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王女の宅急便(後編) - (2023/05/11 (木) 01:53:32) のソース
**王女の宅急便(後編) ◆1sC7CjNPu2 ■ 「……そうだよな、スザクがそんなこと望む訳がないか」 死者蘇生の話が現実味を帯びたところでルルーシュは一瞬我を失いかけ、ニアの言葉で目を覚ました。 死者が、本当に蘇生を望むのか。 ニアが突きつけた問いに、シータは答えきることが出来なかった。 ルルーシュは想像することしか出来ないが、ニアとシータが知る人物はそんなことを望む人間ではなかったのだろう。 ――スザクの場合、こんなの間違っているとか言って自分の首を刎ねかねないな。 頑固な親友を思い出し、ルルーシュは密かに笑った。 気を取り直し、今のうちにシータの持つ槍を奪っておこうとしてルルーシュはビクトリームのデイパックが光っていることに気がついた。 ――連鎖的に、あることに気がつく。 「ビクトリーム、お前まさか――」 「……くすくす」 ポツリと、崩れ落ちたシータの口から楽しげな声が漏れた。 ルルーシュに、再び緊張が走る。 「シータ、さん?」 「ニア!槍を奪うんだ!早く!」 「え、あ、はい」 ルルーシュに言われて、ニアがストラーダへと手を伸ばす。 しかしシータは癇癪を起こしたかのようにストラーダを振り回し、ニアを追い払う。 「くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす」 「きゃ、わ、きゃあ!」 シータはくすくすと笑いながら、ストラーダを振り回す。 槍という物理的な恐怖と、シータのくすくすと笑うことへの精神的な恐怖に負けて、思わずニアはルルーシュの元まで退却する。 ニアが逃げたことを確認すると、シータはやっとストラーダを振り回すのを止めた。 「くすくすくすくすくす。ねえ、ニアさん。私あなたのおかげで分かったんです。 よかったぁ……このままだと、本当に全部失敗してしまうところでした」 「……どうせ、碌なことじゃないんだろう」 「それは、人の価値観が決めることですよ」 くすくすくすくす、と。シータはニアに叩かれた頬を撫で、より一層に壊れた笑みを浮かべていた。 「私、螺旋王のおじさまにみんなを生き返らせてもらうときに、こうお願いしようと思うんです」 『みんな、私と同じ価値観にして生き返らせて下さい』って」 「ッ……シータさん!あなたは!」 ニアが、信じられないといった顔でシータを非難する。 ルルーシュもまさかここまで悪化するとは思っておらず、深くため息をつく。 ここにきて、ルルーシュは確信した。 ――シータは、間違いなく手遅れなのだと。 「ブルワァァァァァァ!小娘よ!てめぇふざけるのもいい加減にしろよ!」 唐突に鳴り響いた怒声に、思わずシータは硬直する。 この声の主は、確かにシータが真っ二つにしたはずだからだ。 「ベリィィィィィィシィット!さっきから聞いてればワガママ放題しやがってぇ! この華麗なるビクトリーム様が直々にその性根を叩き折ってくれるわぁぁぁぁ! ちなみに言っておくと我輩は死んだ振りをしていた訳ではないぞ!ちょっと休んでいただけだ!」 「……なんなんですか、それ」 思わず呟いたシータの言葉に、ルルーシュは思わず同意したくなった。 なぜなら声の主――ビクトリームは、V字の頭部だけになって浮かんでいたからだ。 ルルーシュとて、二つに分かれた滑らかな断面を見ていなければ信じられなかっただろう。 「小娘Mk-Ⅰ!我輩のデイパックから魔本を取り出してみろ!」 「え、あ、はい!」 「さ、させません!」 動揺から抜け出せないシータだったが、それでも何か自分にとって不利なことが起きそうだというのは感じ取ることが出来た。 慌ててストラーダを構え、宙に浮くV字の頭を貫こうと集中し――後方からの投石によってその集中は乱されることになった。 慌てて、シータは石が飛んできた方向を振り返る。 ビクトリームは元より、ルルーシュとニアもシータの前方にいるため、後方には誰もいないと考えていたのだ。 そして、シータは目の前のVの非常識の断片を見ることになった。 「……どうたい?」 「クククククククッその通り!我が胴体が独立して動かないとは誰が言った! こんなこともあろうかと、予め貴様の背後に回りこませていたのだ!ハァーハッハッハ!」 ビクトリーム(頭部)が笑っている間にも、シータの後方にいたビクトリーム(胴体)は投石を続ける。 石を拾っては投げるという動作を繰り返す首なしの物体は、とってもシュールで怖いものがあった。 そしてシータが見事にビクトリームのペースに巻き込まれているうちに、ニアは空色に輝く魔本を手にしていた。 「ビクトリームさん!」 「小娘Mk-Ⅰ!我輩としては貴様のような天然ボケ娘などパートナーとして願い下げだが、今回ばかりは協力してやろう! ブルワァァァァァァァァァァァァ!ブルワァァァァァァァ!ブルワァァァァッァァァァァァァァァァァ!」 掛け声と共に、ビクトーム(頭部)は空高く舞い上がり、乱回転を始める。 ……なんとなく、ルルーシュは危険な予感がした。 「小娘よ!読み上げろ!我輩の華麗なるVの軌跡を残す呪文を!」 「はい!え~と……マグルガ?すいません、マグルガって何ですか?」 「ブルワァァァァァァァァ!二回も唱えるとはトリッキーだな小娘ェェェェ!」 乱回転するビクトリーム(頭部)から、V字をかたどった光線が二度発射された。 それはシータのすぐ近くと、ビクトリーム(胴体)の近くに着弾し、見事なV字を大地に残した。 「ブルワァァァァァァ!我が胴体にダメージ10!損傷は軽微なり!小娘Mk-Ⅰよ唱え続けよ!」 「あ、はいマグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!」 「ロボットの光線!」 ビクトームに促されて、ニアはマグルガを連呼する。 シータはこの会場にくる以前のロボット兵の光線を思い出し、軽いパニックに陥っていた。 なんとなく予想していたルルーシュはマグルガを連呼するニアを引きずり、巻き添えを食らわないように木の陰まで避難した。 「マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!」 「ブワァァァァァァァ!ブルワァァァァァァァァ!ブルワァッァァァァァァァ!」 乱回転するビクトームの放つ完全にランダムな砲撃を前にシータは攻勢に移れず、遮蔽物に身を隠すことにした。 膠着状態となり、現在のこの場は完全にビクトリームの独壇場と化した。 ルルーシュはその隙に、作戦を練る。 「……ニア、魔法を唱えながらでいいから話を聞いてほしい」 「マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!」 「ブワァァァァァァァ!ブルワァァァァァァァァ!ブルワァッァァァァァァァ!」 呪文を唱えながら、ニアはコクンコクンと顔を上下に揺する。 ニアとビクトリームの絶叫が煩かったが、どうにか意思疎通ができることにルルーシュはホッとした。 「この状況がいつまでも続けば、そのうちここは禁止エリアになって俺たちはお仕舞いだ。 だから、罠を張って彼女を撃退しようと思う」 「マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!」 「ブワァァァァァァァ!ブルワァァァァァァァァ!ブルワァッァァァァァァァ!」 魔法を唱えながら、ニアが悩ましげな顔をする。 これまでのニアとシータのやり取りで、ルルーシュはなんとなくニアが言いたいことを察した。 できれば、ニアはシータを説得したいのだろう。 しかし、ルルーシュとしてはあそこまで不安定な人物を仲間に入れる気にはなれない。 だから、詭弁を用いる。 「……分かっているだろ、ニア。彼女はもう手遅れだ。 君の声……ドリルが届かなかった以上、ここで楽にしてあげるのがきっと彼女にとって一番なはずだ」 「マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!」 「ブワァァァァァァァ!ブルワァァァァァァァァ!ブルワァッァァァァァァァ!」 そんなはずありません、とニアは顔を左右に振る。 もちろん、ルルーシュが予想していた通りの反応だ。 できるだけ悲痛そうな顔を作り、同情を誘う。 「分かってくれニア。彼女を助けようとして、ニアやビクトリームが死んでしまっては元も子もないんだ」 「マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!マグルガ!分かりました!マグルガ!」 「ブワァァァァァァァ!ブルワァァァァァァァァ!ブルワァッァァァァァァァ!」 ニアは悲しそうな顔で、呪文に混じって肯定の言葉を言った。 説得がうまくいったことに安心し、ルルーシュはおもむろに学生服の上着を脱ぐ。 そして、ニアに少し恥ずかしそうにしながら告げた。 「それで……すまないが、服を脱いでくれないか」 ■ ビクトリームが乱回転しながらマグルガを連発しているせいで、森の中にはビクトリームを中心としてミステリーサークルが出現していた。 「ブルワァァァァァ!おい小娘Mk-Ⅱ!貴様なんかかなりベリィィィィィィシットなこと言ってなかったかぁ!」 乱回転しながら、ビクトリームはシータに対して話しかけていた。 シータからの返答は、ない。 返事をするつもりなど元からないし、そもそもビクトリームの砲撃のおかげで返事をする余裕などないからだ。 「てーかよー!なんだかよく分からんが、貴様の話を聞いてるとなんだが腹の虫がベリィィィィィにムカついてくるんだよ!」 一方的に、ビクトリームは語り聞かせるように話し続ける。 そもそも、ビクトリーム自身何が言いたいのか分かっていないのだが、元々深く考えるタイプではないので話し続ける。 シータは絶対に嫌がらせだと確信していたが。 「死んだ人間を生き返らせる?ブルワァァァァァァァ!確かにそれは名案だな、みんな何事もなくハッピー間違いなし!」 ビクトリームは死んだ振りをしている間、ルルーシュたちの会話を盗み聞きしていた。 そしてシータが死んだ人間を生き返らせると言った時から、ビクトリームは理解不明な苛立ちを感じていた。 シータが生き返らせるときに『価値観を同じにする』と言ったときにブチ切れた。 理由は、まったくといっていいほど分からない。 「OKハッピーけどなぁ、じゃああの時のグラサン・ジャックの涙はなんだったんだ!無駄じゃねぇかコンチクショウ!さらに我輩は殴られ損だおい! ブルワァァァァアァ!マジ分かんねぇぇぇえぇぇ!我輩なんでこんなにイラついてんだ!なんだか切ないぞブルワァァァァァァ!」 ビクトリームは苛立ちに任せて、乱回転の速度を上げる。 さらにマグルガのランダム性が上がって、シータへのプレッシャーが増加した。 「無視か無視なんだな!この華麗なるビクトリーム様がなんだが分からんがイラついているというのに、て、ヲイなんだかマグルガ止まってませんかぁ!」 ビクトリームの言葉に、シータは隠れていた物陰から顔を覗かせる。 中空に浮かんだV字の頭が、心の力がどうとか騒いでいる。 よく分からないが、確かにあの厄介極まりない光線は止まったようだった。 ――なら、今のうちに。 シータはストラーダを構え、今度こそV字の頭を貫こうとする。 先ほど邪魔をしてくれた胴体は、今のところ見当たらない。 物陰から飛び出そうとしたところで――声が聞こえた。 「弾切れだ。ニア、俺が援護するから君は先に逃げろ!」 「は、はい」 同時に、木々の向こうから白い何かが飛び出てくる。 会話からそれがニアだと判断したシータは、ほとんど反射的に標的をその白いものに変更していた。 Sonic Move――高速移動魔法を発動させ、次の瞬間には目標を刺し貫いていた。 「……え?」 「シィィィィィィィィッットォォォォォォォ!この臭いはまさかベリィィィィィメロン!」 シータはあまりの手ごたえの軽さに驚き、次の瞬間には刺し貫いた目標を見てさらに驚いた。 ストラーダが貫いたのは、白い布で包まれた(ビクトリームの言葉を信じるなら)メロンだった。 ――しまった、とシータは思い ――かかった、とルルーシュは思った ルルーシュの立てた作戦は、シータにマガルガを直撃させるためのものだ。 シータの素人臭さを利用しておびき寄せ、メロンを利用してビクトリームの射角を調整する。 囮となる物を作るためにニアに服を脱いでもらい、ルルーシュもシャツを脱がなければならなかったが、勝つためには手段を選んではいられない。 完璧とは言いがたい綱渡りの作戦だったが、シータが戦闘に慣れてないこともあってルルーシュの思った通りに事は運んでいた。 「ニア!やれ!」 後はニアがマグルガと唱えれば、全てはルルーシュの考えどおりに進んでいただろう。 しかし、世の中は全てが考えた通りに進むことなどまずないのであった。 「ルルーシュさん、ごめんなさい!」 「な、に」 ニアは一言だけルルーシュに謝ると、魔本を投げ捨ててシータへ向かって走り出した。 瞬時に、ルルーシュはニアの目的を悟る。 ――くそっ!納得したんじゃなかったのか! ルルーシュはベレッタM92の引き金に指をかけ、構える。せめてもの牽制のためだ。 「ニア!戻れ!」 「ブルワァァァァァァ!何をやっとるんじゃこの馬鹿どもぉぉぉぉ!」 シータは、戸惑った。 自分は罠に嵌められたと思い、この状況だ。混乱しないほうが無理だとシータは思う。 ――けど、向こうから来てくれるなら。 未だに切っ先にメロンが刺さったままのストラーダを、走り寄ってくるニアに向ける。 なぜかニアが下着姿で黒い上着を羽織っていて、ルルーシュが上半身裸なのが気になったがあえて無視した。 再び、Sonic Moveを発動させて今度こそニアの心臓を目掛けて加速する。 トンッという音と共に――ストラーダは、空を切っていた。 「嘘!」 「本当です!」 ニアの声は、シータの背後から聞こえた。 ハッとなって振り向くと、ニアはシータを羽交い絞めにしようとするところだった。 何が起こったか分からず混乱しつつも、シータはニアの拘束から逃げようとする。 「ストラーダ!お願い!」 「逃がしません」 シータがストラーダに跨って上空に逃げようとしたため、ニアはシータに掴まって阻止しようとした。 結果、ニアはシータと共に上空に飛び上がることになった。 「は、離して!」 「嫌です、離しません!」 ニアのあまりのしつこさに、シータは舌を巻く。 ならばこのまま振り落としてしまおうと、シータはストラーダのスピードを上げた。 もちろんニアも振り落とされまいとより一層、シータを掴む手に力を込める。 「この、落ちて!」 「絶対に嫌です!」 時にもみ合いになりながら、少女たちは空中でちょっとした決闘を繰り広げていた。 ……彼女たちが、いつの間にか海の上にいることを認識するのはしばらく後のことだった。 【C-1/海上/一日目/夜中】 【ニア@天元突破グレンラガン】 [状態]:精神的疲労(大)、ギアス 、右頬にモミジ、下着姿にルルーシュの学生服の上着 [装備]:釘バット [道具]:支給品一式 [思考]: 1:シータをなんとしても止める。 2:ルルーシュとビクトリームと一緒に脱出に向けて動く。 3:ビクトリームに頼んでグラサン・ジャックさんに会わせてもらう。 4:お父様(ロージェノム)を止める 5:マタタビを殺してしまった事に対する強烈な自己嫌悪 ※テッペリン攻略前から呼ばれています。髪はショート。ダイグレンの調理主任の時期です。 ※カミナに関して、だいぶ曲解した知識を与えられています。 ※ギアス『毒についての記憶を全て忘れろ』のせいで、ありとあらゆる毒物に対する知識・概念が欠損しています。有効期間は未定。 ※ルルーシュは完全に信頼。スパイク、ジンにもそこそこ。カレンには若干苦手な感情。 ※ビクトリームの魔本を読めましたが、シータへの苛立ちが共通した思いとなったためです。 今後も読めるかは不明です。 【シータ@天空の城ラピュタ】 [状態]:疲労(大)、倫理観及び道徳観念の崩壊、右肩に痺れる様な痛み(動かす分には問題無し)、令呪(使用中・残り持続時間約2~3時間) おさげ喪失、右頬にモミジ [装備]:ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS [道具]:支給品一式 (食糧:食パン六枚切り三斤、ミネラルウォーター500ml 2本)、びしょ濡れのかがみの制服 ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃(残弾0/6)@トライガン、暗視スコープ、音楽CD(自殺交響曲「楽園」@R.O.Dシリーズ) 士郎となつきと千里の支給品一式 [思考] 基本:自分の外見を利用して、邪魔者は手段を念入りに選んだ上で始末する。優勝して自分の大切な人たちを、自分の価値観に合わせて生き返らせる。 0:ニアをなんとしてでも振りほどく。 1:自分の手でアシがつかずに殺せる人間は殺す。 2:自分の手に負えないものは他人に殺させる。 3:気に入った人間はとりあえず生かす。ゲームの最後に殺した上で、生き返らせる。 4:恩人の言峰は一番最後に殺してあげる。 5:使えそうな人間は抱きこむ。その際には口でも体でも何でも用いて篭絡する。 [備考] ※マオがつかさを埋葬したものだと、多少疑いつつも信じています。 ※マオをラピュタの王族かもしれないと思っています。 ※令呪は、膨大な魔力の塊です。単体で行使できる術はパスを繋いだサーヴァントに対する命令のみですが、 本人が術を編むか礼装を用いることで、魔術を扱うにおいて強力な補助となります。 ただし使えるのは一度限り。 扱い切れなければ反動でダメージを負う可能性があります。人体移植された魔力量が桁違いのカートリッジと認識してください。 効果の高さは命令実行に要する時間に反比例します。 ※令呪への命令は『ストラーダを運用するための魔力を供給せよ』です。 ストラーダ以外の魔力を要求するアイテムには魔力は供給されません。 持続時間は今後の魔法の使用頻度次第で減少する可能性があります。 ※バリアジャケットのモデルはカリオスト○の城のク○リスの白いドレスです。 夜間迷彩モードを作成しました。モデルは魔○の宅○便のキ○の服です。 ※言峰から言伝でストラーダの性能の説明を受けています。ストラーダ使用による体への負担は少しはあるようですが、今のところは大丈夫のようです。 ※エドがパソコンで何をやっていたのかは正確には把握してません。 ※第三回放送を聞き逃しました。 ※価値観が崩壊しましたが、判断力は失っていません。 ※かがみを殺したと思っていますが、当人の顔は確認していません。 ※言峰との麻婆豆腐の約束はすっかり忘れ去っています。 ※ストラーダは元々飛行用の装備ではないため、ある程度直進的に飛行しています。 ただしスピードの出しすぎ、危険運転、二人乗りなどの危険行為をしているためどこに行くか分かったものではありません。 つまり自由です。 ■ シータが駆け寄ってくるニアに槍を向けた時、ルルーシュは最悪の事態を覚悟していた。 しかし槍がニアを貫くと思った瞬間、ニアはまるで読んでいたかのようにその身を空中に躍らせていたのだ。 ニアは空中で身体を捻らせてシータの後方に着地し――もみ合いの末、シータと共に空に消えた。 「……なんだと!」 ニアたちが飛んでいった方向を目で追っていたルルーシュは、何度目かになる混乱に陥いることになった。 「ブルワァァァァ!ルルーシュよ!我輩はベリィィィィィィィメロンが大好きだ!どれくらい大好きかと言うと世界中のメロンは我輩のものと言ってもいいほど大好きなのだ! よって我輩が小娘どもを追いかけるのはベリィィィィィメェロンのためであって断じて小娘どもが心配だからなどではなぁい!ブルワァァァァァァァァァァァァ!」 待て、とルルーシュが口を挟む間もなくビクトリームはニアたちが消えた方向へ向かって飛び出した。 胴体も、置いていかれぬようにと魔本を回収して走り出す。 そしてニアたちと同様にビクトリームは消失し――ここで、やっとルルーシュは消失する地点がマップの端だと気がついた。 「まさか、な」 ある可能性に気づき、ルルーシュはニアたちやビクトリームが消失した地点へ近づく。 ある程度近づいたところで片手を前に出し、ゆっくりと歩く。 二、三歩歩いたたところで、ルルーシュの片手は淡い光に包まれて消失した。 「……感覚は、ある」 確認して、ルルーシュは片手を消失した地点から引き抜く。 当然のように、ルルーシュの片手は元に戻る。 今度は、頭から消失した地点に突っ込み――風景が、一転した。 「なるほど、そういう仕組みか」 目の前に広がる海に対し、ルルーシュは忌々しく呟く。 少し先にドーム球場が見えることから、間違いなくC-8エリアとは反対に位置するC-1エリアだろう。 念のためにと顔を引き抜いてもう一度突っ込んでみたが、風景は変わらない。 ――ループしているのは、間違いないか。 常識外の事の連続に、ルルーシュはこの事実をあっさりと受け入れた。 そして、思考する。 ニアたちに追いつくのは、おそらく不可能に近いだろう。 せっかく信頼を得た相手だが、こうなっては無事を祈るしかない。 「……ニアにゼロの服を着せなかったのは、結果的には正解か」 ゼロの服は防御性に優れたものだが、ルルーシュはあの時ニアに自分の学生服を羽織らせた。 ゼロの服を神聖視しているつもりはないが、どうやら思ったより自分は執着を持っているらしいとルルーシュは分析する。 そのおかげで、ルルーシュはゼロの服を手放さずに済んだ。 「まあ、ゼロの服を誰かに着せたらカレンが怒るだろうしな」 自分が着ればよかったかもしれないがあの時は目の前にニアがいたし、緊急時とはいえ変態そのものの格好をするつもりはルルーシュにはない。 ――さて、そろそろ本題に入るか。 現実逃避を止め、ルルーシュはこれからの自分の行動を考える。 最終的には、図書館に集まる予定だ。運がよければニアたちともそこで合流できるだろう。 臨機応変にルートを変更すると決めていた以上、一応は何の問題もない。 そして、ルルーシュには今二つの道がある。 ショッピングモールへ行く道と――ループを利用して、モノレールを調べる道だ。 元々モノレールは調べてみたいとは思っていたが、距離的に難があるため後回しにしていた。 だが、ループという性質を知った以上それは容易に可能になった。 ショッピングモールもモノレールも、どちらも脱出のための鍵となりえる。 決断の時は、迫っていた。 【C-8/森のはずれ/一日目/夜中】 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ】 [状態]:肉体的疲労(大)、中度の頭痛 、上半身裸 [装備]:ベレッタM92(残弾13/15)@カウボーイビバップ [道具]:デイパック、支給品一式(-メモ)、メロン×10個 、ノートパソコン(バッテリー残り三時間)@現実、ゼロの仮面とマント@コードギアス 反逆のルルーシュ 予備マガジン(9mmパラベラム弾)x1、毒入りカプセル×1@金田一少年の事件簿 [思考] 基本:何を代償にしても生き残る。 1:ショッピングモールへ行くか、モノレールを調べに行くか決断する。 2:清麿との接触を含む、脱出に向けた行動を取る。 3:適当な相手に対してギアスの実験を試みる。 4:以下の実行。 「情報を収集し、掌握」「戦力の拡充」「敵戦力の削減、削除」「参加者自体の間引き」 5:余裕があればモノレールを調べる。 [備考] ※首輪は電波を遮断すれば機能しないと考えています。 ※ギアスを使った影響は若干収まってきましたが、いまだ頭痛があります。 ※清麿メモの内容を把握しました。 ※会場のループについて把握しました。 ■ 「ブルワァァァァァ!我が胴体よ!泳げ、泳ぐのだぁぁぁぁぁぁ!」 ビクトリームは現在、漂流していた。 正確には、胴体が準備運動もなしに海に飛び込んだせいで足をつったのだ。 「ノォォォォォォ痛い、痛いぞ我が胴体ぃぃぃぃぃ!しかも小娘どもを見失ってしまうとは我輩としたことがぁぁぁぁぁ!」 頭部は空に飛ぶことでどうにかなっているが、胴体はなんとか浮かんでいて波に流されるがままの状態だ。 「ブルワァァァァァァァ!イッテェェェェェェェ!」 流石に胴体を放っておくことは出来ず、ビクトリームは波間を揺られ続けることになった。 【D-1/海中/一日目/夜中】 【ビクトリーム@金色のガッシュベル!!】 [状態]:静留による大ダメージ、鼻を骨折、歯二本欠損、股間の紳士がボロボロ [装備]:なし [道具]:支給品一式、CDラジカセ(『チチをもげ』のCD入り)、ランダム不明支給品x1、魔本@金色のガッシュベル!! [思考・状況] 1:なんか我輩漂流してないか! 2:小娘どもを追うのはメロンが欲しいからで、別に心配なぞしておらんぞ!? 3:パートナーの気持ち? 相手を思いやる? 4:吠え面かいてるであろう藤乃くぅんを笑いにデパートに行くのもまぁアリか…心配な訳じゃないぞ!? 5:カミナに対し、無意識の罪悪感。 6:シータに対し、意味の分からないイライラ 7:F-1海岸線のメロン6個に未練。 [備考] ※参戦時期は、少なくとも石版から復活し、モヒカン・エースと出会った後。ガッシュ&清麿を知ってるようです。 ※会場内での魔本の仕組み(耐火加工も)に気づいておらず、半ば本気でカミナの名前が原因だと思っています。 ※モヒカン・エースはあきらめかけており、カミナに希望を見出しはじめています。 ※静留と話し合ったせいか、さすがに名簿確認、支給品確認、地図確認は済ませた模様。お互いの世界の情報は少なくとも交換したようです。 ※分離中の『頭』は、禁止エリアに入っても大丈夫のようです。 ただし、身体の扱い(禁止エリアでどうなるのか?など)は、次回以降の書き手さんにお任せします。 ※変態トリオ(クレア、はやて、マタタビ)を危険人物と認識しました。また、六課の制服を着た人間も同じく危険人物と認識しています。 ※ニアとジンにはマタタビの危険性について話していません。 ※持っていたベリーなメロンはジンを待っている間に完食しました。 ※ニアが魔本を読めた理由はかけらも気にしていません。 *時系列順で読む Back:[[王女の宅急便(前編)]] Next:[[Rising Moon the Samurai & the Gunman(前編)]] *投下順で読む Back:[[王女の宅急便(前編)]] Next:[[Rising Moon the Samurai & the Gunman(前編)]] |229:[[王女の宅急便(前編)]]|ルルーシュ・ランペルージ|234:[[ファイアスターター]]| |229:[[王女の宅急便(前編)]]|ニア|235:[[幻想のアヴァタール(前編)]]| |229:[[王女の宅急便(前編)]]|ビクトリーム|237:[[Ready Steady Go]]| |229:[[王女の宅急便(前編)]]|シータ|235:[[幻想のアヴァタール(前編)]]|