で辿るしかない。
 アルベルトはギルガメッシュと再会を果たした際、その道中で掴み得た成果を、今度こそ奪う気でいるのだろう。
 無理に反発し、殺し合いにでも興じようものならば、今度は螺旋王の思う壺だ。
 かといって、ここまでされて自害に及ぶつもりもない。なにせ、あのときのアルベルトは慢心していたのだから。

『ワシに借りを返したくば、慢心を捨て、駆け上ってくることだ。螺旋王へ至る道を、な。
 せいぜい足掻けよ裸王。どれ、貴様の行く末を按じ、ワシがまじないをしてやろう』

 そう言ってアルベルトは、簀巻き状態のギルガメッシュを担ぎ出し、あろうことか空に向かって放り投げたのである。

『あいにくと力が制限されておるのでなー! 地球の裏側まで届くことはないから安心せーい!』

 空を飛ぶ簀巻きに向けた、別れの言葉。思い出すだけでも腹立たしい。
 宙に投げ飛ばされ、ほどなくして水面に落下したギルガメッシュは、どうにか自力でここまで泳ぎ着いた。
 いくら童心を忘れぬギルガメッシュとて、自身を縄で縛り、魚の真似事を興じた経験などない。
 だけに、この仕打ちははらわたが煮えくり返るような思いだった。

「フゥッ…………ハハ…………ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ絶対に許さんぞぉぉ!!」

 生き恥を晒すことを強いられた屈辱感、
 財と臣下のすべてを奪われた屈辱感、
 簀巻きにされ投げ飛ばされた屈辱感、
 そしてなにより、この英雄王を『まぐれで』負かし、放し飼いにしたなどと『思い込んで』、慢心している様が、
 ギルガメッシュは許せず、決闘に敗れたことも忘れ、生きて借りを返そうという気を持ち始めていた。

「…………が、それにしても『慢心を捨てろ』とは……我に王を辞めよ、という意味か?
 ふん、思いあがるなよ“衝撃”。捨てはせん、が、次に貴様と相対せしときは――慢心せず、しかし王として、殺してやる」

 “雑種”ではなく、しかし“アルベルト”までは届かず、“衝撃”という二つ名に対し宣戦を布告する。
 彼は知らない。アルベルトがギルガメッシュの力量を惜しみ、また宿敵に焦がれていたことを。
 風が吹いた。

「――――っへぶし!」

 波が凪ぎ、岸に置かれたヨットの帆が揺れ、ギルガメッシュは寒そうにくしゃみをした。
 ――財、依然腰布一枚。



【E-4/ヨットハーバー/1日目-夕方(放送開始)】

【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:疲労(大)、全身に裂傷(中)、全裸(腰布一枚)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。【乖離剣エア】【天の鎖】の入手。【王の財宝】の再入手。
0:……寒いな。
1:“螺旋王へ至る道”を模索。最終的にはアルベルトに逆襲を果たす。
2:異世界の情報、宝具、またはそれに順ずる道具を集める(エレメントに興味)。
3:出会えば衛宮士郎を殺す。具体的な目的地のキーワードは【高速道路】【河川】 。
4:“螺旋の力に目覚めた少女”に興味。
5:目障りな雑種は叩き切る(特にドモンに不快感)
6:慢心を捨てる――――?
※地図の端と上空に何か細工があると考えています。
※腰布の詳細はご想像にお任せします。



※自殺用ロープ@さよなら絶望先生は、海に流されました。
※アルベルトがギルガメッシュの生存をかがみや奈緒に黙ったままでいるかは不明。
※D-3路上に、シェスカの全蔵書@鋼の錬金術師が数冊(内数冊は破損)放置されています。
※ほとんど入れ違いだったため、アルベルトもかがみもアレンビーの姿は確認していません。



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199:二人がここにいる不思議(前編) ギルガメッシュ 216:鉄壁の意志、揺るがぬ信念
199:二人がここにいる不思議(前編) 結城奈緒 212:不死身少女ちゅうかなかがみん!
199:二人がここにいる不思議(前編) 衝撃のアルベルト 212:不死身少女ちゅうかなかがみん!
199:二人がここにいる不思議(前編) 柊かがみ 212:不死身少女ちゅうかなかがみん!





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