紬「ほら、みんな引いてひいて」

梓「……」ドキドキ

憂「……」ドキドキ

――

紬「せーの……」

紬「王様だーれだ♪」

律(ムギ……まだまだ元気だな)

紬「……って私でしたー♪」

律(くそ、またムギか)

梓(ムギ先輩、王様率高いな……)

紬「んっと、そうね、どうしようかしら」ソワソワ

律(ムギ……本当に楽しそうだな)

紬「じゃあね、3番の人は1番の人を後ろから抱きしめて……」

澪(お、おいおい……)

紬「耳元で愛の言葉を囁いて下さい♪」

律「……」←1番

律(くそ、またこういうお題か……ムギのやつ)

律(3番、3番誰だ、3番)チラチラッ

律(ど、どうせなら澪が……澪にやって欲しいな)ドキドキ

紬「じゃあまず、1番は誰かしら」ドキドキ

律「わ、私……」

唯「わー、律っちゃんが相手かー」

律「……えっ」ドキッ

澪「ゆ、唯、3番なのか?」

唯「うん、でも愛の言葉っていっても、何て言えばいいのかなー」

紬「"愛してるよ"とか"もう離さない"とか何でもいいのよ♪」ワクワク

紬「な、何ならキ、キキ、キスしちゃってもいいのよ」ドキドキ

律(いやいやいや……何かもうおかしいだろ)

澪(唯……唯が他の人にそんなことをしてるのなんて見たくない……)

憂(や、やだ、お姉ちゃんにそんなことしてほしくない)

律(唯が相手か……)

律(あ、あまり意識しないようにしないと、澪の二の舞になってしまう)ドキドキ

律(き、気をつけないと……)ドキドキ


――

唯「それじゃいくよ、律っちゃん」

律「お、おう」ドキドキ

――ぎゅうぅっ

律を後ろから抱きしめる唯

律(う……)ドキドキ

律(や、やばいっ……)ドキドキバクバク

律(何でこんなにドキドキするんだ、私今ぜったい顔赤くなっちゃってるだろ)ドキドキバクバク

澪「……」ムスッ

律(澪が……澪が見てるのに……)ドキドキ


――ぎゅううぅ

律(き、汚いぞ唯、さっきからなんだこの魔力じみた包容力は)ドキドキ

律(気をたもて、しっかりするんだ私!)ドキドキ

律(し、深呼吸だ、一旦息を整えよう、とにかく落ち着こう)ドキドキ

律「……ふぅ、ふぅ」スーハースーハー

律(思い出せ、私が好きなのは澪、澪なんだ)ドキドキ

律(澪より好きな人なんてこの世にはいないはず……そうだ私には澪が……)

律「……」

律(よ、よし、大分落ち着いてきたぞ)

律(……良かった、なんとか耐えられそうだ)

唯「……律っちゃん」

律「……え?」ドキッ

唯「大好きだよ、律っちゃん」

――ぎゅうぅっ

律(ゆ、唯……)ドキドキバックンバックン

律(う、う……やばい……)ドキドキバクバク

律「な、なあ唯、もうこのへんで……」ドキドキバクバク

――ちゅっ

振り向いて唯に話しかけようとしたら、おでこにキスをされる律

唯「えへへ、ごめん、つい丁度いい位置だったから」

律「な、な……」ドキドキバックンバックン

紬「ゆ、唯ちゃん、もう一回くらいしてもいいのよ///」ドキドキ

唯「もういっかい?じゃあ次は……」

律「……」ドキドキドキ

律(ま、またキスするのか?……ど、どうせだったら口がいいな)ドキドキ

律(で、でも今私口臭とか大丈夫かな、歯磨いたのいつだっけ)ドキドキドキ

澪「も、もういいだろ、いいかげんにしろよ」イラッ

唯「そ、そうだね、ごめんごめん、つい昔憂とちゅーしてた頃思い出しちゃって……」

紬(も、もう、いいところなのに)

律(何だよ澪、いいとこで邪魔を……)

律「……」

律(……あれ?)

律(う、うああああぁぁぁ、違う、違うんだぁぁぁ)

律(……違う、違うんだ)

律(私が好きなのは澪で、唯のことは別に……)

律(澪を取られたんだ、私はむしろ唯なんて嫌いなはずだ)

律(そうだ、唯なんて大嫌いだ)

律「……」

澪「な、なあ律」

律「な、なんだ?」

澪「いい加減唯から離れたらどうだ」

律「……えっ」ドキッ

憂「お姉ちゃんも、終わったんだからもう律さんに抱きついてなくてもいいんだよ」

唯「あ、そうだよね、ごめんごめん」

律から手を離し、離れようとする唯

律「……///」ソソッ

離れまいと唯によりかかる律

律「……///」ドキドキ

澪「……」ムッ

憂「……っ」ムッ

律「……」ドキドキ

律(何でだろう……唯の側から離れることができない……)ドキドキ

澪「おい律」ムッ

律「あ、そ、そうだな、離れないとな」

――さっ

離れはしたが、ちょっとだけ唯のパジャマに触れ続ける律

律「……///」ドキドキ

律(唯と……ちょっとでも繋がってたい)ドキドキ

憂「……」イライライライライライライライライライライライライライライラ

憂(お姉ちゃんが……お姉ちゃんが汚された)

憂(こんな命令ばっかり……紬さん、もう絶対に許さないんだから)


紬「ほら、次いきましょ、次♪」

憂(なんとしてでもジョーカーを……)

――

梓「あ……ジョーカーだ」

憂(くっ、ダメだった)

憂(……って、え?)

憂(梓ちゃんが王様!?ど、どんな命令するんだろう)ドキドキ

梓「え、え……と、それじゃあ……どうしようかな」

梓(憂と……なんとか憂と絡みたいな……)ドキドキ

梓(……よし)

梓「そ、それじゃあ……」

紬「うんうん」

梓「お、王様のことが……好きな……その……」モジモジ

憂「……?」

梓「王様のことが好きな人は……王様にキ、キキキスを……」ドキドキ

憂「……!?」

梓「お、王様にキスをして下さい///」ドキドキ

一同「……!?」

紬(いいわぁ……梓ちゃん、最高よ)ドキドキ

憂(……梓ちゃん)ドキドキ

澪(や、やっぱりこの二人……)

梓に近づいてゆく憂

なんとなく空気を読んで、見守っている一同

憂「い、いいの、梓ちゃん」ドキドキ

梓「……う、うん」ドキドキ


唯「よし、いくよ、あずにゃん」

梓「……え?」

――ちゅっ

梓の唇にキスをする唯

一同「……!?」

澪(な、なんでここで唯が……)

梓「な、な……」ドキドキバクバク

紬(も、もう唯ちゃん、いいところで邪魔を……)


憂「お、お姉ちゃん、どうして……」

唯「えへへ、だって私、あずにゃんのこと大好きだもん」

梓「……!?」

憂「……え、え」シドロモドロ

澪「お、おい唯、唯は梓のことが好きなのか、なあ、なあ」

唯「うん、だってあずにゃん可愛いし、ギター教えてくれるし……」

――なでなで

梓「う……///」

律(な、なんだ、そういう"好き"か……)ホッ

澪(で、でも唯、梓とキスを……)

憂(お、お姉ちゃんと梓ちゃんがちゅーしちゃった……)

澪・憂(なんかショックだな……)


紬(……もう、せっかくいい雰囲気だったのに)

紬「よし、気を取り直して次行きましょうか」

律「あ、あれ、おい、憂ちゃんはいいのか?」

憂「……え、ああ、そうですね」ショボーン

憂「つ、次……行っちゃっていいですよ」

梓(憂とキス出来なかった……せっかくいい感じだと思ったのに……)

梓「……」

梓(唯先輩とキスしちゃった、唯先輩とキスしちゃった、唯先輩と――)ドキドキバックンバックン

憂「……」イライライラ

律(……段々ハードになってきたな)

憂「……」

紬「よし、じゃあ次――」

憂「あ、次は私が配りますよ」

――さっさっ

手際よくみんなにカードを配っていく憂

律(……ん、今手つきが……気のせいか?)

紬「せーの」

唯・紬「王様だーれだ♪」

律(それにしても、この二人はまだまだ元気だな)

憂「あ、私が王様だ」

澪「う、憂ちゃんが王様か……」

憂「……そうだな、じゃあ」

澪(こ、怖い……)ドキドキ

憂「……」

紬「……」ドキドキ

憂「よし、じゃあここで結婚式をしましょう」

律「……?」

憂「1番と王様が結婚します。」

憂「3番の人をキーボードに見立てて、みんなで演奏してください!」

憂「大きくて古いキーボードだから、鍵盤を思いっきり踏みつけるくらいしないと音は出ないかもしれませんね」

憂「その演奏を聞き、二人は誓いのキスをします」

澪(な、なんだその無駄な演出……)

律「お、おい、みんな何番だ?」

梓「わ、私1番……」ドキドキ

紬「私は3番♪」

律「……」

律(こいつ、やりやがった……)


――

床に仰向けに寝そべる紬

唯「えいえいっ」

――ふにふに

紬「きゃっ、くすぐったい、うふふ」

憂「そ、そうじゃなくて、もっと強く、激しく!」

澪「……」サワッ

――つんつんっ

紬「ひぁっ……そこはダメ……ふふ」

律(ムギ……楽しそうだな)

憂「……」

憂(……ま、まあいいか)

憂「よ、よし、梓ちゃん」ドキドキ

梓「う、うん」ドキドキ

紬「ちゃーんちゃんちゃちゃーん、ちゃーんちゃんちゃちゃーん」

紬「……」ワクワク

憂「……」ドキドキ

梓「……」ドキドキ

――

憂「……」ドキドキ

梓「……」ドキドキ

紬「……」ドキドキ

憂・梓・紬(よ、良かった)

律(……な、何でムギまで満足そうなんだ)

憂「つ、次行きましょうか」

紬「ええ、そうね」

梓「ほら、カード配りましょう」

律(……そしてこの息の合いようは何だ)


紬「さて、次つぎー♪」

憂「あ、紬さん、カードは私が配りますよ」

紬「え、そう?」

――さっ

律「……」ジー

憂「よし、じゃあよく切って……と」

――シャカシャカ

律「……」ジー

憂(つ、次はどうしようかな♪)ワクワク

律「なあ、憂ちゃん」

憂「え、何ですか、律さん」ウキウキ

律「……ズルしてるだろ」ボソッ

憂「……っ」ギクッ

澪「ん、律、今なんて……」

律「いや、だから憂ちゃんがズルを……」

唯「……!!」

憂(う……まずい、どうしよう……)オドオド

唯「ちょっと、ひどいよ律っちゃん!」

――ぺしん

律のおでこにビンタをする唯

律「痛っ……え?」

唯「憂はね、そんなことする子じゃないよ!」

――ぐさっ

憂(う……)

唯「唯はね、小さいころから素直で、正直で、嘘ついたことなんて一度もないんだから」

――ぐさぐさっ

憂(う、うぅ……)

梓「……」

梓(……よく唯先輩を騙して変態行為してなかったっけ……)

梓「……」

梓「で、でもそうですよ、ちょっと憂は変なとこあるかもしれないですけど……」

梓「そういう卑怯なことは絶対にしません。するはずがありません。」

梓「私は憂を信じます///」

――ぐさぐさぐさっ

憂(ううぅ……心が痛い……)

律「……そうだな」

律「よく考えると、私の気のせいだったかも、実際に何か見たわけじゃないし……」

澪「おい律、ちゃんと憂ちゃんに謝れよ」

律「ご、ごめん憂ちゃん」

憂「…………」

憂「…………………………」

憂「…………………………………………い、いえ」

憂(……なぜだろう、今ならどんな罰ゲームでも受け入れられる気がする)


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最終更新:2010年08月30日 23:59