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両雄思案――そして激突 ◆8pP6SaUBG6



ショッピングモール近くの住宅街、薄暗い街灯の下に一人の男が佇んでいた。
周りの闇に溶け込むような、ダークスーツと黒髪。
右目にはめられた眼帯が、光を反射して鈍く光る。
葉巻を吸う姿が非常にさまになっている。

衝撃のアルベルトは酷く苛立っていた。
幻夜の真意を確かめようとした矢先に、突然連れ去られたあげく、実験と称した殺しあいに参加させられた――。
十傑集にあるまじき失態に、生殺予奪権を握られているという屈辱。
まったく機能しない眼帯に、繋がりが感じられないサニーとのテレパシー。
全てが彼の苛立ちを増長させた。
だが同時に、アルベルトは心のどこかでやりきれなさを抱えていた。
原因ははっきりとしている。
戴宗との納得のいかない決着、それが全てだ。
その感情を隠すようにして、怒りを主催者へと向ける。

(見ておれよ、螺旋王とやら。この衝撃のアルベルトが引導を渡してくれる)

アルベルトに今のところ殺しあいに乗る気はない。
任務ならともかく、強要されて殺すのはアルベルトの本意ではない。
だが、それはあくまで脱出の可能性がある限りだ。
首輪を外しさえすればどうとでもなると思うが、それが無理な場合、気は進まないが、この馬鹿げた殺しあいに乗るしかない。

今、必要なのは情報だ。首輪を外すにせよ、相応の技術と道具が必要になる。
となれば、他の参加者と接触するのが一番だろう。
現状を把握するために荷物を探る。地図、コンパス、水と食料など様々なものがあったが、真っ先に名簿を手にとる。
もしや、他の十傑集や九大天王がいるやもしれぬ、そんな思いで目を通したところ、彼は信じがたいものを見た。

神行太保・戴宗――――アルベルトが殺した男の名前だった。


その瞬間、アルベルトは混乱した。

戴宗が生きていた? いや、それはない。確かに自分の目の前で死んだ。ではなぜ戴宗の名前が――――。
思考が入り乱れるなか、一つのことを思い出す。
不老不死すら叶えるという螺旋王の言葉。
あれが偽りでないなら、いや、望みを叶えるというのが嘘でも、それだけの力を持っているとしたら――死者を蘇らせることも可能なのではないか。
その思考まで辿り着いたとき、アルベルトの心は歓喜で埋めつくされた。
今度こそ、戴宗との決着をつけることができる。
その考えは、先ほどまであったやりきれなさを跡形もなく吹き飛ばした。


高揚感に浸りながらも考える。
戴宗と会わなければならない。しかし、闇雲に探したところでどうにかなるのか?
今度は地図を手にとる。ショッピングモールらしき店舗群が見えることからすると、ここは【A-7】のようだ。
思考を進める。
エリアオーバーの可能性もある地図の端より、中央に人が集まる確率は高い。
もう一度地図に目を落とすと、中央に向けて高速道路が近くから走っているのがわかる。これを利用しない手はない。
そう決まると、デイパックを地に置く。そして、

「はあッ!」

気合い一転、跳躍した。
ぐんぐんと地面が遠ざかる。
しかし重力には逆らえず、しだいに速度が落ちてゆき、ついに頂点に達する。
その頃にはすでに高速道路を発見していたので、落下するまでゆるりと風景を楽しむことにする。
そこで、アルベルトはまたしても信じがたいものを見た。



それは、自分とほぼ同じ高さにいる人であった。



 ◆ ◆ ◆



ショッピングモールの中心にある駐車場は、店舗の群れが放つ光で染め上げられていた。
殺しあいという異常な状況のせいか、どこか冷たい夜風が吹き荒れる。
そのなかで威風堂々と立ちながら、東方不敗・マスターアジアは思索に耽っていた。

選ばれた者たちによる殺しあい。
要するに、これはガンダムファイトのようなものだ。
闘って、闘って、闘いぬいた者には名誉と栄冠を。
違う点は、敗者には死を、勝者には自由を、という生存競争であることだ。


自分はなにを為すべきか、それが現在の課題だった。

先ほど名簿を確認したところ、シュバルツ、アレンビー、そしてドモンも参加していることがわかった。

(ドモンよ、やはりお前はこの殺しあいを止めようとするのだろうなぁ)

まだまだ未熟な、だがしかと成長してゆく、誰よりも熱い心を持つ弟子を思うと、自然と笑みが浮かぶ。
しかし、次の瞬間には表情を消し、冷徹な思考を進める。悲願である地球人類抹殺を完遂するために。

マスターアジアが見いだした、デビルガンダムの理想的な生体ユニット。それがドモンだ。故にこんなところで死んでしまっては困る。
いや、それたけではない、師匠として愛弟子をみすみす死なせたくはないのだ。
しかし、このゲームの勝者になれるのはただ一人。
ならば、ドモンらと協力し、脱出することは可能か?

しかし、それは不可能に思えた。
ワープなどの超技術を持ち、個人の戦闘力もかなりのものである螺旋王ロージェノム。おそらく、脱出や参加者の反乱への対策を、二重、三重にも張り巡らしているだろう。
なら、ドモンだけでも生き残らせるか? いや、それはできない。
果たさなければならないことがある。それまで自分は死ねない。

八方塞がりだった。しかし、解決する方法が一つ思い浮かぶ。
なんだろうと望みを叶える、ロージェノムはそう言った。
ならば、自分を生体ユニットとして組み込める体にできるのではないか? または、ロージェノムの持つ科学力で人類抹殺も可能ではないのか?
複数の案が思いつくが、これはあくまでロージェノムが望みを叶えることが前提となる。
そして、それは保障されたものではない。ロージェノムの力も未知数だ。

――情報が必要だ。
ロージェノムとは何者なのか? どれだけの力を持っているのか? このゲームの真の目的は? 参加者の選抜基準は?
この場で情報を集めるには三つの方法が考えられる。
一つは他の参加者から。
ロージェノムのことを知る人間がいるかもしれない。
もう一つはこのフィールドから。
8キロメートル四方という広大な土地を舞台にしたのだ。なんらかの痕跡が残っていてもおかしくはない。
最後の一つは――螺旋王ロージェノム自身から。



ロージェノムはこのゲームを実験と称した。
ならば、この殺しあいをモニタリングしているのではないか。
また、参加者の脱出や反乱を防ぐためにも、監視している可能性は高い。
それならば、こちらから接触することは容易い。
反乱分子とみなされるリスクもあるが、ほぼ無いことだと推測する。
実験を円滑に進めるには、殺しあいに乗る者がより多いほうよいからだ。
情報と引き換えに殺しあいに乗るとなれば、ロージェノムにとっても悪い話ではあるまい。
問題はロージェノムが望みを叶えなかったときだが、相手の目的がわかれば利用することもできるだろう。
それに、広間でのロージェノムの言葉からすると、優秀な者を選び出すことが目的の一環のはずだ。勝者を無碍に扱いはすまい。

そして、マスターアジアは決断を下した。
このゲームに乗る――ただし、参加者から情報や考察を聞き出したうえでだ。
さらに監視方法を特定し、早々にロージェノムと接触しなければない。

懸念はある。参加者のなかに強敵がいるかもしれないことだ。
一瞬にして異形の鎧姿となった、モロトフという男を思い出す。
あの攻撃を受ければ、自分もただでは済まないだろう。
だが、とうに覚悟はできている。
デビルガンダムと会った日、いや、四年前のガンダムファイト優勝直後、あの寂れた風景を見たときから。

地図を見直す。自分が【A-7】にいることは間違いない。
わざわざエリアの端に来る者はいないだろう。そう推測し、中央に向かう道を探す。
ちょうど近くに高速道路があった。慣れない道を行くより、一本道のほうがよいだろう。
そう決めると、デイパックを下に置く。そして、

「かあッ!」

かけ声と共に地を蹴った。
風を切り裂き上昇する。それはすでに飛翔であった。
だがそれにも限界がある。速度を落としていく最中、目に高速道路を捉えた。
あとは落下してゆくだけだ。それまで暇を持て余すだけなので、夜景を楽しむことにする。
そこで、マスターアジアは予期せぬものを見た。



それは、自分とほぼ同じ高さにいる人であった。



 ◆ ◆ ◆



その瞬間、研ぎ澄まされた五感、積み上げられた経験、第六感というべきものを含めた全てが互いに告げあった。

目の前の男は――――強い!!

落下してゆくなか、お互いの姿が見えなくなるまで睨み合う。
そして着地と同時に、相手へと向かって猛然と駆け出した。

数秒もせずに、お互いを遮る壁――ショッピングモールの店舗の一つが見え、二人はさらに加速する。
そして、同時に跳躍。十数メートルはある店舗を易々と飛び越え、屋上へと降り立つ。
ついに、二人は相対した。

もう一度睨み合いが始まり、張り詰めた空気が場を支配する。

緊迫した空気を先に破ったのはアルベルトだった。

「ジジイ、貴様何者だ。この下らんゲームに乗っているのか?」

殺気と威圧感の籠もった声を叩きつける。しかし、アルベルトにはわかっていた。
これは確認でしかないのだと。これから始まることの確認に過ぎないのだと――。

殺気や威圧感など、どこ吹く風といったマスターアジアが笑う。

「乗った、と言ったらどうする? 若造」

明らかに挑発だった。同時に、相手もこれが確認だとわかっている証拠でもある。

「どうもせん。わしは降り掛かる火の粉を払うだけだ」
アルベルトは猛禽のような笑みを浮かべ、返答した。
その答えに、マスターアジアはますます笑みを深める。

「ならば、わしらのやることは決まっておるな」
「ああ、そうだな」

一瞬の静寂。それはすぐさま打ち破られた。

「武闘家なら武闘家らしく、拳で語るまでよ!」
「ぬかせ! ジジイが!」


マスターアジアが構えをとり、アルベルトは両手を赤く光らせる。

――闘いの火蓋が切って落とされた。

両者とも一足跳びに間合いを詰め、お互いの腕を打ち合わせる。
その瞬間、確かに大気が震えた。
それが二度、三度と繰り返されると、マスターアジアが攻勢に出た。
間髪なく打ち出される拳の弾幕。
常人には手が増えたとしか思えない攻撃を、アルベルトは全て受けきる。

弾幕の隙を抜い、アルベルトが反撃に出た。
動きを止めるためのボディーブロー。
それを避けられぬと悟ったマスターアジアは――防御をせず、逆に攻撃した。
顔面へのカウンター気味のパンチ。
互いの攻撃がしかと決まり、鈍い音が響き渡る。
マスターアジアの腹が抉れ、アルベルトの顔が歪んだ。

両者は一旦距離をとって対峙する。

「やりおるな、若造」
「ふん、貴様もな」

身体能力はほぼ互角――そう悟った両者は、どう攻めるか思案する。

先に動いたのはアルベルトだった。
力を溜めるように、背を反らしていく。
二つの手のひらに赤黒いエネルギーの奔流――衝撃波が生まれる。そして、

「かあッ!!」
気合いとともにマスターアジアを狙い撃った。
屋上を抉りながら一直線に迫り来る衝撃波。
マスターアジアの顔に驚愕の色が浮かぶが、すぐに元に戻る。

「はッ! これしきの攻撃、避けられぬとでも思うたか!」
そう言いながら横に跳ぶ。そして反撃に移ろうとした次の瞬間、目にしたのはこちらへと片手を向けるアルベルトの姿だった。


「なら、当たるまで続けるだけだ!」

左右の手から連続して衝撃波が放たれる。
しかし、マスターアジアは驚異的な身体能力と反射神経で衝撃波を避けてゆく。

「どうした? ジジイ。逃げてばかりではわしを倒せはせんぞ」
「ほざけ! 若造が!」

だがすでに、追う者と追われる者の構図ができあがっていた。

二人は隣接する店舗の屋上を移動してゆく。
その間も衝撃波の嵐は止むことがない。
結果、屋上の破壊が増えるのみ。
しかし、連続する破砕音は確実にマスターアジアに近づいていた。

「これで終わりだ!」
アルベルトが跳躍し、とどめとばかりに一際大きな衝撃波を放った。
それは確実にマスターアジアを捉えるはずだった。
しかし衝撃波が当たる直前、マスターアジアの姿が掻き消えた。
――いや、違う。当たる直前、大きく地を蹴り、空高く跳躍したのだ。
それをアルベルトの目は捉えていた。
落下しながら上をみる。
そこには、月光に照らされたマスターアジアの姿があった。

「今のを避けたのは褒めてやろう。だが、動きの不自由な空中でこれを避けられるかな?」
両手に衝撃波を生み出し、力を溜めてゆく。
そんな絶望的な状況で、落ちてゆくマスターアジアは確かに笑った。

「まだまだ甘い、甘いわ!」
マスターアジアの腰布がほどけ、宙に舞った。
手の動きに応え、腰布はマスターアジアを中心に螺旋を描く。

今度驚愕するのは、アルベルトの番だった。
舞っていた腰布が、弾丸の如く撃ち出されたのだ。
先ほどまでの柔軟さを微塵も感じさせず、腰布は一直線にアルベルトの頭部へと向かう。


アルベルトも落下中である。避けるすべはないかに見えた。
しかし、アルベルトは両手に溜めていた衝撃波を噴射し、腰布の軌道から僅かに外れたのだ。
腰布が頭の脇を通り過ぎる。

「どちらが甘いか思い知らせてくれる!」

腰布を引っ張り、肉弾戦仕掛けようとするアルベルトだったが、それはマスターアジアの声で中断することなった。

「だから甘いと言ったであろうが!」

マスターアジアが急速に体を回転させ始めた。
すると不思議なことに、その動きに呼応するかの如く、腰布がぐにゃりと軌道を変える。
さらにアルベルトは驚愕することになった。
腰布が意志を持っているかのように、頭へと巻きついてきたのだ。

「うおおおおおぉッ!」

悲鳴をあげながらも腰布をほどこうとするが、腰布はますます頭を覆い隠してゆく。
ついに、腰布によって頭が見えなくなった。

「その首もらったぁ!!」

マスターアジアは回転を止め、腰布を渾身の力で引き、アルベルトの頭を切り刻もうとする。

しかし、それは不発に終わった。

「なにィ!」

手応えがまったくないことに驚きの声をあげる。
相手の頭があったはずの部分を注視するが、確かに首がない。
――では、なぜ手応えが?
疑問はすぐに氷解した。
にょきり、そんな音がするかのように、アルベルトの頭がスーツから飛び出したのだ。
その顔には怒りの色が浮かんでいる。

「このォ、クソジジイがッ!!」

怒声とともに衝撃波が放たれた。
それは、思いもよらぬ光景に硬直していたマスターアジアを直撃した。


「うおおおおおぉッ!」

今度は、マスターアジアが悲鳴をあげる番だった。
ふんばって耐えようとするも、足場のない空中ではそれもできず、吹き飛ばされる。
従って、次の出来事は必然だった。

「しまった! 足場が!」
屋上が途切れたのだ。
そのまま、マスターアジアは落ちてゆく。
アルベルトが追撃をかけるために走り出した。
今、立っている店舗は二十メートルはあったが、あのまま落ちても死なない相手だと確信していたからだ。
しかし、屋上の端に辿り着いたアルベルト待ち受けていたのは、またしても驚愕だった。

「うぉりゃああああッ!」
下から、マスターアジアが体勢を横にし、回転しながら空中を駈け上がって来たのだ。
よく見ると、屋上のすぐ脇の壁に腰布が突き刺さっている。
その腰布を高速回転する体で巻きとっているのだ。
そう理解したとき、マスターアジアが腰布を巻きとり終わり、勢いそのまま真上へと飛び出した。

「馬鹿め。先ほどの手はもう喰わんぞ」

真上にいるマスターアジアに対して、アルベルトが言い放つ。
そして今度こそと、両手を上にかざす。
それを見ても、マスターアジアは不敵に笑った。

「それはどうかな?」

落下してゆくなか、マスターアジアの掌か前に突き出され、大きく円を描く。
その軌跡には梵字が浮かび上がり、梵字による円が完成する。
アルベルトが衝撃波を放つのと、マスターアジアが奥義を放つのは同時だった。

「くたばれッ!」
「十二王方牌大車併!」

如何なる原理か――十二個の梵字それぞれから、小さなマスターアジアの分身が生まれ、突撃してゆく。
十二の分身と衝撃波がぶつかりあう。
轟音が響き、煙が立ち込める。
押し勝ったのは――分身のほうだった。
それでも七体は相殺して消え、残りの五体がアルベルトに襲いかかる。


「ちょこざいなッ!」

全力でないとはいえ、衝撃波が押し負けたことに動揺しながらも、アルベルトは迎撃しようとする。
両手で一息に二体の分身を打ち据え、消滅させる。
しかしその間に、残りの三体はアルベルトを囲むように屋上に着地した。

「一斉に襲いかかるつもりか? だが分身ごときでわしを倒せるか!」

しかし、三体の分身はアルベルトの予期せぬ行動に出た。
屋上を殴りつけたのだ。
轟音が響き、足下が崩れるのをアルベルトは感じとった。

「これが狙いかぁ!」

上を見ると、もうもうとした煙で相手の姿が見えない。
急速に思考を回転させる。
上に跳ぶ――恰好の餌食だ。
横に跳ぶ――どこから飛んで来るかわからない腰布を避けるのは至難。
そのまま落ちる――態勢を崩すのは痛いが、迎え撃つには十分!

落ちることを選択すると、上に向けて衝撃波を乱射する。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、だけではない。
吹き荒れる衝撃波の嵐は煙を吹き飛ばす。
しかし視界が晴れるころには、マスターアジアが肉薄していた。

「ゆくぞ!」
「来いッ!」

天井を突き抜け落下してゆく最中、マスターアジアの攻勢が始まった。
足による高速連撃。最早常人には見切れないそれをアルベルトに放つ。
落ちながら闘う。そのうえマスターアジアは上で、アルベルトは下。
明らかに地の利はマスターアジアにあった。
そのためアルベルトは防御一辺倒になり、衝撃波を使っての移動も封じられる。

「ちぇりゃああああぁッ!」
「うおおおおおおおぉッ!」

お互い雄叫びをあげながら闘いを加速してゆく。


――このままではまずい。思考の大部分が防御に割かれるなか、アルベルトの戦闘経験が告げる。
数秒後に、アルベルトが床に叩きつけられるのは明白だった。
しかも、マスターアジアの連撃でますます加速していってる。

ここでアルベルトは賭けに出た。

防御せずに、敢えて攻撃を受けたのだ。
二撃、三撃とマスターアジアの攻撃が決まる。

「ふははははは! とうとう観念したか!」
「それはどうかな?」

攻撃をくらいながらもアルベルトは笑う。
そして次の瞬間、マスターアジアの両足を掴んだ。
マスターアジアの目が大きく見開かれた。

「貴様! 相討ちになるつもりか! 
 だが所詮は貴様が下! 意味などないわ!」
「いや、このまま心中する気はない。それにわしは勝つつもりだ」

そう言い放ちながらアルベルトは手を放した。

「手を放してどうする! 命乞いでもするつもりか?」
床に叩きつけようと、マスターアジアが自由になった足を振り上げる。
だがこのとき、マスターアジアは相手の攻撃方法を失念していた。

「こうするつもりだ!」
アルベルトが自由になった両手をマスターアジアのほうへと突き出し、すぐさま衝撃波を放った。

「うおおおおぉッ! その手があったか!」

下へと加速していたはずのマスターアジアが、横へと吹き飛ばされる。
その背後には壁が迫っていた。
態勢が不十分なままでぶつかれば、ただではすまないだろう。
しかし、それはアルベルトも同じだ。
床に激突するのは、あと僅かだろう。

しかし、さすがは東方不敗と十傑集。
素早く空中で態勢を立て直し、壁と床に足をつける。
そして、その反動で相手へと跳躍した。
空中で交差し、離れたところに着地し、また対峙する。



三度目の睨み合いが始まった。

今度、緊迫した空気を破ったのはマスターアジアだった。

「若造、ここらで痛み分けにせんか?」

このまま闘えば相討ち、たとえどちらかが勝っても、勝者は瀕死だろう。
それでは意味がない、マスターアジアには為さなければならないことがあった。

「ふん、いいだろう」

素直に退いたのは、アルベルトも同じことを感じとっていたからだ。
戴宗との決着を優先するアルベルトにとって、それは不本意なものだ。

「よし、決まりだ。ならば名前聞いておこうか。武闘家どうし、倒す相手の名前は知っていたほうがよかろう」
「ふん、わしは武闘家などではない。だが、それも悪くない。よかろう」

「我が名は流派東方不敗、マスターアジア!」
「わしはBF団十傑集が一人、衝撃のアルベルト」

お互い名前を名乗り合うと、それぞれ反対の方向へと歩きだす。

「いずれ、また会おう」

マスターアジアが声をかけた。

「ああ。いずれ、また」

簡潔にアルベルトが返す。

そのやりとりには、全てがあった。
再戦の誓い、強敵への敬意、そして武人という生き物どうしの、奇妙な友情が――――。


【A-7/ショッピングモールの店舗の一つ/1日目/深夜】
【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:疲労大 頭と上半身、両腕にダメージ
[装備]:なし
[道具]:シガレットケースと葉巻 ※元から持っています
[思考]:
基本方針:戴宗と決着をつける
1:デイパックを回収し、高速道路経由で中央に向かう
2:脱出と戴宗の情報を集める
3:いずれマスターアジアと決着をつける
4:他の参加者と馴れ合うつもりはない
5:脱出不可能の場合はゲームに乗る
[備考]:
※上海電磁ネットワイヤー作戦失敗後からの参加です
※支給品一式は近くにあります
※ランダム支給品を確認していません
※素晴らしきヒィッツカラルドがいることを知りません(名簿を戴宗の名前で見終わったため)

【東方不敗@機動武闘伝Gガンダム】
[状態]:疲労大 全身、特に腹にダメージ
[装備]:マスタークロス@機動武闘伝Gガンダム ※元から持っています
[道具]:なし
[思考]:
基本方針:ゲームに乗り、優勝する
1:デイパックを回収し、高速道路経由で中央に向かう
2:情報と考察を聞き出したうえで殺す
3:ロージェノムと接触し、その力を見極める
4:いずれ衝撃のアルベルトと決着をつける
5:できればドモンを殺したくない
[備考]:
※ガンダムファイト決勝大会の途中からの参加です(少なくともドモンVSアレンビー戦後)
※支給品一式は近くにあります
※ランダム支給品は確認してあります


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投下順で読む


東方不敗 071:誰かが死ぬのが怖いのか?
衝撃のアルベルト 084:セカンドチャンス




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