極大射程 ◆ZJTBOvEGT.



「よ…よすのだグラサン・ジャックぅぅぅ、いつまでも、こーしているわけには、イカンだろぉーがぁぁ…」

カミナが殴るのをやめたのは、別にガンメンモドキのあわれっぽい声に罪悪感を覚えたからではない。
単にくたびれただけである。ついでにこいつの言うとおり、こんな場所であまり長いこと油を売っているわけにもいかなかった。
殺し合いだかなんだか知らないが、大グレン団の鬼リーダーがやるべきことは変わらない。
螺旋王をぶっ倒す。邪魔するやつはぶん殴る。それだけだ。
デイパックを拾い上げて歩き出す。
どこにいくのか? そんなものは、歩いて決める。
まずはシモン、ヨーコと合流すべく。
どこにいるのか? 決まっている、自分の歩いたその先だ。
押しつけられた殺し合いに乗るようなシケた考え、大グレン団にありえない。
だったら当然あいつらも螺旋王をノすことだけを考えているはずで、
目指す先が一緒なら、向かっていればすぐ見つかる。そういうことだ。

「ぐずぐずしちゃあいらんねえよなぁ、兄弟」
「おうともよ、わがソウゥゥゥル・ブラザー、グラサン・ジャックよ」
「……」

カミナは、いつの間にか横にいたVを、無言で蹴った。
だいたい、Vの先端あたり。具体的に言うと、下端。
転がるV。うめくV。もだえるV。

「ブルルゥゥゥアアアアア? な、何をするぅう?
 私と貴様は兄弟ではないのかぁぁぁぁぁ?」
「てめぇじゃねんだよ、てめぇじゃあああ。
 なんでオレとテメェが兄弟よ、ああん?」
「魂と魂が通じ合・え・ば、その瞬間から我らはブラザァァ…
 ああっ、やめろ、やめてくれえええ、股間の紳士を踏・む・なぁぁぁ」
「いつ通じたよ? いつ?」

カミナの踵が圧力を増す。
赤くなるV。青くなるV。
顔色がチカチカ変わって、忙しいことである。

「思い出すのだグラサン・ジャック。
 われらが宿敵、指パッチンを、力を合わせて撃退したときのことをぉぉ」
「あん?」
「キサマは私の本を読めていただろうがっ
 それこそがわれらの、運命の証よぉ」

顎に指を当て、首をかたむけ、ほんのちょっとだけカミナは考えた。
まあ、力を合わせたと言われればその通り。
先ほどは魔本とやらが読めたから、あの指パッチン野郎に対抗できたらしい。
身をもって体験しているのだ。こればっかりは認めてやろう。
だが。

「人の名前を変えてんじゃねえっつってんだろ、このクサレガンメンモドキが~」
「ワァァァァオッ? 電気アンマ、電気アンマはよせぇぇぇ、
 ソコは敏・感なのよォォ、ワァァオッ? ワァァァァオ…」

それとこれとは別問題というやつ。
カミナは本格的にぐりぐりと踏みにじるだけ踏みにじり、
しまいには気色わるくなって、走り込みから思いきり蹴飛ばした。
Vは、宙に舞った。光のヨダレを吹いた。
そして力なく落下した。
カミナの気も、すんだ。


「いよし」
「ベェェリィイシィィィィット! いよし、じゃねえだろクソッタレがぁあ」

なにやらパワフルにスピンしながら立ち上がってみせたVは、
しかしすでにカミナの視界の中には無かった。
気をとりなおして、とりあえずどこか適当な方向に歩いていき始めている。

「ま、待て、無視するなぁ、
 このビクトリーム様は無視されるのが一番キライ」
「うるせ」

振り向きもしない、華麗な後ろ蹴りが炸裂。
ダッシュで追いかけた甲斐もなく、Vはまたも大地に転がっていく。

「何故だぁ、何故そこまでつれないのだぁグラサン・ジャックぅぅ、
 私の火力は貴様にとってチャーミングではないのかぁぁぁ?」

カミナは歩みを止めない。ガン無視である。
パートナーなんぞになってやる気はこれっぽっちもない。
イヤだと思えば死んでもやらない。それがカミナという男。
なんか、いやに低姿勢になっているのがますます気にいらなかったのだ。

「む?…そうかそうか~、むっふっふ。
 ウワサに聞くツンデレとは、貴様のことかグラサン・ジャック」
「……」

よくわからないので無視。
もう殴って疲れるのもうんざりだ。

「素直になれないギザギザハートが貴様の態度をツンツンさせるのだぁ。
 だが心配するなグラサン・ジャック、貴様の本心は誰より私が知っているぅ~!
 海より深きわが愛は閉ざされたココロのトビラを開くだろう、マイ・スウィート…」
「……」
「おおっ、おおっ、届いたか、わが真心。
 遠慮することはなぁい、この胸に飛び込んで…
 ブルゥアアアアア何をするだぁぁぁぁ」

予定は変更された。
カミナは、もうちょっと疲れることにした。









「ふ、不覚よぉ…ま、まさか、ヤンデレだったとは」

その辺の蔓草やら何やらでがんじがらめに念入りに縛られたビクトリームは、
立ち去るグラサン・ジャックをひくひくと痙攣しながらにらんでいた。
ここでやつを逃がすわけにはいかない。
モヒカンエースを発見するまではそばにいてもらわねば、呪文が全然使えないのだ。
しかもやつめ、デイパックまで奪っていった。魔本だけを放っぽり出して。


「チィクショアアアア、逃がすかぁぁぁ」

ここで黙って引き下がるビクトリームではない。
グラサン・ジャックは大変なことを失念していった。
そう、ビクトリームの頭は身体と分離できる。
これは彼が彼として最初から持っている能力であり、呪文とは関係ない。
魔本を口にくわえて浮上。

「ヴルアアアアアッ」

『ぶ』がうまく発音できないが気にしない。
頭部に蓄積されたダメージは、合計したらすでに1000は超えている予感がしたが、
とにかく今ここで追いつかなければ、次に呪文が使えるのがいつになるかわからない。
そしてなにより…やつは、メロンを持っている!

「ヴルアアアアアアアッ」
「…ッ? ついてくんじゃねえええええっ」

走って逃げるグラサン・ジャック。
だが遅い、こっちは空を飛んでいるのだっ。
とでも言わんばかりの加速を見せるビクトリーム。

「う、うおおっ? 早えぞド畜生ォォォォッ」
「ヴルゥアアアアアアアアッ」

追いかけっこはしばらく続いた。
グラサン・ジャックは意地になっていたらしかったが、
ビクトリームは切実であった。
かかっているものが大きければ、それだけ力も出るというものだ。
そして、ついに。

「ブラアアアアッ」

一瞬、蹴つまづいたグラサン・ジャックの真正面へ、
ビクトリームは躍り出ることに成功。
魔本を口から放して勝利を高らかに宣言してやろうとする…が。

「っ、どいてろ首だけガンメンがぁぁッ」
「ぼあっ?」

グラサン・ジャックのヤクザキックが顔面を直撃。
そのまま踏み倒されて、水面に…


水面。
たくさんの水。
湖か。違う。
木がない、草がない、土がない。

「ヴルアアアアアアッッッ?」
「なっ、んじゃこりゃあーーーーッ」

見渡す限り、そこはなぜか海だった。
文字通り、とりつく島もないくらい。
問答無用で、そこは海だった。











かつて湖の騎士と呼ばれた女、シャマルは、修羅の途を征く準備を完了していた。
用意したのは、あの男の支給品に含まれていたバルカン砲。
説明書によれば肩にかついで使うらしいが、非力なシャマルには持ち上げられる重さですらないそれ。
宝の持ち腐れを、彼女はよしとしなかった。
そこで、テーマパークの事務室などを探し回ってキーを手に入れ、二人乗りのゴーカートを調達。
その座席上でバルカン砲をうまい具合に取り出し、助手席に搭載する形をとったのだ。
デイパックの中に入れれば重さは存在しなくなることに気づいたからこそとれた手段であった。
二人乗りとはいえバルカン砲などを乗せた隣に自分が乗ったら、まともに動くか心配ではあったが、幸いにして問題なく走ってくれる。
重心の関係から、急ブレーキをかければバルカン砲が転げ落ちる危険をはらむものの、これ以上の贅沢は言っていられない。
メリーゴーランドの正面に陣取り、試射を開始。
予備弾の類は見当たらない。大事に使わなければならないため、引き金をひくのは一瞬。
銃身のうなりも一瞬であったが、それだけで十分すぎた。
射線上にあった木馬達が突風になぎ倒され、ばらばらに飛び散った。
そうとしか見えなかったのだ。
これで人間を撃つのなら、撃たれた者は痛みを感じるヒマすらあるまい。
おそらく、かすめただけで生命はないだろう。
今のシャマルにとっては、まったくうってつけの武器であった。
この試射で、ただ上に載せただけであるせいだろう…集弾率が劣悪きわまりないという問題点も明らかとなっている。
遠くの敵を狙い撃つに無理があるのなら、それなりの使い方を考えるまでだ。
これに、先ほど使ったばかりの因果逆転の槍ゲイボルクがあれば、自分は決して無力ではないはず。
最初の部屋で螺旋王ロージェノムに手向かったあの男クラスの存在につけ狙われても、一矢報いるくらいはできそうだ。
主、はやてを探しに行こう。機動六課のみんなも強い子達だ。
みんなそろえば、きっとこんな状況もどうにかできる。
そのためにも、みんなの生命をおびやかす人々は、全排除。
そう、みんなを守るためなのだ。みんなに会うまでに、可能な限り『完全な安全』を確保するのだ。
アクセルを踏み、スタートを切る。
が、思わぬBGMの乱入にブレーキを踏み込み、耳を澄ます。
一体、誰の仕業か。なんのために。近くを誰か通っているのか。
あれこれ考えているうちに…


 チ~チチッチ おっぱ~い ボイン ボイ~ン(ボイン ボイ~ン)

 チ~チチッチ おっぱ~い ボイン ボイ~ン(ボイン ボイ~ン)

 もげ もげ もげ… ウゥ~ワォ!


「……」

どうしてくれるんだろう。私の決意。
シャマルは、片手に保持していたゲイボルクをとり落とした。
ひとつ溜息をついて落ち着く。
ゲイボルクを拾って、音楽の響いてくる方角を見極める。
支給品の磁石を合わせて見るに、どうやら西。
海か、海なのか? 海の向こうから何か来ている? そんな馬鹿な。
しかし、支給品のことを考えてみると、
海の上を歩けたり飛べたりする何かがあっても別段おかしくはない。

とにかく見なければ。見て確かめなければ。
展望台の場所は園内地図を見て覚えている。 西側の岸付近にあるからちょうどいい。
歌詞を全力で聞き流しながらシャマルは走り、数分で目的地に到着。
狙撃を警戒しつつ露天展望台を駆け上り、そこから発見できた豆つぶを備え付けの望遠鏡で確認すると。

「……」

ありのまま、今見たものを記そう。
そこにいたのは、空飛ぶ顔つきのV字にまたがった、ガラの悪い入れ墨男だった。
片手に、多分CDラジカセ…をぶら下げて、半分開いたデイパックからメロンをぼしゃぼしゃ落としながら、こっちに向かってやってくる。
どうも、今流れているこの曲は、彼の仕業であるらしい…

「…ぁ~」

その場にぺたんと座り込んだシャマルは、深呼吸を二回。
わりと頑張って気を取り直してから、展望台を降りにかかる。
必要なのは、迎撃だった。









「ブルゥアアアァァッ、さっさと止めんかぁ」
「止めろって言ってもなぁー、俺にはさっぱりわからねぇ」

いきなり海上に出現したカミナとVは大混乱しつつも、
最寄りに見える陸地への上陸をすぐさま決めた。
これだけ広大な水溜まりを初めて見るカミナはワクワクしないわけでもなかったが、
持っている剣が水に濡れたらサビることくらい経験則で知っているのである。
だから今は、Vの頭上に居座り続けている…
Vの方は重くてしんどくて死にそうで、しかも身体が置いてけぼりになっているため
気が気でないものの、手足のない自分ではどうにもできないので頭上の男にまかせざるをえない。
支給品の中から、今の状態をどうにかできる何かをあさる仕事を。
よりにもよって、そうやって最初に出てきた支給品が、カミナにとってはよくわからない機械。
適当にがちゃがちゃやれば何か起こるだろうと思っていじってみたら、大音量の謎歌が。
そして今に至っているわけで、Vの体力はもはや限界に近いようだった。

「も、もういいグラサン・ジャック、次だ、次の何かをあされェェェ」
「待ちな、こいつをしまってから…うぉっと」
「…? どああああああああっ、何をしているか貴様ああああああああ」

Vが目撃したものは、カミナの半開きのデイパックから転がり落ちたメロン達。
ぼしゃりぼしゃりと落っこちて、沖合のゆるやかな波にさらわれていく。
…Vの速度が、格段に上がった。

「うおおっ、いきなり速くなんなテメェッ?」
「ヴェェリィィイイイイメェロォォォォン! イッツマイハァァァァァァァァァァァァ」

ここでひとつ、彼らは幸運に救われていた。
この付近で起こっていた潮流は、偶然にも向岸流だったのである。
メロンの流されていく先が陸地であったから、彼らは助かった。
もしこれが逆であれば、彼らはふたりとも力尽きて水没し、死亡者二名となっていただろう。
もっとも、その幸運も、どこまで続くかは誰にもわからないのだが。
今は、ふたり、砂浜にへたり込み、ゼェハァと肩を揺らしていた。
…一人は、首だけだが。


「どういうことだぁ、わが身体はいずこ?
 あそこに置いてけぼりのまま、どこぞに飛ばされてしまったとでも言うのかああああ」
「知らねえよ、ったく…」

カミナに言わせてみれば、どこにいようがやることは一緒なのである。
なので、すぐに歩き出す。歩けば、まわりのことも勝手にわかってくるだろう。
デイパックふたつを拾い上げ、少し歩いてからふと振り向く…
カツカツと響いた音がなんだか気になってみれば。

「喰ってんじゃねぇよ…つか、そいつは俺んだ!」
「ブルゥアアアアア、喰わずにやってられっかぁぁぁ、
 うう、しょっぱい、海は私の涙なのかっ? クゥゥッ」
「だから喰ってんじゃ…」

…今回の幸運、ふたつ目。
意地汚くメロンをかじるVに、カミナは生命を救われた。
奪還すべくまたボコろうと走り出していなければ、
カミナの全身は血煙と化していただろう。
突如として巻き上がる多量の砂がカミナとVの頭上に降り注いだ。

「ば、爆発っ?」
「上だぁー、上から来るぞグラサン・ジャック。
 おのれ、わがメロンを砂に埋めよってからにいいっ」

言われた通りに上を見るカミナ。
砂煙の中、土手の上からのぞく銃口がぎらついた。
こればかりは、カミナにとってもよくわかる機械。
多分、銃だ。それもメチャメチャ強力な。

「…誰だ、テメェは?」

おさまった砂煙の向こうから、
なにか妙な機械に乗った女が顔を出した。

「ごめんなさいね。
 今死ぬあなたに名乗る名前はないわ」

銃身うなる。
爆音、再び。









二度目の射撃も仕損じたことを直感したシャマルは、
すぐさまゴーカートをバックさせ、バックのまま砂浜沿いの道路を走っていく。
バルカン砲の銃口は前にしか向かないし、かろうじてできる上下射角の調整も
助手席への積載作業をやりなおす形をとるしかない。
こうも取り回しが悪すぎる以上、二人以上の接近を許せば待つのは死だ。
あのV字が男の支給品ではなく、参加者の一人である可能性が高いとわかったのは収穫だった。
名簿にグラサン・ジャックなる名前が見当たらなかったことも気がかりではあるが…死体にしてしまえば一緒である。
さて、彼らはどう出るか。
この火力を見せつけられた以上、そうそう気楽に歩き回ろうとは思うまい。
今は下で様子をうかがっているところだろう。
とはいえ、まったく安心というわけでもない。

自分がこれを入手したように、あちら側にも対抗できる何かがある可能性もまたある。
警戒すべきは、あのVだ。あれは空を飛び、男一人乗せて西から海を越えてきたのだ。
なんにせよ、こちらの姿はすでにさらしてしまったし、手札の一枚目も知らせ済み。ここで逃がせば不利は否めない。
賽は投げられた。なら早期決着あるのみである。
敵の位置を確かめるべく、一旦ゴーカートを降り、そっと土手の下をのぞき込む。

「ぅおぉぉぉい、コラァッ、誰が今死ぬだとぉ?
 死んでねえじゃねえか、この大ウソツキ野郎ぉッ
 俺を誰だと思っていやがる!」

シャマルは、あきれた。
逃げることも、隠れることもせず、男はこっちに全速力で走ってくる。
さっきの威力が目に入っていなかったのだろうか?
予想外すぎるリアクション。正直、これはまずい。
かなりの速さで近づいてきているせいで、バルカン砲の照準の合わせようがない。
銃座も何もない、ただ乗っかっているだけの砲で、あれをどうすればいいのか。
かくなる上は仕方ない。適度に接近させたところで、手札の二枚目を解禁…ゲイボルクを使うか。
そこまで考え、シャマルははたと思い出す。
あのVはどこにいった?
今、あの男のそばにいないということは…
空を見上げる。果たしてそこに、やつはいた。
しかもなにやら怪しげな光を放って。

「今だぁあ、グラサン・ジャックぅぅ、魔本を開け、そして唱えるのだぁぁ」

まずい。
今すぐにでも何らかの攻撃が始まろうとしている。
迷っている時間はない。
空中のアレをゲイボルクで仕留め、素早くゴーカートに乗り、
一旦引いて体勢を立て直すしかないだろう。

(どこかしら、心臓)

などと思わなくもないが、繰り返そう、時間がない。
真名を解放…シャマルは渾身の力で槍を、投げた。

「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ、ボルク)ッ」

制限ありとはいえ、この宝具は間違いなく敵の心臓を追跡し、突き刺さろうとする。
言い換えれば、敵の心臓に突き刺さるという因果に可能な範囲で近づくわけだ。
そして今回も、その性質に槍は忠実であった。
『Vの心臓めがけて、槍は飛んだ』のだ。
シャマルの目にそれがどう映ったかは別として。

「…え?」

シャマルは見た。
Vに向けて投げつけたゲイボルクが、空中でキレイに方向転換。
あさっての方角に向けて飛んでいき、やがて力を失い落っこちていくさまを。
アイスクリーム屋とおぼしき建物の屋根に、情けなくも音を立てて突き刺さったさまを。

「なに、これ?」
「ケンカの最中にヨソ見してんじゃねえぞパァーンチ!」

シャマルもまた、力なく崩れ落ちた。
テンプルにキレイな一撃をもらって。










「魔本を忘れていくヤツがあるか、こんのバカチンがーッ」
「ケンカにゃ勝った。それでいいだろーが」

生き残るために即興のチームプレイを演じる羽目になった二人は、
たった今倒した女の所持品をあさりつつ、そこそこに険悪な空気を発していた。
もっとも、その見事な連携の真相はというと、各々が好き勝手に走り出した結果に過ぎなかったのだが。
それはさておき、デイパックをふたつ持っていたこの女。
これが何を意味するのか、二人ともすでに理解していた。
正真正銘、こいつは殺し合いに乗っていて、すでに一人を仕留めているということ。
先ほど投げたあの槍でか、それとも超強力銃によるものかは不明。
両方とも、回収した今となっては自分達のものであるから、気にすることもないのかもしれないが。

「どうするのだ、グラサン・ジャック」
「あん?」
「この女をどうするのかと聞いているのだ」

Vの視線はいつになくするどい。
女を生かしておけば、また自分達に害をなすだろう。
その程度の可能性は、誰にでもわかるところ。
カミナは、大して考える素振りも見せずに答えた。

「ふんじばって、連れて行く」
「なんと、どうする気だーっ」
「どうもしねえよ、殺し合いには乗らねえ。それだけだ。
 このカミナ様はそうやすやすと言いなりになる男じゃねえんだよ」

脱いだマントで女を縛り上げてから担ぎ、
ゴーカートに乗り込んだカミナはあちこち調べ回し始める。

「ガンメン…じゃねえな、どうやって動かすんだ、こいつは」
「ベェリィィシィィット、自動車も知らんのかグラサン・ジャック」
「知らねえな。知らねえけど、要は気合いだろ。
 …おっ、こいつで走るのか、で、曲がるんだな?」
「ま、待て、私を置いていくなぁぁ、
 いいか、まずはわが身体を回収だ、おい、聞けぇーっ」

なんとなくで要領をつかまれつつ、
ゴーカートはバルカン砲を乗せたまま走り出す。
…行く先は? 運転手その人が走って決めることだろう。
踏み出したその先は、大地に見せかけた薄氷かもしれないが。


【F-1 テーマパーク西端海岸線付近・1日目 早朝】
【カミナ@天元突破グレンラガン】
[状態]:体力中消耗・左肩に中程度の裂傷(激しく動かすと痛みが走るが、我慢できないほどでは無い) 、マントを脱いでいる
[装備]:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、
    モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン(あと9秒連射可能、ロケット弾は一発)を搭載したゴーカート
[道具]:支給品一式、ベリーなメロン(7個)@金色のガッシュベル!!(?) 、ゲイボルク@Fate/stay night
[思考・状況]基本:殺し合いには意地でも乗らない。
1:ゴーカートで道なりに走ってみる。
2:シモンとヨーコとさっさと合流したい。ついでにガンメンモドキとは別れたい。
3:グレンとラガンは誰が持ってんだ?
4:もう一回白目野郎(ヒィッツカラルド)と出会ったら今度こそぶっ倒す!
※グレンとラガンも支給品として誰かに支給されているのではないかと思っています。
※ビクトリームをガンメンに似た何かだと認識しています。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
※カンでゴーカートを走らせているため、危険きわまりないです。
※ゲイボルクの効果にまるで気づいていません。
※1/4メロンは海に出た際、落っことしました。どこかに流れ着いても、さぞかし塩辛いことでしょう。
※向岸流で流れ着いたメロンが6個、F-1の海岸線に放置されています。

【ビクトリーム@金色のガッシュベル!!】
[状態]:身体部分がD-8に放置 カマイタチによる小程度のダメージ カミナの攻撃による中ダメージ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、CDラジカセ(『チチをもげ』のCD入り)、ランダム支給品(0~2個)・魔本
[思考・状況] 
1:わが身体、行方不明! はやく回収しなければ…
2:正直な所グラサン・ジャックと気が合いそうに無いが、モヒカン・エースと合流するまでは一緒に行動する。
3:モヒカン・エースと再会したら目に物見せてくれるわぁ!!…それまでは、できる限り丁重に扱う。
4:F-1海岸線のメロン6個に未練。
※参戦時期は、少なくとも石版から復活し、モヒカン・エースと出会った後です。
※会場内での魔本の仕組みに気づいておらず、半ば本気でカミナの名前が原因だと思っています。
 また、耐火加工についても気づいていません。
※モヒカン・エースがゲームに参加していない事にも気づいていません。
 また、身体の事で頭が一杯になっているため、名簿確認や支給品確認の必要性にも気づいていません。
※地図すら見ていないため、身体の位置もわかりません。
※分離中の頭と身体の扱い(禁止エリアでどうなるのか?など)は、次回以降の書き手さんにお任せします。


【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:気絶中? カミナのマントによって拘束中 極度の疑心暗鬼 魔力消費 大
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(その他、ランダム支給品が0~2、本人・カミナ・ビクトリーム確認済) 、
     ジェレミアの支給品一式(その他、ランダム支給品が0~2、シャマル・カミナ・ビクトリーム確認済)
[思考・状況]  
1:八神はやてを守る
2:六課メンバー以外、全て殺す
3:けれど、なるべく苦しめたくない
4:ゲイボルクを投げたのに…
※宝具という名称を知りません
※現在、彼女の持ち物はカミナが所持していますが、
 ランダム支給品の中の何かをどこかに隠し持っている可能性があります

※ゲイボルク@Fate/stay nightは舞台のループを認識していないようです


[モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン]
GUNG-HO-GUNSの1、モネヴ・ザ・ゲイルが使用したバルカン砲。
彼は他にも建物を数軒まとめてなぎ倒す威力の片手用ガトリングガンを両手に装着して使用しているが、
そんな彼が切り札として持ち出したことから、このバルカン砲はその上をいく威力を最低でも持っていることになる。
また、バルカン砲部分をパージすることでロケット弾を放つこともできる。
逆を言うと、パージしなければロケット弾は使えないものと思われる。
モネヴはこれを肩にかついで使用していたが、並の人間が生身で扱える重さではとてもないだろう。

[CDラジカセ@現実]
何の変哲もないCDラジカセ。カセットテープも再生できる。
電池式だがプラグもあるので、電源さえ確保できればずっと使える。

[『チチをもげ』のCD@金色のガッシュベル!!]
イタリアの映画スター、パルコ・フォルゴレの大ヒット曲のCD。
本人が無償でファンに贈呈することもあるようだ。


時系列順で読む


投下順で読む


004:人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) カミナ 120:テメェに何が分かるんだ
004:人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) ビクトリーム 120:テメェに何が分かるんだ
014:「私にしか出来ないから」 シャマル 120:テメェに何が分かるんだ





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