唯「ぴーりーりー」グルグル

憂「ぴーりーりー」グルグル

唯憂「カーレーちょっぴりライスたっぷり!」ビシッ

唯「ふぅっ……決まったね、憂」

憂「そうだね、お姉ちゃん!」

憂(新歓ライブに向けた新技だっていうけど)

憂(これって一人じゃできないような……)

憂(でも、楽しかったからいいかな)

唯「疲れちゃった。憂、そろそろご飯にしようよ」

憂「わかった。……そだ、今日はカレーにしない?」

唯「おぉ、タイムリーだね。そうしよう!」

憂「それじゃあ、すぐ作っちゃうね」

憂(……ごめんね、お姉ちゃん)

唯「ごめんねルーゥーだーけ残したカレー♪」

唯「女の子は甘いのーがー好ーきっ」

唯「憧れ~だけど中辛はおー預っけー♪」

憂(『カレーのちライス』の歌詞のとおり)

憂(お姉ちゃんはまだ甘口カレーしか食べられません)

憂(……その昔、お姉ちゃんが背伸びをして中辛カレーを欲した日)

憂(それから私は少しだけ、お姉ちゃんに意地悪になってしまったのです)

 トントントン

 ジュー ジャッジャッ

憂(私も正直、甘口カレーのほうが好きなんですけど)

憂(お姉ちゃんには「最低中辛でないと食べられない」と偽っています)

 グツグツ

憂(理由はあとでわかりますよ)

憂(とにかく我が家のカレーは、中辛の鍋と甘口の鍋で二つ用意するわけです)


憂(それぞれルゥを入れて、煮込んで……)

憂(よし、そろそろいいかな)

 カチッ

憂「ふぅっ。お姉ちゃん、出来たよ~」

憂(私のお皿に甘口を)

憂(お姉ちゃんのに中辛を盛りつけて)ドキドキ

唯「わーい! カレー、カレー♪」

憂「待たせちゃったね」カタ コト

唯「そんなことないよ。いただきまーす!」

憂「い、いただきますっ」

唯「おいしそー……あむっ」パクッ

唯「ん~、これは実にすばら……」

唯「」ガタガタガタ

唯「んんんー!! ひぃ、ひいー!」

憂(ご覧のとおり)

憂(一口で辛すぎてもうだめ、のようです)

憂「お姉ちゃん、大丈夫!?」

唯「かあいよー!!」

憂(ここで心配するふりをして、お姉ちゃんに近付きます)

憂(すると?)

唯「うむううっ!」チュウ

唯「ん、はふっ、はふぅっ!」ニチュ

憂(こっ、このように……んぅっ、お姉ちゃんが……大人のキスをおぉっ)

憂「ううんっ、ふはああぁっ!」

憂(……そういう、わけです)

唯「はぁー……やっと落ち着いた。ん」ポトトッ

憂(最後にちょっぴり辛い唾を私の口に垂らして、おしまいです)

憂(またやっちゃったなぁ)コクン

唯「ういー、また憂の中辛と私の甘口間違えたー!」

憂「ご、ごめんね。うっかりしちゃった……」

憂(お分かり頂けましたか?)

憂(アレですね。熱いものに触っちゃったとき、反射的に耳たぶをつまむアレ)

憂(耳たぶが人体でいちばん冷たい場所だからそうなるんですよ。ほとんど本能らしいです)

唯「まったくもー!」

憂(まぁ、つまり)

憂(お姉ちゃんには本能レベルで「辛い物を食べてしまったときは憂の舌を舐めればいい」)

憂(「なぜなら憂の舌はいちばん甘い場所だから」……という意識が刻まれている訳ですよ)

唯「私とちゅーしたいからってわざとやってるんじゃないの、憂?」

憂「えっ!? そ、そんなことないよ!」

唯「むー、あやしいなぁ……」ジトッ

憂(ま、まずい……ついにバレちゃう?)

唯「……そうだねぇ、それじゃあ確かめてみよっか」

憂「へ?」

唯「憂がお姉ちゃんのキスを欲しがっちゃう、イケない子じゃないってことをね」

憂「え、えっと……?」

憂(なにが起こってるの……かな?)

唯「つっかまーえた」ガシッ

憂「あ、ちょ……」

唯「むちゅぅー♪」

憂(お、お姉ちゃんの顔が……こんな近くにっ)

憂「んっ……」

唯「……んふふー?」

憂(あ、あれ? キスがこない……)

唯「どうしたの憂? 目閉じちゃって」

唯「もしかして、キスしてもらえるとか思っちゃった?」

憂「っ……そんなこと」

唯「んべ」

憂「!!」

憂(ベロなんて見せられたら……わたし)

唯「ん」ズイッ

憂「……な、なにかな?」

唯「ふーん」

憂(た、耐えなきゃ……)

憂(わざとお姉ちゃんに中辛カレーを盛ってたなんてバレたら嫌われちゃうよ)

唯「んふ」ペロッ

憂「ひゃっ!?」ビクッ

唯「んー、憂のくちびるやわらかいねー」ペロペロ

憂「やっ、ちょっ、まっひぇ!」

憂(こんなの……気が狂っちゃうよ!)

唯「なぁに? んー、お鼻おいひ……」ピチャペチャ

憂(お姉ちゃんの匂いしかしない……だめ、もうおかしくなる……)

憂「ずるいよ、お姉ちゃん……こんなことされたら、キスしたくなるに決まってるよ!」ガバッ

唯「おっとぉ」ヒョイ

憂「や、お姉ちゃん、お姉ちゃん!」グググ

唯「だめだめ、嘘つきな妹にあげるちゅーは無しだよ?」

唯「ちゃんと正直にならないと……んしょ」ペロン

憂「やだ、キスがいいの、べろちゅーしようよぉっ!!」

唯「んー?」ペロペロ

憂「や……んあっ、おくちがさみしいの、おねえちゃんんっ!!」

憂「ほら、ほあ! わたひの舌ぺろぺろしへよぉ!」ンベ

唯「かわいいなぁ、憂ぃ……でもダメだよ」ニコ

唯「よいしょ。んふ……耳の中はけっこう味するんだね」

 ヌチュッ チュボッ

憂「ああっ、あは、ふ……やら、変なこと言わないでぇ……」

唯「んん、むふ……あ、なんかおいひぃかも……あむ」パチャパチャ

憂「いあっ、ふうんんん!!」

憂「お、ねえ、ひゃ……!」

唯「なぁに、憂?」ズジュジュ…

憂「ごめんなさ、ひんうう……おねえちゃんとちゅー、したくて……」

憂「わざと、中辛のカレー食べさせてまひた……」

唯「そっかぁ……」ピチャ…

唯「憂ぃ、わかってる? そんなやり方がどれだけヘンタイか」

憂「だって、お姉ちゃんがちゅーするんだもん! しょうがないじゃん!」

唯「えへへ……すごいなぁ、憂は」ナデナデ

唯「こんなに可愛いのに、お姉ちゃんをあざむく変態だなんて」

憂「ごめんなさい……反省するから、おねがい、ちゅーして……」

唯「そんなにちゅーしてほしいの?」

憂「うん、お姉ちゃんのちゅーが欲しいの! して、してぇっ!」

唯「んー……どうしよっかなぁ。憂は変態さんだしなぁ?」

憂「やっ、お願い、してくんなきゃやだよぉっ!」

唯「じゃあさ、こうしようよ。憂はえっちな子だし、どうせべろちゅーしたいって思ってるんだろうから」

唯「憂のほうは舌を出すのも唇を吸うのも禁止でなら、ちゅーしてあげてもいいよ?」

唯「憂はただ犯されるだけ。どう?」

憂「そ、そんな……」

唯「嫌ならしなくてもいいけど」

憂「するよぉ! だってちゅー欲しいもん……」

唯「……それじゃあしてあげるね。ぜったい舌動かしちゃだめだよ?」

憂「う、うん……」ドキドキ

唯「あー……可愛いなぁ、うい。普通にキスして欲しいって言ってくれたらいくらでもしてあげたのに」

唯「変態だと知っちゃうとなぁ」

憂「は、早くぅ……」ゾクゾク

唯「……ねぇ、憂さぁ」プニ

憂「ん……指じゃなくて、くちびるぅ……」

唯「キスが好きなの? それとも……私が好きなの?」プニプニ

憂「ふえ……?」

唯「……」


憂「私は……お姉ちゃんだからキスがしたいよ」

憂「お姉ちゃんだから、いけないことと分かってても……」

唯「憂……」ギュッ

憂「はう……」

唯「……やっぱり、憂がちゅーして」

憂「いいの……?」

唯「私だってね……憂がいいんだもん」

唯「……いちばん大好きなのは憂だから、憂だけとちゅーしたいんだよ」


憂「お姉ちゃん……」

唯「……よっ」ゴロン

憂「わっ。……私が上になるのって、初めてだね」

唯「そうだね……何度も何度もちゅーしてきたのにね」

唯「私が中辛は辛すぎるって誤魔化し続けたせいだけど……」

憂「へっ?」

唯「……えへへっ」

憂「お姉ちゃん。それじゃあ……」

唯「察しがいいね、憂」

憂「……へ、へんたいっ」

唯「んふふ……変態姉妹だねぇ」

憂「ほんとだね。……嬉しい」

唯「うい、来て……」

憂「うん。お姉ちゃんもね」スッ

 チュッ

憂「ん、あむぅ……」

 ピチャッ クチッ

唯「うい……ふっ、んむ……」

憂「あっ、く……はぁ……」ピクンッ

唯「んうう……ひあっ。う、んー……」

 チュウウゥゥゥ チュポンッ

憂「はぁ、は……おね、ひゃ……ふううぅ」

唯「んうふっ……うい、ういぃ……」

 チュチュッチュッ プチュ チュチュチャッ

憂「ほんあに……ひたらぁ!」ゾクゾク

唯「はあむ、んっ、んぅーっ!」

憂「らめ、ひもちすぎうぅ……おれぇひゃあん!」

唯「ん、んくっ……ういぃ……!!」

 カミッ

憂「はっ、おねえひゃん、りゃめ、べろちゅかまえるの……」

唯「ふっ、ふぅ……んむ」

 チュパッ ピチョ クチャッ

憂「はあぁああうっっんんん!! ひっひゃう、ひっひゃうからああぁぁ!!」

憂「んんっ、んううーっ!!」ビクンッ

唯「ん、ちゅる……はぁ……はぁ」

憂「ふう、あはぁ……」ピクン ピクン…

唯「……おいひかったよ、うい」

憂「んっうう……」

――――

憂(その日から、平沢家では夕飯の卓にカレーが並ぶ事が多くなりました)

憂(今までのように二つのお鍋で作る必要がなくなった分、手間がかからなくなったから)

憂(という理由もあるにはありますけど)

唯「ういー、口開けてー」

憂「えへへ……あーん」

唯「はぁむ……ん、ふっ……」

憂「ん。おいしいね♪」

憂「それじゃ……お返しに」チュッ

唯「あっん……もぉ。はむ……」

憂(なにより、私たちは「ちゅうから」が好きなんですから♪)


 おしまい



最終更新:2010年10月12日 22:56