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「人の名前を変えんじゃねえ!!(後編)」(2022/06/25 (土) 00:02:54) の最新版変更点
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**人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) ◆WcYky2B84U
「な、何だ!?何が起こった!?」
突如起きた『異変』に、ヒィッツカラルドが辺りを見回しながら驚きの声を上げる。
「何だこりゃあ……」
カミナも、ただ呆然とこの部屋の中に起きた『異変』を見守るばかり。
松明の光だけが辺りを照らしていた薄暗い石畳の部屋は……今や、眩いばかりの空色の光に包まれていた。
そして、その光の出所は…………ビクトリームの持つディバックの中!
「……ッ!?おい、ガンメンモドキ!!てめぇ一体何しやがった!?」
何か、妙な支給品を使ったのか……だが、誰よりも驚いているのは他でも無い、ビクトリーム自身だった。
「まさか……まさか……まさかまさかまさかまさかむぁすぁくぁぁぁぁぁぁ!?
貴様がッ!!貴様がそうだと言うのかグラサンよぉ!?」
信じられないという様子で、ビクトリームがカミナを見る。
まさか。ありえない。なぜなら、本来『その役目』にいるべき人間はここにはッ!?
「ブルァァァ!?」
ビクトリームの思考はそこで途切れ、即座にディバックを持ったまま駆け出した。
つい先ほどまでビクトリームが立っていた場所に亀裂が入る。
「何が起きているのかはわからんが、貴様を残しておくのは厄介そうだ!先に始末させてもらう!!」
ヒィッツカラルドが標的をカミナからビクトリームへと変更し、攻撃を仕掛けたのだ。
その直後、連続でビクトリームへと飛来するカマイタチ。
「ブルァァァ!!ブルァァァ!?ベリーピィィンチ!!ベルィィィィピィィィィンチィィィ!!!」
あちこちを全速力で駆け回りながら、必死で攻撃からディパックを守る。
そうしなければならない、なぜならこの中には……。
「えぇぇぇぇぇい!!もうこうなりゃヤケッパチよぉぉぉぉぉ!!!」
走りながらディパックの中を漁り、目当ての物を見つけ出したビクトリームは、それをカミナへと放り投げた!!
「受け取れぇぇぇぇぇ!!!」
「うぉぉお!?」
突然の事態に慌てながらも、どうにかそれを受け止める。
投げられたそれは……空色に輝く奇妙な本!!
「おいコラ!!いきなりこんなゴミ渡してんじゃねえぞこの野郎!!」
どう見ても武器には思えない物を投げられたカミナが非難の声を上げる。
「ええい、そんな事はどうでもいい!!早く、早くその本を読めぇぇぇぇ!!」
カミナの声に答えている間にも、カマイタチはビクトリームへと次々に襲い掛かる!
「はぁぁ!?バカ言ってんじゃねぇ!!俺は『文字』とかは読めねぇんだよ!!」
「ベリィィィィィシィィィィィット!!良いから読め!!早く読むのだぁぁぁぁぁぁ!!」
(……こいつらは何を話している?)
休まずにビクトリームに攻撃しながらも、ヒィッツガラルドは現状を考察する。
この『異変』の正体が、あの奇妙な本である事はおそらく間違いない。
だとすれば、あの本こそが何かしらの武器である事は間違いないはずだが……?
「だから『文字』は読めねぇっつってんだろうが!!なのにどうやって読めってんだバカ野郎!」
「こぉぉぉのニブチンがぁぁぁ!!いいから読め!!読めばわかる!!」
つい先ほどから噛み合わない会話を続けるこの二人。
普通に考えれば、あの本が武器だったとしても『文字』を読めないこの男には扱えぬ物のはず。
(問題は無いか…?)
自分と本を持つ男の距離は5m程。もし攻撃に転じたとしても、十分に迎え撃つ事ができる。
(ならば…詳しい事情を知っているであろうあの物体を先に仕留める!!)
さらに素早く指をかき鳴らし、ビクトリームを追撃する!!
「何も、問題は無い…貴様達二人は、ここで何も出来ぬままに死ぬのだよ!!」
「読め読め読めってなぁ、人をバカにするのもいい加減にしやがれ!!」
一体何なんだあの野郎は。ついさっきから自分が文字を読めないと何度も叫んでも、読めの一点張り。
本気でバカにしてやがるのかこのガンメンモドキ。いいか?本ってのは文字が書いてあるもんだ。
だからこうやって開いた所で、文字が読めない俺には何も……何も…ッ!?
何だよこれ………『読める』………ッ!?
いや、違う…この感覚は、読んでるんじゃねぇ……読めなくても、頭で理解できる!
この一番上にある文字、これは………!!
「よぉぉぉやくわかったかこのバカ者がぁ!!!」
本を開き、それを黙って眺めているカミナに気づいたビクトリームが動きを止め、ヒィッツガラルドに向き直る。
「ここまでだ、白目男よ!!今からこの華麗なるビクトリーム様の真の実力を見せ付けてくれるわ!!」
「何……?」
様子がおかしい…何故、こいつの『実力』だと?
本を持っているのはあのサングラスの男の方…いや、だがこれではっきりした事がある。
それは……『攻撃を行うのがこの物体』である事!
「面白い…この十傑集、素晴らしきヒィッツカラルドに勝てるというのか!?」
連続で指をかき鳴らし、発生した無数のカマイタチがビクトリームへと襲い掛かる!!
「ふん、どんな攻撃かは知らんが、これだけのカマイタチを受ければ……」
その時………辺りを包む空色の光が、より一層眩く輝いた!!
「なっ……!?」
思わずヒィッツカラルドが、その光源へと目を向ける。
そこにあるのは……さらに強い輝きを見せる本を持ち、不敵に笑うカミナの姿。
「………マグルガァァァァァァァァ!!!!」
本を持ったカミナの絶叫に呼応し、ビクトリームの頭部に光が集まる!!
「ブルァァァァァァァ!!!」
ビクトリームが雄たけびを上げた瞬間、彼の頭部からV字型の光線が発射された!!
その光線は、次々とカマイタチを相殺しながらヒィッツガラルドへと向かってゆく!!
「馬鹿なッ……!?チィッ!!」
仕方なく、十傑集ならではの強靭な脚力を用いたジャンプにて回避行動を取る。
目標を失った光線はそのまま壁へと衝突し、巨大な穴を残して消えた。
「おお…我が勝利を暗示する華麗なるVの傷跡よ…素晴らしい…ベリーナイス!!
さすがは我が術!!あまりの強さに私自身が恐ろしくなるわぁ!!!」
満面の笑みを浮かべながら、ビクトリームは本を持つカミナの所へと向かう。
「良いかグラサンよ!!もっと『心の力』を込めて術を唱えろ!!
あらゆる感情を詰め込んで、気合いを込めて叫ぶのだぁ!!」
「俺に指図するたぁいい度胸じゃねえかガンメンモドキ…だがなぁ…今はてめぇよりあの野郎のほうがムカついて仕方ねえ!
気合いを入れろだぁ?俺を誰だと思ってやがる!!気合いだったら誰にも負けねえ、それが……俺だぁぁぁぁ!!!」
カミナの持つ本の輝きが、更に強くなっていく!!
「マグルガァァァ!!」
移動したヒィッツガラルドに向かって、再度放たれるマグルガ!
何とかかき消そうと連続でカマイタチを放つも…心の力を込められた術を消すには至らない!!
「くっ、ならば……ッ!!」
もう一度回避を行うヒィッツガラルド。
だが、まだカミナとビクトリームの攻撃は終わらない!
「マグルガ!!マグルガ!!マグルガ!!マグルガ!!マァァァグゥゥゥルゥゥゥガァァァァァァ!!!」
「ブルァァ!!ブルァァ!!ブルァァ!!ブルァァ!!ブゥゥゥルゥゥゥウァアァァァァァァァァ!!!」
畳み込むように、連続でマグルガを放つ!
だが、対するヒィッツカラルドも次々に移動を行い、光線を回避していく!!
攻撃ラッシュが止んだ後、再び二人と対峙したヒィッツカラルドの額には、汗が光っていた。
「おいおいどうしたよぉオッサン…今度はテメェが疲れてるんじゃねぇのか?」
その様子を見て挑発するカミナだが、ヒィッツカラルドの様子に変化は無い。
「……ふむ……君は、私がただ逃げていただけだと思っているのかね?」
「はぁ?」
ヒィッツカラルドの言葉の意味を掴みかねたカミナが気の抜けた声を上げた瞬間……天井からの妙な破裂音が耳に入った。
「なっ……!?」
「君達のその攻撃は確かに強力だ…だが、いささか強力すぎたようだな…この古墳の壁では、耐えられなかったようだ」
思わず天井を見上げたカミナを眺めながら、ヒィッツガラルドはゆっくりと手を上へ向けた。
「真っ二つに出来ないのは残念だが…これで、最期だ」
―――――――――――――――――――――――――パチン!!
カマイタチの一撃が呼び水となり、天井の亀裂が縦横無尽に走り出し…ついに限界を迎える。
「てめぇ、姑息な手ぇ使いやがって!!」
「ベリィィィィィィシィィィィィィット!!生意気にぃぃぃぃぃ!!!」
崩落の轟音と二人の非難の声を背中に、ヒィッツカラルドは背後の通路から全速力で古墳出口へと向かった。
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「ふむ……まぁ、こんな物か……」
古墳出口から飛び出し、森の中へと到着したヒィッツガラルドが、背後を振り返りながら呟く。
そびえ立つ古墳を見上げると、中央部分に崩落した穴が見受けられる物の、全壊には至っていない。
思ったよりも、この施設は頑丈に出来ていたらしい。
「これでは、きっちりと生き埋めになっているかどうかはわからんな……」
まぁ、その時はその時だ…そこまで考えたところで思考を一時中断し、ディパックの中の支給品を取り出しかけ……やめた。
「………そこまで消耗をしたわけではないか…いくら効果が微量と書いてあるとは言え、そう簡単に使う必要も無い」
そう言いながら彼が覗いているディパックの中には、光り輝く石が数個入っているビンが有った。
『月の石のかけら』、という物らしい。
それを胸に当てる事で、体の傷や体力、『心の力』なるものを僅かながら回復する事ができるとの事。
が、空気に触れ続けると効力を失ってしまうため、ビンから出した状態ですぐに使用しなければ効果は得られない。
また、ビンの中に保管していても、24時間程でただの石ころのようになってしまう……と、説明用の用紙には記されていた。
「思ったよりも、使いどころが難しそうだな……ん、待てよ…」
『心の力』。用紙を見たときには意味がわからなかったが、今戦ったあのVがそんな事を言っていたような…。
「……まぁ、全てはあの二人が生きていれば、の話か…そういえば、結局名前を聞きそびれたな」
ヒィッツガラルドの脳裏にV字型の謎の白い物体と、カミナが掛けていたV字型のサングラスが浮かぶ。
「まだ獲物は沢山いる…もし生きていたとしても、今は君達を深追いしないでおこう。
だが……次にあった時は今度こそ真っ二つだぞ……『Vの男』よ」
そう呟くと、素晴らしきヒィッツカラルドは新たな獲物を求め、森の中を歩き出した。
【D-8 古墳北出入口付近の森・1日目 黎明】
【素晴らしきヒィッツカラルド@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:体力小消耗
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、月の石のかけら(5個)@金色のガッシュベル!! ランダム支給品(0~2個)
[思考・状況]基本・ゲームに乗り、破壊と殺戮を楽しむ。
1・ひとまず人の多そうな場所へ向かう。
2・『Vの男』(カミナとついでにビクトリーム)に再び会えれば、今度こそ殺す。
3・『心の力』というのが何なのか、ほんの少し気になる。
【補足】
・月の石のかけらについて
使い捨て回復アイテム。月のような光を放つ不思議な石のかけら。
ビンの中から取り出し、胸に当てる事で傷や魔物の子の術を使うのに必要な『心の力』を回復する事ができる。
一人用という訳では無く、中心に置いて焚き火のように皆で手を向ける事で複数人を回復する事も出来る。
人数が多いほどに回復能率が悪くなる、という事はありません。
ビンから取り出すと十数秒で光が消え、ただの石ころになってしまうので取り出しは手早く行うように。
また、ビンに入れたままでも空気に微妙に触れてしまうため、24時間後の2日目・0:00分には全ての石の回復効果がなくなります。
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「チッ………これじゃああの野郎を追っかけたくても出来ねぇか……」
目の前に立ちふさがる瓦礫の山を見ながら、カミナが毒づく。
どうにか生き埋めは免れたものの、つい先ほどの崩落によって部屋の半分が分断され、片方の出口へ抜けられなくなってしまったのだ。
ヒィッツカラルドが逃げた通路があるのは、この瓦礫の向こう側。流石のカミナでも、ここを通り抜ける事は出来ない。
「ったく胸糞わりぃ……次あったらただじゃおかねえぞ……っと」
ふと、部屋に差し込む暖かい光に気づき、上を見上げる。
ぽっかりと穴が開き、すでに天井としての意味を失ったその場所からは……綺麗な満月が覗いていた。
「…………へぇ……そうか……」
なんとなく、今までの苛立ちが癒されていく感じがした。
こんな訳のわからん野郎どもがいる訳のわからない場所にも、月は出るのだ。
――――俺たちもいつか、あの月ってとこまで行ってみようや。
そう、自分の大事な弟分と誓いを立てたのはいつの日だったか。
…………さて……その誓いを現実にする為にも、だ。
「一先ずはシモンとヨーコと合流して……グレンラガンを取り戻して…そんで、あの螺旋王とかいう奴をぶっ飛ばしてからだな!」
「ビクトリーム!」
「つってもどこにあんだろうなぁグレンラガン…どっかの誰かが持ってりゃ良いんだが」
「ビクトリーム!」
「シモンとヨーコもどこに居やがるんだか……まぁあいつらの事だし、そこまで心配はいらねえだろうが
「ビィィィィィィィクトルィィィィィィィィィィィィム!!!!!」
ついさっきまでのいい気分も跡形も無く吹き飛ばすような、野太い声がカミナの耳をつんざく。
うんざりとしながらも、声の方を見てみると、またもや怒りに打ち震えるVがいたわけで。
「………いたのかテメェ」
「いたのか~じゃないわこのタワケがぁぁぁぁぁぁ!!ベルィィィィィィスィィィィィット!!!
まぁぁぁたこの私を無視しおってぇぇぇぇ!!!」
はぁ、と深いため息が思わず出てくる。
ついさっきは止むに止まれず共闘したものの、やはりこのガンメンモドキとはウマが合わない。
「勝手にキレてろ。俺はやらなきゃやらねぇ事があるからよ…どこへなりとも行きやがれ」
そのままビクトリームを無視し、後ろの通路からこの古墳への出口へ向かおうとする。
「ちょぉぉぉぉぉっと待ったらんかぁぁぁぁぁい!!!」
が、即座に通路の前にビクトリームが立ちふさがり、カミナの進路の邪魔をする。
「………何だテメェ。やっぱ俺に喧嘩売りてぇってのか?」
「ふん!!私だって貴様の事は気に入らんわ!!」
だったら早くどけってのこの野郎。
しかし……次にビクトリームの口から飛び出したのは余りにも意外な発言。
「だが、そうも言ってられん……私と貴様は……『パートナー』になっているのだからなぁ!!」
「………………はぁ?」
パートナー?俺とこのガンメンモドキが?何でだよこのヤロウ。こっちから願い下げだっての。
「えええぃ!!そこまで露骨に嫌がるなぁ!!私だってなぁ、モヒカン・エース以外の人間をパートナーにするのは気が進まん!!
だが……仕方ないのだ!!貴様がその本を読める事がその証拠!!」
「本ぅ?」
そこまで言われて、ふとまだ自分が先ほどの本を片手に持っている事に気づくカミナ。
そのまま、なんとなくパラパラともう一度本をめくってみる。
「良いか?我ら魔物の子が人間の世界で術を発動するには、パートナーの存在が必要不可欠だ!!
パートナーがその本を持ち、『心の力』を込めて術を唱える事で、初めて私は術を使える!!
そしてその本を読めるのは、ただ一人のパートナーのみ…のハズなんだが…
まぁ細かい事を言っても仕方あるまい!!モヒカン・エースがいない今、本を読めるお前こそが…」
「………………読めねぇぞ」
「そう、読めないお前こそがなぁぁぁぁぁぁんばしょっとぉぉぉぉぉぉぉ!!???」
唐突にカミナが放った一言に、ビクトリームが思わず素っ頓狂な叫びを上げる。
読めない!?何故に!?どうして!?さっき思いっきり術を使っていたのに!?ベリーミステリー!!
「いや、だからもう読めねぇんだっての…こうなりゃもうタダのゴミだな」
そういいながら、カミナが興味を失ったようにポイと本を放り投げる。
「ブ、ブルァァァァァ!?なぁぁぁぁにをするかぁぁぁぁ!!!」
地面につく直前に、ビクトリームが滑り込む形で本をキャッチする。
「き、貴様ぁ、わかっているのか!?この本がもし無くなれば、私は魔界へ強制送還されてしまうのだぞ!?」
その言葉を聴いた瞬間、ピクリとカミナの耳が動いた。
「ほぅ、そりゃ良い事聞いたぜ……つまりその本をバラバラにすりゃあ…テメェともおさらばって訳かぁ!!!」
片手に持っていた剣を突きつけ、今にも襲い掛かりそうな勢いでカミナがビクトリームを見る。
だが、そう簡単に怯む程にビクトリームは柔な性格ではない。
「バカモノがっ!!残念だがなぁ!!魔本はパートナーには燃やされないようになっている!!
今は貴様は本を読めないようだが、つい先ほどは確かに本を読んでいただろう!?
すなわち、貴様はどうあれ私のパートナーである事に変わりはなぁぁぁい!!!」
逆にカミナの方を睨み付け、こっちから啖呵を切ってやる。
正直な話、『本を読めないパートナー』など聞いたことは無いが、自分は『千年前の魔物』というイレギュラーな存在。
もしかしたら、モヒカン・エースこそがパートナー違いである可能性もあるのだ。
もしそうだとしても、この男よりもモヒカン・エースの方が何倍もまともなパートナーだったと言えるが……。
「……ったく、メンドくせぇな……」
興味を無くしたのかやる気がそがれたのか、剣の矛先はビクトリームから外れた。
そのままカミナはビクトリームに背を向けると、つい先ほどの戦闘で落としたサングラスを拾い、掛けなおす。
「ぬぅ……ぐぅぅぅぅぅぅ……!!」
「……おっ、さっきのメロンが残ってるじゃねえか…ラッキー♪」
「ブルァァァァァァ!!!ベリィィィィィィシィィィィィィット!!!」
ビクトリームは自分のディパックの中に魔本を放り込むと、溜まりに溜まった怒りを爆発させた。
何なんだこの男は!何故こんな傍若無人でソリの会わない男が自分のパートナーなのだ!!
モヒカン・エースはどこに行った!!そしてメロンを寄越せ!!ちゃんと本を読め!!それとメロンだ、メロンを持ってこぉぉぉい!!
やや意味不明で支離滅裂な感情を湛えながら、ビクトリームはついにカミナにその言葉をぶつける。
「貴様!!一体何様のつもりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
カミナの動きが、止まった。
「………俺が何様のつもりだって?」
そう言うやいなや、バッとマントを翻して勢いよく振り返る!!
「オウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウ!!!俺を誰だと思ってやがる!!」
片手に持った半分のメロンをビクトリームへつき付け、不敵に笑い…
「暗ぇ村から飛び出して、喧嘩ばかりのぶらり旅!!」
そのまま、手に持ったメロンをひょいと空中へ放り投げた!!
「荒くれどもを纏め上げ、獣人どもをぶっ飛ばす!!」
即座にもう片方の手に持っていた剣を翻し…浮いたメロンを二つに切り裂く!!
「大グレン団団長にして、不撓不屈の鬼リーダー!『カミナ』様たぁぁ……」
勢いそのままに剣を背負ったディバックの中に突っ込んで、素早く落ちてきたメロンを両手でキャッチし……
「俺の!!事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大見得を切りながら、カミナは高らかに自分の名を宣言した!!
…………………………………………………………………………………………………………静寂。
常人であれば、居た堪れなさの余り赤面してしまいそうな静寂が辺りを包んだ。
先ほどまで怒りを露にしていたビクトリームも、メロンを求めるのも忘れ、ただ黙ってカミナを見ている。
だが……カミナという男は、良くも悪くもこんな程度で怖気づく人間では無かった。
「……………カミナ?」
「へっ、どうしたガンメンモドキ!俺の名乗りを聞いてビビリやがったか!?」
ビクトリームの様子を見ても、自分の口上に引いているとは微塵も感じていない。
実際の所、確かにビクトリームは『カミナの口上に引いている』訳ではないのだが……。
「………そうか……なるほど……そういうことか……」
一人、納得したようにビクトリームが呟く。
長らく抱えている悩みが、ようやく氷解したような晴れやかな表情をして。
「あ?なんだてめぇ?何か文句でもあるってのかこの野郎!?」
ビクトリームの態度が気に入らず、思い切り不満をぶつけるカミナ。
不満をぶつけられた瞬間…ビクトリームの表情が烈火の如く燃え上がった!!
「おぉぉぉぉぉぉぉぉおありよぉぉぉぉぉぉ!!!貴様!!」
ここまで吼えた所で一呼吸置き、再び息を吸った所でビクトリームが吼えた。
「貴様の名前がダサすぎるから私の本が読めんのだぁぁぁぁ!!!」
「な………!!」
余りにも予想外のビクトリームの言葉に、カミナの体が硬直する。
「ハンッ!!カミナなど下らん名前!!全く、ようやく本が読めん理由がはっきりしたぞ!!
そんなダサイ名前のパートナーでは、私の魔本もやる気を出さんわ!!
ついさっき本が読めた事こそが間違いだったのよぉう!!」
魔本に意思など無いというのに、まるでそれが正解であるかのように答えを出すビクトリーム。
「な………な………!?」
カミナはまだ我を忘れている。
「だが、問題がはっきりしたのならばもう解決は目前!!
喜べ!!貴様にはこの華麗なるビクトリーム様じきじきに名前をくれてやろう!!
そう、貴様は今日から………」
「…………………………」
カミナは何も答えない。
そんなカミナの様子になど意に介さず、ビクトリームは嬉々として『カミナ』への命名を行った。
「貴様は今日から!!『グラサン・ジャック』として生きていくのだぁ!!!」
「……………………………」
カミナが、自分の両手を見る。
今、そこには半分になったメロンが乗っている。ゆっくりと、その一つに齧り付く。
………甘い。瑞々しい香りが口の中に広がる。どうやら、『ベリーなメロン』という名は伊達ではないらしい。
なにやら目の前でガンメンモドキが騒いでいるが、気にしてはいけない。今はまだ。
そのまま、一つのメロンを食べ終わると、皮を後ろへ放り投げる。
よし。これで片手が空いた。
「…………人の名前をぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………」
ゆっくりと、しかし確実に片手に力を溜める。
今自分がされようとしている事にようやく気づいたのか、ガンメンモドキが慌てているが、もう遅い。
「変えんじゃねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
カミナ渾身の右ストレートがヒットし、ビクトリームの体が大地に転がった。
「ブルァァァァァァァ!!??痛い!!痛いぞぉグラサン・ジャックよぉぉぉぉ!?
どうしたのだ!?何が不満なのだ!?いい名前では無いかグラサン・ジャァァァァァァァァック!?
ブルァァ!?やめろ!?こっちに来るな!!落ち着くのだグラサン・ジャック!!
ビクトリーム!!ビクトリーーーーブルァァァァァ!?やめてくれぇぇ!!馬乗りはやめてくれぇぇぇ!!
ああ痛い!!痛い!!痛いってのよぅ!!こ、この痛みを和らげるにはメロンしかない!!
さぁグラサン・ジャックよ!!私にメロンをブルァァァァ!?もぐな!!無理やり首をもぐなぁ!!
いいからメロンだ!!今ならメロンを寄越せば許してやる!!ギブミーメロン!!プリーズメロォォォォン!!
ブルァァァァァァァァァァァァ!!グラサン・ジャァァァァァァァァァァァァック……………」
【D-8 古墳内部(安置の間南方面)・1日目 黎明】
【カミナ@天元突破グレンラガン】
[状態]:体力中消耗・左肩に中程度の裂傷(激しく動かすと痛みが走るが、我慢できないほどでは無い)
[装備]:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん・四分の一サイズのメロン
[道具]:支給品一式、ベリーなメロン(14個)@金色のガッシュベル!!(?)
[思考・状況] 1・このガンメンモドキ(ビクトリーム)を気の済むまでボコる。
2・シモンとヨーコとさっさと合流したい。ついでにガンメンモドキとは別れたい。
3・グレンとラガンは誰が持ってんだ?
4・もう一回白目野郎(ヒィッツカラルド)と出会ったら今度こそぶっ倒す!
※参戦時期は第7話終了直後です。
※グレンとラガンも支給品として誰かに支給されているのではないかと思っています。
※ビクトリームをガンメンに似た何かだと認識しています。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
【ビクトリーム@金色のガッシュベル!!】
[状態]:カマイタチによる小程度のダメージ 現在進行形でカミナの攻撃による中ダメージを受けている
[装備]:なし
[道具]:支給品一式・ランダム支給品(1~3個)・魔本
[思考・状況] 1・やめるのだグラサン・ジャック(カミナ)!!いいからメロンを寄越ブルァァァ!?
2・正直な所グラサン・ジャックと気が合いそうに無いが、モヒカン・エースと合流するまでは一緒に行動する。
3・モヒカン・エースと再会したら目に物見せてくれるわぁ!!ああ!?股間の紳士をいじめないでぇ!!
※詳しい参戦時期は次回以降の書き手さんにお任せしますが、少なくとも石版から復活し、モヒカン・エースと出会った後です。
※会場内での魔本の仕組みに気づいておらず、半ば本気でカミナの名前が原因だと思っています。
また、耐火加工についても気づいていません。
※モヒカン・エースがゲームに参加していない事にも気づいていません。
また、メロンの事で頭が一杯になっているため、名簿確認や支給品確認の必要性にも気づいていません。
※D-8の周囲5マスに、古墳崩壊の轟音が響き渡りました。
【補足】
・なんでも切れる剣
ご存知、クロちゃんとミーくんの愛用武器。普段は彼らの盲腸の辺りにしまわれている。
なんでも切れる剣、といいつつも切れない物も普通にある。
ロワ内では普通の大剣、という扱いです。
・ベリーなメロン
一見なんて事無いごく普通のメロン。
だが、一口食べればその瑞々しい甘さと柔らかな口どけで僕らの心を掴んでくれるはず。
といってもただのおいしいメロンなので、特別な効果は一切ありません。
・魔本について
カミナが一時的にビクトリームの魔本を読めたのは、
彼ら二人が「ヒィッツカラルドを倒したい」という同じ強い想いを抱いたからです。
戦闘が終わり、その目的が失われた瞬間には既に魔本が読めなくなっています。
もしこの先この二人が「~~をしたい!」という同じ強い想いを抱けば、
再び『その時に限り』魔本を読み、呪文を唱える事ができるでしょう。
これはあくまで『気の合わない人間でも寸分たがわぬ非常に強い想いを一緒に抱けば一時的にだが本が読める』という事実であるだけで、
もし参加者の中に、ビクトリームと気の合う人間が存在したならばその人物は何の障害も無く本を読む事が出来るでしょう。
・古墳について
北側と南側に一つずつ出入り口があり、これら二つはは古墳内部の「安置の間」を通りつながっています。
ですが、カミナ達の戦闘により「安置の間」は瓦礫の山で分断され、実質の袋小路となっています。
また、内部の通路には幾つかの道があり、「安置の間」以外にも部屋が存在しているようです。
*時系列順で読む
Back:[[人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)]] Next:[[「私にしか出来ないから」]]
*投下順で読む
Back:[[人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)]] Next:[[シモン、あなたはどうしていますか?]]
|004:[[人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)]]|素晴らしきヒィッツカラルド|064:[[ただ撃ち貫くのみ]]|
|004:[[人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)]]|カミナ|082:[[極大射程]]|
|004:[[人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)]]|ビクトリーム|082:[[極大射程]]|
**人の名前を変えんじゃねえ!!(後編) ◆WcYky2B84U
「な、何だ!?何が起こった!?」
突如起きた『異変』に、ヒィッツカラルドが辺りを見回しながら驚きの声を上げる。
「何だこりゃあ……」
カミナも、ただ呆然とこの部屋の中に起きた『異変』を見守るばかり。
松明の光だけが辺りを照らしていた薄暗い石畳の部屋は……今や、眩いばかりの空色の光に包まれていた。
そして、その光の出所は…………ビクトリームの持つデイバックの中!
「……ッ!?おい、ガンメンモドキ!!てめぇ一体何しやがった!?」
何か、妙な支給品を使ったのか……だが、誰よりも驚いているのは他でもない、ビクトリーム自身だった。
「まさか……まさか……まさかまさかまさかまさかむぁすぁくぁぁぁぁぁぁ!?
貴様がッ!!貴様がそうだと言うのかグラサンよぉ!?」
信じられないという様子で、ビクトリームがカミナを見る。
まさか。ありえない。なぜなら、本来『その役目』にいるべき人間はここにはッ!?
「ブルァァァ!?」
ビクトリームの思考はそこで途切れ、即座にデイバックを持ったまま駆け出した。
つい先ほどまでビクトリームが立っていた場所に亀裂が入る。
「何が起きているのかはわからんが、貴様を残しておくのは厄介そうだ!先に始末させてもらう!!」
ヒィッツカラルドが標的をカミナからビクトリームへと変更し、攻撃を仕掛けたのだ。
その直後、連続でビクトリームへと飛来するカマイタチ。
「ブルァァァ!!ブルァァァ!?ベリーピィィンチ!!ベルィィィィピィィィィンチィィィ!!!」
あちこちを全速力で駆け回りながら、必死で攻撃からデイパックを守る。
そうしなければならない、なぜならこの中には……。
「えぇぇぇぇぇい!!もうこうなりゃヤケッパチよぉぉぉぉぉ!!!」
走りながらデイパックの中を漁り、目当ての物を見つけ出したビクトリームは、それをカミナへと放り投げた!!
「受け取れぇぇぇぇぇ!!!」
「うぉぉお!?」
突然の事態に慌てながらも、どうにかそれを受け止める。
投げられたそれは……空色に輝く奇妙な本!!
「おいコラ!!いきなりこんなゴミ渡してんじゃねえぞこの野郎!!」
どう見ても武器には思えない物を投げられたカミナが非難の声を上げる。
「ええい、そんな事はどうでもいい!!早く、早くその本を読めぇぇぇぇ!!」
カミナの声に答えている間にも、カマイタチはビクトリームへと次々に襲い掛かる!
「はぁぁ!?バカ言ってんじゃねぇ!!俺は『文字』とかは読めねぇんだよ!!」
「ベリィィィィィシィィィィィット!!いいから読め!!早く読むのだぁぁぁぁぁぁ!!」
(……こいつらは何を話している?)
休まずにビクトリームに攻撃しながらも、ヒィッツガラルドは現状を考察する。
この『異変』の正体が、あの奇妙な本である事はおそらく間違いない。
だとすれば、あの本こそが何かしらの武器である事は間違いないはずだが……?
「だから『文字』は読めねぇっつってんだろうが!!なのにどうやって読めってんだバカ野郎!」
「こぉぉぉのニブチンがぁぁぁ!!いいから読め!!読めばわかる!!」
つい先ほどから噛み合わない会話を続けるこの二人。
普通に考えれば、あの本が武器だったとしても『文字』を読めないこの男には扱えぬ物のはず。
(問題は無いか…?)
自分と本を持つ男の距離は5m程。もし攻撃に転じたとしても、十分に迎え撃つ事ができる。
(ならば…詳しい事情を知っているであろうあの物体を先に仕留める!!)
さらに素早く指をかき鳴らし、ビクトリームを追撃する!!
「何も、問題は無い…貴様達二人は、ここで何も出来ぬままに死ぬのだよ!!」
「読め読め読めってなぁ、人をバカにするのもいい加減にしやがれ!!」
一体何なんだあの野郎は。ついさっきから自分が文字を読めないと何度も叫んでも、読めの一点張り。
本気でバカにしてやがるのかこのガンメンモドキ。いいか?本ってのは文字が書いてあるもんだ。
だからこうやって開いた所で、文字が読めない俺には何も……何も…ッ!?
何だよこれ………『読める』………ッ!?
いや、違う…この感覚は、読んでるんじゃねぇ……読めなくても、頭で理解できる!
この一番上にある文字、これは………!!
「よぉぉぉやくわかったかこのバカ者がぁ!!!」
本を開き、それを黙って眺めているカミナに気づいたビクトリームが動きを止め、ヒィッツガラルドに向き直る。
「ここまでだ、白目男よ!!今からこの華麗なるビクトリーム様の真の実力を見せ付けてくれるわ!!」
「何……?」
様子がおかしい…何故、こいつの『実力』だと?
本を持っているのはあのサングラスの男の方…いや、だがこれではっきりした事がある。
それは……『攻撃を行うのがこの物体』である事!
「面白い…この十傑集、素晴らしきヒィッツカラルドに勝てるというのか!?」
連続で指をかき鳴らし、発生した無数のカマイタチがビクトリームへと襲い掛かる!!
「ふん、どんな攻撃かは知らんが、これだけのカマイタチを受ければ……」
その時………辺りを包む空色の光が、より一層眩く輝いた!!
「なっ……!?」
思わずヒィッツカラルドが、その光源へと目を向ける。
そこにあるのは……さらに強い輝きを見せる本を持ち、不敵に笑うカミナの姿。
「………マグルガァァァァァァァァ!!!!」
本を持ったカミナの絶叫に呼応し、ビクトリームの頭部に光が集まる!!
「ブルァァァァァァァ!!!」
ビクトリームが雄たけびを上げた瞬間、彼の頭部からV字型の光線が発射された!!
その光線は、次々とカマイタチを相殺しながらヒィッツカラルドへと向かってゆく!!
「馬鹿なッ……!?チィッ!!」
仕方なく、十傑集ならではの強靭な脚力を用いたジャンプにて回避行動を取る。
目標を失った光線はそのまま壁へと衝突し、巨大な穴を残して消えた。
「おお…我が勝利を暗示する華麗なるVの傷跡よ…素晴らしい…ベリーナイス!!
さすがは我が術!!あまりの強さに私自身が恐ろしくなるわぁ!!!」
満面の笑みを浮かべながら、ビクトリームは本を持つカミナの所へと向かう。
「良いかグラサンよ!!もっと『心の力』を込めて術を唱えろ!!
あらゆる感情を詰め込んで、気合いを込めて叫ぶのだぁ!!」
「俺に指図するたぁいい度胸じゃねえかガンメンモドキ…だがなぁ…今はてめぇよりあの野郎のほうがムカついて仕方ねえ!
気合いを入れろだぁ?俺を誰だと思ってやがる!!気合いだったら誰にも負けねえ、それが……俺だぁぁぁぁ!!!」
カミナの持つ本の輝きが、更に強くなっていく!!
「マグルガァァァ!!」
移動したヒィッツカラルドに向かって、再度放たれるマグルガ!
何とかかき消そうと連続でカマイタチを放つも…心の力を込められた術を消すには至らない!!
「くっ、ならば……ッ!!」
もう一度回避を行うヒィッツカラルド。
だが、まだカミナとビクトリームの攻撃は終わらない!
「マグルガ!!マグルガ!!マグルガ!!マグルガ!!マァァァグゥゥゥルゥゥゥガァァァァァァ!!!」
「ブルァァ!!ブルァァ!!ブルァァ!!ブルァァ!!ブゥゥゥルゥゥゥウァアァァァァァァァァ!!!」
畳み込むように、連続でマグルガを放つ!
だが、対するヒィッツカラルドも次々に移動を行い、光線を回避していく!!
攻撃ラッシュが止んだ後、再び二人と対峙したヒィッツカラルドの額には、汗が光っていた。
「おいおいどうしたよぉオッサン…今度はテメェが疲れてるんじゃねぇのか?」
その様子を見て挑発するカミナだが、ヒィッツカラルドの様子に変化は無い。
「……ふむ……君は、私がただ逃げていただけだと思っているのかね?」
「はぁ?」
ヒィッツカラルドの言葉の意味を掴みかねたカミナが気の抜けた声を上げた瞬間……天井からの妙な破裂音が耳に入った。
「なっ……!?」
「君達のその攻撃は確かに強力だ…だが、いささか強力すぎたようだな…この古墳の壁では、耐えられなかったようだ」
思わず天井を見上げたカミナを眺めながら、ヒィッツカラルドはゆっくりと手を上へ向けた。
「真っ二つに出来ないのは残念だが…これで、最期だ」
―――――――――――――――――――――――――パチン!!
カマイタチの一撃が呼び水となり、天井の亀裂が縦横無尽に走り出し…ついに限界を迎える。
「てめぇ、姑息な手ぇ使いやがって!!」
「ベリィィィィィィシィィィィィィット!!生意気にぃぃぃぃぃ!!!」
崩落の轟音と二人の非難の声を背中に、ヒィッツカラルドは背後の通路から全速力で古墳出口へと向かった。
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「ふむ……まぁ、こんな物か……」
古墳出口から飛び出し、森の中へと到着したヒィッツカラルドが、背後を振り返りながら呟く。
そびえ立つ古墳を見上げると、中央部分に崩落した穴が見受けられる物の、全壊には至っていない。
思ったよりも、この施設は頑丈に出来ていたらしい。
「これでは、きっちりと生き埋めになっているかどうかはわからんな……」
まぁ、その時はその時だ…そこまで考えたところで思考を一時中断し、デイパックの中の支給品を取り出しかけ……やめた。
「………そこまで消耗をしたわけではないか…いくら効果が微量と書いてあるとは言え、そう簡単に使う必要も無い」
そう言いながら彼が覗いているディパックの中には、光り輝く石が数個入っているビンが有った。
『月の石のかけら』、という物らしい。
それを胸に当てる事で、体の傷や体力、『心の力』なるものを僅かながら回復する事ができるとの事。
が、空気に触れ続けると効力を失ってしまうため、ビンから出した状態ですぐに使用しなければ効果は得られない。
また、ビンの中に保管していても、24時間程でただの石ころのようになってしまう……と、説明用の用紙には記されていた。
「思ったよりも、使いどころが難しそうだな……ん、待てよ…」
『心の力』。用紙を見たときには意味がわからなかったが、今戦ったあのVがそんな事を言っていたような…。
「……まぁ、全てはあの二人が生きていれば、の話か…そういえば、結局名前を聞きそびれたな」
ヒィッツカラルドの脳裏にV字型の謎の白い物体と、カミナが掛けていたV字型のサングラスが浮かぶ。
「まだ獲物は沢山いる…もし生きていたとしても、今は君達を深追いしないでおこう。
だが……次にあった時は今度こそ真っ二つだぞ……『Vの男』よ」
そう呟くと、素晴らしきヒィッツカラルドは新たな獲物を求め、森の中を歩き出した。
【D-8 古墳北出入口付近の森・1日目 黎明】
【素晴らしきヒィッツカラルド@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-】
[状態]:体力小消耗
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、月の石のかけら(5個)@金色のガッシュベル!! ランダム支給品(0~2個)
[思考・状況]基本・ゲームに乗り、破壊と殺戮を楽しむ。
1・ひとまず人の多そうな場所へ向かう。
2・『Vの男』(カミナとついでにビクトリーム)に再び会えれば、今度こそ殺す。
3・『心の力』というのが何なのか、ほんの少し気になる。
【補足】
・月の石のかけらについて
使い捨て回復アイテム。月のような光を放つ不思議な石のかけら。
ビンの中から取り出し、胸に当てる事で傷や魔物の子の術を使うのに必要な『心の力』を回復する事ができる。
一人用という訳ではなく、中心に置いて焚き火のように皆で手を向ける事で複数人を回復する事も出来る。
人数が多いほどに回復能率が悪くなる、という事はありません。
ビンから取り出すと十数秒で光が消え、ただの石ころになってしまうので取り出しは手早く行うように。
また、ビンに入れたままでも空気に微妙に触れてしまうため、24時間後の2日目・0:00分には全ての石の回復効果がなくなります。
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「チッ………これじゃああの野郎を追っかけたくても出来ねぇか……」
目の前に立ちふさがる瓦礫の山を見ながら、カミナが毒づく。
どうにか生き埋めは免れたものの、つい先ほどの崩落によって部屋の半分が分断され、片方の出口へ抜けられなくなってしまったのだ。
ヒィッツカラルドが逃げた通路があるのは、この瓦礫の向こう側。流石のカミナでも、ここを通り抜ける事は出来ない。
「ったく胸糞わりぃ……次あったらただじゃおかねえぞ……っと」
ふと、部屋に差し込む暖かい光に気づき、見上げる。
ぽっかりと穴が開き、すでに天井としての意味を失ったその場所からは……綺麗な満月が覗いていた。
「…………へぇ……そうか……」
なんとなく、今までの苛立ちが癒されていく感じがした。
こんな訳のわからん野郎どもがいる訳のわからない場所にも、月は出るのだ。
――――俺たちもいつか、あの月ってとこまで行ってみようや。
そう、自分の大事な弟分と誓いを立てたのはいつの日だったか。
…………さて……その誓いを現実にする為にも、だ。
「一先ずはシモンとヨーコと合流して……グレンラガンを取り戻して…そんで、あの螺旋王とかいう奴をぶっ飛ばしてからだな!」
「ビクトリーム!」
「つってもどこにあんだろうなぁグレンラガン…どっかの誰かが持ってりゃ良いんだが」
「ビクトリーム!」
「シモンとヨーコもどこに居やがるんだか……まぁあいつらの事だし、そこまで心配はいらねえだろうが
「ビィィィィィィィクトルィィィィィィィィィィィィム!!!!!」
ついさっきまでのいい気分も跡形も無く吹き飛ばすような、野太い声がカミナの耳をつんざく。
うんざりとしながらも、声の方を見てみると、またもや怒りに打ち震えるVがいたわけで。
「………いたのかテメェ」
「いたのか~じゃないわこのタワケがぁぁぁぁぁぁ!!ベルィィィィィィスィィィィィット!!!
まぁぁぁたこの私を無視しおってぇぇぇぇ!!!」
はぁ、と深いため息が思わず出てくる。
ついさっきは止むに止まれず共闘したものの、やはりこのガンメンモドキとはウマが合わない。
「勝手にキレてろ。俺はやらなきゃやらねぇ事があるからよ…どこへなりとも行きやがれ」
そのままビクトリームを無視し、後ろの通路からこの古墳への出口へ向かおうとする。
「ちょぉぉぉぉぉっと待ったらんかぁぁぁぁぁい!!!」
が、即座に通路の前にビクトリームが立ちふさがり、カミナの進路の邪魔をする。
「………何だテメェ。やっぱ俺に喧嘩売りてぇってのか?」
「ふん!!私だって貴様の事は気に入らんわ!!」
だったら早くどけってのこの野郎。
しかし……次にビクトリームの口から飛び出したのはあまりにも意外な発言。
「だが、そうも言ってられん……私と貴様は……『パートナー』になっているのだからなぁ!!」
「………………はぁ?」
パートナー?俺とこのガンメンモドキが?何でだよこのヤロウ。こっちから願い下げだっての。
「えええぃ!!そこまで露骨に嫌がるなぁ!!私だってなぁ、モヒカン・エース以外の人間をパートナーにするのは気が進まん!!
だが……仕方ないのだ!!貴様がその本を読める事がその証拠!!」
「本ん?」
そこまで言われて、ふとまだ自分が先ほどの本を片手に持っている事に気づくカミナ。
そのまま、なんとなくパラパラともう一度本をめくってみる。
「良いか?我ら魔物の子が人間の世界で術を発動するには、パートナーの存在が必要不可欠だ!!
パートナーがその本を持ち、『心の力』を込めて術を唱える事で、初めて私は術を使える!!
そしてその本を読めるのは、ただ一人のパートナーのみ…のハズなんだが…
まぁ細かい事を言っても仕方あるまい!!モヒカン・エースがいない今、本を読めるお前こそが…」
「………………読めねぇぞ」
「そう、読めないお前こそがなぁぁぁぁぁぁんばしょっとぉぉぉぉぉぉぉ!!???」
唐突にカミナが放った一言に、ビクトリームが思わず素っ頓狂な叫びを上げる。
読めない!?何故に!?どうして!?さっき思いっきり術を使っていたのに!?ベリーミステリー!!
「いや、だからもう読めねぇんだっての…こうなりゃもうタダのゴミだな」
そういいながら、カミナが興味を失ったようにポイと本を放り投げる。
「ブ、ブルァァァァァ!?なぁぁぁぁにをするかぁぁぁぁ!!!」
地面につく直前に、ビクトリームが滑り込む形で本をキャッチする。
「き、貴様ぁ、わかっているのか!?この本がもし無くなれば、私は魔界へ強制送還されてしまうのだぞ!?」
その言葉を聴いた瞬間、ピクリとカミナの耳が動いた。
「ほぅ、そりゃ良い事聞いたぜ……つまりその本をバラバラにすりゃあ…テメェともおさらばって訳かぁ!!!」
片手に持っていた剣を突きつけ、今にも襲い掛かりそうな勢いでカミナがビクトリームを見る。
だが、そう簡単に怯む程にビクトリームは柔な性格ではない。
「バカモノがっ!!残念だがなぁ!!魔本はパートナーには燃やされないようになっている!!
今は貴様は本を読めないようだが、つい先ほどは確かに本を読んでいただろう!?
すなわち、貴様はどうあれ私のパートナーである事に変わりはなぁぁぁい!!!」
逆にカミナの方を睨み付け、こっちから啖呵を切ってやる。
正直な話、『本を読めないパートナー』など聞いたことはないが、自分は『千年前の魔物』というイレギュラーな存在。
もしかしたら、モヒカン・エースこそがパートナー違いである可能性もあるのだ。
もしそうだとしても、この男よりもモヒカン・エースの方が何倍もまともなパートナーだったと言えるが……。
「……ったく、メンドくせぇな……」
興味を無くしたのかやる気がそがれたのか、剣の矛先はビクトリームから外れた。
そのままカミナはビクトリームに背を向けると、つい先ほどの戦闘で落としたサングラスを拾い、掛けなおす。
「ぬぅ……ぐぅぅぅぅぅぅ……!!」
「……おっ、さっきのメロンが残ってるじゃねえか…ラッキー♪」
「ブルァァァァァァ!!!ベリィィィィィィシィィィィィィット!!!」
ビクトリームは自分のデイパックの中に魔本を放り込むと、溜まりに溜まった怒りを爆発させた。
何なんだこの男は!何故こんな傍若無人でソリの会わない男が自分のパートナーなのだ!!
モヒカン・エースはどこに行った!!そしてメロンを寄越せ!!ちゃんと本を読め!!それとメロンだ、メロンを持ってこぉぉぉい!!
やや意味不明で支離滅裂な感情を湛えながら、ビクトリームはついにカミナにその言葉をぶつける。
「貴様!!一体何様のつもりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
カミナの動きが、止まった。
「………俺が何様のつもりだって?」
そう言うやいなや、バッとマントを翻して勢いよく振り返る!!
「オウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウオウ!!!俺を誰だと思ってやがる!!」
片手に持った半分のメロンをビクトリームへ突き付け、不敵に笑い…
「暗ぇ村から飛び出して、喧嘩ばかりのぶらり旅!!」
そのまま、手に持ったメロンをひょいと空中へ放り投げた!!
「荒くれどもを纏め上げ、獣人どもをぶっ飛ばす!!」
即座にもう片方の手に持っていた剣を翻し…浮いたメロンを二つに切り裂く!!
「大グレン団団長にして、不撓不屈の鬼リーダー!『カミナ』様たぁぁ……」
勢いそのままに剣を背負ったデイバックの中に突っ込んで、素早く落ちてきたメロンを両手でキャッチし……
「俺の!!事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
大見得を切りながら、カミナは高らかに自分の名を宣言した!!
…………………………………………………………………………………………………………静寂。
常人であれば、居た堪れなさのあまり赤面してしまいそうな静寂が辺りを包んだ。
先ほどまで怒りを露にしていたビクトリームも、メロンを求めるのも忘れ、ただ黙ってカミナを見ている。
だが……カミナという男は、良くも悪くもこんな程度で怖気づく人間ではなかった。
「……………カミナ?」
「へっ、どうしたガンメンモドキ!俺の名乗りを聞いてビビリやがったか!?」
ビクトリームの様子を見ても、自分の口上に引いているとは微塵も感じていない。
実際の所、確かにビクトリームは『カミナの口上に引いている』訳ではないのだが……。
「………そうか……なるほど……そういうことか……」
一人、納得したようにビクトリームが呟く。
長らく抱えている悩みが、ようやく氷解したような晴れやかな表情をして。
「あ?なんだてめぇ?何か文句でもあるってのかこの野郎!?」
ビクトリームの態度が気に入らず、思い切り不満をぶつけるカミナ。
不満をぶつけられた瞬間…ビクトリームの表情が烈火の如く燃え上がった!!
「おぉぉぉぉぉぉぉぉおありよぉぉぉぉぉぉ!!!貴様!!」
ここまで吼えた所で一呼吸置き、再び息を吸った所でビクトリームが吼えた。
「貴様の名前がダサすぎるから私の本が読めんのだぁぁぁぁ!!!」
「な………!!」
あまりにも予想外のビクトリームの言葉に、カミナの体が硬直する。
「ハンッ!!カミナなど下らん名前!!全く、ようやく本が読めん理由がはっきりしたぞ!!
そんなダサイ名前のパートナーでは、私の魔本もやる気を出さんわ!!
ついさっき本が読めた事こそが間違いだったのよぉう!!」
魔本に意思など無いというのに、まるでそれが正解であるかのように答えを出すビクトリーム。
「な………な………!?」
カミナはまだ我を忘れている。
「だが、問題がはっきりしたのならばもう解決は目前!!
喜べ!!貴様にはこの華麗なるビクトリーム様じきじきに名前をくれてやろう!!
そう、貴様は今日から………」
「…………………………」
カミナは何も答えない。
そんなカミナの様子になど意に介さず、ビクトリームは嬉々として『カミナ』への命名を行った。
「貴様は今日から!!『グラサン・ジャック』として生きていくのだぁ!!!」
「……………………………」
カミナが、自分の両手を見る。
今、そこには半分になったメロンが乗っている。ゆっくりと、その一つに齧り付く。
………甘い。瑞々しい香りが口の中に広がる。どうやら、『ベリーなメロン』という名は伊達ではないらしい。
なにやら目の前でガンメンモドキが騒いでいるが、気にしてはいけない。今はまだ。
そのまま、一つのメロンを食べ終わると、皮を後ろへ放り投げる。
よし。これで片手が空いた。
「…………人の名前をぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………」
ゆっくりと、しかし確実に片手に力を溜める。
今自分がされようとしている事にようやく気づいたのか、ガンメンモドキが慌てているが、もう遅い。
「変えんじゃねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
カミナ渾身の右ストレートがヒットし、ビクトリームの体が大地に転がった。
「ブルァァァァァァァ!!??痛い!!痛いぞぉグラサン・ジャックよぉぉぉぉ!?
どうしたのだ!?何が不満なのだ!?いい名前ではないかグラサン・ジャァァァァァァァァック!?
ブルァァ!?やめろ!?こっちに来るな!!落ち着くのだグラサン・ジャック!!
ビクトリーム!!ビクトリーーーーブルァァァァァ!?やめてくれぇぇ!!馬乗りはやめてくれぇぇぇ!!
ああ痛い!!痛い!!痛いってのよぅ!!こ、この痛みを和らげるにはメロンしかない!!
さぁグラサン・ジャックよ!!私にメロンをブルァァァァ!?もぐな!!無理やり首をもぐなぁ!!
いいからメロンだ!!今ならメロンを寄越せば許してやる!!ギブミーメロン!!プリーズメロォォォォン!!
ブルァァァァァァァァァァァァ!!グラサン・ジャァァァァァァァァァァァァック……………」
【D-8 古墳内部(安置の間南方面)・1日目 黎明】
【カミナ@天元突破グレンラガン】
[状態]:体力中消耗、左肩に中程度の裂傷(激しく動かすと痛みが走るが、我慢できないほどではない)
[装備]:なんでも切れる剣@サイボーグクロちゃん、四分の一サイズのメロン
[道具]:支給品一式、ベリーなメロン(14個)@金色のガッシュベル!!(?)
[思考・状況] 1・このガンメンモドキ(ビクトリーム)を気の済むまでボコる。
2・シモンとヨーコとさっさと合流したい。ついでにガンメンモドキとは別れたい。
3・グレンとラガンは誰が持ってんだ?
4・もう一回白目野郎(ヒィッツカラルド)と出会ったら今度こそぶっ倒す!
※参戦時期は第7話終了直後です。
※グレンとラガンも支給品として誰かに支給されているのではないかと思っています。
※ビクトリームをガンメンに似た何かだと認識しています。
※文字が読めないため、名簿や地図の確認は不可能だと思われます。
【ビクトリーム@金色のガッシュベル!!】
[状態]:カマイタチによる小程度のダメージ、現在進行形でカミナの攻撃による中ダメージを受けている
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダム支給品(1~3個)、魔本
[思考・状況] 1・やめるのだグラサン・ジャック(カミナ)!!いいからメロンを寄越ブルァァァ!?
2・正直な所グラサン・ジャックと気が合いそうにないが、モヒカン・エースと合流するまでは一緒に行動する。
3・モヒカン・エースと再会したら目に物見せてくれるわぁ!!ああ!?股間の紳士をいじめないでぇ!!
※詳しい参戦時期は次回以降の書き手さんにお任せしますが、少なくとも石版から復活し、モヒカン・エースと出会った後です。
※会場内での魔本の仕組みに気づいておらず、半ば本気でカミナの名前が原因だと思っています。
また、耐火加工についても気づいていません。
※モヒカン・エースがゲームに参加していない事にも気づいていません。
また、メロンの事で頭が一杯になっているため、名簿確認や支給品確認の必要性にも気づいていません。
※D-8の周囲5マスに、古墳崩壊の轟音が響き渡りました。
【補足】
・なんでも切れる剣
ご存知、クロちゃんとミーくんの愛用武器。普段は彼らの盲腸の辺りにしまわれている。
なんでも切れる剣、といいつつも切れない物も普通にある。
ロワ内では普通の大剣、という扱いです。
・ベリーなメロン
一見なんて事無いごく普通のメロン。
だが、一口食べればその瑞々しい甘さと柔らかな口どけで僕らの心を掴んでくれるはず。
といってもただのおいしいメロンなので、特別な効果は一切ありません。
・魔本について
カミナが一時的にビクトリームの魔本を読めたのは、
彼ら二人が「ヒィッツカラルドを倒したい」という同じ強い想いを抱いたからです。
戦闘が終わり、その目的が失われた瞬間には既に魔本が読めなくなっています。
もしこの先この二人が「~~をしたい!」という同じ強い想いを抱けば、
再び『その時に限り』魔本を読み、呪文を唱える事ができるでしょう。
これはあくまで『気の合わない人間でも寸分たがわぬ非常に強い想いを一緒に抱けば一時的にだが本が読める』という事実であるだけで、
もし参加者の中に、ビクトリームと気の合う人間が存在したならばその人物は何の障害も無く本を読む事が出来るでしょう。
・古墳について
北側と南側に一つずつ出入り口があり、これら二つはは古墳内部の「安置の間」を通りつながっています。
ですが、カミナ達の戦闘により「安置の間」は瓦礫の山で分断され、実質の袋小路となっています。
また、内部の通路には幾つかの道があり、「安置の間」以外にも部屋が存在しているようです。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|004:[[人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)]]|カミナ|082:[[極大射程]]|
|004:[[人の名前を変えんじゃねえ!!(前編)]]|ビクトリーム|082:[[極大射程]]|
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