響け!フォルゴレの歌! ◆hsja2sb1KY



 水族館玄関内。うっすらと朝の日差しが目に眩しい。
 うっかり詳細名簿を読み返しはじめ、また時間が経過してしまった。
「さーてと」
 ねねねは大きく伸びをした。
「やることも決めたことだし、ぼちぼち出発しますかね、と」
『ひとつ、聞いておくことが』
 マッハキャリバーが声をかける。
「ん、なあに?」
『これから先、あなたのことをなんとお呼びしたほうがよいでしょうか』
「ん、何急に。好きで呼んでいいって」
『じゃあ、仮マスターでよろしいのですか?』
「ちょっとまて」
『じゃあなんとお呼びすればいいですか?』
「脅しか。普通に名前でいいじゃん」
『いえ、私はあなたの戦いをサポートするパートナーになるわけですから、しっかりと呼び方を決めておかないと』
(仮マスターはアリなんかい)と心の中でツッコミつつ、
「え――と、ん――、あ――、と――」
 思いつかずに、ねねねは頭を抱える。
「しょーがない、――じゃ、先生、で」
『わかりました、Teacher』
「よし!じゃあ決まったところで行こう」
『申し訳ありませんが、Teacher、もうひとつ報告を』
「今度はなに?」
『同エリア内、少し離れた場所から、こちらにゆっくりと接近する魔力的存在がいます』
「それを早く言わんかい」
 ポリポリと頭をかきながら、歩き出す。
「じゃあ、出向くよ」
『大丈夫ですか?』
「いい。様子見て、ダメそうだったら即座に逃げる。魔力感知できるあんたもついてるなら、大丈夫だろ」
『了解しました』


 * * * * * * * * *


「ぜーったい、イヤ!!」
 先頭をで早足で歩くのはイリヤ。
「ゴ、ゴメンゴメン!!悪かったから!!アハ、アハハ」
 泣き顔であとをおいかけるのはフォルゴレ。
「さっきは練習に一緒に歌ってくれたじゃないか!!面白ーいって!!だからお願いだ!!もう一度あの歌を歌おうよー!!」
 手をあわせてイリヤを拝むフォルゴレと、
「ゼッタイ、許さない!!」
 後ろを振り向かずに歩くイリヤ。
「だって、だって、……」
「ゴ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ!謝ってるじゃないか!!アハ、アハハハハ」
 パッとイリヤが振り向く。
「だって水族館に行くのに反対するんだもん!!」
「だ、だって!こっっちは行き止まりじゃあないか!!引き返さなくちゃならなくなるよ!!ヘタに動くのは危険さ!!待ってればモノレールがきたのにー!!」
「でも行くのー!わたしは水族館に行くって決めたんだから!!モノレール待つのあきたー!!」
「ほ、ほら、そんなことより歌おう!心が晴れるさ!!踊ろうよ!さあ一緒に!!」どっちかというと、怯えてガタガタ震えているのはフォルゴレの方なのだが。
 フォルゴレはガシッとイリヤの肩を掴む。フォルゴレの震えが振動して、イリヤまでガクガク震えてしまう。
「やー、はーなーしてー!!」
 イリヤは目を回しながら思わず大声をあげる。
「ちょっ、ちょっと!!あんた?!なにしてんだ!?」


 タッタッタッタっと駆け寄ってくる足音がして、
「この痴漢魔ぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
 突然の闖入者、ねねねの両足がギュルッとさりげなく回転をいれつつ、フォルゴレの胴体横を直撃した。
「ぐぉばぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

「こ、こ、こ、こんなちいさな少女に、なにやってんだコラァァァッッッ!!!」
 仁王立ちになるねねねと、地面にもろくも倒れるフォルゴレ。

 ねねねはたった今、この場に来たばかり。どう見てもアゴの割れた金髪の怪しげな男が小さな少女に襲いかかっているようにしか見えなかった。

「あ……いや……私は彼女に歌ってもらおうと」
 よろよろと顔を上げて弁解するフォルゴレの顔面に、
「んなわけあるかァ――!!!」
 ねねねの拳が直撃する。
「げぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」 

 そのままラッシュ。ラッシュ。
「がはふぅぅぅぅぅぅ!!!」
 ねねねによる猛打の嵐が冴え渡る。
 一方的に攻撃されるフォルゴレ。
(くっ、こっ、このままではっ、この私が死んでしまうぅ!!!)
 フォルゴレは必死で叫んだ。

「い、今こそ、今こそ、イリヤ、あの歌をうたうんだぁぁぁ!!」
 展開においていかれたイリヤがうろたえた声をあげる。
「え?ええ?え?」
 げしげしと、ねねねの蹴りが容赦なくフォルゴレの体を襲う。
「早く、早くあの歌を歌ってくれえええ!!!」
「な、なんだっけ!!」
「だ、だから教えた歌をー!ピンチだからー!私ピンチだからー!!」

「わ、わかった!」イリヤはすうっと息を吸い込んだ。

 左手を振り上げながら、かわいらしい声で歌い出す。

 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪
 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪

 フォルゴレは左腕を振り上げながら立ち上がる。
「うお、立った」

「はっはっはっ、見たか、鉄のファルゴレは無敵さ!!!」
「すごーい……フォルゴレって強かったんだ……!!」
 イリヤがパチパチと手を叩く。

「えい」
 ボカン
「げはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪
 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪

 フォルゴレは左腕を振り上げながらまた立ち上がる。
「うお、立った」

「はっはっはっ無敵の戦士の力を見たかー!」
「きゃーすごーい!」
 イリヤがパチパチと手を叩く。

 イリヤとフォルゴレは左腕を振り上げながら、一緒に歌い始める。

 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪
 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪


 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪
 鉄のーふぉるごーれ♪
 無っ敵ーふぉるごーれ♪

 二人は延々と歌い続ける。

「えーと。まったく状況がわからないんだけど。芸人かあんたら」

 がっくりと脱力しきり、地面に崩れ落ちたねねねは言った。

 * * * * * * * * *

 ねねねが落ち着いたあと、それと、フォルゴレとイリヤがようやく歌い終わったあと、

「あー。一応悪かったね、あんた。誤解だったみたい」
「はっはっはっ鉄のフォルゥゴォレは無敵だぜ!!!」
「泣いてるじゃん、あんた」
 ぽん、ぽん、とねねねはフォルゴレの肩を叩いた。「ま、どっかで手当してやるから」
(まー悪い奴らじゃなさそうだ) 

 ねねねは彼らと同行することにした。


「よ――し!!しゅっぱ――つ!!」
 完全にご機嫌にもどったイリヤが音頭をとる。
「おー!!」「おー」『了解しました』
「それじゃあ、」
 しゅびっと指を突きつける。
「まずはシロウを探しに水族館を探検――ん!!」
 ……
 ……一瞬の硬直ののち、ねねねは爆発しかける。
「……こーのークーソーガーキー何で戻らなきゃならねーんだ……」
『待ってください、Teacher』
「あ゛……!?」
 イリヤの背後をみると、フォルゴレが必死の表情でなんらかのブロックサインを送っている。
(えーと、なに?小さい……胸……心臓……えーとつまり……。まだ小さい子供で、心細がっているってか?)ねねねはため息をつく。
 ねねねが落ち着きを取り戻したのをみて、フォルゴレが大きく安堵した様子が見てとれた。

 あれだけ震えて涙を流しているにもかかわらず、なぜか急にねねねは頼もしさを感じた。
 ねねねは理解する。フォルゴレという男は、
(つまり、ものすごいお人好しなんだ、コイツ)

 自分はどんなに怯えていても、周りの人間を気遣える人間だ。
(わたしがタコ殴りにしても全く武器も手もを出そうとしなかったし)
 ねねねはよく知っている。どんなに馬鹿みたいに騙されても、困った笑顔で人を信じて気遣ってしまう、そういう人間がいることを。

(しょうがない、か)
 極限状況下では、そういう人間のほうが得難く、なにより代え難い。
 ねねねは仕方なくイリヤに笑いかける。
「わかった、わかったから」
「わーい!!ほら!!行こーフォルゴレー!!」
「はっはっはっよーし、もう一曲とっておきのを教えてあげよう!!」
 仲良く水族館に向かう二人を見て、なんとなく、ねねねはこの二人をフォローしてやらねば、と思っていた。

 ふたたび、ねねねはでっかくため息をつく。

「ふりだしに戻って、1回休み、と」
『私がついています、Teacher』


【E-1 /水族館近く/1日目/早朝】


【ねねね先生と愉快な仲間たち】

【菫川ねねね@R.O.D(シリーズ)】
 [状態]:健康。
 [装備]:マッハキャリバー(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、
 [道具]:支給品一式、詳細名簿+@アニロワオリジナル、ボン太君のぬいぐるみ@らき☆すた
 [思考]
 第一行動方針: イリヤとフォルゴレを連れて、図書館に行く。
 第二行動方針:誰も見つけられなければ本がある場所へ。
 第三行動方針:アニタ、読子、スバル、ティアナ、キャロ、エリオ、はやて、シャマル、清麿、ガッシュ、士郎を探す。
 第四行動方針:とりあえず、クアットロや詳細名簿に載っていた危険人物と思しき面子には気をつける。
 最終行動方針:打倒タコハゲ、そしてハッピーエンド。
[備考]:詳細名簿+はアニタと読子のページだけ破り取られています。
 ※イリヤ、フォルゴレの探し人の情報を交換しました。

 ※詳細名簿+について
『詳細名簿+は、男女別男先あいうえお順に各参加者のプロフィールと顔写真が乗っています。
 プロフィールの詳細はもう一つの詳細名簿と違い、各参加者との関係、これまで実行してきた行動、
 技能や異能等を中心に事実関係を重視した情報が載っています。
 ですが、なぜそういう関係となったのか。なぜその行動をしたのかなどの心理は書かれていません』


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]:健康
[装備]:ヴァルセーレの剣@金色のガッシュベル
[道具]:支給品一式、未確認支給品×1、魔鏡の欠片@金色のガッシュベル
[思考]:シロウ何処かな?
行動方針:シロウに会うまで絶対生き残る
[備考]:魔鏡の欠片は3つ揃わないと意味がありません。残りも支給品として配布されている可能性があります。
※ねねね、フォルゴレの探し人の情報を交換しました。
※フォルゴレの歌(イリヤばーじょん)を教えてもらいました(イリヤ向けに簡単にしてあります)。



 * * * * * * * * *


(そうだ、私は殺し合いになんか乗るもんか!)

 フォルゴレは思う。

(私はスーパーヒーローだから。ファンが悲しむマネは絶対にできない!)

 彼に支給された品物、それは、

(だから見ていてくれ!)

 キャンチョメの魔本。 

(――一緒に行こう、キャンチョメ!)

 彼にとって、なによりも重たすぎるモノ。



【パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュベル】
[状態]:全身ズタボロ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、キャンチョメの魔本、未確認支給品×2(本人確認済)
[思考]:殺し合いは恐いがイリヤスフィールを守る
行動方針:清麿とガッシュを探す
[備考]:ねねね、イリヤの探し人の情報を交換しました。
※ねねねは戦闘向きの人間ではないため、本人の耐久力とあいまって、タコ殴りにされたダメージは意外と軽いです。

【キャンチョメの魔本@金色のガッシュベル!!】
フォルゴレのパートナー、キャンチョメの魔本。色は黄色。
記載されている呪文を読めば、持ち主であるキャンチョメは呪文が使えるが、このロワにはキャンチョメは出ていないので無意味?
ガッシュやビクトリームのものとは違い、普通に燃える。燃えたらキャンチョメは魔界に送還されるものと思われる。

【もう1曲のとっておき】
「チチをもげ!」 フォルゴレはまだイリヤに教えていません。ただし、フォルゴレが教えた瞬間、ねねねから断罪が下されます。

※水族館内は人の気配がないため、ねねねはさほど確認していません。イリヤが楽しめるようなものがあるかどうか、不明。
※3人は、とくにお互いの支給品の確認は行っていません。
※イリヤとフォルゴレはマッハキャリバーの存在について、あまり気に止めていません。



※なお、魔本に関する記述は、LXe12sNRSs氏の【ハイドの魔本@金色のガッシュベル!!】の記載を参考にさせていただきました。


時系列順で読む


投下順で読む


037:私がみんなを知っている 菫川ねねね 094:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
041:探し人同盟 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 094:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」
041:探し人同盟 パルコ・フォルゴレ 094:「プレゼントするのはパルコ・フォルゴレさ!」





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