トイレ
澪「い、痛い…髪の毛はぁっ、引っ張らないで…!」グイ!!
いじめっ子A「お前マジで最近チョーシのってんね?あ?おい」
澪「ぐ、ぎぃいいいいい…」
いじめっ子B「ほーら水のご到着ー♪」
いじめっ子C「オラ、夏だし涼めよ、みーおちゅわんっ!」ビシャァ!!
澪「ひぃいいい……」
いじめっ子A「おい、いつになったら退学してくれんの?マジでwwwあとどれくらいやったらいいですかー?」
澪「うぅ、ううう…」
いじめっ子B「つか、A、これぶっ壊してやったらいいんじゃねー」
澪「! そ、それはだめ、ベースは…あぐぅ!!」ドッ!
いじめっ子C「うわぁ、攻撃力つよすぎっしょwwほら、ライブでギター壊すのとか見たこと無い?あれやろーよ」
澪「!!そ、それだけはやめて!」
ガッ!ガッ!!
澪「あぁ!!私の、」
ガッ!!!、バキィッ!!
澪「私の…ベース…」
いじめっ子B「うわぁ、まじでやっちゃったよww」
澪「…私の……大切な…」
いじめっ子A「なーにボケッとなってんの?次はーーー」
澪「次は、わ…わた…」
バタンッ!!
唯「澪ちゃんっ!!!」
紬「あら、あら、なに、これ?」
律「うわー、派手にやっちゃってんね、これ」
いじめっ子A「チッ、何だよおめーらは!」
唯「それは、…それはこっちのセリフだよっ!!どうして、どうしてこんなことするの!?」
いじめっ子B「それはこいつがーー」
バタンッ
さわ子「ちょっと、トイレ騒がし…ちょっと、あなたたち何やってるの!?」
いじめっ子C「やべっ!いこっ」
紬「あら、あら、あら、…」
ダッ×3
唯「澪ちゃん、ぬれてるよ…拭いて上げるね! …って、ハンカチ無いからベストで拭くけどいいよね!?」
澪「だ、だめ、唯のが、汚れる…」
唯「ううん!大丈夫だから!」脱ぎ、ゴシゴシ、ゴシ…
フキフキ…グッ、グス………
澪「ゆ、ゆい…?」
唯「ご…ごめんね…今まで何にも気づいてあげられなぐっで……ごべんね…」ズビッ
澪「……」
紬「私も、いつも一緒にいたのに、こんなことも気づかなくって……」
さわ子、律「…」
澪「…ウフ、違うよ、私があいつらの目の前で、悪口言ったから」
澪「それに、けいおん部のみんなのことだって、私、ずっと…かげで色々言ってた」
「……」
澪「(私、なに言ってんだろ、もう、死にたい)」
澪「……さよならっ……」
ガッ
澪「!?」
律「待てよ、澪。ベース、かわいそうだろ、このままじゃ」
澪「り、律、それ、きたな…」
律「汚くなんかねーよ、(…半分嘘だけど…)みんなで苦労して買った、いわば相棒みたいなもんだ。
あたしたちの大事なメンバーの、大事なベース」
澪「…」
唯「そうだよ、澪ちゃん!(グシッ)エリザベスは、二世になっても、三世になっても、えいきゅうに不滅だよ!」
澪「(え、エリザベスってなに・・・!?)」
紬「「(ピッピッピッ…プルルルル…)…もしもし、斉藤?あのね……」
さわ子「…しょうがない…この前ボーナス入ったばっかりだけどっ」
バッ!
さわ子「こ、この財布には、国民と私の血と汗と涙…
それらが諸々入ってるの!これでいいのを買ってちょうだいっ」
唯&律「おぉ~さわちゃん太っ腹~!」
澪「……そ、それは…(なんで?私、みんなの悪口言ってたのに…)」
律「…みーお、こういうときは好きなだけ甘えとくとお得なんだぞ~♪」
唯「そだよそだよ~っ♪あ、さわちゃん先生私アイスい~い?」
さわ子「それとこれとは別でしょう…」
澪「……ごめん、私、急用思い出した」
ダッ
唯「あっ!澪ちゃん!待ってよ!」
紬「でね、その子の名前が、Aさん、Bさん…」
唯「行っちゃったね…」
律「だ~いじょうぶだよ。明日、みんなでベース、買いにいこうぜ」
唯「じ、自殺とかしたら……!」
さわ子「私もちょっと様子を見に行ってくるわ!」
律「ん~、中学のときにだいじょぶだったし、今回も問題ねーって!
…なんだかんだで、強いところはあると思うんだ、澪って。
さ、このベース、集めようぜ」
紬「……あれ…澪ちゃんは!?」
唯「え、もう行っちゃったけど……」
紬「そ、そんなぁ~~!」ぷく~
唯「ど、どうしたの?」
紬「私も言いたかったぁ!」ウルウル
唯&律「何を?」
紬「励ましのことばぁっ!」
手ぶらの帰り道
トボ…トボ…
澪「…ノータリンの唯、仕切り屋の律、レズの、ムギ……」
澪「でも、本当におろかなの、私だよ。
誰よりも、誰よりも浅ましくてさ。だから、いじめられる。
こんなに陰湿で、臆病で、……ごめん、ごめん、みんな…」ポロポロ
澪「私は、こんなんじゃだめだ。…もう、生きていけない、こんな私」
澪「ありがとう…唯、律、ムギ」
――――
梓「~♪」シャー
梓「(あ~、自転車って日焼け跡に気持ちいい~)」
梓「…ん?」キッ
澪「……」ボー
梓「(うわ、綺麗だな、あの人…髪が濡れてて、夕日がそこに差し込んで…
まるで何かの物語りにでも…)」
澪「……ありがとう…」バシャッ!ザブザブ
梓「えっ?入水、し…」
澪「……」バシャ!!
梓「頭から突っ込んだっ!!???」
梓「ちょ、ちょっと待ってください!ああああぁ~!ながされないで~!」
ガシャッ、ダッ
澪「……ゲホッゲホッ!!…なんだよ、邪魔しないでくれ!」
梓「(こんな浅くて人がいっぱいいるところで死のうとかよく思えますね!)
とにかくこっちにきてくださいっ!!」
---
梓「…はい、タオルです」
澪「…いらない…」
梓「……なんであんなことしようとしたんです?辛いことでもあったんですか
(なんで私、人生相談みたいなことしてるんだろ…)」
澪「…学校でいじめられた…私が原因なんだよ。それに、私は仲間の悪口とか言ってる
ひどいやつだったのに、みんな、やさしくしてくれて…私…ダメな奴で…」
梓「……なんか話の筋道がよくわかんないですけど。
私は小学校の時!男子からゴキブリって呼ばれてたんですよ!?
こっちの方がずっとひどいですよ!!」プンプン
澪「ゴキブリ…?なんで、そんなにかわいいのに…」
梓「えっ!?/// …い、いや、今も絶対男子がどこかで言ってるはずです。
ツインテールが触覚に見えて、日焼け跡なんて…もうおぞましいから言いたくないですけど!」
梓「それに、自分が悪いって気づいてるんならそこをちゃんと直せばいいんです!
それでもいじめっ子がいるようなら、その人たちをシュッシュッ!
……って、一網打尽にやってやればいいんです! だから、元気だしてください」
澪「…でも、」 梓「(まだ何かあるんですか)」
澪「大切なベース…こわれちゃった…」
梓「! ベースですか!? ちょ、ちょっと今からうちにきてくださいっ」
梓の家
梓「じゃ、弾いて見てください」
澪「え…そんな…それにこれ…私弾けない…私、左利きだし…」
梓「あ、レフティーのもありますよ!待っててください」ダッ
澪「(逃げられそうに…ない……)」
梓「はい、じゃあ、弾いてみてください、適当でいいです」
澪「……(唯、律、ムギ…)……」
澪 スッ
♪♪♪♪♪
---…
澪「……ど、どう?」
梓「す、すごいです!とてもお上手です! どれくらい練習したんですか?」キラキラ
澪「ま、まだ半年も…」
梓「おぉっ! 上達、お早いんですね!」
澪「いや、やっぱり部員になった以上は頑張らないとって…それで…大事にして…」ウルッ…
梓「じゃあそれ、差し上げます」
澪「!?え、でも、それはダメだ! 手入れもされているし、弦もまだ新品だし、」
梓「いえ、それは親が『ベースがかわいそう』とか変なこといって、定期的に手入れしてるだけです。
それに、うちは左利きの家族がいないんです。
親も、本当は弾ける人にもらってほしいって、いっつも言ってましたし」
澪「でもそこまでは…」
梓「…じゃあ、私……あの、桜が丘高校ですよね?……私もじつは、そこに受験するつもりです。
合格して、入学したら、そのときに返していただけますか?」
澪「う…あ…うん…」
梓「(ふふっ)決まりですね!」
---
梓「じゃあ、また頑張ってくださいね。…さっきダメだ!って、強く言えたじゃないですか。
それくらいの勇気があったらだいじょぶです、ファイトです」
澪「…うん!ありがとう!」
---
梓「……綺麗だったな、あの人…って、ああっ、名前聞くの忘れた! …ま、いっか」
梓「(きっと来年、わかるもんね)」
よくあさ!
律「澪ー!おっすー!」
唯「ふたりとも~おっはよ~」
澪「あ、律、唯…おはよう」
律「今日の部活はみんなでベースを…あれ!?生き返った!?」
澪「こ、これは違う…借り物」
唯「え?誰にぃ?」
澪「え?えぇっと………来年、会えると思う」
唯&律「はぇ?」
澪「それと……それと……(カァァッ///)昨日はごめん、二人とも!!」ダッ!
律「あ、謝って…」 唯「逃げた…」
律「…捕獲するかー!」 唯「だねー!りっちゃーん!!」
ほうかご! 部室
律「し~っかし結局、今日はあいつらABCはなんにも言ってこなかったなぁ」もぐもぐ
唯「だねっ、私も臨戦態勢でちょう緊張したよ~」もぐもぐ
律「あれ、でも澪は?」もぐ…
唯「ん~とね~AちゃんBちゃんCちゃんと澪ちゃんで話し合いするって~」
律「…っておい!それ非常事態じゃねぇかぁ!」
唯「だぁいじょぶだよぉ♪さわちゃん先生がいっしょにいて話してるから~」
律「あっ、そう…じゃあ、澪のケーキは私のもんだっ」
唯「あぁっ!(ガーン)私が密かに狙ってたのにぃ!」
紬「…(私が斎藤に頼んでみんなに謝ってもらうようにするって、やらなくてもよかったのね…シュン)
…(ピッピッピ…Trrrrr...)あ、あの、もしもし斎藤?…実は昨日のはもういいの…」
澪「…」ガラッ
唯「澪ちゃん! …と、さわちゃん先生!」
さわ子「話を終えてきたわよ~あ、ごめ~ん私にもお茶~」
紬「はいどうぞ♪ 冷たいレモンティーです♪」
さわ子「ん~ありがと♪ (ゴクッゴクッ…)ぷはー!
…でね、まあ話し合いの結果、程度の差はあれど、澪ちゃんが悪いっていうところもあったから」
律「から?」
さわ子「お互いに謝ってもらって、それでそこでは終了」
唯&紬「お~」パチパチ 律「…ん?でも、『そこでは』っていうのは…?」
さわ子「そう…それが問題なの…」ギラッ! 澪「ヒィッ!!」
さわ子「少々、この子には教育が必要なのよ!その性根をかんっぺきなまでに正しく清くしてあげる!」
澪「ええっ、私はもう、…」
さわ子「つべこべ言うんじゃねェ!
その腐りきったタマゴみてーな濁った眼を洗い直してヤルァアアアアアア!!!
澪「ひぇええええええええええええええええ助けてくれみんなあああああああ」
唯&律&紬「ごしゅーしょーさまでーす」…チーン
ぶんかさい!
ハスキー唯「いよいよだね、澪ぢゃん」
澪「う、うん…クッ……(ちょ、唯おもしろい…)」
アナウンス「次は、軽音楽部によるーー」
澪「(…だめだ…緊張しすぎて逆におもしろいwwww)…プフ…」
唯「澪ちゃん。」 澪「…?」
唯「みんな、澪ちゃんが練習してたの、知ってるから」
律「そうだよ、澪」 澪「…!」
紬「澪ちゃん!」
澪「うん…(私は…)…スゥ…」
唯「澪ちゃん。絶対大丈夫だよ。がんばろ!」
律「1,2,3,4,1,2,3!」
--------放課後ティータイム「ふわふわ時間」--------
澪「君を見てると、いつもハートどきどき…♪」
おしまい!
最終更新:2011年10月03日 19:38